九羽の白鳥 > とりどり日記(2010年6月) > 2010/6/23
「初夏の北海道」心惹かれる言葉である。鳥に関心を持つようになって、ことさら、初夏の北海道には、魅力を感じ、6月の声を聞くと、浮足立つ思いがする。今回、6月19日〜22日まで、大雪山を皮切りにサロベツを経て天売島を訪れる機会に恵まれた。天売島は、まだ一度も訪れたことがなく、ウトウの帰巣風景への期待は、大きかった。
初日の6月19日、羽田空港、千歳空港を経て、旭岳ロープウェー乗り場へと向かった。すでに時刻は、午後3時を回っており、鳥たちとの出会いへ少々不安がよぎっていたのは、正直な気持ちである。今年は、各地で初夏の訪れが遅く、旭岳は、かなり雪が残っていた。4年前の6月に旭岳を初めて訪れたとき、やはり雪が多く残っており、足元を気にしながら一心に第3展望台まで歩いた日のことが、懐かしく思い出される。
キバナシャクナゲ、チングルマ、エゾノツガザクラなど、大雪山の花を楽しみながら、お目当てのギンザンマシコの出現を待つ。ハイマツの下を歩いているというギンザンマシコ。運が良ければ、かなり近くで見ることが出来るのだが、この日は、少々手強かった。しかし、皆の念力が通じたのか、ハイマツのところに、あの真っ赤なギンザンマシコ♂と控えめな色合いの♀の姿が見えたとき、嬉しさが、じわじわと込み上げてきた。そして、これから始まる初夏の北海道での出会いに大きな希望が湧いてきたのも偽らざる気持ちである。