思い出の鳥たち

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[道南の冬]

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1月11日〜13日まで、真冬の道南を訪れ、鳥たちとの出会いを楽しんできた。真冬の道東は、訪れたことはあるのだが、また違った鳥たちとの出会いを期待しての鳥見旅であった。特に私が、今回、期待していたのは、シマエナガ、ベニヒワ、イスカ、ユキホオジロなどの小鳥たちとの出会いである。しかし、結果は、残念ながら、空振りであった。それでも、思いがけない鳥たちとの出会いもあり、心に残る道南の旅となった。

初日の1月11日、函館空港にお昼ごろ到着。海岸沿いに走る。ほどなく見えてきたのがコクガンであった。海岸沿いにどれくらい走っただろうか。コクガンの姿をずいぶん目にすることが出来た。石崎漁港では、作業をしている人の近くで、20数羽のコクガンが、一心に採餌していた。この日、シノリガモ、ウミアイサ、クロガモなども見ることが出来た。初日の締めくくりは、砂崎岬であった。砂崎岬には、ユキホオジロとの出会いを期待して行ったのだが、寒風が肌を刺し、雪も深く、ユキホオジロを探す気力も失せてしまった。

2日目は、予報通り、天気は、荒れ模様。朝から、雪が降り続いていた。まず大沼公園で探鳥。アカゲラ、ハシブトガラ、マヒワなどの姿を確認。ユーラップ川周辺へと向かった。雪は、だんだん激しくなってくる。冬でもサケがさかのぼる姿を見ることが出来るという遊楽部川。そこで力尽きたサケをオジロワシ、オオワシが狙って集まってくる。激しく雪が降る中で、オジロワシ、オオワシを撮影。まるで「霧の向こうに鳥がいる。」という感じであった。ここでは、嬉しいことにウソの群れにも出会った。雪降る中、一心に赤い実を啄むウソの姿は、忘れ難いものとなった。

最終日の1月13日。昨日とは、打って変わり、朝の光が眩しいほどであった。晴れ渡った空を仰ぐと鳥たちの声が聞こえてきそうである。鳥たちとの出会いに大いに期待して目的地に向かった。この日、最初の出会いは、青空を鳴きながら飛ぶイスカの群れであった。1枚もシャッターを押せなかったのが、心残りである。

続いて出会ったのが、ヤマガラ、ヒガラ、ハシブトガラ、ゴジュウカラである。降ったばかりの雪が積もっている小枝にとまったハシブトガラ。忙しく動き回るゴジュウカラ。人懐っこいヤマガラ。ヒガラ、シジュウカラも顔を出し、森は、ひととき、大賑わい。公園では、思いがけなくハイタカに出会った。目の前にハイタカの姿を見たときは、驚きのあまり、体が硬くなってしまったほどである。

最後のポイントに向かう途中でキレンジャクに出会った。すっかり葉の落ちた木に鈴なりにとまったキレンジャクが、ナナカマドの赤い実を啄みに行く。まず1羽が、ナナカマドのところに飛ぶと次々にキレンジャクが飛んでナナカマドの木は、キレンジャクの木に変わる。時折、キレンジャクが、民家の屋根に積もった雪を食べに降りていた。どうも水の代わりに雪を食べているようである。

最後に出会ったのが、コミミズクである。コミミズクが姿を見せてくれるまで待って待って、その時間の長かったこと。体の芯まで、冷えて、血管が凍りつきそうなほど、寒かったが、ひとたび、コミミズクが飛ぶ姿を見ると、寒さを忘れていた。北の大地で出会ったコミミズク。嬉しく忘れ難い出会いとなった。

期待した小鳥たちには出会えなかったが、予想以上の鳥たちとの出会いに、思い出のページが大きく膨らんだ。熱心にガイドをつとめてくださったN氏に感謝。ご一緒させていただいた皆様に感謝。鳥たちとの出会いに心から感謝。

九羽の白鳥