思い出の鳥たち

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[春の粟島 (4)]

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粟島行きの高速船が、欠航したため、初日の4月29日は、村上駅近くのホテルに宿泊することになった。ホテルで持参したお弁当を食べた後、タクシーで村上城址公園に向かった。

村上城址公園の山頂からは、市内を一望出来、遠くは、佐渡ヶ島まで見渡すことが出来るという。私たちが訪れた4月29日は、雨が多少ぱらつく暗い日であったが、春を告げるソメイヨシノが、ちょうど見ごろで、美しい自然を楽しむことが、出来た。山頂に登って行く道にも桜が植えてあり、花見をしながら散策が楽しめ、市民の憩いの場になっている。家族連れ、中学生や高校生、グループなど次々に訪れる人たちで城址公園は、賑わっていた。

城址公園で最初に出会ったのが、コゲラ。桜の花を見上げるようにして、一心に木をつつき、しばらくして新緑の木々の間に吸い込まれるように姿を消した。山頂近くでは、ヤマガラ、ビンズイ、カワラヒワに出会った。イカルも鳴いていたが、姿を確認することが出来なかった。公園の入り口近くまで戻ってみると、草のところから、黄色と黒の鳥が飛んだ。すぐに姿が消えてしまったが、もしかしてキビタキかもしれない。そう思うと胸が高鳴った。何故なら、今シーズン、まだキビタキに出会えていなかったからである。

桜の木のところには、2羽のシジュウカラが、頻繁に姿を見せてくれた。そのシジュウカラを観察していると、目の前の木にとまった鳥がいる。キビタキだった。先程、見た鳥は、やはりキビタキだったのだ。嬉しかった。雨が降った後で、かなり暗かったが、心が晴れて明るくなった。生垣の中では、ウグイスが見え隠れしている。センダイムシクイの声とビンズイの声が聞こえてきた。ビンズイは、何羽も姿を見たが、センダイムシクイは、1羽だけ。 探鳥時間は、短かったが、ささやかな鳥たちとの出会いを楽しむことが出来た。

昨年、体調を崩し、遠征はもちろん、鳥撮りもやめなければならないかもしれないと暗い気持ちで過ごした日々。今回の遠征も、多少の不安があったが、背中を押してくれた夫に心から感謝している。2泊3日の短い旅であったが、ご一緒させていただいた皆様が、とても気持ちの良い方ばかりで、心に残る思い出の旅となった。

九羽の白鳥