渋いベージュ色の田園風景が大好きで、寒い間でも何度も田んぼに足を運んだものであった。田んぼに隣接する地域に葦原が広がっている。早春とは言っても枯れ草ばかりが目に付くが、オオイヌノフグリやホトケノザなどが、時々顔を見せてくれる。
もう帰る時季が来ているかなと思いつつ葦原を訪ねてみたことがある。寒い間、何度かその姿を見ていたコミミズクとの出会いをわずかに期待しながら。枯れ草の間を丁寧に見て回ると何と嬉しいことにコミミズクの姿が目に飛び込んできた。あの日のコミミズクの姿が、早春の日差しを見ると思い出される。