木々の緑が辺り一面を覆い尽くすような季節を迎えると、出会いを楽しみにしている鳥がいる。そのひとつがフクロウであり、もうひとつがトラフズクである。フクロウは、巣立ったばかりの雛や、親鳥にも何度か出会ったことがあったが、トラフズクは、なかなか機会がなかった。
そのトラフズクに静かな静かな林の中で出会った。親鳥は、離れた高い木の上にいたのだが、巣立ち雛が2羽、かなり近い位置にいる。しかし、手前の枝が視界を遮り、なかなか思うようにはいかない。それでも2羽が、「何かご用?」とでも言うように、こちらを向いてくれた。短時間で引き上げたが、思いがけない嬉しい出会いであった。