鳥に関心を持つようになったのは、手賀沼のコブハクチョウとの出会いがきっかけであるが、その世界に導いてくださったたくさんの方々のことは、決して忘れてはいない。見るものすべてが新鮮でキラキラ輝いていたあの頃。薔薇色の綺麗な鳥がいると教えてくださった方に出会った。
当時、私の手元には野鳥図鑑は、1冊しかなかった。その図鑑を見ると薔薇色の綺麗な鳥の名前がオオマシコということが分かった。そしてオオマシコがいるという山道を案内してくださったのである。その山道には、ハギの実があった。ハギは、オオマシコの大好物である。込み入ったハギの間に、まさしく薔薇色のオオマシコが姿を見せたとき、私の胸は、あまりの嬉しさに苦しくなってしまったほどであった。
寒さの中で出会ったオオマシコ。嬉しく懐かしい思い出のひとこまである。