2019/5/1 キビタキ Narcissus Flycatcher
木々の緑が、日々色濃くなり、緑したたる季節を迎えた。渡り途中の鳥たちが、近郊の屋敷林や公園などに立ち寄り、羽を休めていく姿が、もしかしたら見られるかもしれない。淡い気持ちでこんもりした林を訪ねてみた。時期的には、少々遅いかもしれないが、今年は、春とは思えない寒い日が続いているので、鳥たちの動きも遅いかもしれない。
林の中は、ひっそりとして鳥の気配はなく、しばらくすると高い木の上にシメが姿を見せた。シジュウカラも葉陰で動いている。飛んで来たのは、コゲラ。エナガの姿も見えた。森林浴を楽しんで引き上げようとすると高らかにさえずりを披露する鳥が現れた。♫ピチュリ ピィ ピピリ♫林の中に響き渡る元気な声だ。もしかしたらキビタキ?そう思って辺りを探す。いた!いた!黄色が鮮やかな綺麗なキビタキである。
キビタキの独唱は、緑したたる林の中に響き渡り心地よいひとときを過ごすことが出来た。
2019/5/2 オジロトウネン Temminck's Stint
ずっと気になっていた春の渡り。田んぼや蓮田で羽を休めていくシギやチドリの仲間たち。以前は、シーズンに入る前に休耕田探しから始まって、いくつもの田んぼで、シギやチドリとの出会いを楽しんだものであった。ここ数年、春の渡りにしても秋の渡りにしてもシギやチドリの姿を見かける機会が少なくなり寂しい限りである。
あまり期待をしないで出掛けた田んぼであったが、夏羽に換羽中のオジロトウネンを間近に見る機会に恵まれた。今まで、オジロトウネンには、何度も出会っているが、秋から冬にかけてがほとんどで、このような換羽状況の個体を見るのは、初めてのような気がする。
いずれにしても新鮮で嬉しく胸弾む出会いであった。
2019/5/3 セッカ Zitting Cisiticola
♫ヒッヒッヒッ♫チャッチャッチャッ♫葦原に響き渡る元気いっぱいの声。春の葦原は、まだ枯れ草で覆われている。下の方に、緑の草がわずかに見えるが、葦原は、淡いベージュ色が広がって冬の名残を感じさせる。オオヨシキリの元気な声も聞こえて来た。
葦原の一角で、巣材運びをするセッカに出会った。口いっぱいに巣材をくわえて、何とも健気な姿である。これから始まる子育ては、試練の連続であろう。葦原が、緑の草で覆われる頃、可愛い雛の姿が見られるだろうか。また葦原を訪ねてみたいと思う。
2019/5/4 チュウシャクシギ Whimbrel
春の渡りにシギやチドリに会いたくて出掛けた田んぼ。例年、今頃の時季は、チュウシャクシギとの出会いが多いのだが、果たして会えるだろうか。目的地にたどり着くまで、いくつかの田んぼを通過するので、目をこらして見るのだが、田植えの済んだばかりの田んぼが広がるばかりである。
早苗の揺れる田んぼが広がる光景は、何度見ても心地よく、私は大好きである。いくつもの田んぼを回って、そろそろ終わりかなと思う頃、目の前にチュウシャクシギが4羽姿を見せてくれた。今季初めて嬉しい出会いであった。畦で羽を休めるチュウシャクシギの姿は、のどかで良いものである。
2019/5/5 ゴイサギ Black-crowned Night Heron
春の日差しが降り注ぐのどかな川沿いの道。ゆっくりゆっくり歩いてみる。木々の緑が濃くなり、野の草も色とりどり。ふと気が付くと、前方の木に何やらとまっている気配。そっと近づいてみると何とゴイサギ。田んぼで見かけることはあるが、木にとまっているゴイサギを見るのは、久しぶりである。
離れたところから、しばらく観察していると、体の向きを変えたりしながら、結構ゆっくりしている。この木が気に入ったのだろうか。川沿いの道では、モンシロチョウやシジミチョウが舞い、ゆったりと時間が流れていく。
2019/5/6 アマサギ Cattle Egret
早苗が揺れる田んぼ。少し間をおいて田んぼに出掛けてみると、いつの間にか、ほとんどの田んぼで田植えが済んでいる。まだか弱げな早苗が揺れる様は、何とも爽やかで心地よいものである。
いくつかの田んぼを見て回り、出会いもなかったので引き上げようとしたとき、前方の畦にサギの姿が目に入った。1羽は、チュウサギ、もう1羽は、何とアマサギである。以前は、田んぼ回りをすれば、たくさんのアマサギに出会えたのだが、昨シーズンは、ずいぶん寂しい状況であった。
1羽のアマサギに出会えたことで、気分が明るくなった。今季、これからたくさんのアマサギが姿を見せてくれるだろうか。期待したいものである。
2019/5/7 里山の春
木々の緑が色濃くなり、野の草も勢いよく伸びている。チョウとの出会いを求めて、のんびりゆっくり里山を歩いてみた。到着して程なく姿を見せてくれたのが、ルリタテハ。辺りを飛び回っていたが、少しの間、とまってくれた。何とか開翅してくれてヤレヤレである。
続いて姿を見せたのが、ベニシジミ。散歩道でも川沿いの道でも田んぼでもベニシジミには、不思議なほど良く出会う。ベニシジミに見とれていると、ちょっと目立たない色合いのチョウが飛んで来た。以前出会ったことがあるが、名前が思い出せない。帰宅後、調べてみるとヒメウラナミジャノメと分った。
桐の花を見たかったが、時季が少々遅かったようだ。固そうな実がついているのを初めて見た。木陰のところには、キンランもいくつか咲いている。里山では、どなたに会うこともなく、静かにゆったりとしたひとときを過ごすことが出来た。
2019/5/8 トウネンとムナグロ Red-necked Stint & Pacific Golden Plover
春の渡りでひととき羽を休めていくシギやチドリ。その姿を見るとホッとして心安らぐ思いがする。ささやかな出会いを求めて馴染みの田んぼに足を運んでみる。
いた!いた!広い田んぼの奥の方に、ムナグロが10数羽。良く良く見ると、ムナグロのすぐ近くに小さな小さな姿を発見。トウネンである。あの可愛い姿を見ると嬉しくなって来る。いつも思うことだが、あの体で、長い旅路を良く続けられるものだと感心する。胸のところが赤味を帯び、何とも愛らしい。どうか無事に旅が続けられますように。
2019/5/9 ヤマガラとコゲラ Varied Tit & Japanese Pigmy Woodpecker
林の中に入ると、ひんやりして気持ちが良い。いつの間にか木々の緑が色濃くなって、季節が確実に進んでいることを実感する。少し開けたところに出ると何やら小鳥が飛んだ。思わずレンズを向けてみる。ヤマガラのようだ。口元に何かくわえているので、子育て中なのだろう。ここは、天敵も少ないだろうか。無事に子育てがすんで欲しいものである。
別の木には、コゲラが登場。忙しそうにクルクル上って行く。足元を見るとキノコの生えた切り株があり、すぐ近くには、マムシ草。林の中の散歩は、気分爽快である。
2019/5/10 コチドリ Little Ringed Plover
季節を感じさせてくれる鳥のひとつがコチドリ。早春の声を聞くようになるとコチドリ飛来のたよりも耳にするようになる。ところが、何故かコチドリに縁がなくて、なかなか出会いの機会が巡って来なかった。
出会いは不思議なもので、ぷらりと出掛けた先で、ひょっこりコチドリに出会えたのである。それも目の前で大サービス。可愛い姿を見ると嬉しくなってくる。コチドリに出会って、これほど喜ぶ人も珍しいかもしれないが、あの歩き方とアイリングが、目に焼き付いている。
2019/5/11 キアシシギ Grey-tailed Tattler
春の渡りのシギチとの出会いを期待して、時折田んぼに足を運ぶ。隣県を訪ねることもあるが、少し時間がかかるので、近くの田んぼを回ってみることにした。期待していたのは、ムナグロ、キョウジョシギ、チュウシャクシギであったが、いずれも姿を見せてくれることはなく、田んぼには、まだか細い早苗が揺れるばかりであった。
がっかりして、諦めかけたとき、少し離れたところではあるが、鳥影が見える。良く見るとキアシシギが4羽。畦で休憩中のようであった。逆光気味ではあったが、何とか今季初めてキアシシギの姿を撮影することが出来た。嬉し出会いであった。
2019/5/12 オオヨシキリ Oriental Reed Wabler
♫ギョギョシギョギョシ♫葦原は、まだ枯れ草色で覆われているが、あの元気な声が聞こえて来る。葦原に近づくほどに、その声の何と賑やかなことだろう。今季も、元気いっぱいの声を聞くとほっとし、嬉しくなって来る。
何とか真っ赤な口を撮りたいと枯れた葦の隙間を選ぶ。距離はあるが、車から様子を伺いながらである。それにしても、あの赤さは、何とも強烈である。セッカの口の中は、真っ黒で、こちらも印象深いものがある。これからの季節、葦原で小鳥たちとの出会いが楽しみである。
2019/5/13 散歩道(アゲハ・他)
ネモフィラのブルーが爽やかで、静かでのどかな散歩道。私は、ここを「ネモフィラの小径」と名付けて、しばしば足を運ぶ。ネモフィラは、まだ十分美しさを保っているが、そこに真っ赤なストロベリートーチが、辺りを見渡すかのようにすっくと伸びて彩りを添えている。
ここでは、モンシロチョウに良く出会う。シジミチョウ、特にヤマトシジミは、よく見かける。アゲハも何度も見かけているのだが、なかなかとまってくれない。柑橘系の木もあるので、いつか産卵に訪れるのではと期待していた。その願いが通じたようだ。何とかやっとアゲハを撮影出来たのである。
2019/5/14 キジ Common Pheasant
みどりの風が吹き渡る田んぼ。心落ち着くところなので、時折、田んぼに足を運ぶ。今季、ムナグロ、キョウジョシギ、チュウシャクシギ、キアシシギが観察されていると聞くが、私は、この付近の田んぼでは、キアシシギを見かけたのみである。
この日の出会いは、寂しいものであったが、最後にキジの雄と雌が姿を見せてくれた。何度出会ってもキジには、いつの間にかレンズを向けている。何とか2羽で並んでくれないかと期待したのだが、お互い食べることが忙しいらしく、お愛想なしであった。一瞬、雄が母衣打ちをしたが、雌を撮影していて取り損ねてしまったのが残念である。
良く良く見ると、この田んぼには、タシギも草の影に隠れていた。田んぼは、やはり心落ち着くところである。
2019/5/15 散歩道(アカボシゴマダラ)
5月の太陽は、かなり元気が良い。帽子をかぶって、近隣の散歩に出掛けるのだが、時には、肌を突き刺すようにピリピリと感じることもある。木陰に入って、ほっとすることもしばしばである。
この日の散歩は、今まで行ったことのない空き地に足を踏み入れてみた。ハルジオンやカタバミ、ウシハコベなど野の草がいっぱいである。最初に目に付いたのが、ベニシジミ。翅が傷んでいて何とも痛々しい。ヤマトシジミも数頭、飛んでいる。目を転じると、少し大きめのチョウが目に入った。おそらくアカボシゴマダラであろう。
少しずつ近づいてみる。間違いなくアカボシゴマダラだ。外来種であるが、今季初めての出会いなので、ちょっと新鮮な気分。驚くほど警戒心がなく、あっさり撮影することが出来た。
2019/5/16 散歩道(ヤマトシジミ)
穏やかな日が続いている。体調を考えながら、近隣の散歩を続けている。目新しい出会いはないかと、いつもと少し違うルートを歩いてみた。林の中で、鳥の動く気配がしたのだがキジバトだった。コンデジの手持ち撮影であるが、何とか撮れていた。カエデの新緑も綺麗である。
ヤマトシジミを見かけたので、目で追っていると、いつの間にか2頭、雌と雄が並んでいる。行方を見守ったのだが、恋は成就しなかったようだ。傍らでは、アメリカフウロの花が、ひっそり咲いていた。
2019/5/17 モズ Bull-headed Shrike
吹く風が心地よい季節。大好きな田んぼへ時折、足を運ぶ。一見、何の変化もないように見えるが、一日一日、田んぼの見せる表情は変わっている。小さな野辺の花が咲きそろったり、オオヨシキリの声が、一層賑やかになったり。田んぼの早苗は、ゆっくりゆっくり伸びていく。
その田んぼで、モズを見かけた。1本の木にとまり、ジャンプして虫を捕っている。渡りの途中、公園に立ち寄ったヒタキ類が見せる行動に似ていて不思議な感じがした。しばらくこの場を訪ねていないので、すでに葉は、大きくなっていることだろう。皐月のたんぼのひとこまである。
2019/5/18 チュウサギ Intermediate Egret
みどりの風が吹き渡る田んぼに良く足を運ぶ。その折々の出会いが、心なごませてくれ体に活力を与えてくれているように感じることしばしばである。
この日の出会いは、チュウサギ。真っ白な羽がとても美しく魅力的である。程よく水の入った田んぼで、足取りも軽やかに実にリズミカルに歩いている。ワルツの曲でも聞こえてくるのだろうか。皐月の田んぼにみどりの風が吹き渡り、実に心地よい。 チュウサギもその風を楽しんでいることだろう。
2019/5/19 キョウジョシギ Ruddy Turnstone
今季、春の渡りで飛来したシギたちの何と少ないことだろう。以前のように足繁く田んぼに通うことが出来ないのだが、折々に様子をお知らせ頂いて、ほぼの様子が分って来る。
出会ったシギは、チュウシャクシギ、キアシシギ、ムナグロ、オジロトウネン、トウネンくらいだろうか。気になっていたキョウジョシギには、数日前、やっと出会えた。1羽でポツンと畦にいた姿が目に焼き付いている。このまま、春の渡りは、終わりなのだろうか。何とも寂しいことである。
2019/5/20 セッカ Zitting Cisiticola
爽やかな日が続いている。大好きな田んぼに時折、足を運ぶ。田植えの済んだ田んぼが広がり、早苗が揺れる様は、見ていて何とも気持ちが良い。今季は、麦畑を何カ所かで見かけている。麦の生育状況も色々で、麦秋に近い光景を見られるところもある。
その麦畑で、セッカの声を聞いた。♫ヒッヒッヒッ♫チャッチャッチャッチャッ♫セッカの声が、麦畑に響き渡る。何とかとまってくれないかしらとしばらく待ってみる。とまった!かなり距離があるが、セッカが麦にとまっている。何とも嬉しいセッカとの出会いであった。
2019/5/21 里山散歩(アゲハチョウ)
いつしか木々の緑が色濃くなり、木陰に入るとひんやりと心地良さを感じる季節になっていることに気が付いた。寒さを感じるような春の日が長く続いていただけに、初夏の訪れが何とも不思議である。
久しぶりに里山に足を運んでみると、ヤマツツジは終わりを迎えつつあり、ノアザミが、元気よく姿を見せてくれた。キンランは、まだ見かけるが、一頃の元気の良さは、感じられない。
ヤマツツジのところに一頭の黒いアゲハが飛んで来た。帰宅後、調べてみるとどうやらモンキアゲハのようである。初めての出会いで何とも嬉しい。じっと止まるということがないので、撮影は、困難を極めた。キアゲハも姿を見せたが、何と言っても黒いアゲハとの出会いは、嬉しかった。
2019/5/22 キビタキ Narcissus Flycatcher
いつしか太陽の下では、暑さを感じる季節になり、時には、緑陰が恋しくなる。木陰に入ってしばし休憩。そう思って近くの林の中に入ってみた。すると何と聞き覚えのある声が聞こえて来る。この声は、キビタキに違いない。そう思って辺りを見渡す。
♫ピチュリ ピィ ピピリ♫澄んだ声が辺りに響き渡る。目をこらすと、黄色い胸の色が鮮やかなキビタキの姿が目に入った。何とも嬉しい出会いである。♫ピチュリ ピィ ピピリ♫得意の歌声を披露する。キビタキの独唱は、爽やかで、何とも心地よい。
2019/5/23 里山散歩(セセリチョウ)
鳥との出会いの少ない昨今であるが、身近な植物や昆虫などにも目を向けるようになり、以前より楽しさが増して来たように感じている。体調を崩し、重い機材を持てなくなったというのも大きな要因であるが、身近なところに、こんなに宝物があったのかとしみじみ思う。
里山に足を運んでみると目新しい植物があり、見たことのない蝶が飛び回っている。近隣の散歩で、ちらっと見ただけであったダイミョウセセリにも出会った。この日出会ったのは、ヒメキマダラセセリ、コチャバネセセリなど今まで出会いの機会の少なかった蝶で、嬉しさがひとしおであった。
2019/5/24 ホオジロ Meadow Bunting
沼のほとりを歩いていると遠くの小枝にとまっている鳥の姿が見えた。少しずつ近づいてみると、それはホオジロであった。鳥までの距離は、結構あったので、警戒されることは、まずないであろう。
しばらく様子を見ていると、スイスイスイと緑の葉の繁ったところに入って行く。どうもいつも見るホオジロとは、雰囲気が違う。さらに観察を続けると何やら虫をくわえて、茂みの中に入って行く。どうやら営巣しているらしい。鳥との距離はあったし、遮るものもあったので、負担はかけないと思ったが、早々に立ち去ることにした。
鳥との出会いの少ない昨今、嬉しい出会いであった。
2019/5/25 里山散歩(ツマグロヒョウモン)
里山は、木陰になっているところが結構あり、空気がひんやりして気持ちが良い。ヤマツツジは、ほぼ終わりに近いが、すぐ近くにノアザミが、たくさん咲いているところがあり、そこに蝶が飛んで来る。
到着とほぼ同時に飛んで来たのが、ツマグロヒョウモン。雄であった。どうやらお気に入りの場所のようで、ヒラヒラ飛んでは、また戻って来る。キタキチョウもノアザミがお気に入りの場所のようである。
里山は、蝶たちのオアシス。また近いうちに出掛けてみたいと思う。
2019/5/26 里山散歩(コジャノメ他)
野鳥だけでなく、植物や昆虫にも目を向けるようになり、散歩が以前よりはるかに楽しくなって来た。いつも近隣の散歩を主としているが、時には、里山にも足を向ける。それは、近隣では見られない植物や昆虫との出会いを期待してである。
この日、初めて出会ったチョウが2種。コジャノメとコミスジである。ヒメウラナミジャノメには、以前出会ったことがあるが、満足のいく写真が撮れていなかったので、今回、念願が叶ったようで嬉しい。いずれも地味なチョウであるが、それぞれ不思議な魅力にあふれている。
また近いうちに里山を訪れ、ゆっくり歩いてみたいものである。
2019/5/27 サシバ Grey-faced Buzzard
静かな里山には、時折足を運ぶ。野の花が咲き、モンシロチョウが優雅に飛び交う。その里山で、しばしば姿を見かけるのがサシバである。大抵、電柱どまりであるが、その出会いは、嬉しいものである。
この日も、電柱どまりのサシバに出会った。時折、風が吹き、手前の木々が揺れ視界を遮るのだが、しばし様子を見ることにした。前方を見つめているので、多分何か狙っているのではないだろうか。そのチャンスを伺っていたのだが、予想は外れ、遠くの電柱に飛んで行ってしまった。残念無念。
2019/5/28 のどかな散歩道
馴染みの散歩道をゆっくりゆっくり歩く。少し前まで色々なお花で楽しませてくれたネモフィラの小径。いつの間にかずいぶん寂しい光景に変わってしまった。ネモフィラもストロベリートーチもアイリスもみんな時期を過ぎてしまったようである。
まだそれほど日にちが経っていないので、お花の盛りに出会ったチョウを思い出しながら、ネモフィラの小径をゆっくりゆっくり歩いてみた。あのとき出会ったのは、ヤマトシジミ、ツバメシジミ、モンキチョウ、ダイミョウセセリなどであった。来年のお花の時期にまた会えるだろうか。
2019/5/29 キアシシギ Grey-tailed Tattler
今季の田んぼの渡りは、ずいぶん寂しい状況のままで終わってしまったようである。でも、まだ少し残っているシギがいるかもしれない。そう思って久しぶりに田んぼを回ってみた。
広い広い田園地帯を一通り回ってみたが、やはり時期が遅すぎたようだ。諦めきれない気持ちで最後の田んぼに差し掛かった時、シギの姿が見えた。嬉しいことにキアシシギである。今季、キアシシギには、一度出会っているが、距離があってしっかりと観察することが出来なかったので、この出会いは、何とも嬉しかった。
もう少しの間、滞在してくれるだろうか。出会いに感謝である。
2019/5/30 イワツバメ Asian House Martin
早苗が揺れる田んぼ。広々とのどかな光景が繰り広げられる田園地帯は、心安らぎ、何度でも足を運びたくなるものである。その田んぼで、嬉しいことにイワツバメに出会った。イワツバメには、ずいぶん前に一度出会ったことがあるが、なかなか機会がなかったので嬉しさは、格別であった。
3羽のイワツバメが、巣材運びに田んぼに舞い降りる。口いっぱいに泥をつけて、一生懸命である。その健気な様子を見ていると胸が熱くなって来る。立派なマイホームが出来ただろうか。雛の姿が見られる日は、そう遠くないことだろう。
2019/5/31 キョウジョシギ Ruddy Turnstone
みどりの風が吹き渡る田んぼ。私の大好きな田んぼだが、早苗の揺れる皐月の田んぼが、何と言っても一番心安まる光景のような気がする。その田んぼをゆっくり回ってみた。
シギとの出会いは、この時期、もう遅すぎると思って回ったのだが、キアシシギに出会った田んぼで、キョウジョシギにも出会った。その数、10羽ほど。キョウジョシギは、シギの中では、異色の存在。かなり派手で良く目立つ。キョウジョシギは、漢字で京女鷸と書くように艶やかな衣装で身を包んでいる。
この時期に出会えたことに感謝である。