九羽の白鳥 > とりどり日記(2010年6月) > 2010/6/12
キバシリに初めて出会ったのは、奥日光である。鳥に関心を持ち始めて、まだ日の浅いころ、無謀にもひとりでキバシリを探しに奥日光に出掛けた。ひとりで鳥を探すということが、どれほど大変なことか、当時の私には、考える余裕すらなかった。光徳牧場で降りて、鳥の声をたよりに歩き始めたが、よちよち歩きであった当時の私には、鳥の姿が目に入らない。セキレイらしい鳥が1羽、やっと視界に入った。帰りのバスの時間も気になり、とうとう成果のないままバス停で、ぼんやり待っていると、目の前の林にコゲラのような鳥が現れた。コゲラでも良いと必死にレンズを向ける。それが、何とキバシリであった。若葉の中でくるくると動き回るキバシリ。嬉しい出会いの瞬間であった。
その後、裏磐梯、北海道などでキバシリに出会う機会は、何度かあったが、あの日のように緑の中で撮影する機会には、恵まれない。今回、信州の高原で出会ったのは、キバシリの雛である。何とも可愛い姿で、必死に木を登っていく。この日の出会いも新鮮で忘れ難いものとなった。