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[2009年の出会い]
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- オシドリ
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山と渓谷社の「野鳥の名前」によれば、オシドリは、古来より「をしどり」と呼ばれ、「をし」は、「雌雄相愛し」の「愛し(をし)」 を意味しているそうです。雌雄の仲が良く、寄り添うようにして休むことが多く、雌雄の結びつきは、強いそうです。そのオシドリに近くの公園で出会いました。池の奥の方にいて、なかなか近づいてくれないと聞いていたのですが、私が、一人で待っていると、雌雄のオシドリが、ぐんぐん近づいてくるのです。慌ててレンズを向けました。2羽の呼吸がピッタリ。仲の良いオシドリ夫婦でした。
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- オオワシ
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流氷船に乗ってオオワシやオジロワシを撮影したいと何度か2月の道東を訪れました。しかし、タイミングが合わず、一度も流氷船に乗ったことがありません。流氷船は断念し、海岸沿いに走っていると、木にとまったオオワシやオジロワシをたっぷり見ることが出来ました。この日、北国らしく雪が舞い、北の大地らしい雰囲気の中でオオワシを撮影することが出来ました。
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- サシバ
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里山に春が訪れるのは、3月です。木々が芽吹き、柔らかな草の芽が少しずつ緑の色を濃くしていきます。その里山に春の訪れるを告げるかのようにサシバが訪れます。サシバが訪れる頃、水の入った田んぼでは、カエルの声が賑やかに聞こえるようになります。繁殖の時期になるとサシバは、「ピックィー」とあたりに響き渡るような声で鳴くのです。春から初夏にかけてサシバは、里山を気持ち良さそうに飛び回ります。
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- アオゲラ
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3月の末から4月初旬にかけて、ソメイヨシノは、見頃を迎えます。今までで一番印象に残ったソメイヨシノは、千鳥ヶ淵で見たものです。淡いピンクが、一面に広がる様は、まるで雪国のようでした。湖面には、ボートが浮かび、はらはらと桜の花びらが舞う光景は、遠い昔の思い出ですが、今でも鮮やかによみがえってきます。桜の花に絡めた鳥の写真を撮りたいというのは、私の夢でした。その夢が、ある日、突然実現したのです。淡いピンクの桜の花にアオゲラ。何とも嬉しい出会いでした。
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- フクロウ
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ピンクの蕾とやさしく開いた真っ白な花びら。その白さを一際美しく際立たせてくれるのは、若緑のみずみずしい葉です。その白い花は、りんごの花。青森県政100年を記念して1971年に指定された青森県の「県の花」です。りんご農家の方々が、丹精込めて育て上げるりんごは、この花が咲く頃から始まります。摘花作業という大切な仕事があるのです。そのりんごの木をフクロウやオシドリが住まいとして使うという話をテレビで見たことがありました。5月のある日、嬉しく思いがけない出会いが待っていてくれました。忘れられない心温まる思い出です。
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- サンコウチョウ
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三宮麻由子氏が、その著書「鳥が教えてくれた空」で、天女の化身と述べているのが、サンコウチョウです。全盲の彼女が、赤城山に旅行した折、明け方、光とともに現れた不思議に明るい「ホイホイホイ」の声を聞いたときの感動、感激が、その言葉に凝縮されているように思えます。
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森の緑が美しい6月のある日、私は、「ツキ、ヒ、ホシ、ホイホイホイ」と聞きなせるあの神秘的な歌を聞いたのです。静かな森の中で、その声は、まさに天女の化身と思えるものでした。
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- アオバズク
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青葉若葉の茂るころ飛来するので「アオバズク」と呼ばれるようになったという話は、あまりにも有名です。そのアオバズクは、「ホーホー」と鳴くそうです。私の所属する我孫子野鳥を守る会の会報の名前が「ほーほーどり」です。何ともロマンのある言葉に思えるのですが、いかがでしょうか。そのアオバズクに初めて出会ったのは、東京のある神社です。洞の中には、巣立ち前の雛がいて、仲良く雄、雌で見張り番をしていました。初めての出会いは、何といっても心に残るものです。でもそれ以上に心に残る出会いが、柳の木の下で待っていてくれました。凛々しい父親の姿、威厳ある態度が、目に焼き付いて離れません。
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- タマシギ
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山と渓谷社の「野鳥の名前」によれば、翼の上面に円形の斑があるので「玉鷸」と呼ばれるそうです。確かにタマシギが羽を広げたときのあの模様は、何とも美しく惚れ惚れするものです。一妻多夫という話もよく知られているところです。タマシギは、通年見られるはずですが、やはり夏場の出会いが、何と言っても多いような気がします。あの暑い日差しの中、シギ・チとの出会いを求めて田んぼ巡りをしている時、タマシギに出会えたときの喜びは、何とも表現出来ないほどの嬉しさです。この写真のタマシギは、♀の若い個体のようです。
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- ツツドリ
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秋の渡りが始まるのは、まだ夏の暑さが残るころです。田んぼや干潟のシギ・チが一段落するころ、公園では、渡りの鳥たちが羽を休めていきます。その渡りの鳥の中で、いつも楽しみにしている出会いのひとつが、ツツドリです。カッコウ、ホトトギス、ツツドリ、ジュウイチ。この4種のトケン類の中でツツドリが一番出会う機会があるように思います。秋の渡りでは、桜の木についた毛虫を好んで食べるツツドリ。春の渡りのとき、一度だけ鳴き声を聞き、姿を見たことがあります。「ポポッ ポポッ」その声は、本当に筒を手のひらでたたくような音に聞こえました。
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- コアオアシシギ
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田んぼめぐりの楽しみの一つは、シギ・チとの出会いです。春の渡り、秋の渡り。その季節が近づいてくると心が浮き浮きします。今シーズンは、どんなシギたちとの出会いがあるだろうか?そう考えるとき、真っ先に思い浮かべるのが、コアオアシシギです。あの細くて華奢なイメージのコアオアシシギは、どことなく可憐な少女を思い起こさせます。このコアオアシシギは、秋の渡りの終盤戦の頃、蓮田で出会いました。羽を広げ優しい顔立ち、嬉しい瞬間を収めることがことが出来ました。
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- エゾフクロウ
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フクロウは、憧れの鳥のひとつです。フクロウの顔は、人間に近いという話を聞いたことがありますが、確かにフクロウのあの顔立ちは、慈愛あふれる人の顔にも見えます。フクロウは、非常に警戒心の強い鳥ですが、エゾフクロウは、何故かゆったりと洞の中で、静かに佇んでいる姿を見せてくれます。それは、北の大地が育んだ人と鳥との共存関係を現すものなのかもしれません。いつまでも、この関係が保たれ、エゾフクロウにとって北の大地が、安住の地であるよう願ってやみません。
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- スズメ
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冬枯れの田んぼを回っているとき、スズメの群れを目にすることが、良くあります。多いときには、100羽〜200羽近い群れが、ワァーと飛び、電線に並んでとまったり、枯れたセイタカアワダチソウの上にとまったりします。落ち穂拾いをするかのように、冬枯れの田んぼに一斉に舞い降りることもあります。そして、また、ワァーと飛び立つのです。しかし、その群れを、何とか形あるものとして撮影するとなると中々難しいものです。この日は、何とかスズメたちが、まとまった形でとまってくれました。冬の日差しが、柔らかく降り注ぎ、枯れ草の色も優しく見えました。