タイトル:九羽の白鳥 とりどり日記

2024/7/1 散歩道

以前は、しばしば足を運んでいた田園地帯。体調を崩してからずいぶん足が遠のいている。家族の協力を得て、久しぶりに田んぼに出掛けてみた。田んぼも機械化が進み、畦がほとんどなくなり、広い広い田んぼになってしまった。それ故、あぜ道で寛ぐサギたちの姿を見る機会がずいぶん少なくなってしまった。

今の時期は、稲田の緑が色濃くなって、一面に緑の絨毯を敷き詰めたようである。その稲田でチュウサギが数羽寛いでいるシーンを見ることが出来た。緑の田に真っ白なサギの姿。なかなか美しい。

今日は、早、7月。1年の半分が過ぎてしまった。

2024/7/2 コジュリン

毎年、シーズンを迎えると会いたくなるのがコジュリンである。例年、5月には一度、足を運ぶのだが、今年は、体調優れず見送りになっていた。以前は、麦畑が広がっていた地域であるが、今は、すっかり稲田になってしまった。環境の変化もあって、コジュリンとの出会いは、かなり減ってしまい残念である。

今回、かなり距離はあったが、何とかコジュリンの姿を撮影することが出来たのは、何より嬉しいことである。

2024/7/3 散歩道

自宅近くの散歩道を時折、ゆっくり歩いている。雨上がりの朝であったので、程良く水滴がつき、潤いのある散歩となったのである。まず目に入ったのは、エゴノキの実。可愛い実がびっしりとつき、そっと揺れる姿は、何とも愛らしくドキドキしながらレンズを向けたのだった。ザクロは、赤い花が咲き、実になりかけているものもあって楽しむことが出来たのである。他には、リョウブ、キンシバイ、テイカカズラなどとの出会いがあった。散歩道は、いつも温かく迎えてくれ有り難いところである。

2024/7/4 散歩道

ゆっくり歩く散歩道。ずっと気になって合歓の花にやっと会うことが出来た。自分ひとりで出掛けることが困難なため、なかなか合歓の花を見る機会がなかった。近くの公園にもあるのだが、贅沢を言うようであるが、なかなか写真向きではない。優しい雰囲気、優しい色合いが好きである。

近くの草地では、小さな蝶も見ることが出来た。ヤマトシジミであった。今季は、蝶との出会いが少ないため嬉しいひとときを過ごすことが出来たのである。

2024/7/5 散歩道

家人の協力を得て車で1時間ほどのところに出掛けて来た。冬季には、カモ類が飛来し、ハシビロガモなどで賑わうところである。シーズンオフということであろうか。今は、ひっそりとして人に会うこともない。少し離れたところでブルーベリーを栽培しているところがあり、レンズを向けてみた。真っ白な花をつけていたウツギも実を付けている。

ひょっこり姿を見せたのは、ニホンアマガエル。大きな目が印象的であった。湖畔を飛び回っていたのは、ホタルガ。今日もまた色々な出会いが待っていてくれた。

2024/7/6 散歩道

沼のほとりのカンタくん。いつもゆったりとしていて気持ちが良い。久しぶりに訪ねてみると漁師さんの船でお休み中。目覚めを待って撮影したのである。カンタくんは、相当の高齢であるが、とても元気である。遠くにアオサギが見えた。なかなか良い雰囲気。手前には、蓮の花。少し離れたところでは、コムラサキが舞っていた。ゆっくりゆっくり楽しんでいる。

2024/7/7 散歩道

時折、目先を変えてゆっくりゆっくりの散歩を楽しんでいる。こんもりとした林が前方に見えて来た。この日の目的地は、数年前には、たくさんの蝶が見られた場所である。到着してガッカリ。草がしっかり刈り取られ自然らしさが残っていない。これでは、蝶との出会いは無理であろう。仕方なく、場所を変更する。林の中を進むと前方に赤い花。ヒメヒオウギズイセンのようである。少し離れたところでは、真っ白な花が微笑んでいる。どうやらインドハマユウのようである。近くでは、今季初めての出会いのオオシオカラトンボも見られた。

2024/7/8 散歩道

久しぶりに訪れた蓮田地帯。一面に大きな蓮の葉が広がり、真っ白な蓮の花がところどころに見える。ピンクの蓮の花もあるのだが、見かけたのは、純白の蓮の花ばかりであった。

その蓮田を眺めていると一羽の真っ白なサギが飛んで来て支柱にとまった。急いでレンズを向ければ、飛翔シーンを撮れた可能性もあるのだが、野鳥の撮影からかなり離れてしまったので、どこに降りるか見届けようとぼんやり眺めていた。そのサギは、蓮田の支柱にとまった。足元を見ると黄色い。久しぶりに見るコサギであった。ささやかな出会いではあるが、嬉しい出会いであった。

2024/7/9 散歩道

久しぶりに訪れた干拓地帯。車をゆっくり走らせると鳥たちの声が聞こえて来る。まずは、元気いっぱいのオオヨシキリ。続いて雲雀の声も元気いっぱいである。何とすぐ近くでコジュリンの声が聞こえて来た。車をとめたすぐ近くの杭のところにいる。こちらを警戒して逃げることがないように、そっとそっと観察する。

こんなにも至近距離で出会ったのは、初めてであろうか。思いがけない嬉しい出会いであった。

2024/7/10 散歩道

久しぶりに車を走らせ蓮田地帯へと向かった。右も左も蓮田が広がり何とも気持ちが良い。白いハスの花が所々に見える。鳥との出会いは、期待出来ないが、風景を楽しみたいと出掛けて来たので、この光景は、何とも嬉しい。やがて霞ヶ浦が広がって来る。水のある風景は、何とも嬉しい。久しぶりに心落ち着くひとときを過ごすことが出来たのだった。

2024/7/11 チョウトンボ

暑い季節を迎えると会いたくなるのが、チョウトンボ。翅のきらめきが魅力的なトンボである。昨年までは、すんなり出会えていたのだが、今年は、出掛ける機会が少なくなったのもあって、なかなかその機会が巡って来ない。

重い腰を上げて昨年、チョウトンボに出会ったところに出掛けてみることにした。もちろん家族の協力なくしては成り立たない話である。

現地についてみると予想を遙かにこえてチョウトンボが飛び回っている。何と目の前にとまって、じっとして動かないチョウトンボもいる。一瞬、交尾シーンも見ることが出来たが、撮影には至らなかった。おそらく羽化したばかりなのではないだろうか。驚くほどの数のチョウトンボが飛び回っていた。

2024/7/12 散歩道

自宅近くの散歩道。ゆっくりゆっくり小一時間かけて歩くことしばしばである。この日、目にした植物は、ヒメヒオウギスイセン。近頃、あちこちで目にするようになった。鮮やかなオレンジ色で遠くからでもその存在が分かる。続いてギボウシ。このギボウシもあちこちで見かけるようである。

リョウブも近頃、よく目にする。さわやかな雰囲気で私は、好きである。手入れの行き届いた庭園の入口近くには、マサキが花をつけていた。散歩道は、のどかである。

2024/7/13 散歩道

自宅近くの散歩道。ゆっくりゆっくり歩いている。目につく植物にレンズを向けて、それが何よりの楽しみである。自宅からほんの数分、歩いたところにエゴノキが数本ある。その1本には、びっしり実がついていて、初秋を迎える頃には、ヤマガラが姿を見せてくれることであろう。今から楽しみである。

さらに歩くとコムラサキが薄紫の綺麗な花をつけていた。鳥との出会いはなかったが、すっきりさわやかな散歩であった。

2024/7/14 散歩道

自宅近くの散歩道。ゆっくりゆっくり歩いている。歩き始めて程なく目についたのが、ザクロのまだ青い実である。数日前には、確か花が咲いていたように記憶している。これから完全に熟するまで、しばらく時間がかかることであろう。

近くの団地のフェンスには、ノウゼンカズラが鮮やかな花をつけていた。自宅近くの散歩道。ゆっくりゆっくり歩いている。

2024/7/15 散歩道

ずっと気になりながら、なかなか足を運ぶことが出来なかった蓮田地帯。秋の収穫まで、まだまだ時間がかかることであろう。緑の大きな葉を拡げ、真っ白な花を咲かせている蓮。秋の渡り、春の渡りの時には、しばしば足を運んでいたが、今では、シギたちとの出会いの機会が少なく、蓮田地帯へ足を運ぶことが、ほとんどなくなっている。

しかし、写真に撮ってみると、色々な発見があり、また訪ねてみたいと思ったことである。

2024/7/16 散歩道

今年の夏の暑さは、いったいどうなっているのだろうか。連日の暑さに辟易しているが、何とか涼を求めてと思い、涼しい時間帯に近隣を歩いてみる。足も腰も痛くて歩くのが辛いが、それでも少しばかり歩いてみる。一番に目についたのがアジサイであった。さわやかな藍色が何とも言えず、涼を運んでくれる。

自宅に戻ってみるとベランダでは、コオニユリが待っていてくれた。華やかな色合いで、涼感には程遠いが、元気を運んでくれそうである。

2024/7/17 散歩道

昨日、たっぷり雨を降らした大地は、潤ってみずみずしいことであろう。痛い足を労りながら近隣をゆっくり歩いて見る。まだ一部に雨のあとが残り、木々の緑は、鮮やかである。

最初に目についたのは、イヌビワ。円みのある実がいくつかついて葉には、水滴が残っている。続いてサンゴジュ。赤い実がビッシリ実っている。ヒルガオは、二つ並んで優しく微笑んでくれた。

散歩道は、のどかである。

2024/7/18 散歩道

雨上がりの散歩道。痛い足をかばいながら、ゆっくりゆっくり歩いてみる。出会いは少ないものの、いろいろな気づきがあり、心洗われる思いがする。たわわに実ったエゴノキの実は、ずっしりと重そうであった。もう少しすれば、熟してヤマガラのレストランになることであろう。

エゴノキの実を見た後、ほんの少し歩いてみると真っ白なユリが目に入った。どうやらカサブランカのようである。雨のあとの散歩道。ゆっくりゆっくり歩いている。

2024/7/19 散歩道

自宅近くの散歩道。時々ではあるが、ゆっくり歩いている。鳥見に出かけることもままならなくなり、近隣の散歩は、自然とのふれあいにかかせなく、心を潤す大きな力となっている。

鳥見に熱中していたころは、目もむけなかった植物にレンズを向け、帰宅後、その名前を調べる楽しみ。ここ1~2年で、ずいぶん植物の名前も覚えることが出来た。すべて時の流れに逆らわず自然の流れである。出会いに感謝の日々である。

2024/7/20 散歩道

自宅近くの散歩道。ゆっくりゆっくり歩いている。その散歩道でユリの花をいくつか見かけた。そのひとつがオニユリであった。種のようなものを分けて頂いてベランダのプランターに蒔いたところ、発芽し今年で3年目になるだろうか。花をつけた。3本咲いてくれた。

散歩道に行ってみると親ともいえるオニユリが、元気な姿で微笑んでくれた。力をもらったようで何とも嬉しい気分であった。

2024/7/21 シオカラトンボ

久しぶりに車に乗って蓮池に向かった。ずっと気になっていた蓮の花だが、時期的にどの程度咲いているか分からない。期待半分、不安半分で現地に到着。駐車場から見渡すと一面に蓮の花が咲いているのが見えてほっとする。

目の前を横切ったのは、シオカラトンボのようである。蓮の花を観賞する前に、久しぶりの出会いのトンボのことが気になり、トンボの行方を追った。蓮の葉先にとまってくれてやれやれである。雄と雌の交尾シーンまで見ることが出来た。

2024/7/22 ハス

蓮の花が見たいとずっと気になっていた。何かと用事がつまっていて何とか都合をつけて出かけることにした。目的地の蓮池に行くのは、1年ぶりである。駐車場は、ほぼ満杯。三々五々、蓮の花を観賞している人の姿が見える。スケッチブックを広げている人の姿も。

久しぶりに間近に見る蓮は、実に清楚で美しい。ほっと心和む思いがする。ほんのひとときではあったが、満ち足りた時間を過ごすことが出来たのだった。

2024/7/23 ハマナス

気になっていた蓮の花を見たところには、ハマナスがびっしり実をつけていた。今まで、こんなにたくさん実をつけている状態を見たことがなかったように思う。真っ白な花も数輪咲いていて、何とも清々しい。ハマナスを初めて見たのは、北海道だったので、北の大地で見る花と思っていたが、散歩道で見かけたこともあったし、結構、あちこちで見られるようである。

そのハマナスにシオカラトンボがゆったりととまっている姿が印象的であった。

2024/7/24 散歩道

ゆっくり歩く散歩道。自宅近くを時々ゆっくり歩いている。暑さが厳しい日が続くので、なるべく朝早くにと思っているが、なかなか実行できないことが多い。

この日は、雨の後だったので、何とも気持ちが良い。ミソハギやコムラサキなど優しい色合いの花に心癒されたのだった。クチナシの純白の花は、だいぶ前に終わっていたが、それが実になっていた。散歩道は、のどかである。

2024/7/25 スイレン

蓮の花を見に行った蓮池には、スイレンが赤と白。数か所で見られた。少し小ぶりのスイレンで、自宅近くの公園で見るスイレンとは、大きさが違うようである。そのひとつひとつをよくよく見ていると色々な発見があり、なかなか楽しい。短い時間ではあったが、ひととき暑さを忘れ楽しむことが出来たのだった。

2024/7/26 稲の花

猛暑が続いて、なかなか出かける気力が湧かないが、家族の協力で隣県に出かけてみることにした。一番好きな田んぼの風景を見るためである。自宅近くの田んぼは、緑一色で、まるで緑の大海原が広がっているような感じであるが、驚いたことに隣県に入ると稲穂が揺れている。それもあちこちの田んぼで稲穂を見かけて驚いた。さらに稲の花も数か所で見ることが出来た。どうやら今年も豊作のようである。

2024/7/27 チュウサギ

久しぶりに訪れた田んぼは、清々しい緑が一面に広がり、何ともさわやかな光景が広がっていた。こんなに優しい緑が広がる光景を今まで見たことがあっただろうか。いつも早苗が揺れるころには、何度となく足を運ぶ田園地帯であるが、この暑さの中では、探鳥どころではない。

そんなことを考えながら車を走らせているとあぜ道に真っ白な鷺の姿が見えた。どうやらチュウサギのようである。緑の田んぼを背景に純白のチュウサギの姿は、この上もなく美しいものに見えた。

2024/7/28 ハス

自宅から1時間ほどのところにある蓮池。古代蓮がたくさん見られると聞いていたのだが、いつも時期が少々早かったり、遅かったりで、なかなかタイミングが合わなかった。今回は、どうやら良い時期に訪れたようで、蕾の状態のものもあれば、満開の花もあり、実に多様でたっぷり楽しむことが出来たのだった。

2024/7/29 アオサギとカルガモ

自宅から30分ほど車を走らせると爽やかな田園風景が広がって来る。以前は、かなり頻繁に訪れていたのだが、だんだん出足が鈍くなり、今では、月にせいぜい一度か二度程度である。暑さの中で緑が一面に広がってくると嬉しくなる。用水路には、一羽のアオサギの姿が見られた。それも二か所で見られて嬉しくなってくる。田んぼの風景は、実に気持ちが良い。

2024/7/30 ハス

ずっと気になっていた古代蓮。そろそろ花の時期と思ったのが、6月の末。何かと所用に追われ、とうとう7月の終わりに近くなったある日。やっと蓮池を訪れることが出来た。

蓮の花は、美しい姿をたくさん見せてくれた。程よい具合に咲いているもの。すでに実をつけているもの。それも褐色に変わっているものもあったり、まだ青々としているものもあったり、実に多種多様である。蓮池の散歩は、爽やかで実に楽しかった。

2024/7/31 田園風景

自宅から30分ほどのところにある田園地帯。この暑さのなかでは、なかなか出かける気力が湧かないが、所用の帰りに立ち寄ってみると期待通りのみどりが一面に広がって見えた。何とも嬉しい限りである。みどり・緑・みどり。この爽やかな色にどれほど力を与えられたことであろう。チュウサギが飛び、足元にはツユクサが涼を告げている。田んぼの風景は、いつ見ても見飽きることがない。