タイトル:九羽の白鳥 とりどり日記

[ 2016年の出会い ]

  • オオハクチョウ
  • オオハクチョウ Whooper Swan
  • 太陽が、わずかに傾きかけた頃から、マガンやヒシクイが竿になり、鍵になってねぐらへの道を急ぎます。少し間を置いて飛んで来たのは、オオハクチョウ。その姿は、太陽の光を浴びて金の鳥のように見えます。あのオオハクチョウが、太陽の前を飛んでくれますように。そう心の中で念じました。その願いが通じたようです。4羽のオオハクチョウが、太陽の前を通過します。その姿は、まるで火の鳥のように美しく輝いて見えました。
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  • エナガ
  • エナガ Long-tailed Tit
  • まだ雪の残る高原で出会ったのは、エナガ。♪ジュリジュリジュリ♪と遠くでエナガの声がしていたのですが、その声がどんどん近づいて来ました。しかし、目の前にある建物が視界を遮ります。ぐるっと遠回りをしてみると何とエナガが目の前。あまりに近すぎてどうすることも出来ません。2羽のエナガは、警戒する様子もなく、優しい視線をこちらに向けます。後ろに下がることも出来ず、何とか撮れた1枚です。
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  • スズメ
  • スズメ Eurasian Tree Sparrow
  • 誰からも親しまれ馴染みのある鳥は、スズメではないでしょうか。春先、優しいピンクの花が一面に咲き誇るレンゲ畑で2羽のスズメに出会いました。時折、数羽のスズメがレンゲ畑から飛び立つのですが、すぐにまたレンゲ畑に降りてしまい姿が見えなくなってしまいます。この2羽のスズメは、ちょうど良いお休みどころを見つけたようです。2羽で右を向いたり左を向いたりしていましたが、ほんのひととき2羽で向き合ってくれました。早春の散歩道でのひとこまです。
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  • ニシオジロビタキ
  • ニシオジロビタキ Red-breasted Flycatcher
  • 枝垂れ桜の美しい時期にニシオジロビタキに出会うことが出来ました。紅梅や白梅にとまったニシオジロビタキは、数回見ていたのですが、枝垂れ桜の中で見るニシオジロビタキは、いっそう愛らしく見え、心和むものがありました。独特の地鳴きからさえずりに近い鳴き方に変わり、尾羽をピーンと上げて「もうすぐ帰るよ。」と挨拶しているようにも見えました。辺りは、春爛漫。やわらかい春の日差しが、ニシオジロビタキを包み、心地よい風が、そっと吹き抜けて行きました。
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  • エリマキシギ
  • エリマキシギ Ruff
  • 春の渡り、秋の渡り。田んぼや蓮田で見られるシギ・チを求めて何度も何度も足を運びます。この春、嬉しい出会いがありました。私の大好きなエリマキシギに会うことが出来たのです。それも♂♀数個体。特にエリマキシギ♂の1羽は、夏羽に変身していく様子を見せてくれました。胸元のふさふさの黒い襟巻き。何ともエレガントな装いです。この1羽のエリマキシギで、蓮田は華やぎました。もう少し滞在して欲しいと願っていたのですが、5月のある朝、蓮田を訪ねてみると、その姿はありませんでした。
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  • フクロウ
  • フクロウ Ural Owl
  • 森の中から低い低い声が聞こえて来ます。静かに静かに、そっと歩きます。その声の主は、フクロウ。フクロウの親鳥の声です。辺りは、うっそうと木々が生い茂り、巣立って間もないフクロウが、どこにいるのか、すぐには分かりません。こんもりした葉の間に白っぽいものが見えました。いました!フクロウの巣立ち雛です。初めて見る世界に、ちょっと戸惑っているようです。白くフワフワのフクロウ巣立ち雛。つぶらな瞳が心に残る森の中の出会いです。
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  • タマシギ
  • タマシギ Greater Painted Snipe
  • シギ・チを求めて出掛けた田んぼ。草陰から姿を見せたのは、タマシギのカップル。♀が先導し、♂が寄り添うように後に続いて歩を進めます。ゆっくりゆったり、その姿を見ていると心が和んできます。タマシギの♂に出会う機会は、比較的多いのですが、タマシギ♀には、あまり出会うことがありません。鳥は、普通、♂の方が綺麗で目立つことが多いのですが、タマシギは、♀の方があでやかに見えます。それ故、♀の方が、人気があるようです。思いがけず出会ったタマシギのカップル。嬉しい出会いのひとこまです。
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  • ツミ
  • ツミ Japanese Sparrowhawk
  • 春先、林の奥の方から、♪キィキィッキィッキィッキィ♪と聞こえて来るのは、ツミの声。ソメイヨシノがほころび始める頃、近隣の公園でも、その声を聞くことがあります。子育てのために毎年、姿を見せでくれるツミ。今年も無事に雛が孵り、元気な若鳥の姿を見ることが出来ました。緑の色が濃くなる頃、ツミの若は、元気に林の中を飛び回るようになります。たくましく育ったツミ。来年もまた、元気な姿を見せて欲しいものです。
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  • ツツドリ
  • ツツドリ Oriental Cuckoo
  • 夏の暑さが峠を越した頃、近隣の公園で、ツツドリの姿を良く見かけるようになります。ツツドリは、桜の葉についた毛虫が大好物。その毛虫を求めて、ソメイヨシノの枝から枝へと飛び回ります。春の渡りでは、♪ポポッポポッ♪という声をたよりに探すことになるのですが、出会いの機会は少なく、やはり秋の渡りの頃が、ツツドリを見る絶好のチャンスということになります。毛虫は、苦手ですが、ツツドリには会いたい。そんな思いで近隣の公園に足を運ぶことになります。
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  • エゾビタキ
  • エゾビタキ Grey-Streaked Flycatcher
  • ヒタキ三兄弟。エゾビタキ、コサメビタキ、サメビタキ。数年前までは、秋の渡りの頃になると近隣の公園で、良く見かけたものです。特にエゾビタキは、葉を落とした桜の木のまわりを飛び回って楽しませてくれました。今年は、エゾビタキには、度々会う機会がありましたが、コサメビタキとサメビタキには、残念ながら出会いの機会がありませんでした。このエゾビタキは、朝早く訪れた公園で、ゆっくりまったりその姿を見せてくれたのです。深まりゆく秋を楽しんでいるようなエゾビタキ。この公園が余程気に入ったのでしょうか。落ち着いた姿が印象的でした。
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  • タゲリ
  • タゲリ Northern Lapwing
  • 秋が深まり、そろそろ田んぼにタゲリの姿が見られるかもしれない。そんな思いでいつもの田んぼフィールドに出掛けてみました。居ました!予想は、見事に的中。田んぼには、二番穂の緑が、まだわずかに残っていたのです。その緑の間から、タゲリの姿が見えた時は、嬉しくて胸が弾みました。よくよく見るとタゲリは、30羽ほどいるようです。二番穂の陰に隠れて見えなかったり、遠すぎたり、色々ですが、タゲリの群れに会えたのです。そのタゲリが、何かに驚いて飛び立ちました。ひとつの群れが、ちょうど円のようになって飛びました。田んぼでは、色々な出会いが待っています。
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  • オシドリ
  • オシドリ Mandarin Duck
  • 秋が深まり、寒さを感じ始めると会いたくなるのが、オシドリです。以前は、オシドリに会いたくて都内の庭園に出掛けたものでした。しかし、馴染みの公園で見られることが分かり、出掛けてみるとタイミング良く、オシドリのカップルに会うことが出来たのです。晩秋の光が差し込んで、湖面は、金色に輝いているようにも見えました。オシドリの銀杏羽にも地味なオシドリ♀にも深まりゆく秋の日差しが降り注ぎ、優しい1枚が撮れました。思い出に残るひとこまです。