[ 鳥たちのはしゃぐ声して二日かな ]
[大森理恵先生の御選評]
作者は、やはり
野鳥に関しては
並々ならぬ愛情を持って対峙されている。この作品の原句は少女であったが、私は『鳥たち』と直し、『イブの朝』を『二日かな』とした。
鳥さん達にはイブも二日も関係ない。けれど、日常の何げない平凡な幸せを鳥さんたちが教えてくれている。今朝も朝からお外の小鳥の啼いている声がする。
原句は、【少女らのはしゃぐ声してイブの朝】でした。
[ 去年今年窓辺に聞こゆ鳥の歌 ]
[ あと五年ふたりで見たき初日の出 ]
[大森理恵先生の御選評]
昨夜、楽しい榮子さんとのレッスン終了後に「何かご質問ありませんか?」と言った。「理恵先生、実はうちの主人が、どうしても先生に見て貰いたい句があると…」と遠慮がちに出して来られたのが⬆️の作品であった。私は驚いた。「主人が何かゴソゴソしてると思ったら、この一句は先生に是非共見て欲しい!ってお願いしてくれ」って…。」今日、御主人は白内障の手術である。榮子さんもお付き添い。何と六ヶ月目の句歴、榮子さんのお姿を真側で、ご覧になって初めて作られた作品なのだ。私は感無量で胸に溢れてくるものを我慢しなかがら選評した。
「この作品はリズムも良いですし、何と言っても五年の問いかけも!そして季語が抜群に良いですね〜」と…。
嬉しかった😭😭😭榮子さんの御主人は典型的な昭和の男性なのだ。句友の真理子さんや佳子さんの御主人とは全く違うタイプ。然し俳句にハマって行かれる榮子さんに対して何も言われずに、こうして夫婦愛に溢れた俳句を差し出されたのだ💕榮子さんは昨日の初句会で殆ど特選句であった。それも嬉しかったが何より、御主人の泰三(タイゾウ)氏の俳句に泣けてきた。季語の『初日の出』が抜群に効いたリズム感のある作品。そして上五の『あと五年』に榮子さんへの愛に溢れた名句だ
[ 凍鶴や声たかだかに愛の歌 ]
[大森理恵先生の御選評]
この作者程、記憶力の良い方はない!以前に口頭で私の一句一章の【凍鶴や
恋の始めは身を反らす】と言った。この俳句を覚えておられたのか、どうかは
定かではないが彼女は、それを想起されて、今度は『声たかだかに愛の歌』と返句された。俳句は『言葉は平明に思いは深く』を原則としてる。それと色紙に書いたときのバランスを考慮するから平仮名に添削させて頂いた。間違いない素敵な特選句であるが句歴65年の私の一句に、まだ半年目の作者の作品には正直、驚くばかりである
原句は、【凍鶴や声高々に愛の歌】
[ コーカッカ夜空にひびく鶴のこゑ ]
[大森理恵先生の御選評]
レッスンの折に、この作品を見て、やっぱり大特選句だと‼️先ず俳句で一番、大切な具象が上五〜中七〜季語へと入っている。特に『夜空にひびく』が何とも言えず臨場感あふれて最高の表現である。作者は常に格調の高い作品を作られている。愛鳥家としても、写真家としても、かなり凄い方。鶴の鳴き声『コーカッカ』と先に持って来られたのも意表を付く表現だ!リズムも、とても良い。映像の復元、自己投影、そして、何より私が大切にしているリズム⭕️この三拍子揃った格調高い名句だ。このような作品が【鶴】の歳時記に入っていても亡き先人の先生方は認められるであろう。【一句一章】←(これに付いては又、次回に
ご説明させて頂く。)の紛れもない大特選句である
中西榮子
理恵先生 身に余るご選評を頂き恐縮いたしております。「今の時期こそ鶴や白鳥ですよ。」と理恵先生のお言葉があってこその俳句でした。きめ細やかな理恵先生のご指導のおかげです。心から感謝致しております。
大森理恵
中西榮子 榮子さんへ よくぞ、あの時の言葉を覚えていてくださいましてありがとうござい。今でも榮子さんの大好きな鴫(秋の季語)が終わる頃に二人でレッスンの折に、「どうなることでしようね〜」って話しあってた日が懐かしいです。榮子さんの御作品が日々、レベルUPされてゆきますのが私の何よりの至福です。こちらこそ榮子さんの日々の御努力には心より感謝しております。
[ 凍て滝や新たな光夫の眼に ]
[大森理恵先生の御選評]
作者の御主人様は最近、白内障の手術をされて、とても眼がハッキリと見えるとのことで安心している。原句の【人日】では見える季語ではない。なので、鋭角に見える、直近の季語【凍て滝】を使った。一年中で寒の滝が一番流れも早くて、凍っていて、陽が差すとキラキラと光る。まるで宝石のように美しい光景だ。白内障の手術により御主人様はこの美しい宝石のような光りを、どのようにご覧になるのであろうか。俳句は『実に居て虚に遊ぶ』という文藝。季語は作者も書いておられるように俳句の命である。お友達の皆様も、目を瞑って、【心眼】により一年でも一番、美しい流れの【凍て滝】を想像してほしい。原句が良いから季語を変えるだけで宝石の如く変貌した作者の夫への愛に満ち溢れた名句となった
原句は、【人日や新たな光夫の眼に】
[ 鳥一羽仰ぎし空や淑気満つ ]
[大森理恵先生の御選評]
この季語の【淑気】は何度も言うが、かなり難しい。彼女の腕にかかればやはり【鳥】が主役になる。一羽の鳥が大空を飛び、その空を見上げている様子に作者は【淑気】を感じられた。『鳥一羽仰ぎし空』何というダイナミックで新年に相応しい鳥の形態であろうか!愛鳥家の作者ならこその新年の名句である
[ 飛ぶ鳥のひと声高く淑気かな ]
[大森理恵先生の御選評]
作者はやはり『鳥』を詠はれると凄い!
然も、『丹頂鶴』だと強い季語になるから季重なりになる。今回は『淑気』という難しい季語に挑戦‼️上五の『飛ぶ鳥の』中七の『ひと声高く』〜季語迄の語彙の使い方により映像の復元もパーフェクト‼️前回のレッスンで初見の折には唖然とした。作者らしい格調の高いリズム感のある名句である
[ 白鳥の鳴く声ひびき人恋し ]
[大森理恵先生の御選評]
この作品を見た瞬間から、やっぱり思った通り!と驚きと共に作者の
感性に魂が震えた。まさに作者は
こう言う作品を作る為に生まれてきた人なのである。これまで多くの【白鳥】の句を作り又、多くの【白鳥】の作品を見てきた。
けれど、この一句こそ、まさに私の描いていた【白鳥】の世界。我々から見た【白鳥】は美しくて何にも変えられない凛とした姿。然し、【白鳥】から我々を見た作品はこれまで無かった。そうなのだ⭕️私は、まさに、このような作品を待っていたのだ!中七〜下五にかけての措辞が何とも言えず郷愁があり、叙情的である。この白鳥の一句は歳時記に掲載したい名句だ。❤️💯❤️作者の撮影された、この燃える夕陽の中を飛翔する【白鳥】の勇姿が素晴らしくて拝みたい。俳句も大特選句で句集の代表句になる一句であるが作者の、⬆️の御写真も大好きな奇跡の一枚である。
[ 玉子酒すすめて二人の平和かな ]
[大森理恵先生の御選評]
榮子さん
先ずは、お誕生日おめでとうございます🎂🎊🎁
この作品は原句のままでも良いのだか、敢えて前回の素晴らしい御主人様への辺句として、寒中にお風邪など、引かれないように【玉子酒】を使った。そして何より大切な言葉【二人の平和】も・・・作者は品格が在り人間として、正義感に満ち溢れている。
私は、これまで、三万人以上のお弟子さんを見て来たが、中でも作者はIQが高くて日本人らしくなく間違ったことの大嫌いな凛とされた性格の持ち主である。いわゆる、習われ上手なお弟子さんである!なので、私は彼女が少し年上でもあるので、人として、かなりリスペクトしている。俳句のレベルも六ヶ月とは思えないくらいに上達が速い。この句は確かに添削したが、作者の想いは誰よりもわかっているつもり。なので私が良く使う語彙の【平和】対して、【二人の平和】とした。この一句の象徴の鴛鴦の御写真も素晴らしい!作者の趣旨を思っての添削句であるが、やはり直して名句となった❤️💯❤️
榮子さん、いつも、いつもありがとうございます。感謝の気持ちでいっぱいです
原句は、【七草のかゆ香りあり平和かな】でした
[ 寒雀弁天様のお気に入り ]
[ 初雀身を膨らませご挨拶 ]
[ 淑気満つ厨に佇ちし平和かな ]
[大森理恵先生の御選評]
原句でも悪くはないが俳句で一番、大切な具象がない。【淑気】は
お正月の最も難しい季語なのだが具象がない分、それだけアバウトだ。
だからこそ措辞は具象が必要なのだ。添削した事により厨=台所から凛とした新年早々の張り詰めた空気が満ちて、平凡な日常に感謝してこその幸せ感が溢れる。作者は私の【青空へ昇る淑気のエレベーター】に感動されて淑気の季語を使い良い作品を二つも作ってこられた。一つは昨日の特選句!
けれど原句が良いから添削して、この句も特選句である
原句は、【淑気満つ空を仰ぎし平和かな】
[ 小豆粥とほくに母のこゑのして ]
[大森理恵先生の御選評]
作者独特の温もりのある一句である。私が今回、
添削したのは
平仮名➡︎漢字 漢字➡︎平仮名として
色紙に筆で書いた時のことを少しずつ考慮しながら作句して貰おうと思った。あとはラストの止めの『して』のみ!
『小豆粥』は
昔から大寒に食べたら良いとされてきた。作者には
やはり御母堂様の作られた『小豆粥』の味が忘れられないのであろう。郷愁を覚ます特選句である
原句は、【あずきがゆ遠くに母のこゑしたり】
[ 大きくて白き白菜母のごと ]
[ 五日かな小さき音して小さき実 ]
[大森理恵先生の御選評]
作者は新しい季語の【五日】に挑戦された。原句の『奏でる』その語彙のみで状況を説明しているので俳句ではあまり、使わない。作者にはレッスン毎に俳句の利点を覚えて貰おうと思い今回は
【小さき】←この読み方に付いて覚えて貰った。俳句は時としてこれを
チイサキと読んだりチサキと読む。私は作句で一番大切なのは【言葉は平明に想いは深く】+【リズム】だと確信している!この利点を使ってリフレインを出し、リズムのある一句に仕立てあげた。原句は【五日】の季語が効いてないが添削句により【小さな実】もお正月三ヶ日は大人しくしていたが【五日】になって音を出してきたという作者の細やかな発見のあるリフレインの効いたリズム感のある名句となった
原句は、【小さき実音奏でたる五日かな】でした。
[ 寒雀小さきこゑして日暮れかな ]
[ 寒中や「体たいせつ」母のこゑ ]
[大森理恵先生の御選評]
基本、私は作者の原句に合った添削しかしない!が今回はレッスンの折に亡き御母堂様が、いつも榮子さんに言われてた口癖をお聞きした。原句は作者の以前の作品に似ているから、、、俳人は人の真似はしても自分の発想の真似をしてはいけない!上手とか下手という言葉は私の俳句の辞書にはないが、同じ内容の
繰り返しでは進歩がないので
半年目にしては上達のスピードの異常に速い作者の違う母への想いを添削した!これは、そのまんま、作者の言葉よりできた一句である
[ 頬染むる遊びし子らや霜柱 ]
[大森理恵先生の御選評]
まさに今日のような天候だ。『子供は風の子』とは、良く言ったものだ。我々の幼い頃は、いくら寒風が吹き荒んでいても、お外で遊んでいた。ここでの季語は『霜柱』である。『氷柱』とは違った複雑な光があるし『氷柱』と違って崩れるのも速い。やはり遊ぶ子供たちには『霜柱』の季語が シツクリくる。
それと、この厳寒の厳しい寒さに対して、上五の『頬染むる』が見事に効いている。極寒の地での特選句
[ 風の音変わりし朝や寒の入 ]
[大森理恵先生の御選評]
この作品は【寒の入り】の季語の風の様子が見事に語られている。【風の音変わりし朝】の措辞が絶妙に良い!一句一章といって季語をさりげなく、他の天文などで上手く説明している。作者の実力たるや本格的に学ばれて六か月目とは思えないくらい!リズムも良い!文法もバッチリ!風の音で寒を感じた作者の感性には驚くばかり。期待のエースの感性に溢れた特選句である
[ 赤き実のひとつ残りて寒の内 ]
[大森理恵先生の御選評]
作者はの原句も悪くはない。が措辞の『赤き実のひとつ残りて』が素晴らしいので、これを活かす為には『春近し』だと説明句になるし世界感が小さくなる。『赤き実』も『春近し』も暖かい語彙だから。なので『寒の内』とした。此処は俳句の非常に難しい処。俳句はバランスが大切。【明】と【暗】【光】と【影】
【陽】と【陰】これは宇宙の真理でもある。作者はIQが高くて感受性も超豊かなので、句歴、六か月だか、そろそろ、此処を理解してもらいたいたいと思い、このように添削した。この句はリズムも良くて言葉は、平明に想いは、深くなり特選句
原句は、【赤き実のひとつ残りて春近し】
[ 小さき実冬青空に手を伸ばす ]
[大森理恵先生の御選評]
【冬青空】は、理恵先生のつくられた季語だそうです。冬の凜とした空気感が伝わって大好きな季語です。
大森理恵
これは映像の復元がリアルに、見えてくる作品である。添削と言っても、下五の一字のみ!作者はレッスンのたびに思うが、品性とIQが異常に高い。一つ言えば千を理解できる方。それと俗ではないところが俳句に出てる。『小さき実や』に対しての中七〜下五の流れが素晴らしい。この作品は中七に季語の入る難しい技であるが、いとも簡単に、それを使われる。その辺の俳人は側にも寄れない。【冬青空どこへも行かぬ脚二本】という、私の句を踏まえての
特選句
原句は、【小さき実や冬青空に手を伸ばし】
[ 背を伸ばし冬青空へ深呼吸 ]
[大森理恵先生の御選評]
榮子さんは
俳句を本格的に学ばれてから、まだ半年目!なのに
季語を中七にもってこられる高度な
技を使われている。それもナチュラルに!この句には何よりリズム、
映像の復元、そして自己投影と私が唱えてる俳句の
三代要素が組み込まれている。
そして最も大切にしている『言葉は平明に想いは深く』も!
完璧な特選句である
[ 師の心届きし朝や冬深む ]
[ 風花や筑波嶺の果て空青き ]
[ 風はらみ飛び立つ鳥や初筑波 ]
[大森理恵先生の御選評]
こう言った作品を立て句と言う。
季語の地名の【初筑波】が凄く効いている。鳥に関しては作者の作品を
超える句はない位に素晴らしい。
立て句とはチマチマしてなくて男性ぽい句のことである。角川源義師が一番、影響を受けた飯田蛇笏とかの作品は立て句が多い。句がダイナミックだ。上五〜中七にかけての『風はらみ飛び立つ鳥』と季語の『初筑波』との取り合わせが絶妙な格調の高い名句である
[ 風少し田に鳥のこゑ寒の入 ]
[大森理恵先生の御選評]
何でもない田舎の風景であるが、上五の『風少し』と中七の『田に鳥のこゑ』の措辞を活かしている季語の『寒の入り』で一句を引き締めている。俳句は気を衒う(テラウ)ことばかりではなくて、こういった自然を見たまんまを俳句にする事も大切である。このような作品ばかりでは飽きてしまうが作者の普段の句は
インパクトが強いので今回は強い季語の【寒に入る】を使った、何でもない風景を詠んだ一句を特選句とした❤️💯❤️付け加えると作者にとっての【鳥のこゑ】には格別な心情がある。
[ 冬かもめ空の向かふに亡き友よ ]
[ 寒の鵙こゑ高々に空広し ]
[大森理恵先生の御選評]
昨日、積雪の吹雪く中を京都駅から徒歩でしたので
選評が遅くなり
申し訳ございませんでした。)
原句も悪くはないが何か足らないので声を入れた。
作者は心の綺麗な方なので鵙に対しての見方が素直だ。秋の季語に
【鵙高音】が
あるが、此処では
低い声で寒のを鳴かせた。こういう作り方を『実にゐて虚に遊ぶ』と言う。
添削しての特選句
大森理恵
榮子さん
及び榮子さんの
鳥見のお友達の皆様へ
このたびは
私の不注意で原句の【寒の鵙】がとても気になったのですが、あまり季語を変えることはしたくなくて、そのまま使ってしまいました!
俳句では【寒】も及び【鵙】も強い季語です。
なのですが鵙と言えば秋の季語で【鵙高音】と言って声が出てきます。一句の拡がりを出そうと思い、
【寒の鵙こゑ高々に空広し】と添削致しましたが
愛鳥家の皆様の
ご意見を聞き
訂正させて
頂きたいと存じます。
【寒の鳥こゑ高々に空拡し】
でよろしいでしようか?
このたびは私の不注意で栄子さんには多大なご迷惑を
おかけ致しましたこと心よりお詫び申し上げます。
どうか
お許しくださいませね
中西榮子
理恵先生 このたびのことは、私の不注意によるものです。理恵先生に鵙の鳴き声のことをもっとはっきりしっかりお伝えするべきでした。申し訳ございませんでした。俳句の世界は、野鳥の世界とは違った趣がありますので、おぼつかない足取りの私には、まだまだ難しく分からないことが多々あります。【寒の鳥こゑ高々に空拡し】に訂正いただきましたが、私は、【寒の鵙こゑ高々に空拡し】の方がはるかに心に響くものがあり好きです。俳句は、『実にゐて虚に遊ぶ』世界と思います。これから折々に学んで参りたいと思います。この度は、大変お手数を煩わし申し訳ございませんでした。
大森理恵
榮子さん
お気を使わせてしまい申し訳ございませんでした!
私も『寒の鵙』の
原句に添いたいです。そのように
添削しましたが
『俳句のひとり歩き』という
言葉があって読者あっての俳句なのです!
なので榮子さんの
鳥見のお仲間さんも大切な方々ですから、、、
一晩、考えさせて頂けますか?
よろしくお願い致します
松村雅行
榮子さん、理恵先生
この度は大変失礼いたしました。
俳句の裏に込められた思いを感じとる感性が無く、ただ字面からいたらぬコメントをしてしまい申し訳なく思っています。
寒中のモズが鳴くことはほぼ無いのですが、全く鳴かないのか?と言われると時によっては鳴く可能性もあるわけで、自分の量見の狭さに恥ずかしく思っています。
寒中の冷たく澄んだ青い空気にモズの高い声が響き渡る景色を想像しています。空気を切り裂くその声はどんなにか潔く気高いことかと思っています。
どうぞ理恵先生が添削されたまま「寒の鵙 こゑ高々に空広し」にしてくださいませ。
俳句の奥深さ、難しさを改めて勉強させていただきました。
どうぞよろしくお願いいたします。
原句は、【寒の鵙尾を振る姿空広し】
[ 風花や我の手にあり恋ひとつ ]
[ 冬の空ありようさまざま黒き鳥 ]
[大森理恵先生の御選評]
この作者は鳥に関しては日本でも有数の愛鳥家である。常に鳥のことが頭にあるのであろうか?中七の原句『模様』➡︎『ありよう』に変えただけ。俳句はなるべくなら、わかりやすい平明な言葉を使うのが必須である。『ありよう』としただけで短冊に書くときも漢字が詰まらないし、リズムも良くなる。下五の『黒き鳥』の語彙も凄く良い。勿論この作品は原句が良いから特選句である。
原句は、【冬の空模様さまざま黒き鳥】
[ 寒の田に波紋を描く鳥一羽 ]
[大森理恵先生の御選評]
榮子さんの作品は
何より格調が高い。これは彼女の中見の人間性から滲み出ている。以前より俳句には『立て句』と『添え句』があると言ったが、どちらも、出来なきゃいけない。が彼女の個性として『立て句』が多いのである。亡くなられた俳人で有名な『立て句』は飯田蛇笏氏←この方は角川源義先生が『立て句』の名手と仰っていた。この作品も、まさしくそうだ!とても男性的で格調が高い!彼女は人としても同じく。毀誉褒貶(キヨホウヘン)のハッキリされた方である。私は彼女のそこをリスペクトしている。決して八方美人さんではなくて自分の意思は、はっきりと述べられ喜怒哀楽が豊かであるし、感性も優れている。それは何より、彼女の鳥や大自然を撮ってられる写真にも出ている。プロのカメラマンでもあまり惹かれない写真が多いが作者の写真に、とても芸術性を感じるし、俳句も然りである。
この作品は季語の【冬】を【寒】に変えたのみ!一字で名句となった
原句は、【冬の田に波紋を描く鳥一羽】
[ 大寒や京より届くプレゼント ]
[大森理恵先生の御選評]
俳句では
『心づくし』とか
いう暗喩な言い方はしないで直喩を使います。
それと、原句では何のことか意味がはっきりと
わかりません。
俳句は具象いわゆる
ダイレクトな言葉が大切なのです。
【直喩】と【暗喩】も、大切ですね。
それとは俳句では、【花】=【桜】です!
即興、、ご挨拶句ありがとうございました。
榮子さんのイメージは私のなかでelegantで品格があるイメージをだしてくださいとリクエストして又、紫をベースにとお願いして
作ってもらいました。
さすがは紫野ちゃん制作!!!
句と画像がピッタリの❤️💯❤️
原句は、【大寒や心づくしの花を待つ】
[ 鴨集ふ羽音ひびかせ青空に ]
[ 冬枯れの田を飛び立つや鳥一羽 ]
[大森理恵先生の御選評]
作者は鳥に関しての句は、お弟子さんの中ではNo.1である。季語の【冬枯れの田】に対しての【飛び立つ鳥一羽】とは何てダイナミックな風景であろうか!「この鳥の名前は何というのですか?」と思わず問いたくなる名句
[ 枯葉舞ふ幼き子らの走りけり ]
[大森理恵先生の御選評]
この作品の添削なのだか、
原句の『幼き子らの走るごと』に対して
『幼き子らの走りけり』としたのは、季語の『枯葉舞ふ』と『幼き子らの走りけり』を分けて二句一章にしてみた。枯葉舞う中を幼き子らを走らせた方が映像の復元が鮮明に見えてくる作品であるからだ。この作者は原句に色々な大自然の具材を持って来られる。なので、とても添削しやすい。この添削句によって枯葉の中でも子供たちが元気いっぱい、走り廻っている様子が見えて、躍動感、溢れてる特選句になった
原句は、【枯葉舞ふ幼き子らの走るごと】でした。
[ 千両のくれなゐ色や観音寺 ]
[ 冬至南瓜むかしむかしの母のこゑ ]
[ 冬あたたか青空に見る母の貌 ]
[ 年新たきんとんごまめ母の味 ]
[大森理恵先生の御選評]
この作品は、何よりリズムが良い。俳句や短歌においてリズム=音は何より大切である。覚えやすくて頭に残るからだ。それと今回は季語の『年新た』に対して措辞の『きんとんごまめ』は確かに味で覚えている。そう、大昔からの、母のお正月の『おせち』の味だ。此処では『おせち』と言ってなくても『年新た』の季語と措辞の『きんとんごまめ』で直ぐに『おせち』とわかる。俳句では何より大切な具象とリズム感のある特選句である。画像の『日本昔話し』に出て来そうな古民家も素敵
[ 冬日差すジュリジュリジュリと鳥のこゑ ]
[大森理恵先生の御選評]
原句が良いから添削できる。
鳥は林や森の中にいるから17文字の中に『林』を入れるのは勿体ないので主語の『鳥』を中に入れた。こうすることによりリズム感がでて下五の着地もよくなる。作者は野鳥の第一人者。今は、お身体のご都合で御写真を撮りに行かれるのは、少々、困難であるが作者は日本の北から南まで野鳥を追いかけて20年間、愛され、対峙されてきた。年数より濃さである。然も、作者の鳥の御写真には、とても深い味わいがある。お酒は飲めないけど古いワインのように何とも言えない深さなのだ。その写真を
踏まえて添削してみた。やはり原句が良いと名句になる。鳴き声の『ジュリジュリジュリ』と三回重ねたリズムが成功した名句
原句は、【冬陽差す林の中やジュリジュリジュリ】