鳥たちの広場

[白樺峠のタカの渡り]

タカの渡り。以前、室蘭の測量山で二度ほど見たことがある。あのとき、初めてハチクマを見た。チゴハヤブサを初めて見たのも、あのときだった。タカの渡りのシーズンを迎えると、あの日の出会いと、あの日の光景が鮮やかによみがえってくる。

今回、9月19日、20日で白樺峠を訪れた。目的は、もちろんタカの渡りを見ることである。初日の19日は、お天気も良く、三連休中の中日とあって、「たか見の広場」は、大勢のバーダーで賑わっていた。私にとっては、かなり辛い20分の山道を登りきったところに「たか見の広場」は開けてきた。

到着早々、あたりの空気が、熱気に満ちているのを感じた。上空を見上げると、タカ柱がたっている。「これは、近いよ。」という声も聞こえてくる。急いで、機材を準備する。今回、400mm単焦点レンズを使用、手ブレ補正なしだが、主に手持ち撮影であった。自分の健康上の理由から、カメラを持つことすら出来なかったときのことを思うと、このような日を過ごせたことに、感謝、感謝である。この日は、ずいぶんたくさんの方にお会いし、お話も弾んで、タカ柱も、それなりに見ることが出来、満ち足りた気持ちで下山した。

翌20日は、雨の音で目覚め、出発を予定より遅らせ、「たか見の広場」に着いたのは、10時半を回っていたと思う。流石に、前日に比べてバーダーも少なく、お天気の関係もあってだろうか、静かな雰囲気が漂っている。とうとう、この日は、タカ柱を見る事は出来なかったが、山の稜線沿いに飛ぶサシバや、ハリオアマツバメ、アオバトなども見ることが出来た。白樺峠の発見者の中村氏のお話も伺うことが出来、前日とは、また違った意味での貴重な経験が出来たことに感謝したい。

誘ってくださる方がいなかったら、なかなか決意出来なかった白樺峠。白樺峠の美しい山並み。サシバやハチクマなどのタカの渡り。たくさんの人との出会い。心に残る旅となったことに感謝したい。