タイトル:九羽の白鳥 とりどり日記

2024/9/1 散歩道

早いもので、一年の三分の二が過ぎてしまった。月日の流れの何と早いことだろう。これからは、刹那、刹那を大切に過ごしていきたいものである。

徒歩では、少々無理な距離であるが、自宅近くにちいさな水辺公園がある。夏休みには、捕虫網を持った子供たちの姿が目についたが、9月に入って静かになっただろうか。

ミントの花のところをじっと見つめているとベニシジミが3頭ほど飛んできた。すぐ近くに別の白っぽいチョウがいたので、ヤマトシジミかと思ったが、尾錠突起がついていたので、どうやらツバメシジミのようである。

近くでは、ピンクの百日紅が彩りを添え、夏の終わりを告げているようであった。

2024/9/2 散歩道

大好きな田園地帯を久しぶりに訪ねてみた。車でゆっくりゆっくり回ってみる。早いところでは、もう米の収穫が済んだところがある。全国的に米不足が騒がれているが、新米が出回るようになれば、落ち着くことだろう。

田んぼの一角で、おそらく農薬を使っていないと思われる田んぼの一角で、バッタの大群が飛び立った。しかし、それは、見間違いでどうやらイナゴのようであった。久しぶりに見る大群で少々驚いた。

近くでは、ハナトラノオの花が微笑んでくれた。夏がゆっくりゆっくり別れを告げている。

2024/9/3 散歩道

猛暑、酷暑が続いた八月であったが、九月に入って少し吹く風の色が変わったようである。いくぶん涼しさを感じる日もあってほっとしている。銀杏の木の木陰に入って上を見上げれば、ギンナンが鈴なりでびっくり!!!こんなに見事なギンナンは、今まで見たことがなかったように思う。

竹林は、涼し気に立ち尽くしている。足元を見れば、ヤマトシジミが、数頭、飛び回っている。シオカラトンボは、悠々と飛び回って実にのどかである。散歩道は、静かに静かに時間が流れてゆく。

2024/9/4 田園風景

久しぶりに田んぼの風景が見たくなり、大好きな蓮田地帯へ車を走らせることにした。1時間少しで目的地に到着。ちょうど稲刈りをしている田んぼのところを通りかかるとサギが20羽ほど集まっている。トラクターの後を追うようにサギたちが動き回り、見ていて何とも楽しい。遠くの雲が、山並みに見えて心癒されたのだった。

2024/9/5 ミサゴ

霞ケ浦の湖岸をゆっくり車を走らせる。窓を全開しゆっくり走らせる。頬を撫でる風の何と気持ちの良いことだろう。遠くの杭に何かとまっているのが、目に入った。どうやらミサゴのようである。距離はかなりあるのだが、レンズを向けて見る。

車をゆっくり止められる環境ではないので、ほんの数分で移動したが、また別の杭にミサゴがとまっている。もう少し写真を撮りたかったが、この場所は、さらに止めにくい環境で、ほんの数秒で移動。家に帰ってパソコンに取り込んでみると、何とか見られるミサゴが写っていた。やれやれ。

2024/9/6 桐

紫色の桐の花は、甘い香りも色合いも形も大好きで、春にその姿を見られるのを楽しみにしている。その花の蕾が、何と前年の夏にすでに準備を進めているということをごく最近知った。

桐の葉は、たくさんついていたが、虫に食われたりずいぶん傷んでいるものもあって、何とも痛々しい。桐一葉とは、秋をあらわす美しい言葉だが、かさかさに乾いた桐の葉が、はらりと落ちていくと秋の色合いが一層、濃くなっていくのを感じるのである。

2024/9/7 蓮田のひとこま

大好きなシギたちが、そろそろ姿を見せる時期と思い、久しぶりに車を走らせてみる。歩くことが困難なため、車中からの観察のみであるので、見られる場所は、限られるのだが、それでも出かけてみた。

結果は、残念であったが、また、日を改めて出直してみたいと思う。それでも久しぶりにコサギに会え、バンにも会えて心癒されたのであった。蓮田地帯は、心和み大好きな場所である。

2024/9/8 蓮田のひとこま

稲穂の揺れる田んぼが続く中を車を走らせる。あちこちで収穫が進み、トラクターの入っている田んぼには、サギの群れが集まっていることが多い。

この日も、数か所で、サギの群れを見かけた。ほとんどチュウサギであるが、コサギやアマサギが混じっていることもある。稲穂とサギの群れ。日本情緒あふれる光景で、大好きである。まだまだ収穫の済んでいない田んぼも多いので、また近いうちに出かけてみたいと思う。

2024/9/9 蓮田のひとこま

秋の渡りのシギチの動向が気になっているが、なかなか出かける機会がない。やっとの思いで出かけてみたが、私がほとんど歩けないので、タカブシギを見かけたくらいであった。この日は、やっとタシギに会えて大満足。もっとたくさん撮りたかったが、飛ばれてしまい残念。

また近いうちにシギチを探しに出かけてみたいものである。

2024/9/10 蓮田のひとこま

秋の渡りのシギチが気になり、久しぶりに蓮田地帯に向かった。20年ほどの鳥見の中で、田んぼに飛来するシギチとの出会いは、私の胸深く残るものである。今は、歩くことが困難になり、出かける回数が、極端に少なくなっているが、それでも気持ちだけは、田園地帯のシギチの動向に向いている。

嬉しいことに、この日、数羽のタカブシギに出会った。久しぶりの出会いで、胸弾み、心がすく思いがした。刺子模様のタカブシギの羽衣が大好きである。そして、目の輝きの何と純真で美しいことだろう。出会いに感謝である。

2024/9/11 そばの花

ずっと気になっていたそばの花。一昨年が9月2日。昨年は、都合で少々遅くなりお彼岸が過ぎた頃、そば畑に行っている。一昨年の写真を見る限り、9月の初めごろがベストシーズンのように思えた。

1週間ほど遅れてしまったが、何とか都合をつけてそば畑に行ってみると、時期が早かったようで、蕾がほとんど。いくつか花の咲きかけたところを撮ってみた。なかなかタイミング、難しい。もう一度、そば畑を訪ねてみたいものである。

2024/9/12 百日紅

今の時期、良く見かけるのが百日紅。白い百日紅も赤色もピンク色の百日紅も良く見かける。場所によっては、街路樹になっていて、百日紅のシーズンには、道路が一斉に華やぐ。

先日訪ねた公園には、百日紅が数本植えられていて、百日紅の花を眺めているとアブラゼミが飛んで来て目の前の木にとまり、また、すぐに飛び去った。この暑さは、まだまだ続きそうである。

2024/9/13 水車

先日訪ねた公園に水車があり、苔むした石や水車が水をはねながら回っている光景が何とも心地よくて、しばし見とれてしまったのである。水車は、何か所かで見たことはあるが、写真を撮る機会が今まで、あまりなかった。今回は、いろいろ角度を変えながら、自分なりに工夫したのであるが、出来は、散々であった。じりじり照り付ける日差しの下では、なかなか難しいということにしておきたい。また、機会があれば、撮影したいものである。

2024/9/14 蜻蛉と蝶

ここ数年、野鳥との出会いが激減しているが、トンボや蝶との出会いもずいぶん少なくなっているように思う。先日、訪ねた公園で久しぶりにノシメトンボに出会った。そこでは、日光が当たる体表面積を最小にして体温上昇を抑えるオベリスク姿勢を見る機会に恵まれた。トンボにすれば、ごく当たり前の姿勢であろうが、このような出会いも少なくなっている。

すぐ近くでは、キタキチョウが枯れ葉の上にとまり、しばらくじっと休憩しているように見えた。ささやかな出会いを大切にしたいものである。

2024/9/15 タカブシギ

蓮田地帯のシギチに様子が気になっているが、なかなか出かけられないでいた。ようやく車の都合がついて蓮田地帯へと向かう。思いが通じたのであろうか、最初のポイントでタカブシギに出会った。大好きなシギのひとつであるタカブシギ。刺子模様に心惹かれ、蓮田地帯へ向かうと必ずタカブシギを探している。

背景にも恵まれ、まずまずの距離で出会えたことにも感謝である。

2024/9/16 アオアシシギ

秋の渡りのシギチが田んぼに姿を見せているという。遅ればせながらゆっくり出かけてみることにした。数年前には、蓮田を埋め尽くすほどに渡りのシギたちの姿が見られたこともあったのだが、ここ数年、激減して何とも寂しいことである。

蓮田では、チュウサギたちが姿を見せてくれた。その中に1羽のシギの姿があった。かなり距離があったが、撮影してみることにした。帰宅後、PCに取り込んでみるとキアシシギにしては、変?と思え、詳しい方にお尋ねすることにした。結果は、アオアシシギとのことであった。換羽中で実に綺麗な個体であった。

2024/9/17 アマサギ

大好きな田園地帯を時折、訪ねてみる。今の時期は、米の収穫作業が行われ、トラクターがあちこちで活躍している。そこには、サギたちが集まり、時には、ツバメも飛び交って楽しい光景が見られることしばしばである。

この日は、嬉しいことにアマサギとの出会いがあった。すでに換羽が始まり、羽の色は、褪せて見えるが、今季、アマサギとの出会いの機会がほとんどなかったので、嬉しい限りであった。

2024/9/18 アオサギと風景

9月も半ばを過ぎようとしているが、まだまだ暑さは、遠のきそうにない。霞ケ浦沿いに車を走らせてみることして、出かけてみた。心地よい風が窓から入って、しばし暑さを忘れて風景を楽しむことが出来た。

近くの田んぼでは、アオサギが気持ちよさそうに飛んでいた。あと半月もすれば、暑さもずいぶん和らぐことであろう。

2024/9/19 セイタカシギ

蓮田地帯に秋渡りのシギチが姿を見せているという。ずっと気になりながら、なかなか出かけることが出来なかった。やっと出かけてみると水のいっぱい入った蓮田に2羽のセイタカシギの姿が見える。ドキドキしながら車から様子を見ることにした。

2羽のセイタカシギは、つかず離れず、程よい位置にいて採餌したあと、飛び立っていった。その間、10数分あまり。タイミング良い出会いであったようだ。出会いに感謝である。

2024/9/20 クサシギ

田んぼに飛来するシギチの動向が気になっているが、私が歩けないこともあり、なかなか思うような出会いを望むことは難しい。車からの探鳥だけであるが、久しぶりに出かけてみると、嬉しい出会いがあった。それは、大好きなクサシギとの出会いである。

ひとつの蓮田から別の蓮田へ移動すると一羽のシギが飛んで、蓮田の中に身を隠した。何とか見られる位置であったので、ゆっくりレンズを向けて撮れたのが、この写真である。胸の特徴ある斑が見られて何とも嬉しく胸弾むひとときを過ごすことができたのだった。クサシギとの出会いは、ずいぶん久しぶりであった。

2024/9/21 近隣の散歩道

自宅近くを時折、ゆっくり歩いている。暑い日が続き、なかなか思うように散歩もできないのだが、ほんのひととき、近隣を歩くだけで心が和んでくる。

この暑さの中でも、元気が良いのが蝶たちである。一番良く見かけるのがヤマトシジミで、一度に数頭、見られることもある。小さな小さな体なのに、一生懸命舞う姿には、心惹かれ、レンズを向けてみた次第である。

2024/9/22 近隣の散歩道

蓮田地帯で見られるシギチが話題になっているが、なかなか思うように現地に足を運ぶことが困難である。何とか曇り空の日を選んで、出かけてみた。シギチの探鳥は、やはり足がなければ難しい。何とか車で見られるところを回ってみることにしてたどり着いた蓮田。

かすかに動くシギを発見。何と嬉しいことにエリマキシギである。私の大好きなシギのひとつであるエリマキシギ。しばらく鼓動が高くなりその出会いを楽しんだのである。

2024/9/23 タシギ

秋の渡りの季節を迎え、田んぼに飛来するシギたちの動向が気になるところであるが、体が思うようにならず、なかなか出かけることが出来ない。何とか都合をつけて出かけてみると、嬉しいことに距離はあるものの、シギやジシギが姿を見せてくれた。そのひとつがタシギである。

収穫の済んだ蓮田に、数羽のシギたちの姿が見えたが、その中に、タシギも2羽見ることが出来た。そのうちの一羽が水につかって、バタバタと水浴びを始めた。最後に飛び上がるまで、それほど長い時間ではなかったが、レンズを向けていると、ずいぶん長い時間に思われた。それでも、このような写真が撮れて大満足である。やはり田んぼは、楽しい。

2024/9/24 コチドリ

タシギに出会った蓮田で、コチドリにも出会った。数年前までは、近くの田んぼでもコチドリには良く出会ったものである。ところが、だんだん出会いの機会が少なくなり、今年は、ほとんど出会いの機会がなくなっていた。

コチドリは、何とも愛らしくて動きを見ていると心が和んでくる。ちょっと進んで立ち止まり、また、ちょっと進んで立ち止まる。この動作の何と愛らしいことであろうか。その動きを見ていると飽きることがない。ほのぼのとコチドリの動きに心満たされたひとときであった。

2024/9/25 チュウサギ

田んぼで出会う鳥の中で一番多いのは、カラスであろうか。続いてサギの仲間。今の時期、チュウサギと良く見かける。そのチュウサギの群れの中にアマサギも少数混じっている。特徴ある羽の色が見られなくなり、ほとんど白色の場合も多い。

今回もかなり距離はあったが、アマサギを見ることが出来た。周りにいるのは、ほとんどチュウサギと思われる。

一羽、かなり近くに飛んできたのは、チュウサギであろうか。蓮田は、実に静かであった。

2024/9/26 タシギ

大好きなシギチとの出会いを期待して田んぼを回ってみた。本当は、もう少し足を延ばしたいところであるが、近場を回ってみる。開けた蓮田の一角に、ぽつんと一羽。タシギを見つけたときは嬉しかった。最初は、一羽であったが、二羽になりゆっくり採餌を始めた。特徴ある長い嘴が、何とも楽しく時には、指揮棒のようにも見え、時には、羽のお手入れ用のブラシにも見える。

静かな蓮田でのひととき。心和む穏やかな時間であった。

2024/9/27 蓮田のひとこま

秋の渡りで賑わっているという蓮田地帯。暗い空模様であったが、現地に向かうことになった。自宅から1時間半。決して近い距離ではない。年を重ねるごとに大好きな蓮田地帯から足が遠のいてゆく。私が歩けないこともあり、探鳥は、車からに限られてしまう。家族の協力なくして私の探鳥および撮影は、成り立たない。

この日、嬉しいことにアオアシシギに出会った。あの独特の鳴き声は忘れがたく、アオアシシギに出会うと胸の奥がキュンとなる。一心に採餌する姿が何とも愛おしかった。出会いに感謝である。

2024/9/28 蓮田のひとこま

ずっと気になっていた秋の渡りのシギたち。渡りの中継地となっている蓮田地帯へなかなか足を運べずにいたが、やっと念願かなって蓮田地帯へ足を運ぶことが叶った。何としても渡りのシギたちに会いたいとの願いが通じたのだろうか。とても見通しの良いところにアカアシシギが姿を見せてくれた。

ここ数年、出会いの機会のなかったアカアシシギとの出会い。胸躍るひとときであった。出会いに感謝である。

2024/9/29 蓮田のひとこま

久しぶりに訪れた蓮田地帯。今、まさに渡りの最中とあって色々なシギたちの姿が見られるという。大きな期待で胸が膨らむばかりであるが、目に留まったのは、クサシギであった。地味で目立たないシギであるが、大好きなシギのひとつである。近くには、イソシギの姿もあって、しばし、楽しませてくれたのである。

2024/9/30 蓮田のひとこま

蓮田地帯で良く出会う鳥のひとつがセグロセキレイである。シギの仲間ではないが、愛らしくて目に留まるとレンズを向けている。久しぶりの出会いであったので、ひととき胸弾む思いでレンズを向けたのだった。

セグロセキレイの尾をふりふりする姿は、何とも愛らしくて大好きである。