鳥たちの広場

[初夏の高原]

キビタキ サンショウクイ カタクリ
コガラ コサメビタキ コルリ
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初夏の高原。出来れば、ミズバショウの咲くころに、是非、一度訪れたいと長い間願ってきた。今回、長野県と新潟県の高原を訪れる機会に恵まれ、小雨降る中ではあったが、高原の花と鳥たちとの出会いを楽しんできた。

一番楽しみにしていたミズバショウは、やや時期が遅いかなという感があったが、リュウキンカと共に、そこそこミズバショウの群生を楽しむことが出来た。そのミズバショウの近くには、ニリンソウも静かにひっそりと咲いて明るさを添えている。そしてカタクリの紫もまた見事に調和した美しさであった。

高原では、やはり鳥たちとの出会いも大いに期待している。最初に出会ったのが、カワラヒワ、続いてコサメビタキ、アオジ、ゴジュウカラ、キセキレイ。ミソサザイは、元気よくさえずっている。スコープを構えた方が、見せてくださったのが、見事なクロツグミ。しかし、私の腕と機材では、手が届きそうにない。それでも、一瞬、ファインダーをよぎった黒い物体を確認できたときは、心が弾んだ。

ほどなくキビタキが現れた。ファインダー越しに見るとなかなか良い雰囲気。しかし、なぜかシャッターが切れない。モタモタしているうちにキビタキは、遠のき、次の機会を待った。 キビタキは、何回かチャンスを 与えてくれて何とかシャッターを押すことが出来た。

暗かった空からポツポツと雨が降り出した。このまま引き上げるのも残念なので、しばらく雨の中、様子を見ていると、サンショウクイが♂♀で現れ近くを飛び回り始めた。渡り途中の公園で出会いが叶わなかったサンショウクイを間近に見られることが出来たのは嬉しかった。その上、♀がしきりに羽を震わせ始めた。それは、ちょうどモズの求愛給餌を思い起こさせるシーンであった。

翌日も雨があがらず、雨の中の探鳥となった。この雨では、撮影は無理と思って諦めていたのだが、目の前に現れたコサメビタキに心動かされ差していた傘を手放し、夢中で手持ち撮影していた。ここで見たコサメビタキは2羽。多分、♂♀ではないかと思われる。雨でグショグショに濡れたコガラも近くに現れた。キビタキもかなり近くで何羽か観察することが出来た。雨の日は、人がいないので、探鳥のチャンスなのかもしれない。

コガラが飛んだ後を目で追っていると、遠くに1羽の小鳥が見えた。もしかしてという淡い期待でファインダーをのぞいてみると、期待通り、コルリであった。雨の日の出会い。暗い林の中が、一瞬、明るくなったような嬉しい出会いであった。天候には恵まれなかったが、鳥たちとの出会いを楽しみ、木々が芽吹き始めたばかりの林を散策し、鳥たちのさえずりに耳を傾けることが出来た。ご一緒させていただいた皆様に心から感謝の探鳥の旅であった。

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