タイトル:九羽の白鳥 とりどり日記

2014/9/30 タマシギ

タマシギの画像

9月は、都合でフィールドに出られない日が多く、それに加えて、田んぼのシギ・チが低調だったこともあって、あの暑さの中、出会ったシギ・チを中心に思い出の記を綴ることとなった。

その出会いの中で、忘れられないのがタマシギである。不思議なことに、その出会いは、たった一度で、二度と出会うことがなかったのである。生い茂った草の間から、慎重に姿を見せたタマシギ。夏の暑さを忘れされてくれる一瞬であった。

2014/9/29 ヒバリシギ

ヒバリシギの画像

暑い夏の日に足繁く通った田んぼや蓮田。もちろんシギ・チとの出会いを期待して田んぼ回りをするのだが、賑やかなオオヨシキリの声を聞くだけで、シギ・チとの出会いが、叶わない日もある。

この日も、噴き出す汗を拭いながら回った蓮田では、スズメの姿をわずかに見掛けるだけであった。半ば諦め引き上げようとしたとき、目の前に姿を見せてくれたのが、ヒバリシギである。このような出会いがあるから、また田んぼへと足が向くのである。

2014/9/28 コジュリン

コジュリンの画像

秋の渡りのシギ・チが見られる頃、葦原や草原で姿を見掛けるのが、真っ黒頭のコジュリンである。♪チョッピッチュリリリリピッ♪田風に乗って、爽やかなこの声が響き渡ると、ひととき暑さを忘れることが出来る。暑さの中で、何度か出会いの機会があったが、今季は、♀との出会いが少なかった。寒さに向かってコジュリンに出会うこともあるのだから、一部の個体は、越冬しているようだ。今度、コジュリンに出会えるのは、何時になるだろう。

2014/9/27 ウズラシギ

ウズラシギの画像

暑かった夏の日に通った蓮田や田んぼ。蓮田では、緑の大きな葉が勢い良く伸び、実り豊かな稲田は、どこまでも、どこまでも続く。そのような環境で、シギ・チとの出会いは、望むべくもない。

この夏、出会ったシギ・チのほとんどは、田んぼではなく、干拓地に出来た水溜りであった。その水溜りで出会ったシギのひとつが、ウズラシギである。近くには、ツバメチドリも羽を休めていて、ウズラシギもゆったり過ごすことが出来たようだ。

2014/9/26 アオバズク

アオバズクの画像

青葉の頃に飛来するというアオバズク。樹洞で子育てをし、雛が巣立つと、あっという間に、見えないところに移動してしまう。アオバズクの巣立ちは、いつも暑さが本格的になる頃である。そろそろ巣立ちかなと思って出掛けた林で出会ったアオバズクの雛。今頃、南の国に向かって旅路を急いでいるだろうか。

2014/9/25 ツバメチドリ

ツバメチドリの画像

あの暑かった夏の日に出会ったツバメチドリ。何度か足を運び、6羽のツバメチドリを見ることが出来た。最初は、あまりに遠すぎて、その上、陽炎がたち、ぼんやりと姿を確認するのが精一杯であった。しかし、何度か足を運ぶうちに、比較的近くで観察する機会が巡って来た。この日のツバメチドリは、プルンと羽をふくらませて、何とも微笑ましい姿を見せてくれた。思い出のひとこまである。

2014/9/24 ケリ

ケリの画像

渡り途中のシギ・チに会いたくて、暑いさなか、何度も通った田んぼや蓮田。目的の田んぼに向かう途中、思いがけず出会ったのがケリである。決して珍しい鳥ではないが、真夏に会う機会は、少ない。寒さに向かう季節、近場の田んぼで出会うことはあるのだが、私にとっては、思いがけない場所で予期せぬ出会いであった。

2014/9/23 コアオアシシギ

コアオアシシギの画像

酷暑、猛暑と言われたあの夏の日に何度となく足を運んだ田んぼや蓮田。見渡すかぎり広がる稲田では、シギたちとの出会いもままならない。そのような中で、ようやく辿り着いた1枚の休耕田。そこでは、コアオアシシギが数羽、ゆったりと羽を休めていた。

静かで華奢なイメージのコアオアシシギ。私の好きなシギのひとつである。この日、近づいたり、遠ざかったり、しばし、その出会いを楽しむことが出来た。

2014/9/22 ツミ

ツミの画像

気持ち良く晴れ渡った青空。白い雲がひとつ、ぽっかりと浮かんでいる。リビングの窓をいっぱいに開けると爽やかな初秋の風が入ってくる。突然、静寂を破るように♪キィーキッキッキッ♪と聞き覚えのある声が聞こえて来た。夏の日に出会った以来、姿を見掛けることのなかったツミの声だ。

9月20日の白樺峠のタカの渡り速報によれば、サシバ2197、ハチクマ263、ノスリ11、ツミ9、その他となっている。ツミも、その時期を迎えて、別れの挨拶に来たのだろうか。渡りのピークは、ここ数日であろう。

2014/9/21 オオハシシギ

オオハシシギの画像

今日は、彼岸の入り。菩提寺の山門をくぐると紅梅、白梅があるが、その木の根元に彼岸花が咲いていた。秋の彼岸の頃から開花するので、その名があるという。燃えるような色合いの曼珠沙華は、夏から秋への季節の移ろいを感じさせるものがある。

あの夏の日に出会ったシギのひとつが、オオハシシギ。この日、複数のオオハシシギが、水溜りに降り立ち、ゆったり羽繕いをしたり、食事をしたり、憩いのひとときを過ごしていた。赤味を帯びた夏羽が、曇り空の中でも、明るさを感じさせてくれた。

2014/9/20 アオアシシギ

アオアシシギの画像

あの暑かった夏の日の名残りを思わせる朝顔が、ここ数日、1輪、また1輪と咲いている。普通の朝顔より、はるかに小さくて、見落としてしまいそうだが、遠慮がちに咲く、その姿に心打たれるものがある。

♪ピョーピョーピョー♪哀愁を帯びた声が田んぼに響き渡る。姿が見えなくても、その存在を知ることが出来るアオアシシギ。渡りの時期には、何度となく、その機会が巡ってくる。しかし、間近に見る機会は、案外少ない。この日出会ったアオアシシギは、あまりに近過ぎて、400mmレンズでは、苦労するほどであった。

2014/9/19 オグロシギ

オグロシギの画像

猛暑、酷暑と言われる日が続いたり、真夏とは思えない涼しい日もあったり、戸惑い気味の今年の夏であった。8月も終わりに近い小雨模様の日、蓮田で出会ったのは、オグロシギである。

例年、稲刈りが済んだ後の田んぼや収穫間際の蓮田に群れで姿を見せるオグロシギ。今季も群れで飛来していると聞いている。あの日出会ったオグロシギは、たった1羽であったが、今季の先陣であったのだろう。久しぶりに嬉しい出会いであった。

2014/9/18 オジロトウネン

オジロトウネンの画像

足繁く通った夏の日の田んぼ。一面緑色だった稲田が、夏の日をいっぱい浴びて、黄金色に変わっていく。休耕田がほとんど見られなくなり、シギたちとの出会いは、限られてしまったが、日々、変わりゆく田んぼの景色は、味わい深く、心に染み入るものがある。

オジロトウネンに出会ったのは、蓮田の片隅であった。その蓮田の奥まったところには、タカブシギやコアオアシシギなど見られたが、嬉しいことにオジロトウネンは、手前の実に見えやすいところに現れてくれた。その季節ごとに出会いを楽しみにしているオジロトウネン。コロコロとした体型が、微笑ましく思われた。

2014/9/17 ツバメチドリ

ツバメチドリの画像

夏の暑さが本格的になる前に、ツバメチドリに出会った。複数いるようだが、草に隠れて、なかなか姿を見せてくれない。成鳥と幼鳥といるらしい。何度か足を運ぶうちに、かなり近くで見られる機会が巡って来た。全部で6羽。皆、それぞれ思い思いに行動している。

そのうちの1羽が、水浴びを始めた。ツバメチドリの特徴である羽の内側の赤味を帯びた色が、時折、くっきり見えた。小雨が時折降り、暗い日であったが、思い出に残るひとこまである。

2014/9/16 タカブシギ

タカブシギの画像

暑い夏の日に出会ったシギたち。今頃、どうしているのだろうか。田んぼや蓮田に足繁く通い、何にも出会えなくて、がっかりしている時、惜しみなく姿を見せてくれたのが、タカブシギである。

この日も、蓮田で、ゆっくり姿を見せてくれたタカブシギ。気前良く、羽の内側も、はっきり見せてくれた。出会いの機会の多かったタカブシギだが、この日のこのシーンは、深く心に残っている。

2014/9/15 アオアシシギとトウネン

アオアシシギとトウネンの画像

からりと晴れ渡った青空。エゴノキは、黄色味を帯びた実を豊かに実らせ、ベランダのムラサキシキブは、日々、色を濃くしていく。どこまでも広がる青空には、秋の気配がいっぱい漂っている。

暑かった夏の日に出会ったシギたち。わずかな出会いを楽しみに田んぼや蓮田に何度、足を運んだことだろう。案外、出会いの機会が少なかったのがトウネン。そのトウネンがアオアシシギと一緒に姿を見せたことがあった。トウネンから見れば、ガリバーのような巨体のアオアシシギ。

ほんのひととき。トウネンとアオアシシギのほのぼのショットである。

2014/9/14 アカアシシギ

アカアシシギの画像

暑さの中で、何度か通った田んぼや蓮田。8月の末には、思いがけず涼しい日も何日かあったが、渡り途中のシギ・チに会いたくて、足を運んだ夏の日が、今では懐かしい。

心に残るシギのひとつが、アカアシシギ。ツバメチドリが見られた水溜りで、見掛けたことはあったが、8月の終わりに近い小雨の日、蓮田の奥で、久しぶりにその姿を見た。かなり熱心に食事中。旅立ち前の蓄えだったのだろうか。あの日の姿が、目に浮かぶ。

2014/9/13 ヒメアマツバメ

ヒメアマツバメの画像

コシアカツバメに出会ったところで、ヒメアマツバメも飛んでいた。その飛び方の速いこと、速いこと。ビューと飛んで、あっという間に巣に入ってしまう。コシアカツバメは、手の届きそうなところを何度も飛んでくれたが、ヒメアマツバメの姿を見るのは、ほんの一瞬である。

そのヒメアマツバメが、巣のところに少しの間、とまってくれたことがあった。何とも幸運なことであった。

2014/9/12 コシアカツバメ

コシアカツバメの画像

青空が広がる夏の日。久しぶりに出会ったのは、コシアカツバメ。今まで、何度か訪れたことのある場所だったが、夏の暑さが本格的になる前ばかりであった。真夏の太陽が輝く中を颯爽と飛ぶコシアカツバメは、何とも清々しい。手の届きそうなところをサッと飛んで行く。今頃、どこを飛んでいるのだろう?

2014/9/11 ヒバリシギ

ヒバリシギの画像

ベランダから見えるエゴノキで、バサッバサッを音がする。黄色味を帯びた実がたくさんついているエゴノキにキジバトがやって来て、その実を啄んでいるようだ。蝉の声も何時しか遠のき、日が落ちれば、虫の声が聞こえてくる。

あの暑かった夏の日、蓮田で出会ったのは、2羽のヒバリシギ。2羽が付かず離れず、適度な距離で歩く姿が微笑ましい。出会いの機会は、何度かあるが、その折々、その姿に心癒される思いがする。

2014/9/10 バン

バンの画像

ベランダのムラサキシキブが、今までになく色鮮やかに見えるのは、8月から9月にかけての気温の影響であろうか。秋の季語である朝顔も今頃になって、ぐんぐん伸び、花芽をつけている。

田んぼでときどき出会うバン。結構、警戒心があり、余程注意深く接近しないと、すぐに稲田に身を隠してしまう。この日出会ったバンは、あまりに近すぎて撮影に苦労するほどであった。色合いは、地味だが、ほのぼのとした感じが好きである。

2014/9/9 ゴイサギ

ゴイサギの画像

黄金色に輝いていた稲田も収穫が進み、刈田が多く見られるようになっていることだろう。その刈田にゴイサギが1羽降り立った。何の鳥にも会えなくて、がっかりしている時、不意に飛んで来て刈田に降り立ったのだ。まだ若いゴイサギ。ホシゴイと呼ばれている。羽の斑が、星のように見えるからその名があるという。漢字では、星五位。字から想像するイメージと、少し違うような気もするのだが。

2014/9/8 コチドリ

コチドリの画像

♪ピピピピュー♪田んぼにこの声が響き渡ると春の訪れを実感する。四季折々シギ・チとの出会いを楽しみに訪ねる田んぼ。賑やかに鳴きながら飛び回っていた初夏。農道で田んぼの畦で、時には、蓮田での出会いもある。秋の渡りが始まる頃、真っ先に姿を見せてくれるのが、コチドリだ。あの愛くるしい顔で、「春の渡りがはじまるよ!」「秋の渡りがはじまるよ!」と告げている。田んぼには、無くてはならない鳥のひとつである。

2014/9/7 アマサギ

アマサギの画像

収穫作業の進んでいる稲田で、良く見掛けるのが、アマサギ、チュウサギ、ダイサギである。これらのサギは、コンバインの後をついていく。特にアマサギは、警戒心が薄いのか、幼子が母親の後を追いかけるように、コンバインの後を嬉しそうについていく。アオサギは、田んぼで見掛けることは、非常に多いが、コンバインの後をついていくのを見たことがない。ある本にアオサギは、「ノミの心臓」と載っていた。それほど警戒心が強いということなのだろう。

2014/9/6 カワラヒワ

カワラヒワの画像

1年を通して、田んぼで見られる機会が多い鳥は、スズメ、ヒバリ、カワラヒワだろうか。スズメは、多い時には、100羽以上もの群れで、刈田から舞い上がることがある。新米が程よい時期を見計らって稲穂にとまって啄んでいる。

カワラヒワも多いときには、100羽近くの群れが、電線にとまっているのを見たことがある。鳥の少ない暑い季節。カワラヒワに出会えるとほっとする。

2014/9/5 キジ

キジの画像

四季折々、田んぼ回りをしているが、何と言ってもシギ・チとの出会いが、一番楽しみである。しかし、こればかりは、思うようにはいかず、わずかの時間差で出会えないこともある。そのような時、救世主のように現れるのが、キジである。特に春から夏にかけての田んぼでは、キジとの出会いが多い。

今日の画像は、8月の田んぼで出会ったキジだが、♂♀仲良く、並んでくれた。田んぼの思い出のひとこまである。

2014/9/4 コジュリン

コジュリンの画像

田んぼは、順調に収穫が進み、黄金色に輝く稲田が、殺風景な刈田へと変わっていく。この刈田も、二番穂が出れば、日々、緑の色を濃くして、ぐんぐん勢いを増してくることだろう。

収穫前の田んぼ近くで、出会ったのは、コジュリン。♪チョッピッチュリリリリピッ♪黄金色の稲田を背景に、この声を聞くのは、初めてのような気がずる。コジュリンの声は、暑さを過ぎると、ちょっぴり、寂しい感じに聞こえてくる。

2014/9/3 タカブシギ

タカブシギの画像

予報では、曇りのち晴れであったが、太陽が久しぶりに顔を見せ、明るい日差しを辺り一面に降り注いでいる。ここしばらく出掛けられなかったので、思い切って田んぼに足を運んでみた。

聞くところに寄ると、長く降り続いた雨で、水位が上がり、シギたちの居場所がなくなって姿が見えないと言う。半信半疑で出掛けてみたのだが、あまりの少なさに驚くばかりであった。

最後に出会ったタカブシギとコチドリが、何とか慰めてくれた。

2014/9/2 オジロトウネン

オジロトウネンの画像

田んぼは、日々、刈田が多くなっていく。黄金色に輝いていた稲田に、コンバインが入り、収穫が順調に進んで行く。その稲田をツバメが飛び交ったり、アマサギやチュウサギ、ダイサギなどが群れたり、風景が、日々変わっていく。

刈田近くの水溜りで出会ったのは、オジロトウネン。たった1羽で、熱心に食事中。渡りの途中に、ほんのひととき。居心地は、どうなのだろう。近くには、カワラヒワが数羽飛んで来た。田んぼは、秋の色が濃くなっていく。

2014/9/1 アオアシシギ

アオアシシギの画像

今日は、長月。8月の後半は、思いがけない涼しさを体験し、あの猛暑は、どこへと思ったものだったが、「暑さ寒さも彼岸まで」のことわざ通り、また、暑さが戻ってくることだろう。とは言え、9月に入ると、蝉の声もずいぶん弱まり、そこかしこに秋の気配を感じるようになる。

田んぼで出会うアオアシシギの♪ピョピョピョ♪ピョピョピョ♪の声は、何とも物悲しく秋の訪れを感じさせるものである。黄金色に輝いていた稲田も、収穫が進み、刈田が多くなってきた。田んぼは、日毎に秋の色が濃くなっていく。