タイトル:九羽の白鳥 とりどり日記

2024/5/1 散歩道

先月の半ばに出掛けた公園でアオダモという植物を見かけた。若緑の葉をいっぱいつけて、白くて華奢なイメージの花を咲かせていた。若緑の葉は、たくさんあったが、真っ白な花は、ごくわずかであった。その花が、卯月の空に楚々として咲く様は、何とも心惹かれるものであった。

少し坂を登ったところには、ブルーベリーが、白い花を咲かせていた。桜の木には、小さくて愛らしいサクランボがいくつか実をつけて何とも清々しい。散歩道は、いつものどかである。

2024/5/2 散歩道

4月の半ば過ぎに出掛けた公園で思いがけない出会いがあった。すでに旅立ったと思っていたシロハラが目の前に姿を見せ、何とも愛想の良い仕草をしてくれたのである。寒い冬の間には、ほとんど出会いの機会のなかったシロハラに、こうして出会うと嬉しいような何とも落ちつかない気分である。こちらの気配を充分感じていると思うが、全く警戒する様子もなく、むしろ近づいてくるような気配さえ感じたのである。

近くの桐の木には、春の陽射しがさんさんと降り注ぎ、出始めたばかりの若葉が初々しく輝いて見えた。

2024/5/3 散歩道

4月の半ば過ぎの出会いからのご紹介である。田んぼ道を車でゆっくり回っているとツグミの姿が見えた。今季、飛来の時期が遅かったので、滞在もゆっくりなのであろうか。程良い位置に姿を見せてくれたので、良いモデルになってくれたのである。

桜の木は、すでに若葉が生い茂り、足元には、タンポポやアザミの花が見える。ニガナが群生しているところもあり、まさに春爛漫の風情であった。散歩道は、のどかである。

2024/5/4 沼のほとり

久しぶりに訪れた沼のほとりは、相変わらず長閑な光景を呈していた。空には、ゆったりと浮かぶ白い雲。悠々と春の空を飛んでいるのは、二羽のトビ。湖畔の舟でお昼寝を楽しんでいるのは、モモイロペリカンのカンタくん。遠くに見えるのは、三羽のオオバン。ピッタリ息が合って仲良く一列になって泳いでいる。

沼のほとりで見つけたのは、アケビの花。今度は、実が実る頃、訪れてみたいものである。

2024/5/5 散歩道

ずっと気になっていた桐の木。久しぶりに訪ねてみると桐の姿が見えない。と思えるほど変貌した桐の木。やっと若葉が見える程度であった。環境の変化で、植物にも影響が出ているのだろうか。

近くでは、ブルーベリーの花が見頃で、昆虫が蜜を求めて集まっていた。ブルーベリーの花は、どんな味がするのだろうか。木陰には、クサノオウが黄色の花を一面に咲かせていた。

ゆっくり歩く散歩道。散歩道は、のどかである。

2024/5/6 散歩道

ゆっくり歩く散歩道。折々に気になっている植物があり、その植物に出会うと嬉しくなり元気が湧いて来る。気になっていたのは、アケビの花とブルーベリーの花。アケビの花は、沼のほとりで久々に見ることが出来た。ブルーベリーは、桐の木の近くの畑で見ることが出来、ちょうど見頃であった。

嬉しかったのは、木陰でタンポポの花を啄んでいたカワラヒワとの出会いである。警戒心が強く、ほんのひとときの出会いであったが、鳥と出会いは、心弾むものである。

2024/5/7 散歩道

自宅近くに10本ほどのエゴノキがある。広い庭園を取り囲むようにエゴノキが植えられているのだ。最初は、ずいぶん頼りないエゴノキであったが、歳月が経ち、今季は、見事に花をつけている。若葉が生い茂って真っ白なエゴノキの花を一層、引き立てている。エゴノキの花を「森のシャンデリア」と呼ぶそうだが、まさにまさにと思った次第である。

すぐ近くの木陰には、優しいピンクの石楠花が微笑みかけるようで何とも心弾む散歩道であった。

2024/5/8 散歩道

花梨の実が気になって自宅近くの散歩道を歩いてみた。広い庭園の石垣近くに植えられているのは、テイカカズラ。白くて可愛く清楚な花で大好きである。すぐ近くには、イチハツが楚々とした姿を見せてくれる。今の時期、紅葉は、たくさんのプロペラをつけて何とも可愛らしく楽しい気分になってくる。

ヤツデは、真っ黒な実をつけていた。今まで、ヤツデの黒い実を見る機会はなかったので、何とも不思議な感覚にとらわれたのである。

コデマリの真っ白な花は、愛らしくほっと心安らぐものがあった。

2024/5/9 散歩道

自宅近くの散歩道。時折、ゆっくりゆっくり歩いている。折々にささやかながら出会いがあり発見があって、なかなか楽しい。この日は、アカバナユウゲショウにとまった小さな蜂。こんな小さな花にも蜜があるのだろうか。一心に吸蜜する姿が何とも愛らしかった。

生垣に使われているナニワノイバラ。少々時期が遅かったようだが、何とか数輪残っていて写真を撮ることが出来た。ニセアカシアの花も五月の風に揺れていた。散歩道は、のどかである。

2024/5/10 散歩道

4月の半ば過ぎの出会いからのとりどり日記である。沼のほとりを歩いて車にもどりかけた時、一羽の鳥が桜の木に入って行くのが見えた。一瞬、シジュウカラかと思ったが、近づいて見るとメジロであることがわかった。動きが早く、桜の花の影に入って、なかなか写真が撮れない。それでも数枚、メジロを撮ることが出来た。久々の鳥との出会い。胸弾むひとときを過ごすことが出来た。

2024/5/11 散歩道

ずっと気になっていたネモフイラ。数年前には、自宅近くの散歩道で見事に咲いているネモフイラを見ることが出来たのだが、コロナ禍のあと、すっかり荒れ地になってしまい見ることが出来なくなてしまった。

車で通りかかった道すがら、ネモフィラが見事に咲いているのを見て心穏やかな気持ちになった。車を停めて、ネモフイラの写真を撮り、近くに咲いていたレンゲソウも久しぶりに見ることが出来たのである。ネモフィラもレンゲソウも心穏やかになれる花である。

2024/5/12 田んぼのひとこま

久しぶりに出掛けた田園地帯。今は、田んぼが広々と大きくなってしまいあぜ道がほとんど無い状態。自宅からそう遠くないところに昔ながらの田んぼがある。

久しぶりにその田んぼに出掛けてみると逆光の位置に鳥影が見える。距離があり、すぐには識別が困難であったが、どうやらチュウシャクシギらしい。鳥が動くのを待って、なるべく順光に近い位置に移り撮影した。久しぶりのチュウシャクシギ。胸躍るひとときであった。

2024/5/13 散歩道

沼のほとりを歩いてみると色々な発見がある。それは、ささやかな出会いであるが、時には、心躍る出会いもある。ベンチに座って沼のほとりを眺めていると、一羽の鳥が飛んできた。日陰になっていて、すぐには分からなかったが、それはスズメであった。たかがスズメ、されどスズメ。最近、スズメとの出会いは、ずいぶん少なくなって寂しい限りである。日陰で撮りにくかったが、何とか数枚、すずめの写真を撮ることが出来た。

近くには、可愛い八重の桜が咲いていて、心和むことであった。散歩道のひとこまで ある。

2024/5/14 散歩道

ずっと気になっていた植物がある。ヒトツバタゴ別名ナンジャモンジャの木である。昨年、偶然、見る機会があって真っ白で清楚な花に心奪われてしまった。今年も昨年のあの場所に足を運んで見たいと思いながら、何かと用事があったり、体調が思わしくなかったりで一日延ばしになっていた。

やっと重い腰を上げて出掛けてみると地面に真っ白な花びらがびっしり落ちている。やや遅かった感があるが、それでも美しいナンジャモンジャの木を見ることが出来たのである。

2024/5/15 散歩道

ずっと気になっていた小さな庭園。自宅近くにあるのだが、徒歩では、無理で家族の運転する車が何より、頼みのツナである。早速、目に飛びこんできたのは、ベニズオウ。こどもの頃の思い出とつながり、心が和んで来る。足元には、ヤマブキがこぼれんばかりに咲いてまるで歓迎しいる感があり嬉しくなってくる。

ちょっと見上げるとシモクレンが青空に美しい。足元には、ヒマラヤユキノシタがたくさん咲いていた。また、ゆっくり訪ねてみたいものである。

2024/5/16 散歩道

自宅近くにある小さな公園。ゆっくりゆっくり歩く散歩道である。体調を崩してしばらく足を運ぶことが出来なかったのだが、久々に訪ねてみると小さな小さなシジミチョウがヒラヒラと自由自在に舞っている。ベンチに腰を下ろし、その様子を観察していると、シロツメクサにとまった。ヤマトシジミと思っていたが、尾状突起があるので、ツバメシジミのようである。

その後、再び、舞い始め、次にとまったのは、枯葉の上で、開翅し真っ黒な翅を見せてくれた。のどかな公園のひとこまである。

2024/5/17 散歩道

のどかな散歩道で見かけていた小さくて真っ白な花。やっと何とか写真を撮ることが出来て、調べてみるとクマノミズキの花らしい。小鳥の好きな木である。今まで気になりながら、なかなか調べる機会がなかったのだが、今の時期にあちこちで見かけるので、調べてみて良かったと満ち足りた気分である。ハナミズキは、すでに終わっていたが、痛みながらもまだ花をつけている木もあり、何とも胸がいっぱいになってしまった。

小さな公園には、小さな池があり、白くて清楚な花が美しい姿を見せてくれた。長閑な散歩道のひとこまである。

2024/5/18 散歩道

雨の降る日、ベランダから外を眺めてみるとエゴノキに白い愛らしい花が咲いているのが目にとまった。散歩道で見かけるエゴノキは、すでに花が終わって、葉が生い茂っていたのだが、場所によって色々なのだろう。

水滴のついたエゴノキの花がとても魅力的に見えてレンズを向けてみた。いつも見慣れたエゴノキの花とは、雰囲気が違って生き生きと見えた。雨の日のひとこまである。

2024/5/18 散歩道

いつもよく出掛ける散歩道。そこに小さな公園がある。歩くことが大変な私にとって、ベンチやささやかなお休みどころは、何より有り難く貴重である。その小さな公園には、いくつかのベンチがあり、しばしば利用させていただいている。

そのベンチのひとつに腰掛けて前方を眺めてみると、タイサンボクに小さな花芽があることに気がついた。もう数日で開花することであろう。このタイサンボクの花は、是非、写真に収めたいものである。近くでは、ベニウツギの花が可愛い花をたくさんつけていた。

2024/5/19 散歩道

手入れの行き届いた庭園を時折、訪ねている。その庭園で嬉しい出会いがあった。ハナイカダを見つけたのである。昨年、この庭園を訪れた折には、まったく気がつかなったのだが、庭園の片隅にひっそりと実をつけていた。今度は花の頃に、是非、訪ねてみたいものである。

庭園内では、楓が可愛い赤色のプロペラをたくさん付けていた。タイワンコマツナギは、初めて見る花であったが、白とピンクで藤に似た可愛い花であった。

2024/5/20 散歩道

日々、体力のなさを実感し、よちよち歩きながら、まだ自分の力だけで、何とか歩を進めることが出来る幸せに感謝し、気の向いたときに家人の協力を得て散歩している。それは、自宅のすぐそばであったり、車に乗って移動しなければならないところもあったり、さまざまであるが、自然に触れることで大きな力を頂いていることは確かである。家人の協力に心から感謝している次第である。

2024/5/21 散歩道

ロウバイには、いくつか種類があるらしい。散歩道で出会ったのは、3種のロウバイであった。ひとつは、ソシンロウバイの実で、花の時期のソシンロウバイの姿は、目に焼き付いている。二つ目は、ナツロウバイ。名前は、以前に聞いたことがあったが、実物を見るのは、初めてである。そっと日陰に咲く姿が何とも愛おしくてたまらない。もうひとつは、クロバナロウバイである。黒みがかった赤色の目立たない花である。この3種を同時に見ることが出来て何とも心満たされた散歩道であった。

2024/5/22 散歩道

自宅近くの散歩道。カタバミの花がたくさんあって気になっている場所がある。時折、ヤマトシジミらしい蝶がひらひら舞っているのを見ることがあったが、買い物帰りにのぞいてみると、小さなカタバミの花に蝶がとまっている。それも2頭が寄り添うように必死にしがみついているという雰囲気である。この日は、風があって、花が揺れるので、それに合わせて被写体が揺れるので撮影は、ままならない。それでも何とか数枚、記録に残すことが出来た。恋は成就したようである。

2024/5/23 散歩道

はじめてキュウリグサの存在を知ったときは、驚いた。ネットで見たキュウリグサの印象とは、程遠いものだったからである。あまりにもはかなく見落としてしまいそうな小さな花であった。それ故、写真を撮るのは、なかなか難しく何とか撮れたときは、満足感で胸がいっぱいになる。暖かい日が続き、キュウリグサがあちこちで見受けられるようになると、ソワソワしてしまう。今回は、まずまずの出来であろうか。

2024/5/24 ベランダのひとこま

散歩道で時折、見かけるコバンソウ。この植物に初めて出会ったのは、5年ほど前である。なるほどコバンソウという名前がぴったりで、風に揺れる様が何とも愛おしく一目惚れしてしまった。その時期がやってくると、見落としがないよう辺りを丁寧に観察しながら、歩を進めることになる。

すっかり忘れていたが、散歩道でコバンソウの種を拾って来たらしい。ベランダのプランターから顔を覗かせているコバンソウに驚きと嬉しさでレンズを向けた次第であ る。

2024/5/25 散歩道

自宅近くの散歩道。何とか痛みを堪えながら、時折、歩いている。ピンクの花が愛らしいシモツケソウ。今の時期、ちょうど見頃のようである。手入れの行き届いた一角があり、そこにたくさんのシモツケソウが咲いていた。すぐ近くには、スイカズラが咲いていて実にのどかで嬉しくなってくる。

ささやかな出会いの散歩道。ゆっくりゆっくり歩いている。

2024/5/26 散歩道

自宅近くの散歩道。今の時期、良く見かける花のひとつが、シランである。以前は、我が家のベランダにもあったのだが、いつも間にか絶えてしまった。何色と表現するのが正しいのだろうか、紫色がかったピンクの可愛い花である。

スイカズラも良く見かける。金銀花という別名もあるようで、咲き始めは、白い愛らしい花を咲かせ、次第に黄色に変化していく。散歩道は、のどかである。

2024/5/27 散歩道

自宅近くの散歩道。新緑から濃い緑に変わりつつある風景がなかなか美しい。色々な花を愛でながら歩くひとときが快い。自宅を出て程なく見かけたのがベニバナトチノキ。なかなか華やかな花である。続いてマルバシャリンバイ。白くて可愛い花である。少し歩くとコミノネズミモチが真っ白な花を房状に咲かせているのを見ることが出来た。

続いて目についたのは、マグワである。赤い実が何とも愛らしい。実にたくさん実をつけていた。ドングリもそろそろ準備を始めたようである。足元ではアカバナユウゲショウ。最終地点で見かけたのは、マキバブラシの木であった。ゆっくり歩く散歩道のひとこまである。

2024/5/28 散歩道

ずっと気になっていたブルーベリー。体調の良い日を選んで出掛けてみた。体調を崩してあまり出掛ける機会がなかったので、歩くのが辛い。特に立っているのが辛い。それでも外の空気を吸って気分転換になればと家族の配慮で出掛けてみた。

前回、この場所を訪れたときは、ブルーベリーの花を見ることが出来たのだが、今回は、実になっている。ビッシリ見事な実である。この実が間もなく色づくことであろう。その頃、また訪ねることが出来ればと思う。

2024/5/29 散歩道

大好きな沼のほとりを訪ねてみると、人気者のカンタくんが昼寝を楽しんでいるようであった。カンタくんの定位置になっている舟に乗って、ゆったり寛いでいる。この光景は、何度見ても癒やされるものである。

少し離れたところにある公園に行ってみると花時計が綺麗であった。5月は、いろいろな花を見ることが出来てワクワクする。

2024/5/30 散歩道

新緑の季節を迎えると気になる場所がある。田んぼの一角にある白い花が2種並んで咲いているスポットである。ひとつは、2メートルは、優に越すと思われるヒメウツギの木で、ここ数年、いろいろな蝶が吸蜜にくるのを観察することが出来た。今年も楽しみにしていたのだが、今回、全く蝶の姿を見ることが出来なかった。誠に残念である。

もうひとつは、1メートルほどの高さのイボタノキである。このイボタノキの花にも蝶が集まる。しかし、こちらも何故か不人気。結局、ヒメウツギもイボタノキも空振りに終わったのである。

2024/5/31 散歩道

自宅近くでも見る機会のあるスイカズラの花。少し足を伸ばした沼のほとりでも見る機会があった。ちょうどモンシロチョウが飛んで来て吸蜜している光景を数枚、写真に収めてみた。スイカズラは、最初は白くて、だんだん黄色に変わり、盛りが過ぎる頃には、白と黄が入り乱れることから金銀花と言われている。甘い香りに誘われて、またモンシロチョウが飛んで来た。