タイトル:九羽の白鳥 とりどり日記

九羽の白鳥 > とりどり日記(2010年7月) > 2010/7/1

[ ウトウ ]

ウトウ

ウトウ

2010/7/1 初夏の北海道

今回、初夏の北海道を訪れるにあたり、一番、期待の大きかったのは、天売島である。まだ見ぬ土地への憧れと、何よりウトウの帰巣風景をこの目で見ておきたいとの願望があったからである。

天売島での夕食は、海の幸が盛りだくさん。特にウニ、アワビは絶品。カニの姿が霞んでしまうほどの料理の数々。ゆっくり味わいたいが、夕刻からの予定の時間が迫っており、慌ただしく贅沢な夕食を済ませ、観光バスに乗り、ウトウウオッチングの赤岩展望台へと向かう。

正直申せば、魚を口いっぱい咥えて巣に戻って来たときのウトウの写真は、あまり好きにはなれなかった。私の眼には、親の愛情というより、グロテスクな光景を見ているという印象の方が強かったのである。

夕景の中、ウトウが群れとなって帰巣するシーン。その光景こそみたいと願っていた。しかし、あいにく、その日は、夕日がなく、写真で良く見かける夕景の中のウトウの帰巣シーンを見ることは、不可能であった。その代わり、ウトウの帰巣時間が早くなり、オオイタドリの下にあるウトウの巣に時速60キロというスピードで飛び込んでいく姿には、すっかり心を奪われてしまった。今まであまり好きではなかったウトウを愛しいと思えるようになったのも、今回の旅の大きな収穫であった。

九羽の白鳥