2011年2月27日〜3月2日まで、冬の道東を訪れ、野鳥たちとの出会いと冬ならではの北海道の景色を楽しんできた。体調の不安を抱えつつの旅であったが、思いがけない鳥たちとの出会いに心癒され、新たなエネルギーを頂いた感謝の旅となった。
初日の2/27釧路空港に到着したのが、10時半過ぎ。想像以上に暖かいことに驚きながら、最初の探鳥地である阿寒丹頂の里へ向かった。ここでは、タンチョウが右奥にかたまっていた。以前、訪れたときは、ハクチョウたちの姿もあったが、今回は、全く姿を見なかった。タンチョウの舞いを何とか絵になるようにと願ったが、わずかの時間で、それを実現することは、困難であった。しかしオジロワシのバトルも見ることが出来たし、まずまずの初日のスタートであった。
二日目の2/28。早朝の雪裡川・音羽橋付近では、冬の間、タンチョウがねぐらとしているため、川霧の中のタンチョウの姿を撮影するのが狙いであった。しかし、けあらしが発生するためには、かなり気温が下がらなければならない。氷点下20゜C以下という厳しい寒さである。残念ながら今年は暖かく、川で休むタンチョウたちの姿をカメラに収めるにとどまった。
しかし、この日は、この後、いろいろな鳥たちとの出会いが待っていた。まずウソの群れとの出会い、そしてオオマシコとの出会い。さらには、イスカとの出会いまでも。イスカは、1月に訪れた道南で残念な思いをしているだけに、今回の出会いは、殊更嬉しかった。写真に収めることは出来なかったが、イスカの♂が♀にマツボックリをプレゼントする求愛給餌まで見ることが出来た。
また、根室付近の漁港では、コオリガモ♂♀、クロガモ♂♀、ウミアイサ♂♀、シノリガモ♂♀、ウミスズメ、ハシブトウミガラス、カワアイサ♀などをかなり近い距離で観察することが出来た。
三日目の3/1は、根室付近の漁港と風連湖から野付方面を回り羅臼へ向かう予定である。漁港では、この日もコオリガモ♂♀との出会いを始め、陸にあがったウミアイサ♂の姿をゆっくり観察。風連湖では、オジロワシ、オオワシ、タンチョウの姿を観察した。あいにくの空模様ですっきりした撮影が出来なかったことが心残りである。
羅臼へ向かう途中の野付方面で、嬉しいことにオオモズとの出会いが実現した。かなり距離があったので、かろうじてオオモズとわかる程度の画像しか残せなかったが、奥日光で叶わなかった夢が実現し、心に深く残るものとなった。
この日の夜は、シマフクロウの撮影が主たる目的となっていた。昨年11月に訪れたときは、かなり寒かったが車の中からの撮影であったので、距離が近く撮影しやすかった。今回は、宿泊する宿の室内からの撮影であった。事前に得た情報をもとにかなりシャッターを押したが、満足のいく写真は、なかなか撮影できないものである。しかし、室内からの撮影であったので暖かかったのが私にとっては何より有難いことであった。
最終日の3/2。この日は、流氷船に乗ることになっていた。今まで冬の道東を訪れても、流氷船に何故か縁のなかった私だったが、今回、初めて流氷船に乗ることが出来た。あまり良い気象条件ではなかったので、日の出も青空も望めなかったが、オオワシ、オジロワシをかなり近い距離からゆっくりじっくりたっぷり観察、撮影することが出来たのは、旅の締めくくりとして嬉しいことであった。
冒頭にも触れたように、体調の不安を抱えての冬の道東の旅であったが、思いがけず暖かい冬であったため、無事に三泊四日の旅程を終えることが出来、ただただ感謝あるのみである。