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田んぼでは、ヒバリのさえずりが聞こえていた。新芽で若緑色に染まった田んぼには、タヒバリ、ホオジロ、ハクセキレイ、ツグミ、スズメ、カワラヒワの姿が見えた。カワラヒワは、群れで30~50羽。1本の木には、100羽は優に超えると思われるスズメがとまって、大合唱を披露していた。ツグミは、あちこちで見られ、飛ぶと赤褐色の羽が、美しい。
土手の方から、地面すれすれに飛んで、姿が見えなくなったのは、どうもチュウヒのようだ。これまで、何度も飛んでいる姿を目にしているのだが、写真は、いつもピンボケばかり。しばらく田んぼを回ってみると前方の畦に猛禽らしい後姿が見えた。少し近づいてファインダー越しに見ると、チュウヒらしい。飛んでいる姿しか見たことがないので、一瞬、心臓がドッキンとなった。
この鳥の姿を初めて見たのは、昨年12月、ホオアカを撮影しているときである。スズメの群れの中に、突然、猛禽が突っ込んできたのだ。今まで見たこともない光景であった。この鳥を私は、変わったチュウヒと思っていた。ところが、その鳥は、実はウスハイイロチュウヒ(Pallid Harrier) ♂若(第1回冬羽)であり、日本に初飛来の鳥であることがわかった。後に、いつも馴染みのフィールドが、たくさんのバーダーで賑わうことになるとは、そのとき想像することが出来なかった。
今、ようやく静かになった馴染みのフィールド。ウスハイイロチュウヒの無事を祈りつつ「思い出の鳥」としてご紹介させていただきます。