とりどり日記

[ 2009年 7月 ]

[写真はクリックすると大きくなります]

最新版はここをクリックしてください

2009/7/31 巣立ち雛

アオバズクの巣立ち雛

今年の夏は、どうも天候が不安定である。昨日のように真夏の日差しもあれば、今日のように小雨が降り、涼しい日もあったりで、何とも落ち着かない。その影響もあるのだろうか、アオバズクの巣立ちが、ところによって、ずいぶんまちまちのようである。

そのアオバズクの巣立ち雛に会いたいと、ずっと願っていたのだが、今日、やっと願いが叶った。到着したときには、高い高い木の上にいて、両親に囲まれて2羽の巣立ち雛は、後ろ向きであった。時間が経過していくと、流石に少しずつ動きがあって、振り返ってこちらを向いたり、伸びをしたりといろいろな仕草を見せてくれた。

やはり雛の仕草や表情は、可愛い。高い高い木の上の巣立ち雛を見つめすぎて、頸が痛くなってしまったが、また嬉しい思い出のアルバムが膨らんだ。

2009/7/30 思い出のひとこま

ホシガラス

梅雨明け宣言があった後、3日ほどして、またはっきりしないぐずついたお天気が続き、梅雨の戻りとか言われていたが、今日の日差しは、紛れもなく真夏。セミの声も一段と賑やかだ。不思議なことに夏休みに入ったはずの子供たちの姿をあまり見かけない。セミの声を聞くと、子供の頃の夏休みを思い出す。夏休みの宿題の絵日記には、よくセミが登場したものだった。

あまりに暑いと出かける気力も失せてくる。涼しい高原のイメージでも思い描きながら、何とか暑さを乗り切りたい。7月半ばに出かけた富士山五合目。流石に平地と違い、涼しさは抜群。私は、涼しさを通り越して、肌寒いくらいであった。

富士山五合目に行って何より嬉しいのは、平地では、なかなか出会えない鳥たちに会えることである。そのひとつがホシガラス。以前、訪れたとき、ホシガラスに会えた嬉しさで、足元を見ず、岩につまづいて怪我をしたことがあった。結局、あのとき、怪我をしただけで写真を撮ることは出来なかった。そのホシガラスが、目の前で水浴びまでしてくれた。暑い日には、思い出の鳥で涼を楽しみたい。

2009/7/29 群れ

メダイチドリ

朝は、少し雨が降ったが、だんだん明るくなってきた。迷った末、久しぶりに三番瀬に向かった。船橋駅からバスに乗り、三番瀬に到着する頃には、太陽が顔を出し、真夏の空模様。浜辺には、数人の若者の姿が見える。しかし鳥は、ウミネコばかり。

今日の三番瀬は、潮回りがあまり良くないという。しかし、折角、来たのだからと少し頑張る決心をした途端、オオソリハシシギ10羽の群れが飛んできた。ネットのすぐ近くのところなので、ちょっと遠いのだが、10羽の群れが見られると、やはり嬉しい。オオソリハシシギの次には、ダイゼンの姿が見えた。少しずつ干潟が出始めたころ、メダイチドリの群れが飛んできた。キョウジョシギ、トウネンの姿も見える。キアシシギは、ずいぶんたくさん姿を見かけた。一番警戒心が薄いのもキアシシギだったような気がする。

日差しが強く、海の水が、きらきらと光って、撮影は、極めて難しい状態であった。干潟では、鳥との距離も結構あるし、400mmでは、なかなか難しい。暑さも加わって、もうこれ以上頑張りようもなく、久しぶりに訪れた三番瀬を後にした。

2009/7/28 今日も田んぼ

ウズラシギ

はっきりしない空模様だったが、今日も田んぼに向かった。干潟の様子も気になるところだが、めっきり少なくなった休耕田を探しながら、シギたちとの出会いを楽しみに田んぼに向かうのが、ささやかな楽しみである。

今日は、いくつかの田んぼを回ってみた。最初に向かった田んぼでは、クサシギ、タカブシギ、イソシギ、コチドリを見ることが出来た。何と言ってもコチドリの数の多さに驚く。そのコチドリが2羽で向かい合い、何やら険しい雰囲気。どうもにらみ合っているような気配。次の瞬間、2羽がジャンプ。どうやら勝負は、引き分けとなったようだ。

次のところでは、遠くにアオアシシギ、タカブシギの姿が見えた。あまりに遠いのでここは、観察のみ。次の田んぼは、狭いところながら、以前、何度かヒバリシギに会っている。今日も淡い期待で立ち寄ってみたが、コチドリばかり。次に回ったところは、昨年、ずいぶん楽しませてもらったところだ。しかし、今年は、全く休耕田がない。先日、アオアシシギに出会った田んぼにも回ってみた。今日は、シギの姿は全くなく、カルガモばかり。

なかなかシギに会うのは、難しい。そう思いながら、最後の田んぼに向かう。草の中に、1羽のシギの姿が見えた。よくよく見れば、ウズラシギ。草の中に、もう1羽のウズラシギの姿が、見え隠れしている。やれやれ、やっとシギに会えた。

2009/7/27 嬉しい出会い

ツバメチドリ

お昼頃までは、お天気がまずまずの予報なので、少々、早起きして田んぼ巡りをすることにした。今日は、少し目先を変えて、稲敷市方面に足を伸ばしてみた。見渡す限り、田の緑が続き、何ともすがすがしい。今年は、どこに行っても、田んぼの緑が美しい。今まで、草が伸びていたところも稲田になり、緑、緑、緑の続く様は、見ていて本当に気持ちが良い。

ところが、鳥見をする身にとっては、いわゆる休耕田があって欲しい。そして水の入った田んぼを探しまわることになる。今日の一番のお目当ては、昨日、見られたというツバメチドリとの出会いである。ツバメチドリは、畑で見たことがあるので、あちこちの畑を見て回った。ところが、そう簡単に見つかるはずもなく、コチドリ、タカブシギ、クサシギ、ムナグロに出会ったので、残念だけれど引き上げようと思ったところ、何と目の前の田んぼに、ツバメチドリの姿を発見。

よくよく見れば、4羽のツバメチドリの姿が見える。昨日は、5羽いたそうなので、1羽は、どこへ行ったのかしらと、しばらく待ってみたが、とうとう残る1羽は、姿を見せてくれなかった。それにしても諦めて帰宅しようとしていたときの出会いは、何とも嬉しいものであった。

2009/7/26 ヒマワリ畑

向日葵畑のスズメ

昨日、今日と青空が広がり、すっかり夏らしい空模様。しかし、この日差しのもとでは、あまりに暑くて長い時間鳥を待つ気力は失せてくる。今日、買い物に出かけたところは、目の前に池が広がり、噴水が気持ちよさそうに、水しぶきをあげていた。その水しぶきのところにカワウが、涼を求めて近づいていく姿が、何とも微笑ましく、しばし暑さを忘れて見入ってしまった。

今の時期、あちこちでヒマワリを見かける。それは、民家の庭先だったり、農道に沿って数本咲いていたり、ヒマワリ畑と言えるほどの大きさだったり、いろいろである。「つみとり自由。もち帰りできます。」という心やさしい看板をかけてくださっている農園の方もおられるのだから、今のご時世に本当に驚く。

昨年までコスモス畑だったところに、久しぶりに訪ねてみると、今年は、一面のヒマワリ畑になっていた。こんなにも見事なヒマワリ畑を見たことがなかったので、嬉しくなって、あたりをぐるっと一回りしてみた。すると、スズメが、数羽飛んできて、ヒマワリ畑の中に姿が消えた。しばらく観察していたが、ヒマワリの花の上には、とまってくれそうもない。ヒマワリは、夏の日差しが、良く似合う花である。

2009/7/25 探鳥会のひとこま

コムクドリ

今日は、風は強かったものの久しぶりに綺麗な青空が広がった。午後、かなりゆっくり家を出て谷津干潟に向かった。今年は、例年よりかなり早く姿を見せたというコムクドリを一目見たいとずっと気にかけていたのだ。

南船橋駅で降り、谷津干潟を目指す。公園の東屋のところに行くと、カメラを持った方の姿が、7〜8名見える。もしかしてコムクドリが、もう見られるのかしらとあたりを見渡したが、一向にその気配がない。ほどなくして顔見知りの方が来られたので、様子を尋ねると、「もう少ししたら電線に飛んできますよ。それに今日は、コムクドリの探鳥会もあります。」とのこと。

探鳥会の申し込みは、センターで行うとのことだったので、申し込みの4時半までセンターで待つことにした。参加出来るのは、先着20名とのこと、時間になると列が出来た。コムクドリは人気者?実は、5時に門がしまって人がいなくなると、水浴びにやってくるという。しかし、レンジャーの方のお話では、ここ3日ほど群れが来なくなってしまったそうだ。

5時を回ると閉門になり、探鳥会が始まった。しかし、コムクドリは、飛んできてくれない。しばらくすると強風に大きく揺れる木の高いところにコムクドリの♀が1羽、♂が1羽、しがみつくようにしている姿が目に入った。結局、今日は、水浴びに現れてくれるコムクドリは、1羽もいなかった。

2009/7/24 田園風景

アオアシシギ

戻り梅雨。新聞では、そう報じている。梅雨明け宣言から3日ほど夏らしい日差しと暑さを感じたが、ここのところ、ぐずついたお天気が続き、昨日も今日も、晴れたり曇ったり雨が降ったりの気まぐれ模様。

今日もそんな天気の中、田んぼに向かった。昨日、あれほどたくさんいたカルガモも、今日は、ずいぶん少なくなっている。アマサギの群れも見あたらない。コチドリとハクセキレイだけは、元気の良い姿をあちこちで見かけた。

もう1箇所の田んぼに行ってみると、思いがけずアオアシシギ2羽の姿が見えた。同じ田んぼに、たくさんのカルガモがいる。そのカルガモと一緒に水田の中を行ったり来たり、熱心に採餌している。カルガモとカルガモの間に入ったアオアシシギは、ずいぶん小さく見える。突然、カルガモが飛び立った。そのカルガモの羽音に驚いたかのようにアオアシシギ2羽が飛び立ち、水田は、もぬけのから。

まだ見られるシギたちの姿は、少ないが、田んぼは、少しずつ、秋の渡りの色が漂い始めている。

2009/7/23 雨上がりの田んぼ

クサシギ

今朝は、雨が音立てて降り、午後には、青空さえ見えた。しかし、また雲が出てきて小雨がぱらついたりという気まぐれな空模様。雨があがったので、今日もまた田んぼ巡りに出かけた。

今日の田んぼは、雨で水位があがり、あれほどたくさんいたコチドリの姿が見えない。最初に草の間から顔を見せてくれたのが、タカブシギ。タカブシギも先日、たくさん見かけたのだが、なかなか見つからない。ようやく草の陰に3羽、固まっているタカブシギを発見。続いて遠くの草のところにクサシギ。いくつか田んぼを回っているうちに、先日、見かけたセイタカシギ4羽も確認出来た。

アマサギが20羽近く群れている田んぼもあった。カルガモの数は、おびただしいほどで、400羽以上はいるのではないかと思われた。そのカルガモが一斉に飛び立つと空が黒くなるほどである。チュウサギ、アオサギもよく見かけた。

一回りして元の田んぼに戻るとコチドリが次から次へと鳴きながら飛んできた。やれやれ一安心。コチドリをじっくり観察していると遠くにいる1羽の羽の色が違う。よくよく見るとトウネンである。今シーズン初めての出会いだ。ふと気がつくと、すぐ近くにクサシギがいる。こんなに近くていいのかしらと思うほど近い。今日も嬉しい出会いであった。

2009/7/22 小雨の中で(2)

セイタカシギ

昨日、田んぼで出会ったもうひとつのシギは、セイタカシギである。干潟で見る機会の多いセイタカシギだが、田んぼで出会うとまるで別の鳥のような印象を受ける。スラリとした長身のセイタカシギは、水の入った田んぼが良く似合う。昨年の4月訪れた与那国島では、早苗が揺れる田んぼでセイタカシギに出会った。水と緑がある風景にセイタカシギの黒と白と赤が、見事に調和して、とても美しかったのを鮮やかに覚えている。

昨日出会ったのは、成鳥2羽、幼鳥2羽であった。成鳥の1羽は、♂で濃いピンク色の長い足、嘴もすっと長く、背の青黒色がとても綺麗だった。幼鳥は、少し離れたところにいたが、その顔立ちに幼さを残し、草の茂ったところにじっとしている姿は、いとおしささえ感じた。

戻り梅雨のようで、また雨の日が続いているが、田んぼでシギたちに出会えると雨のうっとおしさも忘れ、心が弾んでくる。

2009/7/21 小雨の中で

ウズラシギ

小雨降る中を田んぼを一回り。田んぼによって稲の生育具合が、ずいぶん違う。それに田んぼの緑もいろいろで、青々とした緑もあれば、かなり黄色がかった緑もあり、しっとり濡れた田園風景をじっくり味わいながら、鳥たちとの出会いを楽しんできた。

一番驚いたのは、トラクターが田起こししているところに、ツバメが群れて飛び交っている姿である。トラクターが田起こししているところにアマサギが群れているのは、今まで何度も見たことはあるが、ツバメが、トラクターについて回る姿を見たのは、初めてである。何とか写真に収めたかったが、私には難関コースであった。

続いていくつかの水の入った田んぼを見て回ると、最初に目に付いたのが、ウズラシギであった。先日、コチドリやタカブシギには出会ったが、ウズラシギとの出会いは、何かとても新鮮で、いよいよ秋の渡りが始まったとの思いを強くし感慨深いものがあった。

2009/7/20 緑の中で

ケリ

昨日の探鳥会では、もうひとつの出会いがあった。東京近郊では、比較的珍しい、ケリとの出会いである。昨年、4月末に訪れた金沢の田んぼや富山の公園では、ケリの雛を初めて見る機会に恵まれ、私は、非常に嬉しくて、少々興奮気味であった。しかし、浜松から来られた方のお話では、「レンゲ畑の中で、レンゲの花と一緒に、ケリは、簡単に撮影できますよ。」と、いともあっさりとおっしゃり、レンズを向けることもなかった。関東では、決して珍しくないオナガが、関西の方には、珍しいように、所によって見られる鳥が、それほど違うものなのかしらと、しみじみ思ったものであった。

ケリは、飛ぶと、羽の色が、本当に綺麗だ。昨日も、何度か飛ぶところを観察できたが、写真は、すべて後ろ姿で、がっかりするようなものばかりであった。何より緑の中にいるケリの姿が、目に入った瞬間の嬉しさは、格別である。あの黄色い嘴、赤い目、緑の中で見るケリの姿は、暑さをひととき忘れさせてくれるものであった。

2009/7/19 探鳥会のひとこま

オオジシギ

久しぶりに探鳥会に参加した。8時に集合し、およそ3時間、田んぼを回った。今日は、いくぶん涼しくて、久しぶりにお会いした方々と和やかな雰囲気の探鳥会であった。

今日の一番のお目当ては、オオジシギ。高原で「ズビー ズビー」と鳴いて飛び回り、「ズビヤク ズビヤク」「ゴゴゴー」と羽音を立てていたオオジシギが、もう田んぼで見られているという。会えるかな?会えれば嬉しいのだが。

まず、どのような環境をオオジシギが好むかを教えていただく。それは、北海道などで見かける湿地のミニ版とでもいうような環境であった。あの長い嘴をずぼっと差し込めるような、柔らかい土があり、近くに水があるところ。だんだん環境についてわかってきた。ついにオオジシギが姿を現した。ひとりで田んぼを回っていると、タシギかオオジシギか、いつも悩むところだが、今日は、余計な心配は、まったく不要である。念願のオオジシギに会えて、嬉しい探鳥会となった。

2009/7/18 千鳥

コチドリ

山渓名前図鑑「野鳥の名前」によれば、「ちどり」の語源には、ふたつの説があるという。ひとつは、100羽、1000羽もの大きな群れになることから「千鳥」としたものと、もうひとつは、鳴き声に由来するもので「ち」が鳴き声を表し、これに「とり」がついたという説である。私は、前者の100羽、1000羽もの大きな群れになるから「千鳥」という説に共感を覚える。

先日、田んぼでたくさんのコチドリに会った。コチドリのあの目は、何とも可愛らしい。それにあの歩き方が、微笑ましくて大好きだ。鳥に関心を持ち始めて間もない頃、農道で出会ったコチドリが、一生懸命、偽傷行為をしていた。近くに雛がいたのであろう。コチドリに会うと、あの日のコチドリの懸命な姿が思い出され胸が熱くなる。

九十九里の海辺で出会ったシロチドリも、また可愛らしかった。「浜千鳥」の歌に歌われている千鳥は、銀の翼をもっているという。「ちどり」には、愛らしさだけでなく、何とも言えない物悲しさも合わせ持っているような気がしてならない。。

2009/7/17 田園風景

オオタカ

私は、四季折々の田園風景が好きで、特に鳥に出会えなくても、よく田んぼめぐりをしている。早苗が田風に揺れる春の田んぼも、青い青い空に入道雲がもくもく湧いて緑のじゅうたんが広がる夏の田んぼも、黄金色の稲穂が揺れる秋の田んぼも、冬枯れの寂しい田んぼも、それぞれ味があって心惹かれ、何度も何度も、私は、田んぼに足を運ぶ。

特に珍しい鳥でも出ない限り、田んぼは平和でのどかである。何より心安らぎ、心落ち着く場所として、私は、田んぼに出かける。先日、緑の風を満喫し、そろそろ引き上げようと思ったとき、遠くに何やら鳥がとまっているような気がした。よくよく見ると、オオタカのようだ。近づくことは、到底不可能なので、かなり距離はあったが、レンズを向けた。オオタカに出会うことは、滅多にないことだが、こんな出会いもあるから、私は、何度も何度も田んぼへ足を運ぶ。

2009/7/16 思い出のひとこま

ウソ

今日も暑い一日だった。先日、出かけた富士山五合目は、涼しくて、1枚羽織っても、ちょっと肌寒いような感じだったけれど、今日のように暑い日には、あの涼しさが恋しくなる。今は、たいていの建物は冷房完備で、ちょっと入れば、すっと汗がひくようだが、やはり人工の涼しさと天然の涼しさでは、快適さが違う。暑い夏を越し、涼風が吹き始めると、ちょっぴり寂しい感じもするけれど、ほっとして嬉しくなるのは、事実だ。

そのような訳で、今日は、あの日の水場の光景が目に浮かび、ウソが雌雄で一緒に現れてくれたときの場面を思い返していた。あの日、カメラマンの数が多かったので、いつもの場所を確保することが出来なかった。私の位置からは、見えない場面が多く、たくさんシャッター音がするたびに、無念の思いを抱いていたのだが、その逆の場面もあったようだ。ウソが雌雄で枝にとまったときは、周りは、結構静かであった。

冬になれば、出会う機会のあるウソであるが、やはり、この時期の出会いは嬉しい。暑さをひととき忘れさせてくれる水場の鳥たち。今日も水場は、カメラマンで賑わっていたのだろうか。

2009/7/15 久しぶりの出会い

タカブシギ

梅雨が明けた途端に、太陽の輝きが違う。夏の日差しとは、こういうものだったのだとしみじみ思う。窓から見える白い夾竹桃の花が、風に揺れ、近くの中学校の校庭で部活動をしている子供たちの元気な声が、風に乗って聞こえてくると、夏休みが近付いていることを実感する。夏は、明るくて開放的で心弾むイメージの季節である。

しかし森の中や、高原、木陰に入っての鳥見ならば、喜んで出かけたいのだが、この暑さを考えると、どうも腰が重くなる。昨日、回った田んぼで、思いがけずタカブシギに出会った。タカブシギは、いつでも簡単に会えると思っていたのだが、春の渡りのとき、何故かとうとう会えなかった。それ故、昨日、タカブシギを見かけたときには、格別の感慨を覚えたものである。最初、1羽、続いて3羽、すぐ近くの田んぼで4羽、逆光で見えにくかったが、近い位置で1羽。何と短時間に9羽ものタカブシギに出会うことが出来た。

かなり丹念に見て回ったつもりだが、見落としもあったかもしれない。これから田んぼに飛来するシギたち、今シーズンは、どんなシギたちに会えるだろうか。鳥に会えれば、暑さも忘れてしまうのだから、鳥たちの力は偉大である。

2009/7/14 ようこそ!

アオアシシギ

いよいよ梅雨明け。今日の日差しの何と眩しかったことだろう。これから暑さが本格的になり、日差しを遮るものがない戸外での鳥見や撮影は、なかなか大変である。そんな暑さの中、今日もまた田んぼを回ってきた。

その暑さの中でのご褒美とも言えるのが、アオアシシギとの出会いである。春の渡りのときには、アオアシシギにもコアオアシシギにも、とうとう会うことが出来なかった。水の入った休耕田にたった1羽のアオアシシギ。他にシギの姿はなく、周りの畦に、たくさんのカルガモが休んでいた。

もう少しすれば、秋の渡りが本格的になり、たくさんのシギ・チの姿が、田んぼで見られることを大いに期待している。鳥たちとの出会いが少なくなっていく昨今、シギたちの元気な姿を待ち望んでいる。もう1箇所の田んぼでは、たくさんのコチドリ、タカブシギの姿を確認することが出来た。

2009/7/13 小さな出会い

ヨシゴイ

「日本で見られるサギの中で一番小さいサギは?」と質問されたら、「コサギ」と答えてしまいそう。コサギの体長は、55〜65cm。しかしもっと身近にコサギより小さいサギの仲間がいた。その名はヨシゴイ。ヨシゴイの体長は、31〜38cmくらいである。

今の時期、田んぼや葦原で、比較的出会いの多いヨシゴイ。今日も運よく、ヨシゴイに出会う機会があった。朝、目覚めてカーテンを開けると朝日がまぶしいくらいである。昨日までの曇りがちの空模様とまったく違う。いよいよ梅雨明けかしらと思えるような空模様。暑くなりそうな予感がしたが、思い切って出かけることにした。

日差しは暑かったが、風が吹いて、何とも心地よい。しかし、葦原の葦は、風で大きく揺れて、飛んできたオオヨシキリも、たちまち飛び去ってしまう。葦原の上をツバメも気持ちよさそうに飛んでいく。葦原の中で、ちらちら見え隠れしているヨシゴイをじっと眺めていたのだが、一瞬、姿を見せてくれた。それは、ほんの一瞬の出来ごとだったけれど、何とも嬉しい出会いであった。

2009/7/12 菊戴

キクイタダキ

水場の人気者は、キクイタダキ。日本で見られる鳥の中で最も小さい鳥のひとつである。体長は約10cm、体重は5gほどという。冬の公園や松林で比較的、見る機会の多い鳥だが、その動きの速さと、針葉樹の上の方を動き回ることが多いことから、撮影は、なかなか困難である。

しかし、水場に現れるキクイタダキは、どちらかと言えば、見下ろすという形で観察できることから、比較的撮影もしやすく、自然、人気が高くなってくる。キクイタダキの名前の由来である「菊戴」、頭央部の黄色の羽毛を菊の花をいただいた状態に見立てたそうであるが、その菊の花に見える部分を実に良く観察できるのが水場なのである。

だが、ひとたび、水浴びをしてしまうと羽毛がグショグショになり、折角の可愛いキクイタダキが、何ともみすぼらしい姿に変身してしまう。昨日の水場で出会ったキクイタダキも、何とか水浴びする前に撮影したいと思うのだが、動きも速く、私の位置からは、死角になっていて無念の思いをすることが多かった。たくさん撮影したものの中から、何とか1枚残ったのが、この写真である。

また来年の課題が出来た。来年も水場に訪れる機会があれば嬉しいのだが。

2009/7/11 近すぎた出会い

ホシガラス

梅雨空のはっきりしないお天気が続き、たまに太陽が顔を出すものの、じっとり蒸し暑く、何とも気の晴れない日々を過ごしていた。6月は、何やかにやで鳥見もままならない日があり、ごくごく近場で、身近な鳥との出会いを楽しむのが精一杯であった。

今日、久しぶりに少々遠出をした。マイクロバスに揺られ、グループの方々と和気あいあい、楽しい鳥見をすることが出来た。次々に登場する鳥たちに目を輝かせ、新たなエネルギーを補給できたような気がする。

今日の出会いの中で、一番脚光を浴びたのは、ホシガラスであった。まさか今日、出会えるとは思っていなかっただけに嬉しさは格別である。あまりにも近すぎて300mmのレンズで何とか収まったという感じである。ホシガラスの羽の色が、金属光沢を帯び輝いているということを知ったのも、今日の出会いが近かったからに他ならない。今日の出会いに心から感謝している。

2009/7/10 素敵なお家を作ってね

オオヨシキリ

暑い一日だった。7月も三分の一を過ぎ、この暑さは、当たり前のことなのかもしれないが、暑さに弱い私には、このじっとりとした暑さが、どうも体にこたえて、とうとう鳥見に行き損ねてしまった。

田んぼ近くの葦原で、賑やかな歌声を披露していたオオヨシキリは、最近、すっかり声をひそめている。時たま「ギョギョシ ギョギョシ」の声はするものの姿は見えず、葦原の中に潜り込んで、まるで控室で発声練習でもしているような雰囲気である。

数日前、たまたま通りかかった葦原にオオヨシキリの姿があった。声はしなかったが、鳥との出会いが少ない日が続いているので、その存在感は、実に大きく、嬉しくなって立ち止った。良く見れば、巣材を集めているようである。一層、その姿がいとおしくなって、しばらく観察した後、レンズを向けた。あのオオヨシキリは、立派なマイホームが出来上がっただろうか。

2009/7/9 7月の田園風景

キジ

今日は、夏らしさを感じる暑い一日だった。太陽が顔を出した田んぼは、やはり暑い。しかし緑の田んぼを吹き抜ける風は、心地よく、しばし暑さを忘れさせてくれる。田んぼの緑の上を今日もツバメが、スーイスーイと飛んでいく。昨日、出会いの少なかったヒバリが、今日は、ずいぶん目に付いた。ヒバリの声もあちこちから聞こえてくる。飛ぶと羽の黄色が綺麗なカワラヒワもずいぶん見かけた。

田んぼで出会う機会の多いのがキジだが、今日も3組のキジの雌雄に出会った。最初に出会ったキジのカップルは、雄は堂々と畑の中を歩いていたが、雌が用心深く、草丈の低い草むらに上手に身を隠し、なかなか動かない。こちらも長期戦を覚悟でじっと待つ。しばらくして、ようやく雌が姿を現した。しかし、それもほんの一瞬。あっという間に飛んで、隣の田んぼに姿が消えた。雌が飛ぶのと、ほとんど同時くらいに雄も飛んで姿が消えた。折角の機会であったのだが、突然のことで、なかなか思うようには撮影できなかった。

2009/7/8 緑のじゅうたん

ツバメ

昨日、あれほど暑かったのに、今日はまた小雨が降り、しっとりとした一日となった。やはり今日も田んぼへ向かう。稲の緑が、日ごとに伸びて、田園風景は、雨の日でも爽やかだ。いつも賑やかに囀っていたヒバリが、今日は少ない。田んぼ近くの葦原で、元気いっぱい囀っていたオオヨシキリも、すっかり静かになって、今は子育てに専念しているのだろうか。

今日、一番見かけたのは、何といってもツバメ。緑の田んぼの上を、スーイスーイと元気いっぱい飛び回っている。農道の砂利道の上で休息しているツバメもたくさん見かけた。遠くから見ると、道路に黒い点のようになって、たくさんツバメが降りている。近づくと当然ながら飛んでしまうので、なかなか写真は撮れない。田んぼの上を飛んでいるツバメを撮りたいと、ずっとタイミングを見ていたのだが、これは、なかなか手強い。遠くを飛んでいるツバメをファインダーに入れ、近づいてくるまで追い続けるようにアドバイスをいただいたのだが、それが私には、至難の技なのである。近いうちにまたチャレンジしてみよう。

2009/7/7 嬉しい出会い

アマサギ

♪ 笹の葉 さらさら 軒端に揺れる お星さま きらきら 金銀 砂子
♪ 五色の短冊 わたしが書いた お星さま きらきら 空から見てる
                        ( 林 柳波 作詞 )

今日は七夕。久しぶりに太陽が顔を出し、青空も見えて夏らしい暑さになってきた。こどもの頃、七夕の朝には、里芋の葉の朝露を集めて墨をすり短冊に願い事を書いたものだった。今は、そのようなのんびりした暮らしをしている人は、いないのではないだろうか。

でもせめて心は、いつもゆったりと過ごしたいと時間の許すかぎり田んぼ巡りを続けている。今は、稲の緑が一面に広がって、田風が吹き抜けると身も心もすっきり爽やかになれる。でも今年は、鳥との出会いが少ない。アマサギにもなかなか出会えない。と昨日のとりどり日記に書いたところ知人が心配してくださり、アマサギの見られるところを教えてくださった。

早速、アマサギに会いに出かけてみた。いた!いた!アマサギが。チュウサギやゴイサギも見かけたが、ボサボサ頭のアマサギが、何と言っても目を引いて可愛らしい。太陽が顔を出し、じりじりと暑かったが、嬉しい出会いであった。

2009/7/6 雨の田園風景

ヒバリ

予報通り雨になった。あまり降らない朝のうちに、近くの田んぼに出かけることにした。田んぼの緑は、雨の日には、生き生きとして、その光景を眺めるだけで心落ち着く気がする。

それにしても、今年の田んぼは、鳥が少ない。今頃の時期には、アマサギの群れを見ることが出来たのだが、昨日、やっと1羽のアマサギの姿を確認することが出来た。ただ広々と青々とした稲田が広がるだけで、鳥の気配のない田園風景は、なんとも寂しい。

今日は、田んぼの傍の葦原にオオヨシキリがとまっているのが目に付いた。「ギョギョシ ギョギョシ」の声はせず、せっせと巣材を集めている様子であった。そのオオヨシキリを観察していると、すぐ近くにヒバリが飛んできた。いつもヒバリを見かけるのは、畦の上とか、麦を刈り取った後の畑とか土の上、草の中が多いのだが、今日は、ススキの穂のような高いところにとまり、囀り始めた。何とか背景に遠くの林を入れたいと苦心して小雨降る中の撮影となった。

誰もいない田んぼで、ヒバリをゆっくり撮影できるのは、なかなか良いものだ。こんな出会いがあるから雨の中でも田んぼ巡りを続けている。

2009/7/5 沼のほとり

クロハラアジサシ

沼のほとりは、四季折々、のどかでゆったりとした光景を繰り広げ、楽しませてくれる。今日は雨も降らず、格別、暑い日差しでもなさそうなので、久しぶりに沼のほとりを歩いてみた。

ついこの間まで、「ギョギョシ ギョギョシ」と賑やかな声をあたりに響かせていたオオヨシキリだが、今日は、幾分控え目、鳴き声が聞こえることは聞こえるのだが、ずいぶん数が減ったような印象がある。良く見ると、オオヨシキリの姿は、見えても鳴いていない。飛んできて葦にとまったオオヨシキリを観察していると、嘴に、何か虫をくわえている。子育て中のようだ。

今度は、少し高いところから沼を見下ろす。カイツブリが、キュルルルルと鳴いて岸辺の草むらに消えた。杭のところには、カワウが羽を広げ、ゆったりと休憩している。アオサギも飛んできて杭にとまった。前方から飛んできたのは、ヨシゴイ。手前の葦原に着地し姿が見えなくなった。

杭の近くをひらひらと飛んでいるのは、クロハラアジサシ。お腹の黒いのが、はっきり見える。時折、沼に急降下して魚をとっているようだ。嘴が、水面に突き刺さるように入った姿は、今まで見たことのない絵を見るようだった。

沼のほとりは、四季折々、のどかでゆったりとした光景を見せてくれる。

2009/7/4 記念写真

キジ

私が心安らぐと思えるのは、近くの田んぼをゆっくり回る時。それも雨がしとしと降っている日の田園風景が一番心落ち着くような気がする。そんな雨の日でも鳥たちとの出会いはある。一番出会いの多いのがキジ。続いてヒバリ、スズメ、ムクドリ、ハト。昨年までは、ダイサギ、チュウサギ、コサギ、アマサギ、アオサギなど、ずいぶんサギたちに出会う機会が多かったのだが、今年は、めったに姿を見かけない。

一番出会いの多いキジだが、雄だけだったり、雌雄だったり、雌と雛だったりする。キジの雌雄を見かけることは多いのだが、二羽が離れていたり、片方がそっぽを向いていたりで、二羽が仲良く並んだところには、なかなか出会わない。数日前、運良く、雌雄で並んでくれた。それは、記念写真でも撮影するような位置で二羽が並び、カメラを構えたこちらが、一瞬、緊張するというような状況であった。

こんな出会いがあるから、飽きずに田んぼめぐりを続けている。

2009/7/3 出会い

アジサシ

今朝、PCを開けると「お礼」と書かれた1通のメールが目にとまった。拙いホームページをご覧くださった方から頂いた嬉しいメールである。6月は、次々といろいろなことがあり、ホームページを一時、休止しようかと悩んだ日が、何日もあった。数日、更新を休んだ折、知人から私の健康を気遣う電話をいただいたこともあった。

電話に元気づけられ、メールに勇気づけられ、今、また頑張ろうという気持になっている。これも鳥たちに関心を持っていればこそである。6年前のこどもの日に9羽のコブハクチョウに出会い、いつしか野鳥との出会いを楽しむようになった。野鳥は、不思議な力を持っていると私は、常々思っている。

先日、九十九里の海岸で出会ったアジサシ。たくさんのアジサシが、波の中にザブンと入り、魚をとっていた。その潔い様を見ていると、何だか不思議な力が湧いてくるような気がする。野鳥との出会いに感謝しつつ、これからも過ごしていきたいと思う。

2009/7/2 ようこそ!

コジュリン

梅雨らしい空模様が続いている。今日も朝から降り続いていたが、久しぶりに近くの田んぼを回ってみた。雨の日は、人も車も少なくて、しっとり濡れた田の緑を十分に楽しむことが出来る。

田んぼを回り始めてほどなく、♪チョッピ チュリリリリ ピィッ♪という声を聞いたような気がした。もしかして聞き間違いだろうか。静かに耳を澄ますと、しばらく間をおいて確かに♪チョッピ チュリリリリ ピィッ♪というコジュリンの声が聞こえる。この田んぼで、今までにコジュリンに出会ったことはない。どこから聞こえてくるのだろう?あたりを見渡すと、畦の中ほどで、真っ黒な頭のコジュリンが囀っているのが見える。

コジュリンには、今まで何度も出会ったことはあるのだが、こんなに身近な田んぼで出会えるとは思っていなかっただけに、とても新鮮な気持ちで、その囀りに聞き惚れてしまった。雨が降っているし、少々距離もあって写真を撮るには厳しかったが、嬉しい出会いであった。

2009/7/1 三光鳥

サンコウチョウ

今日は、7月。もう1年の半分を過ぎてしまったことになる。半年の間に、ずいぶんいろいろな出来事があった。鳥との出会いも、一番身近な田んぼめぐりを中心に、身近な鳥たちとの出会いをずいぶん楽しむことが出来た。

雲が厚くどんよりしたお天気の日には、鳥見に出かける気力も湧かず、書棚から一冊の文庫本を引っ張り出して読みふけった。本の名は、「鳥が教えてくれた空」。もうこれで三度目になる。著者の三宮麻由子氏は、4歳のときに失明され全盲である。著者が、自然界を意識する原点となったのは、野鳥との出会いであり、「深い癒し」という言葉を最初に感じたのも、野鳥と出会ったときであったと述べている。

その書の中で、サンコウチョウを神秘の鳥、天女の化身と表現されている。私が、あの「フィチィー フィ ホイ ホイ ホイ」を初めて聞いたのは、神奈川県の山の中であった。暗い杉林で見かけることの多いこの鳥の独特の鳴き声は、不思議に明るい。 三宮麻由子氏は、その声は、聞くほどに、荘厳な雰囲気さえ漂ってくると述べ ている。

6月の半ば、森の中で出会ったサンコウチョウ。確かにあの長い尾をひらひらさせて優雅に飛ぶサンコウチョウの姿を目にした瞬間のあの緊張感は、他の鳥では味わうことのできない不思議な感覚である。

◇◇ これまでの 『とりどり日記』 ◇◇
2005年 1 - 2 3 - 4 5 - 6 7 - 8 9 - 10 11 - 12
2006年 1 - 2 3 - 4 5 - 6 7 - 8 9 - 10 11 - 12
2007年 1 - 2 3 - 4 5 - 6 7 - 8 9 - 10 11 - 12
2008年 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
2009年 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
戻る 九羽の白鳥 Home