タイトル:九羽の白鳥 とりどり日記

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2010/1/31 チュウヒ

チュウヒ

先日、NHK で放映された「村で急増!ふしぎなタカ」。日本一のチュウヒの繁殖地秋田県大潟村でのチュウヒの生態を明らかにしたものであった。確認した22の巣の観察記録、見ごたえのある貴重な映像であった。

そのチュウヒだが、今シーズンは、なかなか出会いの機会に恵まれず、手賀沼周辺で一度見かけただけであった。今日、久しぶりに訪れた葦原で、チュウヒの飛ぶ姿を見ることが出来た。夕方になると20個体近くが塒入りするとのことである。チュウヒの羽は、様々で変化に富み、注意深く観察すれば、きっといろいろな発見があることだろう。

2010/1/30 ベニマシコ

ベニマシコ

♪フィッフィッフィッ♪枯れ草の茂みの中から聞こえてくるのは、紛れもなくベニマシコの声。冬鳥が飛来するころになると一番楽しみなのは、ベニマシコとの出会いかもしれない。今シーズンは、冬鳥が少ないとの声を良く耳にする。そんな中でベニマシコの声が聞こえてくると、もうそれだけでそわそわしてくる。

ベニマシコ、ハギマシコ、オオマシコ、ギンザンマシコ。今まで会ったことのあるマシコであるが、やはりベニマシコが一番身近で会える可能性が高い。今シーズン、なかなか出会いの機会がなかったベニマシコだが、先日、雌雄に会うことが出来た。羽色が赤いことから、人気があるのは、何と言っても雄であるが、地味な雌をじっくり見れば、とても可愛いと思う。ベニマシコに会えると、それだけで嬉しい。

2010/1/29 クロジ

クロジ

先日、訪れた庭園でクロジに出会った。クロジは、ホオジロ科ホオジロ属である。黒いホオジロ類ということになる。近くの公園でも出会う機会はあるのだが、頻度は非常に低い。先日訪れた庭園は、毎年、冬になるとクロジの姿が見られ、私は、必ず、クロジを見るために訪れている。今シーズンも出会えたと思うとほっとする。木々が覆いかぶさるように茂っていてかなり暗いので、撮影するときは、ISOをあげている。潔くISOを上げれば良いものをなかなか決断出来ず、ずいぶんブレブレ写真となってしまった。唯一残ったのが、今日の画像である。

2010/1/28 ノスリ

ノスリ

雲の厚いどんよりと暗い一日だった。今日も田んぼをひととき回ってみた。いつも田んぼの中で見かけるタゲリが、今日は4〜5羽、道路に出てきて、立ち止まったり、ゆっくり歩いたり、餌を啄ばんだり、ゆったりモードで田園風景を楽しんでいるように見えた。程よく光があたれば、タゲリの羽の光沢のある色が楽しめるのだが、今日は、暗くてちょっと残念だった。

相変わらずツグミは、良く見かけた。もう一回りして帰ろうと思ったとき、水路沿いに何かが低く飛んだ。車に遮られて見失ってしまったが、前方を見るとノスリがとまっている。さっきの鳥は、ノスリだったのかな?でもちょっと違うような。しかし、そんなことは、どうでも良かった。こんなに近くでノスリをゆっくり見られる機会は、なかなかない。とまっているのが、汚れた看板であったが、ノスリとの出会いを十分楽しむことが出来た。

2010/1/27 ホオアカ

ホオアカ

睦月の田んぼは、見渡す限り淡い褐色の光景が、広がっている。ところどころに野焼きして黒々となった所もあるが、ほとんどが、淡いベージュで覆われている。枯れ草の残っているところが、ずいぶん少なくなってしまったが、まだ何箇所か、枯れ草があり、そこにオオジュリンやカシラダカ、スズメがとまって休息したり、枯れた穂を啄ばんだりしている。

昨年末に見かけたホオアカに、もう一度会いたいと田んぼを回っているのだが、なかなかその機会が巡ってこない。一通り田んぼを回って、ふと前方を見ると、枯れ草に何やらとまっている。ファインダーを覗いてみると嬉しいことにホオアカだった。夏の高原で出会うホオアカとは、ずいぶん印象が違う。淡いベージュのキャンバスに1羽のホオアカ。夏の緑も良いけれど、渋い色調の中のホオアカもなかなか良いものである。

2010/1/26 タシギ

タシギ

今日の風は冷たかった。ここのところ、穏やかなお天気が続き、とても過ごしやすかったので、今日の風の冷たさは、身にしみた。その風の中を田んぼを回ってみた。いつもオオジュリンやスズメがとまっている葦原は、風で揺れがひどく、流石にとまっている鳥の姿を見ることは出来なかった。しかし、野焼きをして黒々となった田んぼには、50羽ほどのカワラヒワの群れ、カシラダカ、タヒバリ、ツグミ、ムクドリなどが熱心に採餌していた。

風の中で、ひらひら舞うように飛んでいる黒と白の鳥は、タゲリ。それは、まるで風と戯れるという感じで、タゲリが5羽も6羽もひらひらと飛んでいる。その姿を土手から見下ろすと実に楽しそうだ。お天気の穏やかな日には、ゆったり畦で休んでいるので、今日のタゲリの舞は、意外な光景であった。

もう1箇所の田んぼを回ってみると、1羽のタシギが飛んだ。しかし、すぐに稲の切り株の中に入ってしまって姿が見えない。諦めきれずに、じっくり田んぼを見ていると、手前の方で鳥の動く気配。ちらっとタシギの姿が見えたので、急いでカメラを構えた。

2010/1/25 ミヤコドリ

ミヤコドリ

先日、訪れた銚子でミヤコドリにも出会った。ミヤコドリは、三番瀬で何回か見たことがある。いつもかなり距離があるのだが、今月初め三番瀬で、逆光ではあるが、かなり近くで観察することが出来た。幕張では、防波堤で休んでいるミヤコドリの群れを見る機会があった。大分前に江の島で出会ったミヤコドリは、かなり近くで二枚貝を熱心に啄んでいる姿を観察することが出来た。いずれも単独ではなく、少なくとも3羽、あるいは4〜5羽、あるいは相当数の群れであった。

銚子で出会ったミヤコドリは、たった1羽で行動していた。かなり距離があったが、真っ赤な嘴が目立ち、すぐにミヤコドリとわかった。遠すぎて私のレンズでは、歯が立たないと思いながら、記念に何枚かと思い、シャッターを押していると、何と私の方に向かって飛び始めた。ぐんぐん近づいてくるのには、いささか驚き、いや、たじろぎというべきだろう。たった1羽のミヤコドリに威圧されている自分の姿が、何とも滑稽であった。

2010/1/24 オオジュリン

オオジュリン

早朝の田んぼは、霜が降りて真っ白。朝日が昇り始める前の静かな田園風景は、なかなか良いものである。しばらくじっとしていれば、指先が痛くなってくるほどの寒さだが、そんな中でも鳥たちは、元気よく群れで飛び交っている。野焼きした後の、黒々とした大地に見えるのは、カワラヒワの群れ。もう一つの田んぼでは、タヒバリとカシラダカが、一心に餌を啄んでいる。

ゆっくり田んぼを回っている間に、太陽が昇り始め、いつの間にか霜が解け、葦原にオオジュリンの姿が見え始める。今朝は、ずいぶんオオジュリンを見かけたが、その中に、1羽、かなり頭と胸の黒くなっている個体があった。夏羽のように真っ黒というわけにはいかないが、良く見かけるオオジュリンとは、印象を異にし、新鮮な思いで、レンズを向けた。

2010/1/23 クロサギ

クロサギ

先日、訪れた銚子でクロサギに出会った。4年前の夏、奄美大島で見たのは、白色型のクロサギだった。あの時、かなり距離があり、風も吹いていて、証拠写真も撮れないほどであったので残念な思いが残っている。クロサギと聞くと、あの日の光景が目に浮かんでくる。

銚子で出会ったクロサギの近くには、コサギが1羽いた。並んでみると、その大きさの違いが、はっきりする。田んぼで、良く見かけるコサギは、ずいぶん小さい印象があったのだが、銚子の岸壁で見たとき、コサギがずいぶん大きく見えた。それほど、クロサギが小さく見えたのだ。クロサギもコサギも黄色いソックスをはいている。大きさの違いがなければ、コサギをクロサギの白色型と思いたいところであった。今度は、クロサギの白色型と黒色型が並んでいるところに出会えればと願っている。

2010/1/22 アトリ

アトリ

久しぶりに訪れた公園では、アトリにも出会った。アトリは、多い年には、斜面林が真っ黒になるほどの数で群れると聞いたことがある。アトリは、集鳥(あっとり)の略と言われるのも頷けることである。昨シーズンは、あちこちの公園でアトリの群れが観察され、私も十分楽しませてもらった。しかし、今シーズン、なかなかアトリに出会う機会は少なく、晩秋の公園で一度、アトリを2羽見かけただけであった。

少し小高くなったところで数羽の小鳥が静かに餌を啄んでいる姿を見つけたとき、それは多分、カワラヒワではないだろうか、と思い、あまり期待もせず、ファインダーを覗いてビックリ。何と綺麗なアトリであった。静かにそっと接近を試みたが、何に驚いたか一斉にワーッと飛び立ち、近くの木に飛び移った。その数、およそ30羽。思いがけず出会ったアトリの群れ。私は、久しぶりに心が弾んだ。

2010/1/21 シメ

シメ

今シーズン、冬鳥との出会いの機会が少ないように感じるのは私だけであろうか。例えばシメ。昨年も一昨年もシメは出かける先々で出会ったように記憶している。ところが今シーズンは、なかなかシメに出会わない。やっと出会っても、遠すぎたり、枝かぶりだったり、すぐに飛ばれたりで撮影の機会に恵まれなかった。

昨日、久しぶりに訪れた公園で、ようやく、その機会が巡ってきた。光線もとまっている位置も決して良いとは言えないが、久しぶりに近くで、その姿を見ることが出来たのは嬉しかった。しばらくすると、今度は、カエデの木に飛んで来て、竹トンボのような実を一心に食べていた。ちょっと強面だが、何となく親近感があって、冬になると是非、会いたい鳥のひとつである。

2010/1/20 トラツグミ

トラツグミ

春のような暖かさになるという予報通り、セーターで過ごせるほどの暖かさであった。田んぼ巡りばかり続いていたので、今日は、久しぶりに近くの公園に向かった。

最初に出迎えてくれたのは、シロハラ。今シーズン、シロハラと出会う機会は、ずいぶん多い。散歩コースの梅林でも、先日、出かけた公園でも、近くの雑木林でもシロハラに出会った。 続いて出会ったのが、アオジ。 「チッ チッ」と小さな声で鳴き、落ち葉の中から、しきりに餌を啄んでいる。ビンズイもひっそりと鳴き、数羽が落ち葉のところで、採餌している。シジュウカラは、まだ1月だというのに囀りを聞かせてくれた。

カエデの木に飛んで来たのは、シメ。竹トンボのようなカエデの実を、一心に啄んでいる。小高い丘のようなところにいるのは、カワラヒワだろうか。それともビンズイ?シルエット状態で、良くわからなかったが、そっと近づいてみるとアトリだった。植え込みの暗いところで動いているのは、紛れもなくトラツグミ。すぐ近くには、シロハラもいる。久しぶりの公園。鳥たちが静かに出迎えてくれた。

2010/1/19 ベニマシコ

ベニマシコ

風もなく穏やかな一日だった。久しぶりに訪れた草地、セイタカアワダチソウやイノコズチなど枯れ草が一面に広がっている。真っ先に姿を現したのはツグミ。枯れ草のところをごそごそした後、近くの背の低い木に飛び移った。ヒヨドリもやってきて、「ピーヨ ピーヨ」と鳴き、近くの木にちょこんと乗った後、飛び去った。

草むらからは、アオジの地鳴きが聞こえてくる。例年、ここでは、ウグイスを良く見かけるので、注意深くあたりを見渡し、耳を澄ましてみるのだが、今日は、全くその気配がなかった。ふと気がつくと「フィッ フィッ」「フィッ フィッ」とあの懐かしい声が聞こえてくる。どこから聞こえてくるのだろう?良く見ると、すぐ目の前の込み入った枯れ草の後ろにベニマシコの姿が見え隠れしている。会いたかったベニマシコ。今シーズン初めての出会いである。思わず指先に力が入った。

2010/1/18 コクガン

コクガン

昨日、久しぶりに訪れた銚子でコクガンにも出会った。このコクガンは、ずいぶん長い間、滞在しているように聞いている。今では、すっかり銚子漁港の雰囲気に慣れ、カメラマンに取り囲まれても動じる様子もない。三番瀬のコクガンは、少々距離があり、何とかもう少し近くで撮影したいと願っていたので、これは何とも嬉しい出会いであった。

護岸の近くの水のたまったところに緑色の藻のようなものが、どうもたくさんあるらしい。それが、コクガンのお気に入りのようで、少し休憩しては、また、水溜りに入って、その藻を美味しそうに食べている。しかし、これほど間近でコクガンを観察出来る機会は、なかなかないのではないだろうか。一昨年の11月、北海道で見たコクガンの群れは、かなり距離はあったと思うのだが、車から降りた途端に遠くに飛んでしまった。三番瀬のコクガンに比べて幼い印象を持ったが、いつまで滞在してくれるのだろうか。

2010/1/17 カナダカモメ

カナダカモメ

風もなく穏やかな一日。グループで銚子方面に向かった。体調を気にしながらの久しぶりの遠出であったが、和やかな雰囲気の中、楽しい鳥見が出来、真っ赤な太陽が沈むころ、満ち足りた気持ちで帰路に着くことが出来た。

今日の一番の目的はカモメ。カモメの識別は、私には難し過ぎて、最初から目をつぶって遠ざかってきた鳥である。そのカモメを何とか少しずつ理解しようと、最近、思うようになってきた。最初のポイントに到着すると、すでにスコープを構えた方の姿が数人。「カナダカモメがいますよ。」とのことで、何とか狙いを定めてシャッターを押したものの自信がない。恐る恐る「これで合っていますか?」と尋ねると「違いますね。」とのこと。ああ、やっぱり。でもお尋ねして良かった。親切にカナダカモメの場所を詳しく教えてくださったので、今度は間違いない。「羽の内側を撮った方が良いですよ。」ともアドバイスしていただいた。

脇見をせず、必死にカナダカモメを見つめていると、飛び立ちそうな気配。先程アドバイスしていただいたカナダカモメの羽の内側を何とか撮影することが出来た。名前だけは、今まで何度も聞いていたけれど、やっと会えたカナダカモメ。嬉しさがじわじわとこみ上げてきた。

2010/1/16 ミサゴ

ミサゴ

今日の風は冷たかった。沼のほとりを歩くと葦原に小さな鳥影。いつもジョウビタキの♀を見かけるところなのだが、大きさも違うし動きが違う。そっとレンズを向けファインダーを覗くと可愛いセッカの姿。枯れた葦の下は、沼の水がヒタヒタと押し寄せてくる。こんなところにセッカが。新鮮な驚きと嬉しさ。これが鳥見の楽しさなのかもしれない。

次に回った沼のほとり。広々と湖面が広がり、釣り人が数人、風を避けるように釣り糸を垂れている。コサギが1羽、フワリと飛び、近くの葦原に降りた。晴れ渡った空と青く広がる湖面。冷たい風の中をこちらに向かって飛んで来るのは、ミサゴ。ぐんぐんぐんぐん近づいてくる。あっという間に、頭の上。くるっと旋回して、また湖面を見つめている。冷たい風も何のその。ミサゴは、真冬の青空が良く似合う。

2010/1/15 スズメ

スズメ

冬型の気圧配置が続き、空はすっきりと晴れ渡っている。ベランダから見えるエゴの木にスズメが5羽とまっているのが、見える。静かに静かにスズメに気づかれないようにガラス戸をそっと開ける。しかし、スズメは、なかなか警戒心が強い。敏感にこちらの気配を察して、5羽が一斉に飛び立ち、駐輪場に面した夾竹桃の木に移動した。

ベランダから、その様子を眺めていると、羽繕いをしたり、伸びをしたり、結構、くつろいでいる。スズメは、とても身近な鳥だが、人間を恐れるのか、こちらの姿を見ると、ぱっと飛び立ち、近くで観察する機会が、案外少ないものである。ベランダから程よい距離の夾竹桃。スズメの憩いの場ようである。

2010/1/14 ルリビタキ

ルリビタキ

久しぶりに近くの公園に向かった。昨日は、風の強さにくじけて鳥見を断念したので、今日は、鳥見を楽しみたい。そう思って家を出たのだが、ずいぶん冷え冷えとした空気を感じる。駅に向かう途中、水溜りが凍って、一層寒々しい。公園に着くと、枯れ草の上は、真っ白。一面に霜が降りている。「冬将軍がやってきた!」ふとそんなことを考えながら公園内を歩く。

最初の出会いは、カワセミ。込み入った木のところにとまってダイビング。その様子を感心しながら眺めていると、すぐ目の前の桜の木に飛んで来た。あまりに近くて焦点が合わず、後ずさり。こんな出会いは初めてだ。枯れ草の中から姿を見せたのは、アオジ。日陰の木の小さな葉が揺れている。何の鳥かな?と動きを観察。メジロのあの白いリングが、ちらっと見えた。

日陰の草むらで動いたのは、紛れもなくルリビタキ。ブルーがくっきり鮮やかだ。冬の公園で、この青い鳥は、なかなかの人気者。たちまちギャラリーを集めて並んだカメラは、6台。一躍スターになったようだ。春の息吹を感じる頃まで、きっとたくさんの人たちを楽しませてくれることだろう。

2010/1/13 新春の田んぼ

新春の田んぼの鳥たち

淡いベージュ色を基調に水墨画風の渋い色合いが、落ち着いた雰囲気を作り上げている。その光景が、私の心を和ませ、新たなエネルギーを与えてくれる源になっている。新しい年を迎えても田んぼの景色が変わるわけではないのだが、飽きもせず、せっせと田んぼに通っている。

今シーズン、意外と出会いが少ないのが、タゲリ。もちろん何回か出会っているのだが、昨シーズンに比べれば、ずいぶん出会いの機会が少ないし、その数も多くはない。しかし、何故か、かなり近くで観察する機会が多い。

オオジュリンとカシラダカには、ずいぶん出会った。ひとつの田んぼでカシラダカが群れになって飛んでいるのを見たが、その数の多さに、ずいぶん驚いたものである。オオジュリンは、枯れ草の上にとまって、撮影のチャンスを何度も与えてくれるのだが、カシラダカは、すぐに枯れ草の中にもぐってしまう。タヒバリもまた、案外、警戒心が強く、車が近づくと飛んでしまう。ホオジロは、時々見かけるのだが、やはり車や人の気配を敏感に察知するようである。

群れで出会う機会が多いのは、スズメとカワラヒワである。スズメは、多い時には、500羽以上。カワラヒワは、100羽以上の群れを見たことがある。冬枯れの田んぼで、これほどまとまった数の小鳥の群れがいるということは、猛禽にとっては、狙い目の場所ということになるのであろう。

新春の田んぼで楽しみなのは、チョウゲンボウやノスリ、時には、コチョウゲンボウやチュウヒとの出会いである。チョウゲンボウは、ノスリに比べれば、体は小さいのに結構気が強い。確かにノスリの顔は、優しい顔立ちで、チョウゲンボウは、やんちゃ坊主という風情である。コチョゲンボウに出会う機会は少ないが、会えたときには、格別、嬉しいものである。

新春の田んぼ。まだまだ鳥たちとの出会いを楽しめそうである。

2010/1/12 ミユビシギ

ミユビシギ

ミユビシギ。冬の浜辺で出会った白っぽいシギ。ハマシギの群れの中にいて、何故か心惹かれるシギである。キラキラ光る波を背景に波打ち際を急ぎ足で動き回る。その動きが、また、何とも愛らしい。しかし、その動きの早さ故、撮影は、なかなか難しい。

先日、久しぶりに訪れた三番瀬で、冬羽のミユビシギに出会った。たくさんのハマシギやダイゼン、シロチドリなどと一緒に行動していたが、一際白いので、特に目を引く。山と渓谷社「野鳥の名前」によれば、「波が沖側に引けば素早く前進、波が返してくれば後退」とある。さらに足早に行き来する様子は、まるで「振り子のようだ」とも。まさにミユビシギの動きを的確に表現していて、その情景が目に浮かぶようである。

2010/1/11 タゲリ

タゲリ

今朝は、いつもより早めに起きて、田んぼを回ってみた。まだ薄暗いうちから回り始めたが、鳥の声も聞こえず、あたりは、ひっそりとしていて、寂しい感じであった。東の空が赤くなり始めるころ、ようやく鳥の声が聞こえ始めた。

用水路にかかった橋のところまで行ってみると、おびただしい数のスズメが橋の欄干にとまっている。あまりに多くて欄干に乗り切れず、橋の上にもびっしり。おそらく500羽は、優に超えているであろう。スズメの満員電車といったところであろうか。

近くの田んぼには、カワラヒワの群れ。こちらは、100羽くらいであろう。カシラダカやタヒバリも、群れている。雲が厚く、なかなか明るくなって来なかったが、鳥たちの元気な姿を確認できて一安心。もう一回りと思って回り始めると、農道に出てきた3羽のタゲリの姿が目に入った。意外に警戒心が薄く、ずいぶん近くで観察することが出来た。散歩の人も通らない早朝、タゲリの散歩道になっているのかもしれない。

2010/1/10 オオジュリン

オオジュリン

相変わらず、今日も田んぼを回ってきた。冬枯れの田んぼは、渋い色調で、眺めているだけで不思議と心が落ち着く。見慣れた風景、見慣れた鳥たちとの出会い。それが、心を落ち着かせるのかもしれない。

今日、最初に出会ったのは、ホオジロ。いつものように葱畑のところで5〜6羽が、一斉に飛んだ。続いて出会ったのは、チョウゲンボウ。風に吹かれながら長いこと電線にとまっていた。次に出会ったのは、カシラダカ。枯れ草のところから一斉に飛び立った数は、少なくとも10数羽。その数の多さに、いささか驚く。

すぐ近くの枯れ草のところには、オオジュリンがとまった。冬枯れの田んぼにオオジュリン。見慣れた光景ではあるが、その色調が好きで、私は好んでレンズを向ける。

2010/1/9 キジ

キジ

今日も、朝のひととき、ゆっくり田んぼを回ってきた。葱畑のところで、いつも出会うホオジロは、今日は見られず、スズメの姿も少ない。枯れ草で覆われた田んぼに、オオジュリンの姿が見えたが、手前の草に隠れて撮影は、難しい。しばらくすると散歩の人が通りかかり、オオジュリンが7〜8羽、一斉に飛び立った。

野焼きをした後の、田んぼを回ってみると、今日もタヒバリが、たくさん群れている。オオジュリン、ホオジロの姿も見えた。大きな鳥は、ツグミ。すぐ近くの枯れ草の上には、スズメが4〜5羽とまっている。のどかな田んぼの、こんな光景が私は、大好きだ。空を仰ぐとチョウゲンボウがホバリングしている。青く澄み渡った空を気持ち良さそうに、ずいぶん長い間、飛び、風に流されるように遠ざかったり、また近づいてきたりしている。

もと来た道を帰りかけると枯れた二番穂を啄むように、時々、見え隠れしているキジ雄の姿を発見。近くには、雌もいるのだが、ほとんど隠れていて、写真を撮るのは、なかなか難しい。どうやら二番穂の味が、気に入ったようだ。のどかな田んぼのひとこま。今日も嬉しい出会いであった。

2010/1/8 ノスリ

ノスリ

冬枯れの田んぼは、淡いベージュを基調に何とも言えない風情を感じさせてくれる。それ故、私は、好んで冬枯れの田んぼを回って田園風景を楽しみ、鳥たちとの出会いをも期待するのである。

昨日、田んぼを回ったとき、遠くの杭にとまったノスリが視界に入ってきた。距離があったので、すぐには何の鳥かわからず、ずいぶん白い鳥と思ってファインダーを覗いてみた。杭にとまったその鳥の顔は、優しい顔立ちのノスリであった。しばらく様子を見ていると、フワッと飛んで、冬枯れの田んぼを横切り、さらに飛んで用水路にかかった橋の上にとまった。橋の上のノスリ。初めて見る姿で、なかなか面白い。しかし、私の位置からは、半分くらい隠れてしまう。それでも、ノスリのその表情が何とも愛おしくて、レンズを向けた。

2010/1/7 チョウゲンボウ

チョウゲンボウ

風は冷たいが、今日は田んぼを回ってみよう。そう思って家を出た。ほんの2〜3日、間を開けただけなのに田んぼの様子が変わっていた。黒々と野焼きした跡がある。枯れ草で覆われたあの畑、あの渋い色合いのあの光景が、様変わりし、黒々と焼け跡となって広がっている。そこには、タヒバリが群れていたが、車が近づくと一斉に飛び立って遠くに行ってしまった。あの枯れ草の中には、いつもカシラダカやホオジロ、オオジュリンがいたのだけれど。

ちょっぴり寂しい思いを抱きながら、田んぼを回る。ツグミが10数羽群れているところがあった。飛んだり跳ねたり、ツグミの楽園と言っても良いような雰囲気。近くには、ムクドリも6〜7羽いたけれど、断然ツグミの方が、数が多くてムクドリは、遠慮がち。さらに田んぼを回ると、今度は、遠くの杭にとまったノスリが視界に入ってきた。何とか近づきたいが、なかなか難しい。諦めて帰りかけると、上空にチョウゲンボウの姿。雲が出てきたが、青空のところで撮影したい。そう願いながらホバリングしているチョウゲンボウを連射。チョウゲンボウが、一瞬、良い位置に降りて来てくれた。睦月の空にチョウゲンボウ。風は冷たいが、気持ちの良い朝の田園風景であった。

2010/1/6 ミヤコドリ

ミヤコドリ

昨日、久しぶりに出かけた三番瀬で、ミヤコドリにも会った。今まで三番瀬で見るミヤコドリは、かなり距離があり、鳥の大きさ自体、私は把握していなかったということに気がついた。

コクガンに会えた嬉しさで、十分満足し、帰ろうとした時、潮が引き始めた干潟に何やら大きな鳥が目に入った。逆光で良くわからない。この大きさの鳥は、一体何だろう?そう思ってファインダーを覗いて驚いた。ミヤコドリだ!こんなに間近に見るミヤコドリは、初めてなので、少々慌てた。シルエット状態になってしまうので、何とか位置を変えてと思うが、なかなか思うようにはいかない。それでも、餌取りに忙しいミヤコドリが、干潟を動き回るので、わずかにチャンスが巡ってくる。光線が強すぎたが、思いがけず間近にミヤコドリを見られ心に残る日となった。

2010/1/5 コクガン

コクガン

久しぶりに電車、バスに乗り継いで三番瀬に向かった。船橋駅に着いたとき、どうやらバスは、出たばかり。ほぼ30分近く待って船橋海浜公園行きのバスがやってきた。冬の浜辺にやっと到着。ヒドリガモの鳴き声が聞こえてくる。波打ち際には、ハマシギがたくさん。忙しく動き回るのは、ミユビシギ。ダイゼンは、ゆったり構えている。シロチドリの姿も見えた。冬の浜辺は、何だか楽しい。

ネットの近くに飛んで来たのは、ハマシギの群れ。黒い塊になったり反転して白くなったり。その数、どれくらいになるのだろう?そのハマシギの群れが、離れたところの波打ち際に降り立った。だんだんその群れが大きくなっていく。冬の浜辺は大賑わい。

浜辺を少し歩くと防波堤。真っ赤な目のハジロカイツブリが、潜水している。スズガモがたくさん見えるが、お目当てのコクガンは、見あたらない。反対側の波打ち際には、ハマシギ、ミユビシギが、忙しく動き回っている。もう一度、スズガモの群れを眺めてみると1羽、大きな鳥が目に入った。コクガンだ!しかし遠い。何とか念力で呼び寄せよう。するとどうだろう。コクガンがこちらに向かって泳ぎだした。ぐんぐん近づいてくる。念ずれば通ず。嬉しい出会いとなった。。

2010/1/4 コチョウゲンボウ

コチョウゲンボウ

今シーズン、コチョウゲンボウに会う機会は、何度かあったのだが、すぐに飛ばれてしまったり、遠すぎたり、電線の上だったりで、なかなか思うような条件での撮影には、いたらない。しかし出会いは、全く偶然訪れるものである。

私の好きな田園風景を楽しみながら、ゆっくりゆっくり車を走らせていると、何やら2枚目の田んぼに鳥の動く気配。よくよく見れば、それは、まさしくコチョウゲンボウ。食事の真っ最中のようである。少し距離はあるものの、なかなかこんなにゆっくり観察できるものではない。余程美味しい食べ物なのか、それとも空腹だったのか、もう夢中である。

ところが、そこに何ともう1羽のコチョウゲンボウが現れた。一瞬、2羽が絡みあったが、すぐに2羽とも飛び去った。あっという間の幕切れであったが、思いがけない嬉しい出会いとなった。

2010/1/3 ホオジロ

ホオジロ

雲が出てきたが、風もないので午後から少しの時間、鳥見に出かけた。葦原に着くと、小さな鳥が飛んで、すぐにまた葦原の中に潜り込むように入っていく。一番目につくのが、アオジ。オオジュリンも見え隠れしている。葦原の奥にアカハラの姿も見えたが、鳴きながら遠くの葦原に移動した。

沼のほとりに近づくと、ジェッという声がしてタシギが2羽飛んだ。不意を突かれた感じで、一瞬、ギクッとしたが、タシギの方は、もっと驚いたに違いない。バンが、水際を急ぎ足で移動する。オオバンは、5羽、葦原で囲まれた水たまりで仲良く泳いでいる。

葦原に飛んで来たのは、スズメの群れ。カシラダカ、ホオジロ、オオジュリンの姿も見える。ほんのひととき。葦原で出会った小鳥たち。優しい気持ちを運んでくれる。

2010/1/2 ルリビタキ

ルリビタキ

2010年の撮り初めは、近くの公園に向かった。公園で最初に出迎えてくれたのは、シロハラ。師走に訪れたときには、何度、出会っても撮影のチャンスを与えてくれなかったシロハラが、チョコンとフェンスに沿ったピラカンサの木にとまっている。こちらも用心して慎重に慎重にレンズを向ける。背景がやや目ざわりの感があるが、木どまりが撮れて満足。

少し歩くと落ち葉のたくさん集まっているところに、1羽の小鳥の姿。ビンズイだった。もう1羽飛んだ鳥は、シロハラ。杉の木にとまった。もう少し歩くとガサガサと枯れ葉を突く音がする。やっぱりこれもシロハラ。どうもシロハラのサービスデーのようだ。

くるっと一回りして元の所に戻る。目の前を飛んだのは、ルリビタキ。幸せの青い鳥。鳥たちとの出会いが、今年も期待できそうだ。

2010/1/1 明けましておめでとうございます

年賀(トラツグミの写真)

身近なフイールドで偶然出会った鳥が、実は、日本初記録のウスハイイロチュウヒと知ったときの驚き、たくさんのバーダーで賑わったフィールド、森で出会った巣立ちの日のフクロウ、都市公園に立ち寄ってくれたコマドリ、里山で出会ったサシバ、桜の木にとまってくれたコイカル、初めて出会ったハイイロヒレアシシギやコシアカツバメ、夏羽のエリマキシギなどたくさんの鳥たちとの出会いがありました。

皆様方のお力をお借りしてHP「九羽の白鳥」の更新を重ねることができましたこと厚く御礼申し上げます。今年もたくさんの鳥たちと出会いたいと願っております。本年も皆様方のお力添えをいただきながらほのぼのとした雰囲気のHPが続けられるよう努力してまいりたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

◇◇ これまでの 『とりどり日記』 ◇◇

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