タイトル:九羽の白鳥 鳥たちの広場

[ 2014年の出会い ]

  • キンクロハジロ
  • キンクロハジロ
  • 思いがけず雪が降り出し、乾いていた土の上に真っ白な雪が積もって行きます。散歩の人もいない静かな水辺。湖面には、数羽のキンクロハジロが泳いでいます。雪の降り方が、だんだん強くなってきました。すっかり葉を落とした木の枝に、雪が降り積もっていきます。辺りの景色は、まるで水墨画を見ているようです。静かな静かな高原の水辺で出会ったキンクロハジロ。雪降る日の思い出のひとこまです。
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  • モズ
  • モズ
  • 通い慣れた公園の片隅にある葦原。♪チャッチャッ♪チャッチャッ♪時折、ウグイスの地鳴きが聞こえて来ます。♪チッ♪今度は、アオジの地鳴きです。アオジは、時々姿を見せてくれますが、ウグイスは、一瞬だけで、恥ずかしそうに葦原の中に隠れてしまいます。少し大きめな鳥が飛んで来ました。尾を振っています。この葦原を縄張りにしているモズの登場です。冬の日差しが、枯れた穂先とモズを照らしだし、スポットライトを浴びたようです。暖かい冬の昼下がりのことでした。
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  • ヒレンジャク
  • ヒレンジャク
  • ♪チリチリ♪チリチリ♪か細い声が聞こえて来ます。それは、ちょうど小さな鈴を振っているような音に聞こえます。ヤドリギの実が熟れる頃、渡りの途中、立ち寄ってくれるヒレンジャク。それは、ほんのわずかな時間なのですが、タイミング良く出会えた時は、嬉しさで胸がいっぱいになります。この日も、数羽のヒレンジャクがヤドリギに立ち寄ってくれました。か細い声を頼りに、ヒレンジャクの存在を知り、その出会いを楽しみます。
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  • コイカル
  • コイカル
  • 沼のほとりをゆっくりゆっくり歩きます。遊歩道に沿って植えられた桜の木々に新しい芽が、ほんの少し顔を見せ始める頃、コイカルは、姿を見せてくれます。時には、コイカルが桜の花見をすることもあるのです。♪キーキョ キーコ♪沼のほとりにコイカルの囀りが響き渡ります。哀愁を帯びたその声は、恋の歌なのでしょう。しかし、恋の相手は、姿を見せず、一層、その声が寂しげに聞こえます。♪キーキョ キーコ♪
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  • フクロウ
  • フクロウ
  • 多くの人の心を魅了する鳥、フクロウ。神社仏閣の大木の洞で見掛けることがあります。知恵の神様とか学問の神様などとも呼ばれ古くからたくさんの人々に愛されて来ました。名前の由来は、鳴き声から来ていると言われています。「ゴロスケ、ホッホ」文字で表してしまうと何とも味気ないのですが、深い森の中で聞くフクロウの声は、神秘的で、身を正して、その声に聞き入ることがあります。緑滴る季節に出会ったフクロウ。我が子を見守る眼差しは、愛情にあふれています。
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  • コジュリン
  • コジュリン
  • 田んぼで、春の渡りのシギ・チが一段落した頃、葦原の小鳥たちが気になり始めます。葦原では、セッカが鳴きながら飛び回り、コヨシキリの囀りも聞こえて来ます。♪チョッピ チュリリリ ピッ♪今度は、コジュリンの声です。コジュリンの声は、良く通る声ですから、かなり離れた位置にいても、その存在を知ることができます。♪チョッピ チュリリリ ピッ♪コジュリンは、元気いっぱい囀ります。
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  • アオバズク
  • アオバズク
  • 青葉若葉の頃に暖かい南の国から渡ってくるミミズク、それがアオバズクです。漢字では、「青葉木兎」と書きます。その名の通り、青葉が良く似合う鳥だと、いつも思います。樹洞にいる雛を近くの大木にとまって、じっと見守る親鳥の姿には、心打たれるものがあります。夏の暑さが始まる頃、樹洞から巣立った雛は、金色の目を見開いて、初めて見る世界をしっかり見つめます。南の国に渡る日まで、そっとそっと見守ってあげたいと思います。
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  • ツミ
  • ツミ
  • 公園や土手沿いの道、街路樹、学校の校庭などで見掛けることの多い桜。一番多いのが、ソメイヨシノでしょうか。そのソメイヨシノの木肌が、うっすらとピンク色に染まり、蕾も膨らみ始める頃、辺りの静寂を破るように聞こえてくるのが、ツミの声です。♪キーキッキッキッー♪元気いっぱいのその声は、「今年も来たよ!」と宣言しているようにも聞こえます。ツミの子育てが、順調に進むよう、そっとそっと見守りたいと思います。
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  • サメビタキ
  • サメビタキ
  • 暑い夏が過ぎ、秋の気配が漂い始める頃、近隣の公園に渡り途中の小鳥たちが、姿を見せるようになります。一番多いのがヒタキ類でしょうか。キビタキ、コサメビタキ、エゾビタキ、サメビタキなどです。ヒタキ三兄弟と言われるエゾビタキ、コサメビタキ、サメビタキの中で、サメビタキは、一番出会いの機会が少ないのですが、今年は、何回か出会いの機会に恵まれました。いたずらっこのような、何とも可愛い表情のサメビタキが、私は大好きです。
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  • ツツドリ
  • ツツドリ
  • 秋の渡りが始まるのは、まだ夏の暑さが残る頃です。田んぼや干潟のシギ・チが一段落する頃、東京近郊の公園や桜並木などでは、渡り途中の鳥たちが、ひととき羽を休めていきます。その渡りの鳥の中で、いつも楽しみにしているのが、杜鵑類・カッコウ、ツツドリ、ホトトギス、ジュウイチです。ジュウイチは、なかなか会えませんが、ツツドリには、良く出会います。春の渡りのときは、♪ポポッ♪ポポッと鼓をたたくような声で鳴くのですが、秋の渡りの時には、無言です。ですから、カッコウなのかツツドリなのか悩むこと、しばしばです。また、来年も会えることを願っています。
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  • マヒワ
  • マヒワ
  • 雨の後、時々薄日が差す霜月の朝。近隣の公園で出会ったのは、マヒワ。公園の赤や黄に色づいた木々が、雨で葉を落としてしまったかもしれない。気になって出掛けてみました。モミジバフウは、すいぶん葉を落とし、濡れた道路を鮮やかに彩っています。アキニレの木に集まって来たのは、カワラヒワ。元気いっぱい実を啄み、また、飛び去って行きます。続いて現れたのが、マヒワ。アキニレの実が、お気に入りのようです。嬉しい朝のひとこまです。
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  • イスカ
  • イスカ
  • 初めてイスカに出会ったのは、2006年5月の裏磐梯です。嘴が交叉する珍しい鳥という印象でした。その後、北海道では、求愛給餌のシーンを見る機会にも恵まれました。そのイスカに雪降る日に出会ったのです。赤松に雪が静かに積もっていく日、赤い鳥イスカが、あの独特の嘴で、松ぼっくりを啄みます。 雪景色の中の赤い鳥。心に残るひとこまです。