ずいぶん賑やかに聞こえていた蝉の声が、いつしかパッタリ止み、虫の声が聞こえるようになって、季節の移ろいを感じている。あの暑かった夏の日が、ずいぶん遠い日のように思われる。
真夏の太陽が輝く中、干潟で出会ったのは、ソリハシシギ。砂浜を足早に右に行ったり、左に行ったり。そのソリハシシギが、蟹を見つけてにらめっこ。蟹は、ハサミを振り上げイヤイヤをするが、ソリハシシギは、容赦をしない。
ソリハシシギのすぐ近くにいたのは、キアシシギとメダイチドリ。キアシシギが、グーンと大きく見える。メダイチドリは、ソリハシシギと時折、飛び立ち、また、干潟を歩きまわる。グングン近づいて来るのは、キョウジョシギ。あまり人見知りをしないらしい。
遠くに見えるのは、ミユビシギ。この日は、ミユビシギの数が、ずいぶん少なかった。今は、もう冬羽になっていることだろう。夏の日の思い出である。