[ 蓮田のタヌキとシギ ]
「ん? 何の音だろう」
「うわー! タヌキだぁ~」
「呼んだ? 何かご用?」
「ん? 何の音だろう」
「うわー! タヌキだぁ~」
「呼んだ? 何かご用?」
収穫が済んだ蓮田は、広々として見通しが良い。見通しが良すぎるので、農道をそっとそっと歩かないと手前にいるシギたちに飛ばれてしまう。秋の渡りのシギ・チは、とうに旅立ってしまったので、ずいぶん寂しくなってしまったが、タカブシギは、数多く見かける。コチドリ、トウネン、オジロトウネンなども姿を見せてくれることがある。
奥の方のあぜ道で、ゆっくりしていたタカブシギが、ちょっと不思議そうな仕草をした。草むらの奥から、大きな音が聞こえてくるので、様子を見ているとタヌキが、次々に走って来る。何と体の重そうなタヌキが5頭。まるで運動会のように走って来るのでビックリ!このようなシーンは、今まで一度も見たことがない。秋の深まりを感じる蓮田で、何とも不思議な出会いであった。