[ 2019年の思い出 ]
- オオワシ Steller's Sea Eagle
-
北の大地は、憧れの土地であった。野鳥に関心を持つようになって、更にその思いが強くなっていった。流氷の上に佇むオオワシの姿や大空を飛ぶ姿など図鑑やネットで見るにつけ、一度は会いたいものだとの思いが募る。ガイドが案内してくださるツアーがあると知り、冬の北海道へ何度か足を運ぶことになった。
-
天候次第で流氷が見られないことがあり、船からではなく陸路での探鳥になったとき、オオワシを間近に見ることが出来た。驚くほどの数のオオワシが、木にとまって休んでいる。それは、夢ではなく現実であった。あの日の感動は、今も新鮮である。
-
- オオマシコ Pallas’s Rosefinch
-
赤い鳥には、殊更心惹かれる。その中でも特に出会いを楽しみにしているのがオオマシコである。薔薇色というのがふさわしいだろうか。初めて林道で、オオマシコに出会った日のことが懐かしく思い出される。その後、何回かオオマシコに出会っているが、雪の残る高原での出会いは、まぶたに焼き付いて離れない。
-
真っ白な雪にローズピンクのオオマシコ。とても素敵な組み合わせである。ハギの実が、雪の上にこぼれ落ち、それをオオマシコが美味しそうに啄む。あの日の出会いは、いつまでも心の中から消えることはない。
-
- イスカ Red Crossbill
-
まだ雪の残る高原で、イスカに出会った。かすかに声を聞いたように思い、背の高い木を見上げると、何やら動く鳥の気配。何とイスカである。マヒワも近くにいるようだが、なかなか出会う機会のないイスカにレンズを向けることにした。ドイツトウヒの中に入ってしまうと姿が見えなくなる。
-
どうやらイスカの雄も雌もいるらしい。見上げるような位置なので悪戦苦闘。なかなかこちらに顔を見せてくれないが、何とか撮れたのがこの1枚である。雪の残る高原での懐かしい思い出のひとこまである。
-
- キレンジャク Bohemian Waxwing
-
春が近づいて来るとその鳥の飛来を楽しみにしている。その名は、レンジャク。ヒレンジャクが多いのだが、時には、キレンジャクも姿を見せることがある。ヤドリギの実を目当てに姿を見せることが多いようだが、ヤナギや桜の木にも姿を見せることもある。
-
ヤナギの新芽が美しい時期にキレンジャクが姿を見せたことがある。鈴を振るような可愛い声が聞こえてきて数羽のキレンジャクがヤナギの木にとまった。なかなかすっきりとはいかないが、その出会いに感謝である。
-
- フクロウ Ural Owl
-
初めてフクロウを見たのは、神社の境内であった。高い高い木の上で、目を閉じて休んでいた。同じ年に近くの公園で音もなく飛び立った大きな鳥がいたのだが、それがまさかフクロウだったとは!知るまでに時間がかかったが、フクロウと知ってずいぶん驚いたものであった。
-
新緑の中でフクロウを撮影したいものだと思っていたが、ようやく実現した。自分の考えたいたイメージとは、少々違うが、青葉若葉の時期に出会えたことに感謝である。またいつかフクロウに会いたいものである。
-
- アカショウビン Ruddy Kingfisher
-
野鳥に関心を持つようになるまで、アカショウビンという名前すら知らなかった。初めてアカショウビンに出会ったのは、高原のブナの林。♫キョロロロー♫という澄んだ声がブナ林に響き渡ったとき、何と神秘的な声だろうと身が震える思いがしたのを鮮明に覚えている。
-
アカショウビンには、何度か出会っているが、一番近くでその姿を見ることが出来たのは、この写真を撮ったときのことである。背後から♫キョロロロー♫の声がして、目の前の木にとまった。足は、ガクガク。胸は、ドキドキであった。火の鳥アカショウビンと言われるが、まさにその印象を濃くした出来事であった。
-
- コアジサシ Little Tern
-
以前は、その時期になると浜辺で良く見かけたコアジサシ。ここ数年、見る機会がずいぶん少なくなって寂しい限りである。それでも時には、思いがけない出会いがあって、コアジサシの給餌風景を見る機会に恵まれた。
-
まだ孵化して間もないコアジサシの雛は、おぼつかない足取りで、親の帰りを待つ。その仕草の何と愛らしいことだろう。近くでは、チョウゲンボウが飛んでいる姿を見かけたので、ハラハラしながら、その様子を見守った。この平和がいつまでも続くことを心から願っている。
-
- カイツブリ Little Grebe
-
一度は、会いたいと願いながら、なかなかその機会に恵まれなかったカイツブリの親子のシーン。嬉しいことにやっとその機会が巡って来た。カイツブリの雛が、親鳥の背中に乗っている姿が見られると言う。その姿を見るまでは、何とも落ち着かなかったが、父鳥と母鳥の間に可愛い雛の姿が見えたときは、胸の高鳴りを覚えたものである。
-
ネットでは、何度も見ていたカイツブリの背中に雛を乗せているシーン。実際、自分の目で見たときの高揚感は、何と表現したら良いのだろう。親子の深い絆を感じるほのぼのシーン。また、いつかこのような場面を見たいものである。
-
- ツバメチドリ Oriental Pratincole
-
春と秋の渡りの時期に時折、見かけることがあるツバメチドリ。今まで、数回、出会ったことがあるが、ここ数年、出会いの機会が全くなかった。秋の渡りのシギチを探しに出掛けた田園地帯で、思いがけず情報を頂いた。おそらく探すのは、困難であろうと思いつつも付近の田んぼを探してみることにした。
-
何と、目の前の田んぼに佇む1羽のツバメチドリの姿が目に飛び込んで来たのである。車からの観察なので、ほとんど警戒心がない。良く良く見ると10数羽のツバメチドリがいるらしい。今までツバメチドリに出会ったことは、何回かあるが、これほど近距離で、これほどの数を見たのは初めてである。嬉しく心に残る出会いであった。
-
- ウズラシギ Sharp-tailed Sandpiper
-
田んぼに飛来するシギチに関心があり、今まで10数年、その折々に田んぼに足を運んで来た。昨年は、体調を崩し、とても田んぼへ出掛けられる状況ではなかったが、今季は、何とか足を運ぶことが出来た。ここ数年、田んぼに飛来するシギたちの姿の少なさを憂えて来たが、今季は、その思いを払拭するかのようにずいぶん色々な出会いに恵まれた。
-
忘れられない出会いのひとつがウズラシギである。今季、多いときには、10数羽のウズラシギが群れ飛ぶ姿をご覧になった方もおられる。私が蓮田で出会ったときは、秋晴れの心地よい日であったので、ウズラシギは、元気いっぱい水浴びを繰り返していた。あのときのウズラシギの真剣な顔つきが今でも、まぶたに焼き付いて離れない。
-
- オシドリ Mandarin Duck
-
秋の深まりと共に、姿を見せてくれる鳥のひとつがオシドリである。比較的、近くの公園で、オシドリに会う機会があるのは、何とも嬉しいことである。さほど広くない池をオシドリは、ゆったり泳いでいるのだが、人の気配を感じるとパッとにわかに飛び立ってしまう。かなり警戒心が強いようである。
-
オシドリだけでなく、湖面の色合いも考えて撮影場所を選んで少し待った。木々が入り組んでいて、ちょっと難しい。やっと何とかオシドリが見える位置に姿を見せてくれた。オシドリは、いつ出会っても嬉しいものである。
-
- エゾフクロウ Ural Owl
-
北の大地に憧れて、何度か訪れた冬の北海道。一番会いたかったのは、エゾフクロウであった。フクロウとの出会いは、5月の連休の頃というイメージがあるが、エゾフクロウには、冬季に何度か出会っている。
-
ガイドの方に案内して頂き、洞の中のエゾフクロウを初めて見たときは、ずいぶん胸が高鳴ったものである。本州で見るフクロウより白い印象があり、余計に心惹かれるものがあった。嬉しく心に残る思い出のひとこまである。