鳥たちの広場

[2010年 新春の田んぼ]

淡いベージュ色を基調に水墨画風の渋い色合いが、落ち着いた雰囲気を作り上げている。その光景が、私の心を和ませ、新たなエネルギーを与えてくれる源になっている。新しい年を迎えても田んぼの景色が変わるわけではないのだが、飽きもせず、せっせと田んぼに通っている。

今シーズン、意外と出会いが少ないのが、タゲリ。もちろん何回か出会っているのだが、昨シーズンに比べれば、ずいぶん出会いの機会が少ないし、その数も多くはない。しかし、何故か、かなり近くで観察する機会が多い。

オオジュリンとカシラダカには、ずいぶん出会った。ひとつの田んぼでカシラダカが群れになって飛んでいるのを見たが、その数の多さに、ずいぶん驚いたものである。オオジュリンは、枯れ草の上にとまって、撮影のチャンスを何度も与えてくれるのだが、カシラダカは、すぐに枯れ草の中にもぐってしまう。タヒバリもまた、案外、警戒心が強く、車が近づくと飛んでしまう。ホオジロは、時々見かけるのだが、やはり車や人の気配を敏感に察知するようである。

群れで出会う機会が多いのは、スズメとカワラヒワである。スズメは、多い時には、500羽以上。カワラヒワは、100羽以上の群れを見たことがある。冬枯れの田んぼで、これほどまとまった数の小鳥の群れがいるということは、猛禽にとっては、狙い目の場所ということになるのであろう。

新春の田んぼで楽しみなのは、チョウゲンボウやノスリ、時には、コチョウゲンボウやチュウヒとの出会いである。チョウゲンボウは、ノスリに比べれば、体は小さいのに結構気が強い。確かにノスリの顔は、優しい顔立ちで、チョウゲンボウは、やんちゃ坊主という風情である。コチョゲンボウに出会う機会は少ないが、会えたときには、格別、嬉しいものである。

新春の田んぼ。まだまだ鳥たちとの出会いを楽しめそうである。