九羽の白鳥 > とりどり日記(2010年4月) > 2010/4/16
桜が、長い間楽しめるのは、喜ぶべきか、憂えるべきか。例年なら、とうに花が散っているはずのソメイヨシノが、葉桜になっても、まだ、淡いピンクの花をいじらしくもつけている。それは、雨にあっても寒さにあっても、じっと耐えているという風情である。明日は、さらに寒くなるとの予報で、一体、どうなることだろう。
朝のひととき、小雨があがったので、沼のほとりを歩いてきた。湖面から吹きつける風に、思わず、コートの襟を立てる。ダウンのコートの上に、さらに、もう1枚羽織ったけれど、体が、しんしんと冷えてくるようであった。真冬と同じように手袋をつけ、それでも、指先が痛い。
湖面を泳いでいたコガモが、群れで飛んできて、水の入った田んぼに降りた。1陣、2陣、3陣。合わせて18羽。嘴に泥をいっぱいつけて、熱心に採餌している。コガモの旅立ちは、いつも遅いけれど、まだ、こんなにたくさん残っていたのだ。近くには、コサギ、ハクセキレイ、セグロセキレイもいる。
ツグミが飛んで来て、一瞬、桜にとまり、すぐにまた飛び立った。続いてモズが飛んで来た。沼のほとりは、寒いけれど、鳥たちとのささやかな出会いに、元気づけられる思いがする。