2018/1/1 コミミズク Short-eared Owl
明けましておめでとうございます。
新しい年を迎え、静かに2017年を振り返ってみますと、色々な鳥たちとの出会いが思い出されます。特に心に残るのは、会いたい会いたいと願っていたアネハヅルを見た帰り道、立派な長い尾のヤマドリに出会ったことでしょうか。美しい羽と長い尾。あの姿が、今でも鮮やかに思い出されます。大好きなシギ・チとの出会いも忘れられません。一番身近なフィールドで、ツルシギに出会ったこと、クリスマス・イブにアメリカウズラシギに出会ったこと、夏羽の残るオグロシギをゆっくり観察出来たこと、ヨーロッパトウネンを間近に見ることが出来たことなど深く心に刻まれております。
今年も思い出に残る鳥たちとの出会いを願っております。皆様方のお力添えを頂きながら、ほのぼのとして雰囲気のHP「九羽の白鳥」の更新が続けられるよう努力して参りたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
2018/1/2 ツルシギ Spotted Redshank
私の一番身近なフィールドである手賀沼。その手賀沼にツルシギが飛来しているという情報をいただいた。すぐに出向いてみたが、ツルシギは、何かに驚いて飛び去ってしまったという。数日後、もう一度、出かけてみると、用水路沿いに鳥影が見える。久しぶりに見るツルシギである。秋の渡りでは、何度も出会いの機会のあったツルシギだが、寒さが本格的になった真冬にツルシギに出会ったことは、今まで一度もなかった。
飛ばれないように距離をあけて、そっと観察。第1回冬羽のようである。じっとして動く様子がなかったが、しばらくすると餌とりを始めた。小さな虫がいるようである。1羽だけで寂しくないのだろうか。多々良沼では、たくさんのツルシギが越冬しているという。今は、また、姿が見えなくなってしまったツルシギ。今頃、どこにいるのだろうか。
2018/1/3 アメリカウズラシギ Pectoral Sandpiper
お天気は、今ひとつであったが、馴染みのフィールドである稲敷方面に向かったのは、昨年のクリスマス・イブのことである。今季、越冬のシギ・チは、あまり期待出来ないが、何か出会いはないかと蓮田を数カ所見て回ることにした。
最初の蓮田では、タシギが6~7羽、ゆったりモードで食事中。しばらくすると何かに驚いて一斉に枯れ草の茂みの中に隠れてしまった。次に回った蓮田は、ひっそりとしていて、時折、ハクセキレイが飛ぶのみ。蓮田をいくつか見ながら車を進めると1羽のシギの姿が見えた。タカブシギかもしれないと双眼鏡をのぞいてみると、なんとビックリ!アメリカウズラシギであった。
秋の渡りの時に出会いの機会を外してしまったので、アメリカウズラシギとの出会いは、ことのほか嬉しい。シギ・チとの出会いの少ない中で特に心に残る出会いとなった。
2018/1/4 オシドリ Mandarin Duck
昨シーズン、ずいぶん長い間、楽しませてくれたオシドリ。今季、綺麗な雄には、出会っていたが、雌との出会いは、まだであった。あまり期待もせず出かけてみると嬉しいことにオシドリの雄と雌が、ゆったり泳いでいる。木々の間からレンズを向けるが、オシドリは、スイスイと思いのままに泳いでいるので、なかなか思うようにはならない。2羽で並んだところが撮りたいと思うのだが、木陰に入ってしまって、しばらく出て来ない。
楽しみながら、しばらく待つと、仲良しカップルらしい2羽の姿を何とか撮影することが出来た。オシドリに会えると、何か良いことが起こりそうな嬉しい予感がしてくる。今年の鳥見も期待出来るだろうか。
2018/1/5 アカハシハジロ Red-crested Pochard
昨年、身近なフィールドである馴染みの公園の池にアカハシハジロの雄が飛来しているという情報を頂いた。今からでは、間に合わないという時間であったので、翌朝早く、現地に行ってみたのだが、すでにアカハシハジロの姿はなく、がっかりした思い出が記憶に新しい。
今回は、金網越しながらゆっくり見られるところにアカハシハジロが、飛来しているという。お誘いいただき、出かけてみるとアカハシハジロは、お休み中。しばらく待つと顔を上げて泳ぎ始めた。しかし、遠いなあと思っていると、いつの間にか、ぐんぐん、ぐんぐん近づいて、ファインダーいっぱいくらいにまでに近づいて、もうビックリ!辺りには、シャッター音が鳴り響いていた。近くで見ると綺麗さは、抜群。嬉しく心に残る出会いとなった。
2018/1/6 オオハシシギ Long-billed Dowitcher
例年、越冬のシギ・チの代表格とも言えるオオハシシギ。秋の渡りで、数個体見られたものの、その後、ほとんど姿を見かけることがなかった。新年早々、田んぼ周りをしてみると、遠くに嘴の長いシギの姿が見える。明らかにタシギではないし、どうやらオオハシシギらしい。皆、熱心に食事中のため、あの独特の嘴がなかなか見られない。少し場所を移動してみると、オオハシシギとタシギ、ハマシギが、熱心に採餌中の様子が、良く見える。
オオハシシギは、12羽いるようだ。これから、もっと数が増えるかもしれない。今季も、これだけまとまった数のオオハシシギを確認出来、嬉しい限りである。夏羽になるまで、滞在して欲しいものである。
2018/1/7 カラムクドリ White-shouldered Starling
干潟の一画にあるピラカンサの実を啄みに2羽のカラムクドリが姿を見せると言う。ポイントは、かなり狭いところと聞き、出かけるのをためらっていたが、お誘い頂いて、思い切って出かけることにした。かなり歩いてポイントに到着すると、すでに先着の方々でいっぱい。入り込むスペースは、かなり厳しい。
しばらくすると、カラムクドリが飛んで来たようだ。実際、枝かぶり、葉かぶりで、カラムクドリらしい姿が、ちらちら見えるだけである。かなり辛抱強く待って、何とか場所を確保。光線が強く、撮影は、かなり厳しい。それでも、何とかカラムクドリ2羽の姿を見ることが出来たのは、ラッキーであった。カラムクドリには、2005年12月、東京都で出会って以来であった。
2018/1/8 ベニマシコ Long-tailed Rosefinch
そのシーズンを迎えると会いたくなる鳥のナンバーワンとも言えるのが、ベニマシコである。今季、比較的早い時期に思いがけない場所で、真っ赤なベニマシコを見かけたのだが、草かぶりだったり、影が顔を横切ったりで、写真にはならなかった。
あまり期待せずに出かけた2カ所のフィールドで、♪フィッフィッ♪の声を聞いた時は、胸が弾んだ。枯れ草が辺りを覆い、ベニマシコの姿を探し出すのは、なかなか難しい。しかし、ひとたびあの赤くて可愛い姿が目に入ると、その動きを追って、何とかシャッターを切ることが出来た。ベニマシコに出会えた!それだけで、十分、満ち足りた一日であった。
2018/1/9 ハジロコチドリ Common Ringed Plover
2016年12月3日、馴染みの田んぼフィールドで、3羽のハジロコチドリに出会った。以前、干潟で出会ったことはあるが、田んぼでは、まだ一度も出会ったことがない。半信半疑で、詳しい方にお尋ねすると、ハジロコチドリで間違いないという。
そのハジロコチドリに、今季も会いたいものだと願っていた。師走の半ば頃に目撃情報があり、探していたのだが、昨シーズンと同じ場所で、1羽のハジロコチドリの姿を観察することが出来た。足の赤みが、昨シーズンより増して、ひときわ、綺麗になっているように見えた。暖かくなる頃まで、是非、滞在して欲しいものである。
2018/1/10 セッカ Zitting Cisiticola
繁殖期には、賑やかなさえずりで、すぐに居場所を知ることが出来るセッカだが、その時期を過ぎると、すっかり静かになってしまう。冬の日差しのなか、沼のほとりを歩いているとセッカの姿が目に入った。どうやら2羽いるらしい。辺りが枯れ草だらけで、セッカの小さい体が、その色に同化してしまい、いざ、レンズを向けようとするが、居場所が分からなくなってしまう。
何とか居場所が分かり、撮影開始。距離が少々あったので、こちらの気配に動じる様子もなく、ゆったりしている。真冬にセッカに出会うと、嬉しさがひとしおである。
2018/1/11 コブハクチョウ Mute Swan
手賀沼湖畔で馴染みの鳥は、コブハクチョウであろうか。私が、HP「九羽の白鳥」を始めたのも、コブハクチョウとの出会いが、きっかけである。久しぶりに沼のほとりを訪れてみると2羽のコブハクチョウが、ゆったり泳いでいる。1羽は、羽を膨らませ、晴れの衣装に身を包んだようで、実に美しい。これは、雄であろうか。雌にアピールするために羽を膨らませて美しく見せているのだろうか。その美しさには、惚れ惚れとして、しばらく見入ってしまった。
静かな静かな沼のほとり。優雅なコブハクチョウの姿は、白鳥の湖を思い起こさせるものがあった。コハクチョウやオオハクチョウのように大きな声で鳴くこともなく、英名のMute Swanの通り、静かに、ゆったり泳いでいる。
2018/1/12 タゲリ Northern Lapwing
冬の田んぼで、胸弾む出会いは、タゲリであろうか。メタリック・グリーンが美しく、太陽が当たると一層、その美しさを増す。今季、なかなか出会いの機会がなく、ヤキモキしていたが、一度出会うと二度、三度とずいぶんたくさんのタゲリに出会った。ある田んぼでは、30~50羽くらいの2グループの群れに遭遇し、その出会いを楽しむことが出来た。
今は、群れがばらけたようで、単独だったり、数羽だったりする。いずれ旅立つ前には、また、皆が集まって、一斉に目的地に向かうことだろう。冬の日差しが降り注ぐ田んぼで、また、タゲリに会いたいものである。
2018/1/13 ヨーロッパトウネン Little Stint
越冬のシギ・チを求めて、何度か蓮田に足を運んでいる。今シーズン、ヨーロッパトウネンが、まとまった数で越冬していると聞いているのだが、なかなかすっきり観察出来る状態では、姿を見せてくれない。どうやらヨーロッパトウネンらしいと思っても、逆光だったり、距離がありすぎたりで、何とも自信がない。
曇りの日なら、どの角度からでも、観察しやすいのではないかと思い、曇りの日を選んで、現地に向かった。蓮田には、農作業の人が入り、鳥影が全くない。しばらくあちこち回って、ポイントの蓮田に行ってみると、なんとかなり近くにシギ・チがいる。足の長さ、全体の印象、その歩き方を見ていると、ヨーロッパトウネンで間違いないようだ。やっと出会えたヨーロッパトウネン。暖かくなる春先まで、是非、滞在して欲しいものである。
2018/1/14 スズメ Eurasian Tree Sparrow
一番身近な鳥と言えば、スズメだろうか。私が良く出かける田んぼでは、群れで見かけることもしばしばである。ところが、住まいの近くでは、最近、スズメをあまり見かけなくなった。何とも寂しい限りである。
沼のほとりを歩いてみると、スズメには、実に良く出会う。親子で、水浴びに来ているシーンを見かけたこともある。先日、久しぶりに出かけた都心では、思いがけずスズメを数羽、目の前で見かけた。激しく車が行き交う大都会で、スズメが元気におしゃべりしている。それも手の届きそうな距離で。これほどスズメを愛おしいと思ったことは、今までにないような気がする。スズメたちも元気に生き延びて欲しいものである。
2018/1/15 アオジ Black-faced Bunting
今季、なかなか出会いの機会がなかった鳥のひとつが、アオジ。例年、あまりにあっさりと出会っていたので、今季は、どうしたのかと、かなり気をもんでいた。♪チッという声を聞くと、茂みの中を探すのだが、姿が見えない。シギ・チを探しに出かけた蓮田近くで、姿を見かけたものの、すぐに枯れ草の中に入り込んで、とうとう写真は撮れなかった。
沼のほとりを久しぶりに歩いてみると、♪チッという声がして、アオジが飛び立った。これまた、写真は無理かと諦めかけていると今度は、全身見えるところに姿を見せてくれた。アオジにこれほど振り回された年は、今までにないように思う。
2018/1/16 ミヤコドリ Oystercatcher
久しく足を向けることのなかった三番瀬。お声をかけて頂いて、重い腰をあげ真冬の三番瀬に向かった。ちょうど程よく潮が引いて、砂浜を歩くのも気持ちが良い。前方に見えるのは、富士山。良く晴れて、富士山が、一層美しい。手前には、ミヤコドリの姿が見える。人参のような橙色の綺麗な嘴が印象的だ。全部で何羽いるのだろうか。皆、一心に嘴を水中に突っ込んでいる。
少しずつ少しずつ、ミヤコドリに近づいて行く。後から後から、ミヤコドリが飛んで来るので、その数がどんどん増えて行く。しかし、風が出て来て、ミヤコドリは、あちら向き。あの魅力的な橙色の嘴が見えない。それでも、これだけまとまった数のミヤコドリに出会えたことは、嬉しい限りである。青い海原、雪をかぶった富士山、橙色の嘴が印象的なミヤコドリ。何とも贅沢なひとときであった。
2018/1/17 トラツグミ Scaly Thrush
昨シーズン、ずいぶん長い間、ゆっくりと楽しませてくれたトラツグミ。今季も会いたいものだと何度か足を運んだが、その気配さえなかった。少しゆっくり出かけてみると、シロハラが、ガサゴソと枯れ葉を突いている。もしかするとトラツグミも出るに違いない。そう思って他を回ってから、もう一度、昨シーズンのポイントに戻ってみると、何か動く気配。保護色で、なかなか見つけにくいが、枯れ葉の中に居た!居た!紛れもなくトラツグミである。
レンズを向けていると、いつの間にか、たくさんのカメラマンが、周りに集まっている。やはりトラツグミは、人気者のようである。程よい距離があるからだろうか。トラツグミは、動じることもなく、熱心に食事を続けていた。今季も出会えたことに感謝である。
2018/1/18 ルリビタキ Red-flanked Bluetail
昨シーズンは、案外、あっさりと数カ所で出会いが実現したルリビタキ。今季は、なかなか縁がない。そう思っていたが、出会いは、思いがけなく訪れた。木立の中を抜け、広々としたところに出ると、一人のカメラマンの姿があった。お尋ねすると、ルリビタキが時々、姿を見せるという。ご一緒させて頂くことにして、しばらく待つと、遠くの逆光の位置にルリビタキが現れた。
う~む。これは手強い。そう思いながら、更にしばらく待つと、鳴き声が聞こえて来る。枯れた木立の中にいるらしい。それでも辛抱強く待つと、なんとずいぶん間近にルリビタキが姿を見せてくれた。青い色も鮮やかな綺麗なルリビタキである。きっと幸せを運んでくれるに違いない。思いがけない嬉しい出会いであった。
2018/1/19 アオアシシギ Common Greenshank
雨もあがって、真冬とは思えない暖かさ。久しぶりに、馴染みの蓮田に向かうことにした。自宅から、ほぼ1時間半。途中、出会う鳥は、カワラヒワ、ツグミ、スズメ、ごく少数のタゲリ、タヒバリなどである。
いつもの蓮田に向かうと、おびたたしい数のムクドリが出迎えてくれた。もしかして、ホシムクドリがいないかと、1羽、1羽確認するが、見つけることが出来ない。少し車を進めると、どこかでアオアシシギの鳴き声がしている。♪ピョーピョー♪ピョーピョー♪秋の渡りで出会って以来、しばらくぶりに聞くアオアシシギの鳴き声である。
ふと気がつくと、目の前の蓮田に2羽のアオアシシギが舞い降りた。何とも嬉しい出会いである。2羽のアオアシシギは、忙しそうに蓮田を動き回り、再び、飛び立ってしまった。
2018/1/20 ズグロカモメ Saunders's gull
真冬の三番瀬には、なかなか足を運ぶ勇気がなくて、出かけることもなかったが、お誘い頂いて出かけてみると、潮が程よく引き、前方には、富士山が、くっきりと見え、何とも素晴らしい光景である。そして、潮の引いたところには、ミヤコドリが、たくさん姿を見せてくれた。そのミヤコドリに目を奪われていると、知人が、「後ろにズグロカモメがいるよ。」と声をかけてくださった。
あまり近くにいるので、ユリカモメかしらと思ったほどである。大いに慌ててレンズを向け、ほんの数枚撮ったところで、ズグロカモメは、歩き出した。そして、ふんわり飛び去っていった。それは、まるで夢のようなシーンで、今、思い出しても不思議な感じがする。
2018/1/21 ミツユビカモメ Black-legged Kittiwake
冬を迎えると楽しみにしている鳥見ポイントの一つが、波崎・銚子・九十九里方面。ずっと気になっていたが、風の比較的少ない晴れの日を選んで、出かけてみることにした。昨シーズンは、シロエリオオハムやオオハム、アカエリカイツブリ、ウミスズメなど、たくさんの出会いがあったので、大いに期待して出かけたのだが、現地に着いてみると、出迎えてくれたのは、ウミネコの大きな群れ。至る所で、ウミネコが乱舞し、大集会のように並んでいる。
その大きなウミネコの群れの先頭に1羽のミツユビカモメの姿を見つけた時は、嬉しかった。カモメは、難しくてなかなか覚えられないのだが、ミツユビカモメだけは、分かる。セグロカモメやオオセグロカモメも混じっていたが、ウミネコの群れが飛び立つと同時にミツユビカモメも飛び立って、姿が見えなくなってしまった。つかの間の出会いであったが、思い出に残るものである。
2018/1/22 ウグイス Japanese Bush Warbler
♪チャッチャッ♪チャッチャッ♪植え込みの奥の方から、あるいは、笹藪の中から、この声を聞くことは多い。姿は、見え隠れするのだが、いざ、写真をとなると、なかなか難しく長い尾の一部だけとか、頭の一部だけとか、まともに撮らせてくれない。
そのウグイスが、枯れた葉が、一面に広がる公園の一角で、全身を見せてくれた。どうやら、地面にある何かを啄んでいる様子である。植え込みの中を移動するわけではないので、全身は、見えないまでも、体の大部分が、草の間から、ちらちら見える。他にどなたもいないので、ひとりで、ウグイスとの出会いを楽しむことが出来た。なんとも贅沢なひとときであった。
2018/1/23 シロハラ Pale Thrush
例年、冬を迎えると、近隣の公園では、シロハラに良く出会う。ところが、今季、早い時期にイイギリのところとピラカンサのところで、チラッと姿を見かけただけである。そのような次第で、まともな写真は、1枚も撮れないでいた。
久しぶりに少し離れたところにある公園に出かけてみると、カサ、ゴソと枯れ葉が動く音が、かすかに聞こえて来る。良く見るとシロハラが、枯れ葉を突いているようだ。そっと距離を縮めて、近づいてみる。気づかれないように、そっと、そっと。相変わらず、一心に枯れ葉を突いている。今季、なかなかゆっくり会えなかったシロハラ。やっと、間近で、ゆっくりその姿を観察することが出来た。
2018/1/24 シロチドリ Kentish Plover
久しぶりに出かけた真冬の三番瀬は、良く晴れて、風もそれほど強くなく、前方には、富士山が美しい姿を見せてくれた。富士山に見とれ、写真を数枚撮ったところで、浜辺に目を転じると、小さなチドリの姿が目に入った。多分、シロチドリであろう。
少しずつ、前進し、そのチドリに近づいて行く。あまり警戒心がないようであるが、そっとそっと。やはりシロチドリであった。1羽は、フラッグが付いていた。そのシロチドリのすぐ近くにもう1羽。やはりシロチドリである。
私は、田んぼのシギ・チを観察するのが、主なので、干潟のチドリは、新鮮な感じがする。シロチドリに会えただけでも、干潟に来て良かったと思った次第である。
2018/1/25 アカアシシギ Common Redshank
いつもの蓮田へ、何度も何度も足を運ぶ。今季、越冬のシギ・チの顔ぶれは、多彩で、10数羽のオオハシシギをはじめ、ヨーロッパトウネン7羽の群れ、アメリカウズラシギ、ハジロコチドリ、アオアシシギなど出かける度に、色々な出会いがあり、楽しませてもらっている。
秋の渡りの時には出会っていたが、その後、しばらく出会う機会のなかったアカアシシギ、やっと蓮田の奥の方に、姿を見つけることが出来た。あの赤い脚を見かけた時は、嬉しさとほっとした安堵感で、胸がいっぱいになった。暖かくなる春先まで、是非、滞在して欲しいものである。
2018/1/26 イカルチドリ Long-billed Plover
渡りの時期にしても、越冬中にしても、コチドリを見かける機会は、多いのだが、イカルチドリには、なかなか出会うことがない。ただ単純に見逃しているだけなのかもしれないが、一度、じっくりイカルチドリに会いたいものだと思っていた。
いつも良くシギ・チを探しに出かけるフィールドにイカルチドリが越冬していると聞いていた。しかし、何度訪れてもイカルチドリの姿もコチドリの姿もない。今日も空振りかなと思って出かけてみると、田んぼの色に同化して、わかりにくかったが、やっとイカルチドリの姿を確認することが出来た。ちょっと目を離すと、分からなくなってしまうほど、田んぼの色に似ている。
嘴の長さも、じっくり観察出来て、嬉しい出会いの日となった。
2018/1/27 ミヤマホオジロ Yellow-throated Bunting
シーズンを迎えると会いたいと願い、いくつかの公園などを訪れてみるが、なかなか出会いの機会が巡って来ない。以前は、カシラダカの群れと共に、しばしば姿を見かけたものだが、何とも寂しい限りである。
今季も、また無理なのだろうかと諦めかけていたところ、思いがけずミヤマホオジロとの出会いの機会が巡って来た。雪がわずかに残るところに、姿を見せてくれたのである。木々の込み入ったところで、何やら動く気配がしていたが、しばらく待つと、姿の見える位置の木の枝にとまり、さらに雪の残ったところに降り立ったのである。すぐ近くでは、ベニマシコの声もしていたのだが、こちらは、姿をチラッと見ただけであった。
2018/1/28 ヒレンジャク Japanese Waxwing
昨シーズンは、ほとんど姿を見る機会がなく、わずかに1羽の姿を遠くに見るだけであったヒレンジャク。今シーズンは、あちこちで、たくさんのヒレンジャクの姿が目撃されているという。千葉県内だけでも、10数羽のヒレンジャクが、数カ所で、姿を確認されているらしい。多い地域では、100羽近い数のレンジャクの姿が見られているというから、さぞ壮観なことであろう。
そのレンジャクに出会いの機会が巡って来た。好物のヤドリギの実のところに10羽ほどの群れが飛んで来て実を啄んで行く。距離があり、葉かぶり、枝かぶりであったが、何とか姿を見ることが出来た。もう1カ所では、5羽の群れであったが、なかなか姿を見せてくれず、それでも、ヒレンジャクの緋色を見ることが出来たことは、目に心に残ることである。
2018/1/29 タシギ Common Snipe
冬の蓮田で、一番出会いが多いのは、タシギだろうか。蓮田だけでなく、田んぼで、 見かける機会も多く、全体では、相当な数のタシギが越冬していると思われる。オオハシシギのいる蓮田にも、たくさんのタシギが集まっていた。
その中の1羽が、念入りに羽繕いをはじめ、色々な姿を見せて楽しませてくれた。普通、尾羽をじっくり見る機会は、なかなかないが、このときは、尾羽も見せてくれ、その羽の美しさを改めて思ったことである。一番見る機会の多いタシギだが、警戒心が強いので、ゆっくり写真を撮る機会は、あまりない。この日の出会いは思いがけず、嬉しい出会いとなった。
2018/1/30 お山の小鳥たち
お声をかけて頂いて、久しぶりにお山のフィールドに出かけて来た。初めて訪れた時は、真っ白な雪が一面に広がり、そこにミヤマホオジロ、アトリ、ルリビタキなどが顔を見せて驚きと嬉しさで、夢中でシャッターを押したものであった。
今回、頻繁に姿を見せてくれたのは、ヤマガラ、そしてルリビタキ。アトリも数回、姿を見せてくれた。コガラ、ヒガラ、シジュウカラも時折。以前に比べれば、何とも寂しい鳥たちの姿である。やはりあちこちで、野鳥の姿が少なくなっているのだろうか。
もう1カ所回ったところでは、カシラダカが数羽で飛んで来て、ゆっくり姿を見せてくれた。アオゲラ、アカゲラは、ほんの一瞬。カケスの姿もチラッと見えた。
少々寂しい顔ぶれであったが、いつもは出会えないコガラやヒガラに出会え、満足の鳥見をすることが出来た。
2018/1/31 アトリ Brambling
久しぶりに出かけたお山のフィールドで、10数羽のアトリの群れを見ることが出来た。こちらが願うようなところには、なかなか姿を見せてくれないので、写真は、今ひとつであったが、今シーズン初めての出会いに、胸が弾んだ。
地域によっては、アトリが、かなりの大群で、姿を見せているようであるが、近隣で見かける機会は、全くなかった。今シーズン、アトリとの出会いは、諦めていただけに、この日の出会いは、嬉しいものである。アトリのとまった木々を見ると、寒さの中で、新芽が、春を待っているようであった。木々は、寒さに耐えて、命を育んでいるのを実感し、熱くなるものを感じた日であった。