[ 俳句 ]
- 縄跳びの風切る音や冬佇ちぬ
- 秋時雨ひとすじ夫の肩に落つ
- りんごりんごりんご北の国からご挨拶
- 赤蜻蛉お地蔵様にひそひそひそ
- どんぐりの転がる先や子の笑顔
- 初冬や空に浮かびし母の貌
- 青空にルビーのごとき柘榴かな
- 赤き実のはじけさうなる今朝の冬
- 鴫集ふ恋の相手は今日も留守
- 鳰の子のひよつと顔出すみどり池
- 鳰の子や青藻をつけてご挨拶
- 鳰の子の初潜りして水凹む
- 母の詠む歌に夢あり冬紅葉
- 小さき実マーチ奏でる冬の朝
- 鴨集ふお転婆娘初デート
- 梟や夫の呟くこゑのして
- 夕時雨ひとつ残りし膝の傷
- 石蕗の花の明かりや観音寺
- 冬紅葉こぼるる光り観音寺
- 小夜時雨車の音の遠くなり
- 冬うらら微笑むでゐる道祖神
- ふくろふの息づかひあり眠る森