太陽の輝きが、一段と強くなり始める頃、ハマヒルガオの咲く海辺で、コアジサシの姿を探すのが楽しみだった。遠くからそっとそっと近づいてコアジサシの様子をうかがう。威嚇されないように、そっとそっと。あの海辺で、コアジサシの姿が見られなくなって久しい。あちこちの営巣地で、コアジサシの姿が消えたという。何とも寂しい限りである。
しかし、この夏、思いがけずコアジサシの姿を見ることが出来た。数は少なかったが、コアジサシの姿を久しぶりに見て心が弾んだ。良く見ると、コアジサシ幼鳥が2羽、草の陰をちょこちょこ動いている。雛の姿を見ることは叶わなかったが、嬉しく心に残る夏の日の思い出である。