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2月16日〜19日まで、真冬の道東を訪れ、鳥たちとの出会いを楽しんできた。暖冬とは言え、やはり北の大地は、さすがに寒い。日暮れ時になると、急激に温度が下がってくるのが、体の芯まで伝わってくる。それでも北国への思いを募らせる魅力は、何なのだろう?
羽田をお昼過ぎにたって、女満別空港に到着したのが、午後2時を回っていた。空港に出迎えてくれたドライバーが、何と女性であったのには驚き、戸惑いを隠せなかった。しかし、後に、彼女がドライバー歴14年という大ベテランと知って、4日間の行程の随所に見せてくれた気配りに感謝の思いを新たにしている。
最初に訪れたのが、濤沸湖。ここは、白鳥公園として観光客も多く、訪れるところである。湖のほとんどが結氷し、わずかに水面の見えるところに、カモやハクチョウがひしめき合っている。いつもは、遠くにしか見ることの出来ないホオジロガモが、あまりに近すぎ、400mmのレンズでは、どのように撮っても大きすぎて苦労した。結氷した湖面には、カモメやユリカモメ、オオハクチョウが休んでいる。遠くにキタキツネが、歩いている姿が見えた。雪を抱いた山並みを背景に歩くその姿は、まるでメルヘンの世界を見ているようであった。
その夜、雪の中のシマフクロウにも会った。シマフクロウには、今まで何度か出会う機会はあったのだが、真冬に出会ったのは、今回が初めてである。正直申せば、シマフクロウの撮影には、あまり気乗りがしていなかったのだが、この日、何度も何度も姿を見せてくれたシマフクロウを見ていると、いつの間にか、撮影に夢中になっている自分の姿があった。
翌朝、宿の外に出てみると、雪が舞っている。その雪の中から「カポン カポン」という乾いた声が聞こえてきた。ワタリガラス。初めての出会いである。枯れ木にとまっていたワタリガラスが「カララララ カララララ」と鳴きながら飛び、しばらくすると今度は、オオワシが飛んで来た。嬉しい出会いが待っていてくれそうな、寒い朝であった。
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