タイトル:九羽の白鳥 とりどり日記

[ 水無月の信州 ]

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久しぶりに訪れた高原は、白い大輪のヤマシャクヤクが出迎えてくれた。木道沿いに歩を進めると緑の葉が辺りを覆い、深い森の中に入り込んだような錯覚を覚える。これほど緑の濃い時期に訪れるのは、初めてで、ちょっと戸惑う。エゾハルゼミが賑やかに鳴き、時折、聞こえる鳥の声は、かき消されてしまいそうだ。

最初に出会ったのは、キビタキ。口いっぱいに青虫を咥えていたので子育て真っ最中なのであろう。忙しそうに飛んで来たのは、アカゲラ。木肌に嘴を突っ込んで、虫を探しているのだろうか。コサメビタキの子育て風景にも出会った。コサメビタキの巣は、まるで木に出来たコブのようだ。ニュウナイスズメは、巣材を運び、マイホームづくりの真っ最中。

一番出会いが多かったのが、ノジコ。白いアイリングが印象的だ。初夏の高原では、アオジとノジコに出会う機会が多いが、姿がはっきり見えない時は、鳴き声だけが頼りだ。今回教えて頂いた聞きなしは、「信州そば、とろろ」この地で囀るノジコの声は、忘れ難いものとなった。