山登りらしいことは、一度もしたことがないのだが、高原で見る山並みには、神秘的なものを感じ、心惹かれるものがある。たくさんの山々を一望に見渡せるところがあると聞き、秋の深まりを感じる日に出掛けることにした。
満天の星空も見られるとのことであったが、霧が立ち込め、星空ツアーは中止。しかし、夜半に目覚め、カーテンをそっと開けると満天の星空。まさに星が降るというイメージである。
やがて暗闇が、うっすらと赤味を帯び、山並みが浮き彫りになってくる。刻一刻と変わる山の端の色合い。太陽が、わずかに顔を見せた。するすると太陽が上って行く。その時間の何と速いことだろう。山の夜明けは、実に神秘的である。