タイトル:九羽の白鳥 とりどり日記

2018/5/1 チュウシャクシギ Whimbrel

チュウシャクシギの画像

今日は、もう5月。田んぼのあちこちで田植えが進み、早苗が揺れる光景が見られるようになってきた。その田んぼに何度も何度も足を運んでいるが、鳥たちの姿を見る機会が本当に少なくなって、何とも寂しい限りである。渡りの時期には、当たり前に見られていたムナグロやキョウジョシギの姿を求めて、いくつかの田んぼを回ってみたが、1羽のムナグロを遠くに見かけたのみである。

その田んぼで、嬉しいことに2羽のチュウシャクシギに出会った。それも鳥との距離が近い。車で近づいたにしても、大抵飛ばれてしまうのだが、まだ到着したばかりなのだろうか。ほとんど警戒心がなく、草地の中をゆったりと動き回っていた。ささやかであるが、嬉しい出会いであった。

2018/5/2 チュウサギ Intermediate Egret

チュウサギの画像

あまりにも鳥との出会いの少ない田んぼだが、それでも淡い期待で、何度も足を運ぶ。数年前には、今の時期、たくさんのアマサギの姿を見かけたのだが、今は、1羽のアマサギを見つけることすら難しい。それでもチュウサギは、数個体見ることが出来た。

今の時期、成長夏羽は、飾り羽が見られ、虹彩も赤く、なかなか優雅で美しい。しかし、晴れていると場所によっては、逆光で、どうにもならず、諦めざるを得ないことも、しばしばである。少々距離はあったのだが、そよ風にたなびく飾り羽が見えたので、レンズを向けてみた。ゆったりとくつろいでいるようで、色々なポーズを見せてくれたのである。

2018/5/3 シジュウカラ Japanese Tit

シジュウカラの画像

木々の緑が、日に日に色濃くなっていく中で、小鳥たちは、どうしているだろうか。時折、シジュウカラの声を耳にするが、案外、姿を見かける機会が少ない。そんな思いで歩みを進めていると植え込みの近くで、小鳥の動く気配がした。

その動きを目で追っていると、2羽のシジュウカラの姿が目に入った。1羽が、虫を口にくわえている。もしや求愛給餌かもしれない。ドキドキしながら、様子を見守ることにした。結果は、何と1羽のシジュウカラが、ムシャムシャとその虫を食べてしまったのである。緑の季節になると思い出す、懐かしいひとこまである。

2018/5/4 ムナグロ Pacific Golden Plover

ムナグロの画像

ずっと気になっていたムナグロ。近くの田んぼに大きな群れが入ったとの話を耳にしたのだが、なかなかその姿を確認することが出来ない。田んぼは、あちこち田植えが始まり、農家の方々は、忙しそうである。農作業のお邪魔にならないように、いくつかの田んぼを回ってみた。

1週間程前に1羽のムナグロの姿を見かけたところは、まだ植えたばかりのか細い早苗が、揺れているだけで、鳥たちの姿が、全くない。諦めかけた時、まだ耕されていない田んぼに、何か気配を感じた。良く良く見ると数羽のムナグロがいるではないか。あまりに背景にとけ込んでいて、すぐにはムナグロの存在が分からなかった。成鳥夏羽もいれば、冬羽から夏羽へ移行中の個体もいて、様々な換羽の様子が、観察出来た。嬉しい出会いであった。

2018/5/5 エナガ Long-tailed Tit

エナガの画像

木々の緑は、日々色濃くなって、桜の葉は、びっしりと大きな葉を茂らせている。時折、コゲラの声が聞こえるが、姿を見つけるのが、なかなか難しい。数年前までは、今の時期、もっと鳥たちの姿を見かけ、せめて声だけでも楽しめたものであるが、ずいぶん寂しくなってしまった。

♪チュリッとかすかな声がして、葉の間を鳥の動く気配がした。良く見るとエナガの幼鳥のようである。数羽の群れで、移動するはずであるが、なぜか1羽だけ。仲間とはぐれてしまったのだろうか。まぶたのところが赤いのが、何とも愛らしい。何とか無事に仲間のところに戻れたであろうか。大好きなエナガには、色々な思い出がある。

2018/5/6 オオルリ Blue-and-white Flycatcher

オオルリの画像

高原の春は、遅い。5月の初めに訪れた高原では、木々の芽吹きは、まだまだで、やっとかすかに小さな小さな芽が、見られる程度であった。山桜であったと思うが、まだ桜の花も見られたことに驚いた。

その高原で、オオルリに出会った。近隣の公園で、渡り途中のオオルリの声を聞くことはあるが、姿を見る機会は少ない。それ故、高原でのオオルリとの出会いは、ことのほか、嬉しかった。それもかなり近い距離での出会いであった。オオルリをこれほど近くで見る機会は、今までなかったから、この日の出会いは、深く心に残っている。

2018/5/7 キジ Common Pheasant

キジの画像

早春から初夏にかけて、田んぼでは、キジに良く出会う。それもキジの雄であることが多い。それは、キジの雄の姿が鮮やかであるからだろうか。しかし、日によっては、全くキジに出会えない日もあるので、それが、なぜなのか分からない。多分、猛禽が出た後だったのかもしれない。

嬉しいことにキジの雄と雌が一緒にいる場面に出会った。それも、雄が、熱心に羽を広げ、雌にアピールしているシーンであった。広い田んぼの一番奥であったので、距離があり、鮮明な画像は、得られなかったのだが、嬉しい出会いであった。田んぼには、また、足を運んでみたいと思う。

2018/5/8 チュウシャクシギ Whimbrel

チュウシャクシギの画像

田んぼでは、植えてまだ日の浅い早苗が、心細そうに揺れている。早くに田植えが済んだところでは、早苗が、もうかなりしっかりして、たくましさを感じることがある。そのような田んぼの光景を楽しみながら、いくつかの田んぼを回っていると、まだ耕されていない田んぼにシギらしい鳥の姿が見えた。

少し近づいてみると、数羽のチュウシャクシギの姿が見えた。先日出会ったチュウシャクシギは、逆光であったので、今回は、何とか順光の方に回ったみることにした。何とか飛ばれずに近づくことが出来、ほっと一安心。畦の上にいるチュウシャクシギの姿は、なかなか美しい。全部で8羽いただろうか。季節の鳥に出会えると、心が弾んで来る。

2018/5/9 チョウゲンボウ Common Kestrel

チュウシャクシギの画像

渡り途中のムナグロやチュウシャクシギ、あるいはキョウジョシギなどとの出会いを求めて、田んぼ周りをしている。数年前に比べれば、鳥たちの姿があまりに少なくなり、寂しい限りであるが、時には、思いがけない出会いもあるので、何度も足を運ぶ。

その思いが通じたのだろうか。思いがけずチョウゲンボウに出会った。チョウゲンボウは、珍しい鳥ではないのだが、出会いの機会が、ずいぶん少なくなっている。最初、田んぼの畦にちょこんと座っている姿を見た時は、枯れ草かと思って見落とすところであった。それほど田んぼの光景にとけ込んでいた。畦から畦に何度か飛んでいたが、いつの間にか姿の見えない遠くに飛び去って行った。

ほんのひとときであったが、久しぶりの嬉しい出会いであった。

2018/5/10 キョウジョシギ Ruddy Turnstone

キョウジョシギの画像

春の渡りのシギチを期待して隣県まで出向いてみたものの、今季は、何とも寂しい限りである。近くの田んぼ周辺にもムナグロの群れが見られるというので、何度か足を運んでいる。チュウシャクシギとムナグロには、出会えているので、キョウジョシギに会いたい。そう願って田んぼ周りをしていると賑やかなムナグロの声が聞こえて来た。

土手の上から田んぼを見渡すと、あぜ道にムナグロとキョウジョシギの姿が見える。その数、100羽以上と思われた。それぞれ思い思いに長旅の疲れを癒やしているように見える。一度にこんなにたくさんのムナグロとキョウジョシギの姿を見るのは初めてであったので、大いに感動したのだった。

2018/5/11 タシギ Common Snipe

タシギの画像

渡り途中のシギチに会いたくて、田んぼに何度も足を運んでいる。しかし、数年前に比べれば、大幅に数を減らし、春の渡りと言う言葉自体を忘れそうになるくらいである。それでも時には、ムナグロの大きな群れに出会うこともあり、元気で賑やかな声を聞くこともあるので、いつの間にか田んぼに足が向いている。

その田んぼでタシギに出会った。決して珍しいわけではないが、車からとはいえ、かなり近い距離で観察出来たことは、嬉しいことである。2羽のタシギは、ゆったりとくつろいでいる感じに見えた。寒い時期には、数多く見られたタシギだが、今は、出会いの機会が少ない。

2018/5/12 バン Common Moorhen

バンの画像

春の渡りのシギチを期待して足を運ぶ蓮田や田んぼ。その出会いは、がっかりするほど少なくて、一体どうしたことなのだろうと心配になってくる。シギチでなくても何か鳥に出会いたい。と真剣に思ったほどである。

その思いが通じたのだろうか。蓮田で、2羽のバンに出会った。黒い衣装に赤い額板と嘴が、印象的なバン。今の時期は、とても綺麗に見える。ピコッ、ピコッという動きが何とも微笑ましい。蓮田には、バンの好物があるのだろうか。2羽のバンは、ゆったりと採餌しながら遠ざかって行った。

2018/5/13 カワラヒワ Oriental Greenfinch

カワラヒワの画像

風薫る季節を迎え、早苗の揺れる田んぼを回ると、気分爽快になってくる。田植えの時期が、それぞれの田んぼで異なるので、早苗の伸び具合も、まちまちである。それが、かえって風景に変化をもたらし、田んぼ周りを楽しいものにしてくれているように思う。

田んぼで出会う鳥たちは、少ないが、それでも、時折、カワラヒワの声を聞く。この日、3羽のカワラヒワが、同じ田んぼに飛んできて、時折、飛び立っては、また、戻って来た。カワラヒワは、飛び立つと羽が美しいが、なかなか思うような角度で、撮影出来ず残念である。それでも、飛び立つ姿を数回、見られたのは、幸運であった。

2018/5/14 モズ Bull-headed Shrike

モズの画像

田んぼ周りをしていると、時々見かけるのがモズである。田んぼも所によって色々で、いわゆる水田が、広々と果てしなく広がっているような所では、モズとの出会いは少ない。しかし、草むらが、所々に点在する、里山を感じさせる田んぼを回っていると、しばしばモズの姿を目撃する。

この日、回った田んぼでは、2羽のモズに出会った。あまりにも鳥との出会いの少ない日、モズとの出会いは、嬉しいものである。♪キュウキュウ♪という鳴き声を田んぼいっぱいに響き渡らせることもある。今度は、モズの雛に会いたいものである。

2018/5/15 アオサギ Grey Heron

アオサギの画像

早苗の揺れる田んぼで、以前は、アマサギ、チュウサギ、チュウダイサギなどたくさん見かけたものであった。しかし、ここ数年、鳥たちの姿が減少し、サギ類の姿も見かけることが少なくなっている。そのような中でも、アオサギには、時々出会うことがあり、ほっとしている。

この日も、いくつかの田んぼを回ってみたところ、アオサギの姿を見ることが出来、安堵した次第である。ある本にアオサギは、蚤の心臓の持ち主と書いてあったが、なるほど、かなり神経質で、すぐに飛び立たれてしまう。少し距離のあるところで、野の花と一緒にいたアオサギの姿は、心和む光景であった。

2018/5/16 オオヨシキリ Oriental Reed Wabler

オオヨシキリの画像

田んぼを回っていると♪ギョギョシ♪ギョギョシ♪の賑やかな声が、あちこちから聞こえて来る。もう少しすれば、見えやすいところに姿を見せてくれるのだろうが、まだ草むらや葦の中に入ってしまっていて、なかなか姿が見えない。すぐ近くで声がすると思って、キョロキョロ辺りを探してみたら、何と電線の上で、囀っている。

川沿いの葦原でも声がするので、じっと待つと、するするとオオヨシキリが上がって来た。♪ギョギョシ♪ギョギョシ♪精一杯声を張り上げている。これからしばらく葦原は、賑やかな声が響き渡ることだろう。

2018/5/17 コブハクチョウ Mute Swan

コブハクチョウの画像

ホームページ「九羽の白鳥」の原点になったのが、手賀沼のほとりで出会ったコブハクチョウである。それまで、鳥のことは、何も知らず、関心も興味も全くなかった。9羽のコブハクチョウとの出会いが、野鳥の世界にどっぷりはまり込むきっかけになったのだった。

4月末頃から5月にかけて、コブハクチョウは、子育てをする。可愛い雛を沼のほとりのあちこちで見かけるようになる。今年も雛を連れたコブハクチョウのファミリーに出会った。それは、ほのぼのと心和む光景である。しかしながら、農業や生態系に影響を及ぼすことも忘れてはならないと思う。

2018/5/18 ムナグロ Pacific Golden Plover

ムナグロの画像

春の渡りのシギチに会いたくて、何度も足を運んでいる田んぼで、ムナグロとの出会いが、多くなった。その数は、ごくわずかなのだが、2羽とか3羽で畦で休んでいる。そのようなシーンをいくつかの田んぼで見かけるようになった。

ムナグロが、100羽を越す数で飛来しているとずいぶん前に聞いていたのだが、100羽近い群れを見たのは、一度だけである。今は、分散してあちこちで休んでいるのかもしれない。もう少しすれば、目的地へを旅立って行くことだろう。頼りなげであった早苗も、緑の色を濃くして行く。

2018/5/19 カルガモ Eastern Spot-billed Duck

カルガモの画像

鳥との出会いの少ない田んぼであるが、必ずと言って良いほど出会いの機会があるのが、カルガモである。それも2羽でいる姿を見かけることが多い。田んぼは、彼らにとって、住み心地が、よほど良いのであろう。

カルガモは、あまりにも出会いの機会が多いので、レンズを向けることが、ほとんどないのだが、鳥との出会いが極端に少ないので、レンズを向けてみた。ありふれた種ほど、写真は、難しい。ほのぼのとした雰囲気を画面の中に出したかったのだが、なかなか思うようには、いかないものである。

2018/5/20 キョウジョシギ Ruddy Turnstone

キョウジョシギの画像

あぜ道をびっしり埋めるほどの数のムナグロとキョウジョシギの群れを見たのは、今月初めのことである。その数、おそらく100羽は、越していたと思う。少々、距離があったので、最初は、土の上で休んでいるムナグロとキョウジョシギの姿が、分からなかった。それは、土の色と同化していたので、早苗を背景にしたムナグロとキョウジョシギの姿しか目に入らなかったからである。

キョウジョシギをもう少し近くで見たいと思っていたところ、実現した。車からの観察であるが、かなり近い。コロコロコロコロ、土の塊を転がしている姿を、じっくり見ることが出来た。まさに名前の由来のTurn stoneである。3羽のキョウジョシギが、適当に距離を置いて、仲良くあぜ道を歩く姿が何とも微笑ましかった。

2018/5/21 トウネン Red-necked Stint

トウネンの画像

田んぼで見られるシギチの春の渡りをじっくり、ゆっくり観察したいと願っているが、ここ数年、渡りらしい光景を見る機会が少なくなってしまった。近場の手賀沼周辺に何度か足を運んで観察出来たのが、ムナグロ、キョウジョシギ、チュウシャクシギである。

少し足を伸ばして、水田地帯が広がるところを訪ねてみると、運良く、いくつかのシギチの群れを見ることが出来た。それは、大規模なものではなかったが、春の渡りを久しぶりに肌で感じる光景であった。その群れの中に夏羽のトウネンの姿を見つけたときの喜びは、大きなものである。あぜ道にハマシギやキョウジョシギ、キアシシギと共に次々に飛んで来るトウネンの姿は、実に美しかった。

2018/5/22 ウズラシギ Sharp-tailed Sandpiper

ウズラシギの画像

大好きな田んぼで、ウズラシギに初めて出会った日のことを、今でもはっきり覚えている。そのウズラシギだが、今季、手賀沼に姿を見せたというのに見逃してしまった。残念な思いを持ち続けていたのだが、やっと出会いが実現した。あぜ道にポツンと1羽、羽繕いをしているシギを見つけたとき、距離があったので、すぐには、ウズラシギとは分からなかった。しかし、ファインダー越しに、ウズラシギの特徴を見つけたとき、その嬉しさは、格別であった。

その日、田んぼでは、ハマシギ、トウネン、キョウジョシギ、キアシシギ、チュウシャクシギの姿が見られたが、ウズラシギは、群れとは、少し離れて行動しているように見えた。どうやら3羽のウズラシギがいたようである。渡りの最終と思われる日に、嬉しい出会いであった。

2018/5/23 ハマシギ Dunlin

ハマシギの画像

蓮田や田んぼで出会うシギチを求めて、何度も何度も足を運ぶ。寒さの中でも、越冬するシギチとの出会いがあるので、冬の田んぼや蓮田も楽しみなのである。冬の蓮田で、良く出会うのが、ハマシギである。以前は、100羽くらいの群れを見たこともあったが、今は、ずいぶん少なくなってしまった。

冬羽のハマシギには、何度も出会っているのだが、夏羽のハマシギは、ごくわずか見たことがあるだけだった。あぜ道にキョウジョシギが飛んで来るのを観察していると、ハマシギが、次々に飛んで来た。夏羽は、お腹の黒さが、何ともチャーミングで、可愛らしい。大きな群れではなかったが、10数羽はいただろうか。夏羽のハマシギが、これだけ揃うと田んぼが、賑やかになってくる。何とも嬉しい出会いであった。

2018/5/24 キアシシギ Grey-tailed Tattler

キアシシギの画像

早苗の揺れる田んぼで、初めてキアシシギに出会ったのは、10数年前のことである。シギの名前もよく分からない頃であったが、あの日のキアシシギの姿は、妙に印象的で、今でも目に焼き付いている。

今季、手賀沼周辺の田んぼでも、二羽のキアシシギの姿を見かけたが、あまりに遠すぎて、写真は撮ってみたものの、そのままになっていた。少し足を伸ばしてみた水田地帯で、数羽のキアシシギに出会うことが出来た。車からの観察とは言え、すぐ目の前の田んぼである。以前は、あちこちの田んぼで、良く見かけたキアシシギだが、出会いの機会が少なくなり、残念なことである。

2018/5/25 チュウシャクシギ Whimbrel

チュウシャクシギの画像

干潟など海辺での出会いも多いが、田んぼでの出会いも多いのがチュウシャクシギである。それも春の渡りの時ばかりで、秋の渡りに出会うことは、ほとんどない。今季、身近なフィールドである手賀沼をはじめ、いくつかの水田地帯で、チュウシャクシギには、良く出会った。

1羽単独でいることもあったが、大抵、2~3羽、あるいは7~8羽。多いときには、30羽近い群れで、早苗の揺れる田んぼに姿を見せてくれた。独特の鳴き声は、セブン・ホィッスルと言うそうだが、確かに笛のような響きがある。♪ピピピピピピピ♪か弱く見えた早苗が、たくましい緑になって来た田んぼをチュウシャクシギが、鳴きながら飛んで行く。

2018/5/26 トウネン Red-necked Stint

トウネンの画像

今季、足を運ぶ機会の少なかった蓮田だが、何か出会いはないかと遅ればせながら、足を運んでみた。あちこちの蓮田で、植え付けがすでに完了し、青々とした美しい蓮の葉が、生き生きと輝いている。今の時期の蓮田は、とても美しい。

やはり時期が遅かったかなと思いながら、いくつかの蓮田を回っていると、群れが飛んだ。どうやらトウネンらしい。さらに近づいてみると、次から次にトウネンが飛んで来る。その数、100羽は、ゆうに越すと思われる。この地で、これほどたくさんのトウネンの群れを今までに見たことがない。これぞ渡りと思って、胸が高鳴った。思いがけず、嬉しいトウネンとの出会いであった。

2018/5/27 ウズラシギ Sharp-tailed Sandpiper

ウズラシギの画像

今季、あまり足を運ぶ機会のなかった蓮田に、遅ればせながら訪れてみると、嬉しいことにトウネンの大きな群れを見ることが出来た。過去10数年、蓮田や田んぼで、これほどまとまった数のトウネンを見たことがなかったので、その嬉しさは、格別であった。それも夏羽であったから、緑の蓮の葉の間から見える姿は、何とも美しく感動した。

そのトウネンの群れの中に、1羽のウズラシギの姿を発見。トウネンより大きめであったから、遠くからでも、その存在を知ることが出来た。同じ日に、水田地帯でも、トウネンやウズラシギを見ていたのだが、蓮田での出会いは、かなり強烈なものであった。

2018/5/28 サルハマシギ Curlew Sandpiper

サルハマシギの画像

初夏の蓮田で、100羽は越すと思われるトウネンを見た日、その群れの中に1羽のウズラシギを見たのだが、そのすぐ近くにもう1羽、トウネンより大きめのシギの姿があった。最初、距離があったので、特徴がはっきり分からなかったが、嘴が長いということが分かった。良く良く見るとどうやらサルハマシギらしい。

私は、今まで、夏羽のサルハマシギに出会ったことがなかった。少々逆光気味であったが、美しい夏の衣装で、身を包んだ、サルハマシギの姿がファインダーに入った時、何とも言えない感動に身を包まれたのである。遅すぎると思って出かけた蓮田であったが、思いがけず嬉しい出会いとなった。

2018/5/29 タシギ Common Snipe

タシギの画像

寒い時期には、出会いの機会の多かったタシギだが、春の訪れと共に、姿を見かける機会がずいぶん減ってしまった。それは、例年通りのことなのだが、何とも寂しい気分になる。それは、田んぼで出会うシギチを初め、鳥たちとの出会いがあまりに少ない中で、タシギには、ずいぶん癒やされていたからかもしれない。

いくつもの田んぼで、田植えが済み、心細げに揺れている早苗もあれば、すでにたくましく育って緑の色を濃くしている田んぼもある。そのような中で、まだ田植えの済んでいない1枚の田んぼに差し掛かったとき、2羽のタシギの姿が目に飛び込んできた。そして、1羽のタシギが、水浴びを始めたのである。それは、思いがけない嬉しい出会いとなった。

2018/5/30 キジ Common Pheasant

キジの画像

数年前に比べれば、ずいぶん鳥たちとの出会いが少なくなった田んぼだが、早春から初夏にかけて、キジとの出会いの機会は多い。初めの頃は、雄との出会いばかり多かったが、雌にも時折出会うようになり、雄と雌で一緒にいる場面も数回見ることが出来た。

大抵、車からの観察なのだが、案外、警戒心があり、こちらの気配に気がつくと、さっと草むらに隠れてしまう。何とか良い背景で撮りたいものだと思っていたところ、緑の草地を颯爽と歩くキジの雄の姿を発見。すぐその後から、雌がついて行く。何とか願いが叶って、嬉しい出会いとなった。

2018/5/31 コチドリ Little Ringed Plover

コチドリの画像

田んぼを吹き渡る風は、何とも気持ちが良い。春の渡りで、飛来してくれたシギチもほとんど姿が見られなくなり、田んぼは、寂しくなってしまった。ムナグロの鳴き声や、キアシシギの声、チュウシャクシギの♪ピピピピピピピ♪の良く通る声が、今でも耳に残っている。来季の出会いを楽しみにしながら、寂しくなった田んぼを回ってみる。

鳥影薄い田んぼだが、1羽のコチドリを発見。チョコチョコと歩く様が、何とも愛らしい。しばらく様子を見ていると、立ち止まり、頭かきのような仕草。このような出会いがあると、心和み、嬉しくなってくる。田んぼは、心安らぐ場所である。