室蘭は、渡りの鳥の重要な中継地である。渡りの鳥たちは、気象条件が揃うのを待って室蘭の岬から飛び立っていく。ノスリ、ハイタカ、オオタカ、チゴハヤブサ、ハチクマなどの猛禽の他にヒヨドリ、ヒガラ、マヒワ、ニュウナイスズメ、シジュウカラ、メジロなどの小鳥も渡っていく。 |
2年前に室蘭の岬を訪れたときは、ヒヨドリの群れが海上すれすれに飛び、沖に出た頃、ハヤブサがその群れの中に飛び込んでいく場面に出会った。あれが渡りの鳥たちの現実なのだと胸が痛くなったものだった。今回は、渡りの鳥たちを見る場面が少なくヒヨドリの群れにも出会うことがなかった。 |
岬の近くの林には、ベニマシコがたくさんいた。林の中にすぐ姿を隠してしまって写真を撮ることは出来なかったが渡りの時を待っているのがわかった。ヒガラもたくさん見かけた。カシラダカやメジロ、シジュウカラも岬の林で出会った。意外な出会いは、キクイタダキとムギマキである。ほんの一瞬の出会いであったが、その姿を見られただけでも幸運だったようだ。 |
マヒワは、早朝、群れになって渡っていくのを見た。ニュウナイスズメは、ノスリが何羽も飛ぶようになった頃、群れになって渡っていった。 |
どんな試練が待ち受けているかわからない渡りの鳥達。メジロやマヒワやニュウナイスズメなど、あんなに小さな体で渡っていく。数日前に近くの公園で出会ったマヒワの群れ。あのマヒワも、はるばる北の大地から渡ってきたものであろうか。鳥達との出会いに一層熱いものを覚える。 |