タイトル:九羽の白鳥 とりどり日記

[ キジ ]

2018/3/2 美しい衣装

春の気配を感じる頃、田んぼで姿を見かけるようになるのが、キジである。暑い夏を過ぎ、秋から晩秋、冬の寒さの中では、ほとんど出会う機会のないキジ。一体、その間、キジは、どこに姿を潜めているのだろうか。

田んぼに春の気配を感じ始めたある日、田んぼの土の中に埋もれているように見えるキジの姿を見かけた。やがて、そのキジは、動き出し、田んぼの土を両足で、掘り起こしながら、熱心に食事を始めた。乾ききったように見える田んぼに、何があるのだろうか。早春の日差しが、雄のキジの背中に降り注ぎ、その光沢が、何とも美しい。まるで錦糸、銀糸を織り込んだ衣装をまとったように見える。

これから暖かさを増せば、美しいキジの姿を見かける機会も増えることであろう。久しぶりの嬉しい出会いであった。