私の鳥見の原点は、手賀沼のコブハクチョウとの出会いである。2003年の5月手賀沼遊歩道を歩いていると前方に大きな白い鳥が見えて来た。ずいぶん大きなアヒルがいるなあと思って驚いていると、すぐ近くに居た男性が、「これは、アヒルではなくて、コブハクチョウと言うんだよ。」と親切に教えてくださった。当時、私は、カラスとスズメくらいしか鳥を知らなかった。このとき出会ったのが、9羽のコブハクチョウであった。コブハクチョウが、可愛い雛を背中に乗せる姿を見て、ますますコブハクチョウへの感心が高まり、手賀沼通いをしたのだった。
コブハクチョウより、田んぼに飛来するシギチへの思いが高まり、久しく手賀沼のコブハクチョウを訪ねる機会がなかったが、雛の誕生を教えてくださる方があり、久しぶりに出掛けてみた。母鳥と7羽の雛。何とも心和む光景である。父鳥は、すぐ近くで温かい視線で見守っている。家族の絆を感じるひとこま、ひとこまを見ることが出来て満ち足りた気分に浸ることが出来たのである。外来種とひと言で片付けられてしまうのは、何とも悲しいことである。