2017/11/30 ミサゴ Osprey
鳥との出会いの少ない晩秋の田んぼ。時折、スズメの群れや数羽のカワラヒワを見かけるが、あまりにも寂しい。それでも、何か出会いはないかと田んぼに脚を運ぶ。冬支度の田んぼは、あまりにも殺風景で、いっそう寂しさが押し寄せてくるのだが、何か出会いがあるとその感激は大きい。
この日は、思いがけずミサゴに出会った。沼のほとりでは、杭にとまったミサゴを見かけることが多いが、殺風景な田んぼに降りているミサゴを見たのは、今回で二度目である。前方に上部が白くて下の方が黒い塊が見えた。鳥だろうか?双眼鏡をのぞいて見るとミサゴである。思いがけない出会いで嬉しくなり、そっと近づいた。久しぶりの出会いにひととき胸が高鳴った。
2017/11/29 ノスリ Common Buzzard
寒くなって来ると、田んぼでは、ノスリを見かけることが多い。しかし、今季は、案外ノスリを見かける機会が少なく、電柱にとまっているノスリを見かけたときは、ほっとして嬉しくなった。この日出会ったノスリは、田んぼの枯れ草の山のようなところに降りていたのだが、こちらの気配に気がついて飛び立ってしまった。
少々諦めきれない思いで、別の田んぼを回っていると、二枚目の田んぼになにやら見えるのは、どうやらノスリらしい。嬉しくなってレンズを向けるとほんの2~3枚シャッターを押しただけで、飛ばれてしまった。かなり距離があったのに、あの警戒心は、異常ではないか。そう思って思い当たるのは、狩猟解禁になっているということであった。なんとも寂しいことである。
2017/11/28 ハヤブサ Peregrine Falcon
越冬のシギ・チを期待して、蓮田や田んぼを回っても、出会いが少なく寂しい限りである。そのような中で、冬枯れの田んぼでは、猛禽に出会うことが多い。いくつかの田んぼをぐるぐる回っていると前方になにやら鳥らしい姿。逆光なのだが、なんとか撮れそう。ファインダーをのぞいてみると、ハヤブサである。ずいぶん久しぶりの出会いで、ちょっと嬉しくなる。
ハヤブサには、九十九里の海岸や岸壁近くで出会ったことがあるし、田んぼでも二度ほど出会ったことがある。しかし、見渡す限り何もいないような田んぼでの出会いは、ちょっと新鮮で、嬉しいものであった。すぐに飛び立たれてしまい、少々残念であったが、久しぶりの出会いにひととき胸が躍った。
2017/11/27 ツグミ Dusky Thrush
何度か鳴き声は、聞いていたのだが、なかなかゆっくり姿を見る機会に恵まれなかったツグミ。シギ・チを探しに出かけた蓮田で、1羽のツグミにゆっくり出会うことが出来た。寒さが増せば、ツグミは、あちこちで見かけることであろうが、今季なかなか出会いの機会がなかっただけに、この出会いは、嬉しかった。
いくつかの蓮田を見て回ろうと車を降りて歩き始めると、すぐ目の前にツグミの姿。急いでレンズを向け、ツグミの動きに合わせて数枚、シャッターを押すことが出来た。蓮田まわりが多い私にとって、この出会いは、印象深いものである。
2017/11/26 チョウゲンボウ Common Kestrel
田んぼで出会う機会の多い猛禽は、チョウゲンボウだろうか。一月ほど前、シギ・チを探しに回った田んぼで、チョウゲンボウを何羽も見かけた。それぞれ場所が、かなり離れているところなので、たぶん、別の個体なのだろう。あの日、5カ所で見かけたように記憶している。しかし、残念なことに、1枚もシャッターを押すことが出来なかった。
いずれ機会はあるだろうと思っていたが、ようやく竹の杭にとまっているチョウゲンボウに出会うことが出来た。この後、飛んで、田んぼに降りたのだが、残念ながら逆光であった。チョウゲンボウの顔は、可愛らしくて、私は、好きである。寒い冬の間、出会いの機会が増すだろうか。
2017/11/25 コアオアシシギ Marsh Sandpiper
越冬のシギ・チとの出会いを期待して、時折、蓮田を回ってみる。今季は、びっくりするほど少なくて、タカブシギ、タシギに出会えれば上々という感じの寂しさである。この日、嬉しいことに1羽のコアオアシシギに出会った。広い蓮田にほっそりしたコアオアシシギが1羽でいるとなんとも寂しい感じになってくる。
水のたっぷり入った蓮田で、餌取りをしていたが、あぜ道に上がり、枯れ草についた虫を啄んでいるようであった。背伸びをしている後ろ姿が、なんとも愛らしくて、大好きなコアオアシシギが、いっそう愛おしく思われた。
2017/11/24 タゲリ Northern Shoveler
何度も何度も田んぼに足を運び、タゲリとの出会いを楽しみにしていたが、いつも空振りばかり。念願叶ってようやくタゲリに会うことが出来た。それも5カ所で、見かけ、1カ所は、至近距離での観察。もっと離れてくれないかしらと思うほどであった。これほど警戒心がないタゲリに会うのは、初めてである。
タゲリは、光にあたると綺麗な金属光沢の色を見せてくれる。太陽が、程よくタゲリの羽を照らしてくれたので、とても綺麗に見えた。いつもは、大きな群れで出会うことが多いのだが、この日の出会いは、なぜか単独行動のタゲリばかりであった。
2017/11/23 オシドリ Mandarin Duck
昨シーズン、ずいぶん長い間、楽しませてくれたオシドリ。今年も飛来していると聞き、現地に行ってみるとコガモ、マガモ、ハシビロガモなどの姿は、見かけるが、なかなかオシドリが見つからない。あきらめて帰ろうとしたとき、オシドリの居場所を詳しく教えてくださるご親切な方にお会いした。
早速、教えていただいた場所に行ってみると、いた!いた!マガモの群れに混じって、1羽のオシドリ。懐かしさがこみ上げて感無量。木々が覆い被さるようなところにいると聞いていたけれど、なるほど、なるほど。まさにその通りである。まだ1羽だけであったが、これから寒さに向かって、数を増してくれるだろうか。楽しみであ
2017/11/22 コハクチョウ Tundra Swan
印旛沼の近くの白鳥の郷に、今年もコハクチョウが飛来している。まだまだ数は少ないが、元気な姿と独特の鳴き声を聞いたときは、嬉しさで胸がいっぱいになった。オオハクチョウもごくわずかではあるが、混じって行動している。昨年は、千羽を超える数であったと言うから、これから日に日に数を増していくことであろう。
すぐそばには、オナガガモの雄と雌が、ひしめき合うように、動き回っていて、なかなか楽しい光景である。寒さに向かってコハクチョウが飛び交う姿と、元気な声が辺りに響き渡ることだろう。
2017/11/21 カンムリカイツブリ Great Crested Grebe
静かな湖畔を一回りしてみると、カモの姿が、少しずつ増えて来ているようである。マガモ、ホシハジロ、オカヨシガモ。一番多いのは、カルガモであろうか。オオバンもずいぶん見かけた。そのような中で、カンムリカイツブリを数カ所で見かけた。なかなか良い位置には現れてくれないので、撮影には、ちょっと手間取ってしまった。これから寒さに向かって、カンムリカイツブリとの出会いの機会は、増えることだろう。この日の出会いは、今季初めて。久しぶりに見るカンムリカイツブリは、若々しく綺麗に見えた。
2017/11/20 ハクセキレイ White Wagtail
収穫の済んだ蓮田が広がる一帯を車で回ってみるが、鳥たちとの出会いは、あまりにも少ない。そのような中で、元気よく飛び回っているのが、ハクセキレイである。ひっそりと静かな蓮田にハクセキレイの元気な声が響き渡ると、なんだか嬉しくなって力が湧いてくる。ハクセキレイもサービス精神を大いに発揮して、羽を広げてくれた。ささやかな出会いではあるが、鳥たちとの出会いの少ない昨今、そのような出会いも嬉しいものである。
2017/11/19 ホオジロ Meadow Bunting
越冬するであろうシギ・チとの出会いを期待して出かけた蓮田は、あまりにも寂しく、ほとんど出会いがなかったに等しい状況であった。蓮田だけでなく、田んぼを回ってみても鳥との出会いがなく、久しぶりに湖畔を回ってみることにした。湖畔の草むらから、♪チッチッ♪チッチッ♪とかすかな声が聞こえて来る。しかし、姿は、なかなか見えない。
しばらく車を走らせていると1羽のホオジロの姿を発見。近くには、黄色く色づいた葉が見え、秋らしい雰囲気が漂っている。辺りを見渡してみると、枯れ枝に、もう1羽、別のホオジロがとまっている。こちらは、雄であろう。鳥との出会いの少ない時に、2羽のホオジロとの出会いは、嬉しく胸弾むものであった。
2017/11/18 オオタカ Northern Goshawk
暑い夏の日の元では、青々とした大きな葉を広げていた蓮田だが、今では、ほとんど収穫が進み、枯れた茎が、ところどころに見かけるだけの寂しい光景に変わってしまった。まだ、収穫の済んでいない蓮田の多くは、ネットが張り巡らされ、カモたちの姿を見ることもなく寂しい限りである。
それでも何か出会いはないかと淡い期待で蓮田を回っていると、後方から勢いよく飛んで来て電柱にとまった鳥がいた。トビでもないしノスリでもないであろう。そう思って前方の電柱を見上げるとオオタカがとまっている。トビやノスリと違ってオオタカの目は、かなり鋭い。気迫に満ちている。蓮田を見渡していたが、どうやらお目当てはいないようであった。短時間で引き上げてしまったので、その後は、どうなったか知るよしもない。
2017/11/17 ハジロカイツブリ Black-necked Grebe
湖畔で出会ったのは、ハジロカイツブリ。今季初めてである。真っ赤な目が印象的なハジロカイツブリ。3羽が、仲良くゆったり泳いでいて、何度も何度も潜水を繰り返していた。潜っては、また浮き上がり、しばらく辺りを見渡しては、また、潜っている。その姿を見ていると、こちらもゆったりした気分になってくる。潜ったときに、どんな魚をつかまえるのだろうか。浮き上がってきた時には、嘴のところに、何もつぃていないので、案外、漁は、難しいのかもしれない。空振り続きでも、何度も何度も潜水し、その日の糧を得ているのであろう。湖畔は、ゆったりと静かに時間が流れてゆく。
2017/11/16 永井凱巳氏のカレンダー
鳥撮りの大先輩で野鳥写真家の永井凱巳氏の作品によるフクダ電子カレンダー「舞い上がれ、空高く」のご紹介です。永井凱巳氏の作品は、四季折々の風景の中で憩う野鳥たちの姿を優しいまなざしで見つめ描写したもので、情感あふれ心癒されます。ここをクリックすると、カレンダーの説明をご覧いただけます。翼を広げて高く遠くへ羽ばたくコハクチョウの群れを始め、感動を呼ぶ作品ぞろいです。是非、ご覧ください。 カレンダーをご希望の方は、BIRDER 12月号 P.38~39をご参照ください。
監修:叶内拓哉氏 撮影:永井凱巳氏
2017/11/15 タヒバリ Buff-bellied Pipit
久しぶりに蓮田や田んぼを一回り。流石にシギ・チの姿は、ほとんどなくて、寂しい 田園風景になってしまった。越冬のシギ・チを期待して回った蓮田では、コチドリ数 羽とタカブシギ1羽、トウネン1羽を観察したのみ。しかし、今季、まだ出会いの機 会のなかったタヒバリは、水の引いた蓮田にたくさん飛び回っている。
もう1カ所、別の蓮田に回ってみると、ここでもタヒバリが、20羽ほど飛び回って いる。その数の多さに驚きながら、タヒバリの動きを観察していると、1羽のタヒバ リが、蓮の枯れた茎のところに嘴を近づけ、なにやら啄んでいる様子。何か虫がいた ようだ。タヒバリが、直立している姿が、ちょっと珍しくて、思わずレンズを向け た。
2017/11/14 メジロ Japanese White-eye
柿に雀を撮ったところで、メジロにも出会った。柿が熟れるころには、メジロが入れ替わり立ち替わり、現れる光景は、今まで、何度か見たことがある。しかし、柿にスズメは、今まで見たことがなかったので、とても新鮮に感じた。柿に飛んで来るスズメを待っていたところ、ひょっこりメジロが姿を見せてくれた。メジロは、柿の実をついばむのは、慣れているらしく、器用にくちばしを熟れた柿に差し込み、美味しそうに啄んでいた。それは、秋の深まりを感じるのどかなひとときであった。
2017/11/13 スズメ Eurasian Tree Sparrow
久しぶりに出かけた自然公園。ウグイスの地鳴きは、あちこちから聞こえてくるのだが、姿は見えず、一瞬、目の前を横切ったのは、シジュウカラだろうか。ヤマガラの♪ニーニーニー♪の声も聞こえてくるが姿は、見えない。ムラサキシキブが程よく色づき、ちょうど食べ頃、ここにメジロが来てくれたらと、しばらく待ってみたが、全くその気配は感じられない。せめてカワセミでもと思ったが、鳴き声すら聞こえず、ぐるっと一周して、あきらめて帰路につく。
帰り道で、民家の庭先にある柿の木にスズメが飛んで来るのが、目に入った。ずいぶんびっしり柿の実がついている。熟れすぎて、ぽたりと落ちそうなくらいの柿もある。スズメは、数羽の群れで飛んで来るのだが、柿の実の奥の方に入り込んで、なかなか被写体には、なってくれない。それでも、なんとかスズメの姿をとらえることが出来た。柿に雀。秋の深まりを感じるひとときであった。
2017/11/12 アオアシシギ Common Greenshank
収穫の済んだ蓮田が、あちこちに広がり、田園風景は、何ともわびしく殺風景になってきている。見通しが良くなって、シギ・チを探しやすくなって来ているのだが、肝心のシギ・チの姿は、ずいぶん少ない。
そのような中で、嬉しい出会いがあった。車を降りて、ゆっくりゆっくり、そっとそっと農道を歩き始めると前方に何やら白い塊が、2個見える。私は、目が悪いので、距離があると、それが何であるかすぐには分らない。直感で、多分シギであろうと判断し、双眼鏡を覗いてみると嬉しいことに2羽のアオアシシギであった。鳥との出会いの少ない日、このような出会いは、とても嬉しいものである。
2017/11/11 クサシギ Green Sandpiper
相変わらずの田んぼめぐりであるが、今年は、クサシギに良く出会う。警戒心の強いクサシギには、今まで、何度飛ばれたことだろう。車でそっと近づいても飛ばれることが多かったのだが、ここ4ヶ月ほどの間に出会ったクサシギは、フレンドリーな個体が多く、案外近くで撮影することが出来た。
クサシギは、地味で目立たないが、好きなシギのひとつである。シギ・チに関心を持ち始めたばかりの頃は、クサシギとタカブシギの識別が出来ずに頭を悩ませていたのだが、今では、懐かしい思い出となっている。また、ゆっくり会いたいものである。
2017/11/10 ヤマガラ Varied Tit
リビングの窓越しに見る青空は、澄み切って、かすかに吹く風には、秋の気配がいっぱいである。♪ニーニーニー♪かすかな声を聞いたような気がして、そっとベランダに出てみる。ベランダのすぐ近くにあるエゴノキは、もうずいぶん前に実が食べ尽くされて秋色の葉が、揺れているだけである。前方の夾竹桃の根元を見るとなにやら動く気配。ヤマガラだった。
そのヤマガラが、植え込みの中に入って、動き回っていたが、やがて1カ所にとどまり、あちこち見渡していたが、羽繕いを始めた。実に入念に羽繕いをしている。安心しきって、「ここは、私の居場所よ。」とでも言いたそうな雰囲気である。最後には、伸びもして、すっかりリラックス。ベランダからのゆったり鳥見のひとこまである。
2017/11/9 コアオアシシギ Marsh Sandpiper
すっかり寂しくなった蓮田だが、わずかな出会いを期待して時折、蓮田や田んぼに足を運ぶ。暑さを感じる頃には、ほとんど出会いのなかったチョウゲンボウやノスリなどにを時々見かけることがある。タヒバリやタゲリなど飛来しているはずなのだが、まだ出会いの機会に恵まれない。
ゆっくり蓮田を回ってみると1羽のコアオアシシギの姿が見える。時間によって会えたり会えなかったり。それが探鳥の魅力なのだろう。近くにいたクサシギは、こちらの気配を察してすぐに飛び立ってしまったが、コアオアシシギは、ゆったりと深まりゆく秋の蓮田を楽しんでいるようにも見えた。この日、もう1カ所でもコアオアシシギに出会うことが出来た。
2017/11/8 蓮田のタヌキとシギ
収穫が済んだ蓮田は、広々として見通しが良い。見通しが良すぎるので、農道をそっとそっと歩かないと手前にいるシギたちに飛ばれてしまう。秋の渡りのシギ・チは、とうに旅立ってしまったので、ずいぶん寂しくなってしまったが、タカブシギは、数多く見かける。コチドリ、トウネン、オジロトウネンなども姿を見せてくれることがある。
奥の方のあぜ道で、ゆっくりしていたタカブシギが、ちょっと不思議そうな仕草をした。草むらの奥から、大きな音が聞こえてくるので、様子を見ているとタヌキが、次々に走って来る。何と体の重そうなタヌキが5頭。まるで運動会のように走って来るのでビックリ!このようなシーンは、今まで一度も見たことがない。秋の深まりを感じる蓮田で、何とも不思議な出会いであった。
2017/11/7 イスカ Red Crossbill
海岸に沿った松林にイスカの群れが入ったとの話を耳にしたのは、台風の後のことである。台風接近の折には、被害が出ないことを願うが、何か珍しい鳥との出会いも少なからず期待する。
風の強い日であったが、海岸沿いの松林を訪れてみると数分前までは、近くにイスカの群れがいたとの話。一足遅かったかとがっかりしたが、しばし待つことにし、付近を歩いてみる。逆光の位置に1羽のイスカの姿を発見。近くには、アトリの姿も見える。しばらくするとイスカが鳴きながら群れで飛んできた。しかし止まったところは、はるかかなたの枯れ木の中。ゴマ粒ほどであるが、シャッターを押す。
海岸付近を歩いて再び、もとの位置に戻ってみると、今度は、比較的近くの枯れ木にイスカがとまっている。イスカの交叉している嘴が分る程度の距離である。これが緑の松葉だったらと少々贅沢な願望もあったが、久しぶりにイスカに会えたことの感謝の一日であった。
2017/11/6 トウネン Red-necked Stint
タカブシギがたくさんいる蓮田では、トウネンにも出会った。タカブシギとは、少し離れて、オジロトウネンと一緒に行動しているようである。トウネンを見る度に、あの小さな体で、長い長い渡りを続ける威力をどこに持っているのかと不思議に思う。
他の仲間は、すでに南下したことであろうから、今、滞在中のトウネンは、越冬するのだろうか。オジロトウネンやコチドリと一緒に飛び立っては、また戻って来るという行動を繰り返していたから、仲間たちと一緒に、行動するのかもしれない。
2017/11/5 オジロトウネン Temminck's Stint
ひと頃、賑わった蓮田は、今では、ひっそりと静まりかえっている。収穫の済んだ蓮田を数カ所、見て回っても、シギたちとの出会いは、ほとんどなく寂しい限りである。
そのような中で、1カ所だけ、タカブシギで賑わっている蓮田がある。農道に沿って歩き始めると数羽のタカブシギが、気配を察して、鳴きながら飛び去る。飛んだ方向をじっくり見てみると、タカブシギが10数羽、動き回っている。タカブシギの手前の方で、小さなシギが動いている。どうやらオジロトウネンのようである。
今季、何度か出会いの機会のあったオジロトウネンであるが、個体によって、羽衣が違い、興味深い。これから寒さに向かって、オジロトウネンも越冬してくれるのだろうか。楽しみである。
2017/11/4 イソシギ Common Sandpiper
田んぼや蓮田で、比較的出会いの機会が多いのが、イソシギ。渡りのシギ・チに会えない日でもイソシギに心和ませてもらった日が、どれくらいあったろうか。ところが、この頃、クサシギには、良く出会うが、イソシギとの出会いが案外少ないような気がする。
イソシギは、いつ出会っても大抵、1羽。単独行動している。渡りのシギたちは、群れで行動することが多いが、留鳥であるイソシギは、案外孤独なのかもしれない。それともマイペースで行動することが好きなのだろうか。
2017/11/3 アオアシシギ Common Greenshank
♪ピョーピョー♪ピョーピョー♪哀愁を帯びた声が見通しの良くなった蓮田に響き渡る。姿は、見えなくてもアオアシシギの存在を確かめることが出来、安堵感と嬉しさがこみ上げて来る。
アオアシシギは、非常に警戒心の強いシギで、用心して近づいても飛び立たれることが多い。ところが、この日出会ったアオアシシギは、車からの撮影とはいえ、ずいぶんゆったりしていて、ゆっくり観察することが出来た。シギも色々。それぞれに個性があるのだろうか。蓮田を秋の風と共に♪ピョーピョー♪ピョーピョー♪の声が通り抜けて行く。
2017/11/2 オオハシシギ Long-billed Dowitcher
秋の渡りのシギ・チを求めて何度となく足を運んだ蓮田。すでに渡りの時期は、過ぎたようで、蓮田は、大分寂しくなって来た。これからの出会いは、越冬する個体が多いことだろう。
例年、越冬の個体が見られる蓮田に行ってみると、たくさんのタカブシギの中に、オオハシシギの姿が見える。少し前には、2羽の姿を見ただけであったが、この日は、8羽のオオハシシギの姿を確認。きっと越冬してくれるに違いないと期待が高まる。独特の長い嘴で、器用に食事をする様は、何ともユーモラスで心和む光景である。
2017/11/1 タカブシギ Wood Sandpiper
広~い蓮田の奥の方に、たった1羽のタカブシギ。たくさんのオグロシギやツルシギやオオハシシギで賑わうこともあったが、時間帯によっては、もぬけの殻状態。それでもタカブシギが姿を見せてくれたのが救いであった。
そのタカブシギだが、蓮の葉の上に乗っている。今まで、タカブシギには、数多く出会っているが、蓮の葉の上に乗ったタカブシギを見るのは初めてである。上手にバランスをとっている姿が、何とも微笑ましい。この日は、蓮田に水がたっぷり入っていたので、蓮の葉の上で休憩していたのであろうか。思いがけず楽しい出会いであった。