田植えの済んだ田んぼが、あちこち目に付くようになり、早苗の揺れる様をみると清々しい気分に浸ることが出来る。新緑の季節を過ぎ、梅雨を通り越し、真夏のぎらぎら光る太陽を浴びて稲は、逞しく育っていく。大好きな田んぼの光景は、四季を通して心和みまた、力づけてくれるような気がする。
その田んぼで出会ったムナグロ。長い渡りを通してどれほどの体力が必要なのだろう。まだ耕されていない田んぼで羽を休めていたムナグロは、旅の疲れであろうか。皆、それほどの動きがなく、時折、空を仰ぐ視線が、たまらなく愛おしく思われた。