タイトル:九羽の白鳥 とりどり日記

2024/8/1 散歩道

早いもので、今日は、もう八月。うだるような暑さが、ずっと続いており、この先、どうなるのだろう?という不安が時に襲ってくる。そのような中ではあったが、ずっと気になっていた公園に少々早起きして出かけてみた。

最初に目に入ったのは、ヒマワリの群落であった。小ぶりのヒマワリであったが、全部で50本ほどはあっただろうか。みんな微笑んでくれていうようで嬉しかった。近くの柳の木には、コシアキトンボがとまって何とも詩情あふれる光景を見せてくれた。

2024/8/2 散歩道

久しぶりに訪れた公園でヒマワリの群落を見た後、木道に沿ってゆっくりゆっくりと歩を進めることにした。実は、1週間ほど前、散歩中に転倒し、少々怪我をしてしまったのである。いつも散歩の折には、かなり慎重に歩いているつもりであったが、あの日は、暑さもあって、気が緩んでいたのだろうか。痛む足をかばいつつ、ほんの少しだけ歩いてみた。

足元のアカバナユウゲショウが目に留まった。小さくて可愛く優しい花である。近くのムクゲの葉には、セミの抜け殻がびっしりとついていて、少々驚く。ささやかな出会いに胸躍らせる散歩道であった。

2024/8/3 散歩道

久しぶりに訪れた公園でヒマワリや、アカバナユウゲショウを見た後、木道に沿って歩を進めると優しく揺れている白い花が目に入った。この公園を夏に訪れると必ず見る白い花である。名前は、ガウラ。白くて小さくて優しい雰囲気の花で大好きである。更に歩を進めると今度は、赤い花が目に飛び込んで来た。モミジアオイである。この花も夏によく見かける花で、この公園を訪れると必ずと言ってよいほどレンズを向けていた。存在感のある花であるが、撮影には、少々苦労をした。

2024/8/4 散歩道

久しぶりに訪れた公園では、正直に言えば、チョウトンボとの出会いを期待していたのだが、その出会いは、皆無であった。ごくごく少数のコシアキトンボ、シオカラトンボ程度で、例年見られていたショウジョウトンボなどは、一切姿を見せてくれなかった。それでもシオカラトンボの雄も雌も見ることができたのだから喜ぶべきであろう。

2024/8/5 散歩道

久しぶりに訪れた公園では、ささやかな出会いながら、色々な植物を見ることが出来て、感謝、感謝である。車を降りてすぐに目に入ったのは、ノゲイトウ。何とも涼し気で良かった。もう一つが朝顔。どこででも見られるような気がするが、案外、見かける機会が少ない。公園の一角に朝顔がたくさん見られて何とも嬉しさがこみあげて来た。

脚が少々不自由であるが、何とか頑張ってこれからも散歩を続けていきたいと思っている。

2024/8/6 散歩道

自宅近くにある公園なのだが、徒歩で行くには、少々無理があり、家族の力を借りて1ケ月に2~3回訪れる小さな公園が、私のお気に入りである。久しぶりに訪れてみると、夏休みであるにもかかわらず子供たちの姿がほとんど見えない。何とも静かな公園で、木陰のベンチに座ってひととき涼を楽しんだ。

小さな池のスイレンが、ピンクの花をいくつか咲かせ、時折、シオカラトンボがその上を悠々と飛ぶ姿が爽やかで気持ちが良かった。ここで見られるトンボは、ほぼシオカラトンボかオオシオカラトンボである。ごくまれにギンヤンマやオニヤンマを見かけることがあるが、止まっている姿を見ることは稀である。

朝のひととき、小さな公園でのひとこまである。

2024/8/7 散歩道

少々早起きして車で30分ほどの田んぼに向かった。数年前までは、5時には現地に到着して早朝の田んぼを楽しんでいたのだが、私の健康上の理由で、それがなかなか難しくなってしまった。

期待して訪れた早朝の田んぼであったが、朝露がほとんど見られない。野の草もほとんど見られず、何とも消化不良の田園散策であった。しかし、じっくり目を向けて見ると稲穂にわすかに朝露が見られる。チュウサギ1羽とカルガモ2羽に会えただけでも良かったのだろう。やさしい黄色のコマツヨイグサが慰めてくれたように見えた。

2024/8/8 散歩道

先月の半ば過ぎに転倒して、左足をかなり強く打ってしまった。痛い脚をかばいつつ何とか過ごしてほぼ3週間。痛みもだいぶ落ち着いてきたが、これからは、よほど、慎重に過ごさなければと思っている。

散歩道のコースには、いろいろあるが、田園風景を眺めながら少し歩いてみた。まず目についたのが、カボチャの花。この黄色には、元気をもらえるようだ。つやつやのナスが3個実をつけているのも目に入った。久しぶりに見る数珠玉には、子どもの頃を思い出して何とも懐かしさがこみあげて来る。

散歩道をゆっくりゆっくり歩いている。

2024/8/9 散歩道

自宅近くの小さな公園に訪れたのは、1週間ほど前のことである。そこでは、コブシが頬を染めたような色合いの実をいくつもつけていた。近くのエノキは、小さなオレンジ色の実をいっぱいつけて木陰を作っていた。

暑さを避けるために木陰に入ってみると、目の前にセミの抜け殻が目に入った。ニイニイゼミの抜け殻である。アブラゼミの抜け殻は、あちこちで見かけるが、ニイニイゼミには、なかなかお目にかかれない。少々得をしたような朝の散歩であった。

2024/8/10 散歩道

久しぶりに訪れた馴染みの公園。黒っぽい葉の中に、ひときわ目立つ白い花を見かけた。その白さが際立っていて、目に飛び込んで来た。タイサンボクの花である。この暑さの中で、タイサンボクの花を見ることが出来てラッキーであった。

メタセコイアは、青々とした葉を茂らせ、球果が鈴なりである。ムクゲの木には、セミの抜け殻がびっしりつき、一層暑さを感じさせている。クマバチは、吸蜜に余念がない。静かな静かな公園のひとこまである。

2024/8/11 散歩道

ひと月に一二度、訪れる場所がある。それは、ペリカンのカンタ君のいる沼のほとりである。この光景が大好きで、ひと月に一度か二度。必ずと言って良いほど、この地を訪ねている。

カンタ君は、人間に例えれば相当な高齢のはずである。今でも、元気に船に乗り、船頭さんからとれ立ての魚をいただき満足そうな顔をする。その表情が可愛くて足を運んでいる。

2024/8/12 散歩道

散歩道には、色々なコースがあって、時々、目先をかえて、散歩を楽しんでいる。この日は、気になっていたブルーベリーを見に出かけてみた。程よい色合いに色づいているものがいくつか見られたが、数は少ない。すぐ近くには、青くて小さい柿がいくつか実をつけていた。

少し離れたところでは、栗の実がびっしりと実をつけている。実にたくさんの栗の実で、何とも気持ちが良い。来月になれば、栗拾いが楽しめそうである。散歩道は、のどかである。

2024/8/13 散歩道

ブルーベリーの様子が気になって出かけた散歩道では、他にもいろいろな植物に出会った。そのひとつがひょうたんである。まだ小さかったが、大きくなるのが楽しみである。

近くには、ゴーヤも大きな実をつけていたし、オクラの花も可愛らしく微笑んでいるように見えた。ラズベリーの実もたくさん見られて満足度の高い散歩道であった。

2024/8/14 散歩道

自宅近くの公園は、いくつかあるのだが、車で5分ほどのところに、お気に入りの公園がある。この公園を初めて訪れた頃は、あまり整備されていなかったのだが、今では、整備が行き届き、草刈りなども定期的に行っていて、気持ちが良い。

公園の池は、小さいが、スイレンが綺麗な花を咲かせている。公園を少し出たところに農家の方が手入れしているところがあり、色々な植物を見ることが出来る。この日、アルストロメリアを初めて見ることが出来た。散歩道では、色々な出会いが待っている。

2024/8/15 散歩道

久しぶりに訪れた公園では、色々な植物を見ることが出来た。一番うれしかったのは、ミントにとまったベニシジミを見ることが出来たことである。何故か、蝶やトンボとの出会いの機会が少なくなり、ヤマトシジミには、時々出会いがあるものの、他のチョウたちとの出会いの機会がない。

ヤナギハナガサ、ナツズイセン、キバナコスモスなども久しぶりに見ることが出来て嬉しかった。散歩の人の姿も少なく、ゆっくり散歩を楽しめたのが何よりである。

2024/8/16 散歩道

ずいぶん久しぶりに馴染みの蓮田地帯に向かった。20年ほど前、鳥に関心を待ち始めて間もないころ、珍しいシギがいると教えていただき訪れたのが、この蓮田地帯である。シギというものが何であるか全く知らなかったあの頃、そのシギに心奪われることになろうとは思ってもいなかった。珍しいシギの名は、オオキアシシギであった。そのオオキアシシギのいる蓮田とは、違っていたが、近くの蓮田にいたのがオオハシシギで、印象深く、目に焼き付いている。

8月のまだ収穫の済んでいない蓮田は、白やピンクの蓮の花をたくさん咲かせている。その近くに水がたっぷりで稲がまばらな田んぼがあり、その田んぼに一羽のシギが佇んでいた。夏羽の赤みを残したオオハシシギである。久しく大好きなシギに会う機会がなかったので、その出会いは、ことのほか嬉しかった。真夏の太陽が照り付ける中、オオハシシギは、ゆったりとその姿を楽しませてくれたのだった。

2024/8/17 散歩道

久しぶりに訪れた田園地帯で、たくさんのサギの姿を見かけたが、その近くでツバメの群れも見ることが出来た。電線にとまって休憩中のツバメたちであったが、羽繕いをしたり、楽しい場面を披露してくれた。自宅から車で30分ほどのところにある田園地帯では、ごくたまに、飛んでいるツバメを一羽か二羽見るのがせいぜいである。

たとえ、電線どまりのツバメであっても、なかなかその姿を見ることがなかったので、この日の出会いは、心に残るものとなった。

2024/8/18 サギの群れ

久しぶりに訪れた田園地帯では、たくさんのサギが待っていてくれた。チュウサギ、コサギ、今季初めての出会いのアマサギの姿も見えた。田園地帯を回って、アオサギとチュウサギに出会う機会は、結構あるのだが、コサギとの出会いが案外少ない。アマサギは、更に少ないように思う。

3枚ほどの水田にコサギ、チュウサギ、アマサギが群れている光景は、ほのぼのと心和むものであった。8月の田園地帯は、すでに稲穂がずっしりと重く首を垂れているものもあれば、まだ頼りなげな稲の苗が見えるところもあり、様々である。

2024/8/19 アオサギ

鳥たちとの出会いの少ない昨今であるが、久しぶりに田園地帯を車でゆっくり回ってみる。予想通り、真夏の暑い日差しが照り付けるだけで、スズメの声すら聞こえてこない。雨が降らないので乾ききった農道をゆっくり土煙がたたないよう車を走らせる。

諦めて引き上げようとした最後の最後にアオサギの姿が見えた。用水路沿いに一羽佇んでいる。その姿は、ことさら美しく見えた。出会いは、それで終わらなかった。緑の稲田を背景にアオサギが一羽、ゆっくり歩き始めた。その姿の美しいこと。嬉しく胸弾むひとときであった。

2024/8/20 ツバメ

数年前まで、田園地帯を訪れると、ツバメがビュンビュンと勢いよく飛んでいる姿をよく見かけたものである。しかし、ここ数年、なかなかツバメの姿を目にすることがない。

たまたま訪れた田んぼで、数羽のツバメが元気よく飛んでいる光景を見る機会があった。ダメもとで撮ってみようと、カメラを車の中から持ち出し、下手な鉄砲を撃ちまくったところ、何と奇跡的に数枚、写っていたのである。その嬉しかったこと。今の機材は、ずいぶん進化していると思ったことである。

2024/8/21 ハクセキレイ

田んぼで出会ったのは、ハクセキレイ。決して、珍しい鳥ではない。コンビニの前などで、良く見かける鳥である。まだ幼さの残る顔をして誰かを呼んでいるようである。その場を去りがたかったが、移動することにした。

田んぼでは、チュウサギをよく見かけた。木の上にとまっているチュウサギもいて、なかなか楽しかった。稲穂は、もうずいぶん黄金色になりつつある。

2024/8/22 散歩道

時折、目先を変えながら散歩を楽しんでいる。厳しい暑さが続いていたので、なかなか散歩に出る勇気がなかったが、ここに数回分をまとめてアップさせていただくことにした。

自宅近くの公園では、スイレンが美しかった。小さな池に白色とピンク色のスイレンが咲いている。それだけで、ほっとして心和むのだった。

車でほんの少し走ったところにある公園。ここでは、ハナミズキが実をつけていた。虫こぶらしきものもつけている。初めて見る光景であった。この公園のポーチュラカは、可愛い。色とりどりなのだが、なかなか難しくて、思うように撮れなかった。

アブラゼミは、あちらこちらで見かけた。ニイニイゼミやクマゼミなども見たいのだが、なかなか出会いがない。

散歩道は、どのコースも楽しくて大好きである。

2024/8/23 散歩道

暑い日が続き、なかなか外へ出る勇気もなかったが、わずかに秋の気配を感じるようになり、車で近くを一回りすることにした。

自宅から車で30分ほどのところに広がる田んぼの光景は、実にのどかで、昔の田んぼを思わせ嬉しくなる。昨年、烏瓜を見かけたところを注意して眺めていると可愛い緑色の烏瓜を見つけた。いくつもいくつもあって嬉しくなる。しぼんだ花さえも愛おしい。散歩道は、心豊かになれて嬉しくなる。

2024/8/24 沼のほとり

久しぶりに沼のほとりを訪ねてみるとモモイロペリカンのカンタ君が、元気な顔で出迎えてくれた。鳥見を始めた頃からの付き合いで、20年以上もの付き合いということになる。カンタ君の優しい表情を見るとほっとして心が安らぐのである。

真夏の沼のほとりは、訪ねる人もなく、静かで心落ち着く大好きな場所である。また、近いうちに訪ねてみたいものである。

2024/8/25 チュウサギ

大好きな田園地帯を久しぶりに訪ねてみると、稲田は、すっかり黄金色になり、トラクターの入っている稲田も見かけるようになった。作業のお邪魔にならないように遠くから、収穫の様子を眺めているとチュウサギらしい数羽の白いサギが飛び立った。

トラクターの作業の後には、大好物の虫やカエルなどが、飛び出すらしい。田んぼでは、静かに時間が流れてゆく。

黄金色の田んぼと真っ白な鷺。日本らしい美しい光景である。どうやら今年も豊作らしい。

2024/8/26 散歩道

処暑を過ぎたとは言え、暑さは、まだまだである。日差しを避けるように木陰を選んでほんの少し足慣らし。アベリアの花が、びっしり咲いている木陰をほんの少し歩いてみた。アベリアの花にレンズを向けているとひらひらとチョウが飛んできた。セセリチョウである。

レンズを通してじっくり見るとどうやらチャバネセセリのようである。右側からと左側から、何とか撮ることが出来た。ゆっくりのんびり散歩道は、実に楽しい。

2024/8/27 散歩道

足が不自由で思うような散歩はできないが、自宅近くや、車で少し足を延ばしたところを訪ねて、ゆっくりゆっくり散歩を楽しんでいる。

今回は、車で30分ほどのところへ出かけてみた。道端に車をとめると何と一頭のチョウが飛んで来てフロントガラスにとまった。そっと外へ出てレンズを向けてみた。どうやらチャバネセセリのようである。辺りの緑を映して背景が美しい。思いがけない出会いに胸が弾んだ。近くで、サオトメバナが、その様子をじっと見つめているようであった。

2024/8/28 沼のほとり

大好きな沼のほとりを月に一度か二度訪ねている。その折々にささやかながら目先の変わった出会いがあり、胸弾む思いがする。今回は、ホオジロとの出会いであった。

聞きなれた声が頭上ですると思い、辺りをキョロキョロすると何と私の立っているすぐそばの道路標識の上にちょこんと乗っかったホオジロの姿があり、びっくり!!!私の姿に警戒する雰囲気もなく綺麗な声をあたりにひびかせている。どうやらここが縄張りのようである。

このような出会いがあるから沼のほとりへ、何度も足を運びたくなってくる。

2024/8/29 沼のほとり

いくぶんしのぎやすくなってきたが、まだまだ暑さは、しばらく続くことだろう。久しぶりに蓮田地帯を訪ねてみるとアオサギが一羽、熱心に餌を探しているようであった。車の中から様子を見ていると大きな獲物が見つかったようだ。しかし、どう見ても食べ物とは思えない。双眼鏡だけでは、分からないので、とりあえず写真を撮ることにした。

帰宅後、パソコンに入れ、拡大してみると、獲物は、一匹のドジョウであった。それにしても付属品の何と多いこと!この後、どうなったか、最後まで見届けなかったので、真実は分からない。

2024/8/30 イソシギ

アオサギに出会った蓮田のすぐ近くでイソシギに出会った。蓮田の隅のほうに何か動いているものが見えたのだが、それがイソシギであった。ほかに、もう1羽いたようである。コチドリの姿もちらっと見た。

数年前までは、田んぼや川沿いの道を歩けば、イソシギには、簡単に出会えた。それが、今では、イソシギにさえ、なかなか出会えない。私は、出かけることが困難であるが、それでも月に一度か二度、蓮田地帯を訪ねて様子を見ている。鳥たちとの出会いが激減し、これから先のことがどうにも心配である。

2024/8/31 散歩道

夕風が頬を撫でるころ、近くの公園を訪ねてみた。公園のすぐ近くでイチジクを見つけた。綺麗に色づいて、きっと甘みの強いイチジクであろうと思った。公園の目の前の田んぼには、一羽のチュウサギがいた。見ていると、ほとんど動きがないので、あきらめて公園に戻った。

嬉しいことに公園の片隅でチョウに出会った。ウラナミシジミ。ずいぶん久しぶりの出会いである。ベンチに座って夕風を楽しんでいると、目の前に蛙が姿を見せてくれた。ほんのひととき、自然とのふれあいは、元気を与えてくれるものである。