5月の下旬は、梅雨を思わせる日が、何日も続いた。自粛の日々とも重なって気が滅入ることも多々あった。そのような中で、ベランダから見えるエゴノキに真っ白な花が咲き誇り、雨に打たれると一層美しさを増すようにも思われた。
そのエゴノキにメジロが姿を見せてくれた。秋口、エゴノキの黒い実が実る頃、いつも♫ニーニーニー♫と甘い声を出してヤマガラが姿を見せてくれる。しかし、今まで、森のシャンデリアと言われる白い花が咲く頃、鳥の姿を見たことは、一度もなかった。
本当に短い時間であったが、メジロは、真っ白なエゴノキの花の蜜を吸い、あっという間に飛び去ったのだった。