この蓮田地帯へ足を運ぶようになって何年になるだろうか。おそらく20年近くになることであろう。初めて田んぼに飛来するシギたちに関心を持つようになったのは、珍鳥オオキアシシギとの出会いが縁である。それが、どれほどの珍鳥であるか当時は、知らなかったが、飛来して数日後に行ったので、観察者は、ほとんどいなかった。今では、考えられないことである。
当時、シギたちへの格別の関心はなかったのだが、田園風景が大好きで、いつの間にかシギやチドリの世界にはまっていったのだった。その蓮田地帯を訪れるたびにいつも一羽のアオサギが出向かえてくれる。この日も、まったく警戒心がなく、ゆったりとした姿を見せてくれたのである。警戒心の強いはずのアオサギが、何とも不思議なことである。