タイトル:九羽の白鳥 とりどり日記

2021/10/1 ツツドリ

お盆を過ぎる頃から気になり始めるのが、杜鵑類の飛来である。かつては、近隣の公園で、ツツドリ、カッコウ、ホトトギスなどを見る機会が充分にあり、楽しめたのだが、桜の木に毛虫がつかなくなり、ほとんど出会いの機会がなくなってしまった。

今季は、その公園にツツドリが数年ぶりに姿を見せていると言う。久しぶりに出掛けてみたが、飛んでいる姿を一瞬、見ただけであった。他のポイントを教えて頂き出掛けてみると嬉しいことに赤色型のツツドリに会えたのである。

色々な都合で、ツツドリ探しに、ここ数年出掛けていなかったので、ツツドリとの出会いは、5年ぶりであった。ツツドリの姿が目に飛びこんで来たとき、大きな感動が胸いっぱいに広がった。嬉しい嬉しい出会いであった。

2021/10/2 チュウジシギ

少し前の出会いであるが、ずっしりと頭を垂れた稲穂があちこちに見られる頃、目の前に姿を見せてくれたジシギが居た。何気なく車を停めたところ、何と稲田の中からあぜ道にポンと飛び上がるように姿を見せてくれたのがこのチュウジシギであった。

あまりに突然で、あまりにも近距離での出会いで、カメラを持つ手が震えてしまった。ぐんぐんグングンあぜ道を奥の方に進んで行くので、タイミングが合わなければ、出会いはなかったであろう。

鳥との出会いは、一期一会。その後、このチュウジシギの姿を見かけることはなかった。

2021/10/3 エリマキシギ

秋の渡りのシギチが気になりながら、なかなか足を運べなかった蓮田地帯。久しぶりに出掛けてみると蓮田は、たくさんのバーダーで賑わっていた。

距離はあるものの大好きなエリマキシギの姿が見られたときは、嬉しかった。久しぶりに見るエリマキシギ。優しくて気品のある顔立ちが、大好きである。しばらく様子を見ていると、わずかずつではあるが、こちらに向かって近づいて来る。近くには、ウズラシギもいて、和やかな雰囲気。

やはり蓮田は、心落ち着くところである。

2021/10/4 クロアゲハ

ずっと気になっていた近隣の彼岸花。重い腰を上げてようやく出掛けてみると、ほとんど終わりに近くて撮影には、少々不向きかな?と思って眺めていたら、ヒラヒラと黒い蝶が飛んで来た。どうやらクロアゲハらしい。

熱心に吸蜜しているのだが、なかなか思うような角度では、撮らせてくれない。それでも何とか数枚撮ったところで、また別のクロアゲハが登場した。しかし、2頭がもつれ合うように飛びながら姿を消してしまい、今度は、キアゲハが飛んで来た。

彼岸花は、ほどほどにして引き上げ、少し進むとサワフタギの青い実が目にとまった。近くには、ゴンズイの実もある。イチジクも色づいて甘い香りが漂ってくる。ゆっくり歩く散歩道。また出掛けてみたいと思う。

2021/10/5 ウズラシギ

エリマキシギに出会った蓮田には、ウズラシギが3羽、熱心に餌取をしていた。最初は、かなり遠くにいたが、どんどんこちらに向かって近づいて来る。あまり警戒心はないようである。

秋の渡りでは、幼鳥との出会いが多いが、どうやら成鳥のようである。エリマキシギとの出会いも久しぶりであったが、ウズラシギとの出会いも久しぶりで嬉しかった。

蓮田地帯に、またゆっくり足を運んでみたいものである。

2021/10/6 エゾビタキ

秋の渡りの小鳥たち。以前は、近隣の公園へ足繁く通い、春の渡り、秋の渡りの小鳥たちに出会うのが楽しみであったが、体の不調もあり、ずいぶん腰が重くなってしまった。

秋の渡りの小鳥たちに会いたくて、久しぶりに出掛けてみると、高いところで小さな鳥が数羽、飛び交っている。レンズを向けている方にお尋ねするとエゾビタキとのことであった。私も何とかレンズを向けてみたが、動きが速くて、数枚、何とか撮れただけである。

でも、久しぶりのエゾビタキとの出会い。嬉しい限りである。

2021/10/7 セイタカシギ

スラリとした体型。赤くてほっそりとして長い脚が魅力的なセイタカシギ。久しく出会いがなかったが、1枚の蓮田に3羽のセイタカシギの姿が見えた。距離があり、証拠写真程度で切り上げたが、車中で液晶画面を見ると、1羽がいつも見るセイタカシギと少々違う。

気になって引き返してみると先程は、かなり遠くにいたのに、すぐ目の前まで来て、熱心に採餌している。2羽は、雌の冬羽のようであったが、1羽は、頭頂から後頸まで黒いのでオーストラリアセイタカシギかと思ってしまったが、雄の成鳥夏羽のようである。

やはり蓮田は、楽しい。また訪ねてみたいものである。

2021/10/8 センニチコウとチョウ

ずっと気になっていた散歩道のセンニチコウ。目的地の小さな公園まで歩くのが大変 になり、なかなか重い腰があがらなかった。ほぼ半分の距離のところまで、車で送り 届けてもらい、そこからとぼとぼとゆっくり歩いた。

センニチコウは、今年も咲いていた。ボランティアの方々が、手入れをしてくださ り、センニチコウの花は、優しく微笑みかけてくれた。そのセンニチコウに色々な チョウが次々に姿を見せてくれる。一番多いのは、ツマグロヒョウモンだろうか。続 いてセセリチョウ。会いたかったウラナミシジミも1頭、姿を見せてくれた。

センニチコウは、まだまだ楽しめそうである。

2021/10/9 モモイロペリカン

大好きな沼のほとりを訪ねてみた。前回もどなたの姿もなく静かな静かな沼の畔であったが、今回もどなたに会うこともなく、静かな静かな沼のほとりを満喫できたのである。

何と言っても、ここでは、人気者のカンタ君が元気な姿を見せてくれるのが、何より嬉しい。カンタ君が、熱心に羽繕いをする姿は、微笑ましくて、優しい気分に浸れるのだった。初めて見る白いツユクサも美しく目に優しくて嬉しかった。ススキやクズの花に秋を感じ、満たされた気分で沼の畔を後にしたのである。

2021/10/10 チョウゲンボウ

大好きな田んぼを時折、車でゆっくり回っている。鳥との出会いは、少ないが、田園地帯の光景は、心落ち着き何度でも足を運んでみたいと思うのである。

収穫の済んでいない稲田もまだいくつか見かけるが、ほとんど刈田になり、二番穂も元気よく伸びている。のんびり車を走らせていると1羽の猛禽らしい姿が目に入った。距離があるが、どうやらチョウゲンボウのようである。しばらく辺りを見渡す様子を見せていたが、ふんわりと飛び立った。

久しぶりの出会いのチョウゲンボウ。出会いに感謝である。

2021/10/11 散歩道

ゆっくりゆっくり歩く散歩道。いくつかのコースがあって、その日の気分で、散歩道を変えている。この日、歩いたのは、初めてのコース。

綺麗な紫色の花が目に入ったが名前が分からない。帰宅後、調べてみると、どうやらサルビア・ファリナセアというらしい。近くには、キバナコスモスもあって、チョウをはじめ色々な昆虫が集まって来る。

のどかなのどかな散歩道。またこのコースをゆっくり歩いてみたいものである。

2021/10/12 ソバ畑のチョウたち

ずっと気になってソバ畑。なかなか都合がつかず、ようやく出掛けてみると、昨年チョウたちとの出会いを楽しんだソバ畑は、ひとつもなくなっている。複数箇所に見られたソバ畑が一つ残らずなくなっているのは、何か理由があるのだろうか。

がっかりしてとぼとぼと帰宅の途についたのだが、何と帰宅途中、大きなソバ畑が、眼前に広がって来た。昨年まで見ていたソバ畑より、遙かに大規模である。一面に広がるソバの花をゆっくり楽しんでいると、色々なチョウが飛んで来る。予想以上のチョウ達との出会い。ワクワクドキドキしながら、レンズを向けた。嬉しい嬉しい出会いであった。

2021/10/13 ノビタキ

大好きな田んぼをゆっくりのんびり車で一回り。今の時期、出会いを期待しているのはノビタキである。昨年の今頃も田んぼでノビタキに出会っている。数年前には、田んぼに生えているアザミにノビタキがとまってくれたことがあった。稲穂にとまったノビタキを見たこともある。

色々な思い出が頭の中を駆け巡る。そのとき、目の前にノビタキが姿を見せてくれた。草の先端にとまって、右を向いたり、左を見たり。コスモス畑やソバ畑のノビタキも憧れだが、素朴な草の上のノビタキも味わいがあって大好きである。出会いに感謝。

2021/10/14 エナガ

久しぶりに訪れた懐かしい公園。前回、訪れた時は、たくさんの人で賑わっていたが、この日は、どなたの姿もなくて公園は、ひっそりしている。しばらく辺りを散策していると大好きなエナガの声が聞こえて来た。♬ジュリジュリジュリ♬ジュリジュリジュリ。可愛い声が辺りに響き渡る。

近づいてくるのをジッと待っていると目の前の桜の木に飛んで来た。色づいた葉の中に入ってしまったが、出て来るのを待っていると可愛い顔を覗かせてくれた。大好きな大好きなエナガ。久しぶりの出会いに胸弾むひとときを過すことが出来たのだった。

2021/10/15 セグロセキレイ

数年前まで、この蓮田地帯では、数は少ないものの、シギチが見られたのだが、ここ数年、全くと言って良いほど、シギチを見かけることがなくなってしまった。

それでも時折、この蓮田地帯に足を運んでみる。この日もシギチとの出会いはさっぱりで、がっかりしていたが、元気の良いセグロセキレイが姿を見せてくれた。軽やかに飛び回ったり、緑の藻を突いてみたり、元気いっぱいである。

ひとつひとつの仕草が実に愛おしく思われた。蓮田にセグロセキレイも絵になってなかなか美しい。また足を運んでみたいものである。

2021/10/15 チュウサギ

秋の渡りのシギチに会いたくて出掛けた蓮田地帯。この日、あまり出会いはなくて、少々がっかりしながら、いくつかの蓮田を回っていると、白さの際立ったサギが目に飛びこんで来た。嘴の色などからチュウサギのようである。

少しずつ近づいて車の中から、様子を見ていると豪快な水浴びを始めた。水しぶきが辺りに飛び散る姿は、何とも清々しい。バシャバシャ、バシャバシャ。何度も何度も繰り返す。羽の汚れは落ちただろうか。体についている虫たちもこの勢いでは、逃げ出したことだろう。

シギチの代役として登場してくれたチュウサギ。出会いに感謝である。

2021/10/16 ツバメシジミ他

10月というのに暑い日が続いていたが、いつもと違う散歩道をゆっくりゆっくり歩いてみた。一番目にとまったのは、白いハギである。今まで、白いハギを見たことがなかったので、近くによって見つめているとヒラヒラと蝶が飛んで来てとまった。ツバメシジミである。白いハギにツバメシジミ。嬉しさが増した。

近くのキバナコスモスのところには、ベニシジミ、モンキチョウ、オオスカシバなど次々にお客様が飛んで来る。散歩道では、まだまだ色々な昆虫が活動しているようである。お花も蝶たちの姿も楽しめる散歩道。またゆっくり出掛けてみたいと思う。

2021/10/16 ツツドリ

以前は、8月のお盆過ぎになると気になっていたツツドリの飛来。体調を崩したこともあって、久しくツツドリ探しに出掛けていなかった。今季は、久しぶりに懐かしい公園でツツドリが見られるとの話。思い切って出掛けてみたが出会いは叶わなかった。

しかし、別のポイントを教えて頂き、思いがけず赤色型のツツドリに出会うことが出来た。とりどり日記に一度書いているのだが、その折の写真が、まだ数枚あり、心残りなので、書き留めておきたいと思う。

ツツドリは、大好物の毛虫を上手にとって、美味しそうに口に運んでいた。今頃は、どこを飛んでいるのだろうか。

2021/10/17 メジロ

リビングにいると時折聞こえて来るのがメジロの声。10月と言うのに、時折、囀りが聞こえて来ることがあり、少々戸惑う。今年は、10月に入ってから真夏日を思わせるような日もあり、何とも違和感を覚えているところである。

雨の降る日であった。ベランダに出てみると、かなり近くでメジロの声がしている。こんなに近くで鳴いているのに、どの木にメジロがいるのか分からない。キョロキョロして辺りを見てビックリ。メジロの幼鳥がベランダにいたのだった。

その後、近くの木に飛び移って親鳥と一緒に飛び去って行った。あの日のことを思い出すと、今でもドキドキしてしまう。

2021/10/18 セイタカシギ

蓮田地帯は、広々としていて大好きなシギチを探し回るのだが、時々ヒントを頂かないと、出会いはなかなか難しい。それでもあてもなくぶらりぶらりと蓮田地帯を回ると、時々、思いがけない出会いもあるので、蓮田通いは、やめられない。

いつも鳥に出会うことは、まずないのだが、それでも雰囲気が好きで回っていた蓮田。この日は、遠くに1羽のシギの姿が見えて胸が弾んだ。肉眼では、もしかしてコアオアシシギ?と思ったが、良く良く見ればセイタカシギであった。スラリとした体型で人気のあるセイタカシギ。ちょっと光線が強すぎたのが残念であるが、出会いに感謝である。

2021/10/18 コアオアシシギ

秋の渡りのシギチに会いたくて、久しぶりに訪ねた蓮田地帯。最初に出迎えてくれたのは、コアオアシシギの群れだった。10数羽の群れが、後方から飛んで来て、水のたっぷり入った蓮田に舞い降りた。着水する瞬間が目に焼き付いているが、画像に残すことは出来なかった。

左に移動したり、また全員が向きを変えて右に移動したりしながら、熱心に採餌している。その様子は、何とも微笑ましくて心が和んだ。今頃、あのコアオアシシギの群れは、どこを飛んでいるのだろうか。無事の旅路を祈るのみである。

2021/10/19 スズメ

のどかで心落ち着くのは、田園地帯をゆっくり車で回るときである。以前は、当たり前に見られたスズメとの出会いがめっきり少なくなり、スズメを見かけると慌ててレンズを向けている。

この日も期待していなかったスズメが、すぐ目の前に姿を見せてくれた。次々に群れで飛び立って行くが、それを写真に収めるのは、私には、至難の業。ただただ呆然と見つめるだけであった。

哀れに思ってくれたのだろうか。ごくごく少数のスズメが、残ってくれた。黄色い嘴の若いスズメである。久しぶりの嬉しい嬉しい出会いであった。

2021/10/20 ツルシギ

アオアシシギやセイタカシギに出会った蓮田では、ツルシギも待っていてくれた。秋の渡りでは、ツルシギに出会うことが多いのだが、今季、所用でなかなか出掛けられなかったのでツルシギには、まだ出会えていなかった。ツルシギが群れで飛来しているとの話を聞いて、胸が騒いでいたが、その群れは、すでに渡去してしまったらしい。

蓮の葉の間から、ツルシギの赤い脚が見えたときは、胸が高鳴った。この日の出会いは、広い蓮田に1羽のツルシギであったが、私には、10羽近い群れを見るよりも、遙かに嬉しい出会いとなった。

2021/10/21 ウズラシギ

久しぶりに出掛けた蓮田地帯で、待っていてくれたのは、数羽のウズラシギである。観察と撮影に忙しく、カウントすることを忘れていたが、どうやら7羽いたらしい。秋の渡りでは、ウズラシギに良く出会う。

前回、蓮田地帯を訪れた時に出会ったウズラシギは、成鳥夏羽であったので、今回は、ずいぶん印象が違って見えた。10数人のバーダーがいるにもかかわらず、ぐんぐんグングンこちらに向かって近づいてくるウズラシギ。あまりに警戒心がなくて、ビックリである。

こんな出会いがあるから、蓮田通いは、やめられない。

2021/10/22 エナガ

馴染みの公園に朝のひととき、足を運んでみる。到着してほどなく聞こえて来たのは、懐かしいエナガの声である。♬ジュリジュリジュリ♬ジュリジュリジュリ。辺りに可愛い声が響き渡る。

しばらく様子を見ているとサクラの木々の間を身軽に飛び回っているエナガの姿が目に飛びこんで来た。何しろ動きが速いので、写真を撮るのは、一苦労である。それでも大好きなエナガに会えて元気を頂き、感謝、感謝の朝であった。

2021/10/23 アオアシシギ

ずっと気になりながら、なかなか都合がつかず出掛けられなかった蓮田地帯。久しぶりに出掛けてみると色々な出会いが待っていてくれた。その中のひとつがアオアシシギである。

♬ピョーピョーピョー♬ピョーピョーピョー哀愁を帯びた声が田園地帯に響き渡り、アオアシシギが飛来していることを知るのだが、なかなか出会いが叶わなかった。

そのアオアシシギが、蓮の葉の間から姿を見せてくれたときは、嬉しかった。2羽のアオアシシギとの出会い。久しぶりに胸が弾んだ。

2021/10/24 モモイロペリカンとカルガモ

大好きな沼の畔を時折、訪ねてみる。今の時期は、注目を浴びる鳥の姿も見られないので、ほとんど人に会うことがない。それ故、静かにゆったりと沼のほとりの光景を楽しむことが出来るのである。

この日の出会いは、人気者のカンタ君とカルガモであった。モモイロペリカンのカンタ君は、かなりの高齢であるが、今も元気で時折、悠々と辺りを飛び回るらしい。この日は、船頭さんのように船の舳先に陣取り、ゆったりと辺りを眺めていた。同じ船には、2羽のカルガモが乗り、羽を伸ばしたり、リラックス。

静かにゆったりと時間が流れていく沼のほとり。しばし、心和ませてもらい新たな力を充電出来たように思う。

2021/10/24 モズ

秋の深まりと共に、モズの高鳴きを聞く機会が増えて来る。とは言え、住宅地でモズの高鳴きを聞く機会は、ほとんどなく、田園地帯に足を運んでみた。

予想通りというか、期待通りと言うのだろうか、モズが姿を見せてくれた。それもかなり近い距離である。こちらの存在に気がついているはずなのに、全く警戒する気配がない。そして、堂々と高鳴きを披露してくれたのだった。

田んぼの秋も日に日に深まっていく。

2021/10/25 メジロ

♬チーチーチー♬チーチーチーという声がしきりに聞こえてくる。雨の降る日であったが、ベランダに出てみると目の前の木立にずぶ濡れのメジロの姿が目に飛びこんで来た。雨に濡れて、体の色も変わっている。真剣な表情で周りを見渡していたが、後になって、あれは、子どもを探していたのだと気がついた。

少し時間が経過して、雨に濡れた羽の色も落ち着いて来た頃、メジロは、黒い実をくわえて、また姿を見せてくれた。子どもへのご馳走を運んでいるのだろう。親の心は、人間も鳥も変わりがないようだ。

2021/10/25 メジロ

例年、ベランダでは、ヤマガラがエゴの木の実を啄む姿をゆっくり観察出来るのだが、今季は、エゴノキの実が、ほとんど実らず、今季は、ヤマガラの観察を諦めざるを得ない。

そのような折、メジロの声をしばしば耳にするようになった。マンションの敷地内のあちこちでメジロの姿を目撃する。この日は、ベランダからメジロの雛の姿を見ることが出来た。メジロは、親鳥も可愛いが、雛は、一層、愛らしい。

夾竹桃の木の間を動き回るメジロの雛。黄色い嘴が、愛嬌があって愛らしさが一層増した思いがする。

2021/10/26 トウネン

久しぶりに出掛けた蓮田地帯。数カ所の蓮田を回ってみたが、1カ所の蓮田には、ずいぶん色々なシギチが集まっていた。その蓮田で出会ったのが、トウネンである。

トウネンは大好きなので、春の渡りにしても秋の渡りにしても出会いを心待ちにしている。そのトウネンが、水浴びを始めた。一心に水浴びする姿が、とても愛おしく思われて胸が熱くなったのである。長い渡りを無事に乗り切って欲しいものである。

2021/10/27 セイタカシギ

久しぶりに出掛けた蓮田で出会ったのは、セイタカシギである。この蓮田では、今まで、ずいぶん色々なシギに出会っている。今回は、アオアシシギ、セイタカシギ、ツルシギ、コアオアシシギの群れに出会った。

セイタカシギは、今シーズン、数回出会っているが、その折々に個体が違うようである。緑の蓮の葉の間から姿を見せてくれたセイタカシギは、いつにも増して、美しく見えた。

スタイル抜群で羨ましい限りのセイタカシギ。何度出会っても嬉しいものである。

2021/10/28 ツルシギ

久しぶりに出会ったツルシギは、かなり警戒心が強いようで、蓮の葉をシェルター代わりにして、あまり動かなかったが、時々、飛び立つことがあり、蓮田の別の一角に移動していた。車からの観察なので、鳥に負担をかけていることはないと思うのだが、それにしてもかなり用心深いように思われた。

折角なので、移動するとき、飛翔シーンを撮りたいと思ったが、連写することが出来ず、残念な結果となった。秋の渡りのツルシギ、また出会いの機会が巡って来るだろうか。

2021/10/29 ヒバリシギ

秋の渡りのシギチが気になっていたが、所用が重なり、なかなか出掛けられずにいた。しかし何とか都合がついて期待に胸膨らませながら、蓮田地帯に向かった。今季、多い日には、18種も確認されたと聞いているが、気になるシギのひとつヒバリシギには、どうしても会いたかった。

念ずれば通ずと言うのだろうか。この日、順光側にトウネンやオジロトウネンの群れと一緒に1羽のヒバリシギの姿を確認出来たときは、嬉しかった。草陰に入ってしまったり、なかなか思うような位置には、姿を見せてくれなかったが、まずまずの撮影が出来て嬉しい一日となった。出会いに感謝である。

2021/10/30 エナガ

朝のひととき、馴染みの公園に足を運んで見る。葉を落とした木々が、目につき、少々寂しい気がする。少し前まで、野の花も色々目についたが、今は、ずいぶんひっそりとしてしまった。

嬉しいことに、そのとき聞こえて来たのがエナガの声である。♬ジュリジュリジュリ♬ジュリジュリジュリ。この声を耳にすると、途端に元気になれる。数羽のエナガが辺りを元気よく飛び回る。何とか撮れたエナガ。嬉しい出会いに感謝である。

2021/10/31 出会い色々

3年前に体調を崩した頃から、野鳥だけでなく植物や昆虫にも目を向けるようになって、散歩道が一段と楽しくなって来た。野鳥に出会えなくても、身近な野の花やチョウやトンボにどれほど元気づけられたことだろう。

ふと足元に眼をとめると、今まで気がつかなった野の花があり、目の前をイトトンボが、スイスイと飛んでいる。関心を持つだけで、見える世界が変わって来る。

これからも視野を広げ、色々なものへの関心を深めていきたいと思う。