2020/3/1 ビロードキンクロ Velvet Scoter
足が遠のいていた海辺に出掛けてみると、結構、色々な出会いがあり、また足を運んでみることにした。今季、ビロードキンクロとクロガモが多く見られているとのことであったが、この日もビロードキンクロを間近に見る機会に恵まれた。若い個体であったが、3羽も間近に見られたのである。
あまりにたくさん撮影出来たので、ビロードキンクロの行動によって分類し、何回かに分けてご紹介させて頂きたいと思う。今回は、お食事編である。魚の種類は分からないが、実に美味しそうに口いっぱいに頬張りながら食べている姿が印象的であった。それにしても、ずいぶん大きな魚のようであった。
2020/3/2 ヒヨドリ Brown-eared Bulbul
河津桜の開花を楽しみにしていたのは、ちょうど1ヶ月程前。その花が、1輪、2輪と咲き始めるとあっという間に満開になって、今度は、薄緑色の葉も顔を覗かせ初めている。最初の頃は、メジロが入れ替わり立ち替わり3羽ほどで姿を見せてくれていたが、今は、しばらく待っても姿を見せる気配がない。
その理由が,良く分かった。ヒヨドリが、番人をするかのように河津桜にとまっているのである。メジロが一瞬、姿を見せたのだが、ヒヨドリが来て、すぐに追い払われてしまった。ヒヨドリも数羽いて、なかなか手強い。悪役のヒヨドリも時には、モデルになってもらって今日のとりどり日記に登場してもらうことになった。散歩道のささやかなひとこまである。
2020/3/3 オオジュリン Common Reed Bunting
数年前まで、沼のほとりに行けば、必ず会えたのがオオジュリンであった。パキパキと音立てて、熱心に採餌する姿を間近に見られたのであった。ところが、ここ数年、オオジュリンの個体数が激減したのだろうか。沼のほとりに出掛けても、オオジュリンとの出会いの機会は、なかなか巡って来ない。
シギチの姿を求めて出掛けた蓮田地帯で、川沿いの道にさしかかると小さな鳥が飛んだ。一瞬、ホオジロかスズメかもしれないと思ったが、とりあえずレンズを向けてみた。何と嬉しいことに今季、初めての出会いのオオジュリンである。鳥との出会いは、一期一会。オオジュリンといえども出会いを大切にしたいと思った次第である。
2020/3/4 ビロードキンクロ Velvet Scoter
足が遠のいていた海辺で、思いがけずビロードキンクロを間近に見る機会に恵まれ、色々なシーンを撮影することが出来た。今回は、羽ばたき編をご紹介させて頂きたいと思う。カモたちの羽ばたきは、良く見かけるが、それぞれに個性があり、特徴があって、なかなか楽しいものである。
ビロードキンクロには、今まで何回か出会いの機会があり、羽ばたきするシーンも撮影したことはあるが、今回は、今までとは、また違った雰囲気で撮影出来て嬉しかった。ビロードキンクロ自体が、微笑んでいるようにも見え、見ているこちらの気分も楽しくなってくる。時間にすれば、ほんの数秒なのかもしれないが、このような出会いの機会に恵まれたことに感謝である。
2020/3/5 イソヒヨドリ Blue Rock Thrush
今、話題の鳥のひとつがイソヒヨドリである。理由は、名前のように磯にだけ生息するのではなく、都市部にも進出してきていることである。都市部の駅近くのビルで見たと言う人もいるくらいであるから、その生息域は、かなり広いものと思われる。私は、住宅地に住んでいるが、すぐ近くの民家の屋根にとまっている姿を一度見たことがある。
しかし、やはり名前のように磯で出会うと嬉しいものである。雌は、地味であるが、久しぶりに海辺で出会えて何とも嬉しかった。今度は、是非、イソヒヨドリの雄にも出会いたいものである。
2020/3/6 アオジ Black-faced Bunting
今季、少ないながらも楽しませてもらった越冬のシギチたち。訪れる度に姿を見せてくれたのが、ツルシギ、オオハシシギそしてセイタカシギであった。そのほか、オジロトウネン、ハマシギ、タカブシギ、ムナグロ、アオアシシギ、クサシギが主な顔ぶれである。
日に日に暖かさを増し、蓮田で見られるシギチの姿がいよいよ少なくなってきたが、また新たな顔ぶれでもと淡い期待で、時折、足を運んでいる。シギチではないが、この日、アオジが良いところにとまって大サービス。黄色も鮮やかで綺麗な個体であった。ホオジロも近くに姿を見せてくれたのだが、撮り損ねて残念な思いをしたのだった。しかし、慰めるようにカシラダカが登場してくれたのが何とも嬉しくてこの日の鳥見は、終了したのである。
2020/3/7 スズメ Eurasian Tree Sparrow
大好きな田園地帯を、気の向くままに週に2~3度、今でも回っている。歩くことが大変になってから、行く先は、大抵田んぼである。その田んぼで出会いを楽しみにしているのがスズメである。たかがスズメ、されどスズメ。以前は、田んぼに行けば、ほとんど間違いなくスズメを見ることは可能であったが、今は違う。以前のように簡単には出会えない。電線に群れでとまっているスズメを見るとホッとして心が安らぐ。何故、これほどスズメの数が減少してしまったのだろうか。
そんなことを考えながら,田んぼを回っていると、枯れ草にとまったスズメが群れでいる光景が目の前に広がって来た。スズメの群れ。これだけで十分満足である。なかなか思うような撮影は出来なかったが、スズメの群れに出会えたことに心癒やされるひとときであった。
2020/3/8 タゲリ・トビ・チュウヒ
今季、ずいぶん出会いの機会の多かったのがタゲリである。太陽光があたるとタゲリの緑色の羽は、輝きを増し、実に美しい。構造色と言われるそうだが、あの色の美しさに勝るものはないように思う。加えて魅力的なのが冠羽である。あの長い冠羽が田風になびいている様は、気品がありうっとりと見つめてしまう。
そのタゲリともそろそろお別れの時期だろうか。まだ、あちこちの田んぼで見かけるが、ずいぶん個体数が減って来ている。旅立ち前の練習だろうか。飛んでいる姿を何カ所かで見かけた。近くにいたトビも飛び立ち、少し離れたところでは、チュウヒも飛んでいる。田んぼは、実にのどかである。
2020/3/9 スズガモ Greater Scaup
少し前になるが、足が遠のいていた海辺に何回か足を運んだ。湾内にいるたくさんのクロガモの姿に驚き、かつまた、ビロードキンクロの若の姿を間近に見られてことが海辺に足を運ぶきっかけになったのだった。ここでは、数種類のカモの姿も見ることが出来た。そのひとつがスズガモである。
以前、時折、出掛けていた干潟では、スズガモの群れを何度も見ていたが、私が、良く足を運ぶ沼のほとりでは、スズガモを見る機会は、ないに等しい。久しぶりに見るスズガモは、雌の姿が多かったように思う。今回、スズガモを群れで見ることはなかったが、間近に見られて何とも懐かしい思いがしたのである。
2020/3/10 ビロードキンクロ Velvet Scoter
思いがけなく海辺に足を運ぶことになり、三度ほど出掛けてみたが、その折々に色々な出会いがあり、改めて海辺の魅力を感じた次第である。その出会いのひとつが、ビロードキンクロの若との出会いであり、ずいぶん色々なシーンを見ることが出来たのだった。
食事をする場面、羽ばたきをする場面、ごくごく普通に泳いでいる場面などなど楽しい思い出がいっぱい出来た。その中で忘れられないシーンのひとつが、ラッコスタイルである。海面に体を横たえ、ゆったりと寛いでいる雰囲気は、見ている私もリラックス出来て楽しかった。勢いよく潜水する瞬間もまた、楽しいシーンであった。のどかな海辺。また、ゆっくり訪ねてみたいものである。
2020/3/11 ツグミ Dusky Thrush
四季折々、田んぼで見られる鳥たちの姿を求めて、私は田園地帯に足を運ぶ。中でも、春の渡り、秋の渡りで見られるシギチ、そして越冬するシギチが、何より楽しみである。今季、越冬するシギチの数は少なかったものの、それなりに出会いを楽しむことが出来たのは、幸運であったと思う。
越冬のシギチの姿もさらに少なくなり、寂しくなった蓮田周辺で、ツグミには、良く出会う。よくよく見れば、それぞれに個性があり、羽の色合いも、顔の表情も違ってツグミの観察もなかなか楽しいものである。もうしばらく滞在してくれるだろうか。またの出会いを楽しみにしたいと思う。
2020/3/12 コミミズク Short-eared Owl
越冬のシギチを求めて蓮田地帯を訪ねてみたが、もともと少なかったシギチが、さらに少なくなり、何とも寂しい限りであった。その帰り道、馴染みの田んぼに立ち寄ってみると、何と目の前にコミミズクが飛んで来たのである。この冬、たくさんのギャラリーを集めていたが、私は、その数に恐れをなして、ほとんど出向くことをしなかった。
コミミズクが飛んで来た場所には、どなたの姿もなく、独り占めの状態であった。目の前の杭にとまってくれたので、コミミズクの表情を見ることが出来、ドキドキしながらシャッターを押したのである。思いがけない嬉しい出会いであった。
2020/3/13 散歩道のひとこま
暖かい日もあれば、寒い日もあり、早春は、本格的な春へと一歩、一歩近づいているようである。風は冷たいが、日差しが柔らかで嬉しい日、近隣をゆっくり歩いてみた。最初に目に入ったのは、ヒラヒラ舞うチョウの姿である。チョウの舞う姿を見ると春が来たのだと実感する。草地に降りたチョウを見るとキタテハであった。すぐ近くには、アセビが咲き、ジンチョウゲが甘い香りを放っている。ミツマタの花も春らしさを添えている。
もう少し歩くとシジュウカラの声がし、さらにヤマガラの声も聞こえてきた。シジュウカラは、草地に降りたり、茂みの中に入ったりして一心に食事をしている。ヤマガラは、木の間から、ほんの少し顔を見せてくれた。散歩道でのささやかな出会い。春の風が、そっと頬をなでていく。
2020/3/14 ヒレンジャク Japanese Waxwing
昨シーズン、ほとんど姿を見せなかったヒレンジャクやキレンジャク。今季は、早い時期からヒレンジャクやキレンジャク飛来の報が、あちこちから聞こえて来た。しかし、私が出掛けるには難しい場所で、きっといつか出会いの機会が巡って来るだろうと待ち望んでいた。
数年前にレンジャクが姿を見せたという林に、出掛けた日、何と嬉しいことにあの声、♫チリチリ♫チリチリの声が聞こえて来たのである。辺りを見渡すと小さな鳥が飛んだ。飛んだ先を見ると、ヒレンジャクであった。久しぶりに見るヒレンジャク。どなたもいない静かな林の中で、何とも嬉しい出会いであった。
2020/3/15 セイタカシギ Black-winged Stilt
春の渡りには、まだ早く、蓮田地帯で見かけるシギチの数は、あまりにも少なく寂しい限りである。寒い間、しばしば見かけたセイタカシギ。越冬していたシギチが少ない中で、セイタカシギは、大サービスであった。そのセイタカシギが、まだ滞在し、姿を見せてくれたのを見るとホッとして嬉しくなる。
この蓮田には、どうやらドジョウが多いらしく、一心にドジョウと格闘しているセイタカシギを見ると何とも微笑ましい。まだしばらく滞在してくれるだろうか。また、ゆっくり蓮田を訪ねてみたいと思う。
2020/3/16 ノスリ Common Buzzard
もともと少なかった越冬のシギチだが、蓮田地帯は、いよいよ寂しくなり、春の渡りを待つばかりである。それでも、何か出会いはないかと、蓮田地帯を時折、訪ねている。その蓮田地帯で、良く出会うのがノスリである。電柱にとまっているのを見ることが多いが、出掛ける度にノスリに出会う。
この日も、電柱にとまっているノスリに出会った。さらに田んぼを回ってみると杭の上におっとりとまっているノスリを見かけることが出来た。この冬、ノスリとの出会いは、ずいぶん多かったが、そろそろお別れの時期だろうか。また来季、姿を見せて欲しいものである。
2020/3/17 オナガ Azure-winged Magpie
私の住んでいる市の鳥は、オナガである。しかし、オナガを見かける機会は、案外少ない。初めてオナガに出会ったのは、10数年前、散歩道の雑木林であった。あの独特の声で鳴く鳥、一体何者だろうと思ったが、姿を見てその美しさに驚いた記憶がある。
そのオナガに、あの思い出の雑木林で出会った。複数のオナガが飛んでいるのが、分かるが高いし、視界を遮るものが多く、なかなかオナガの姿を撮影するのは難しい。しかし、辛抱強く待つと、何とかオナガの姿を見ることが出来た。全部で5羽か6羽いたように思う。久しぶりの嬉しい出会いであった。
2020/3/18 ヒヨドリ Brown-eared Bulbul
日に日に暖かさを増し、散歩道の小さな花たちも次々にほころんで心が和んで来る。桜通りのソメイヨシノは、小さな蕾がいつの間にかかなり膨らんで、もうすぐ開花することだろう。暖冬とは言え、寒い冬を過ごした後の何とも言えない開放感。春の訪れは、心を豊かにしてくれるようだ。
川沿いの道をゆっくりゆっくり歩いてみるとネコヤナギがたくさん目につく。時折、姿を見せるのは、シジュウカラ。♪ツツピー♪ツツピー♪ツツピー。シジュウカラのさえずりを間近に聞くと元気になれるような気がする。目の前のネコヤナギに姿を見せたのは、ヒヨドリ。1~2ヶ月前は、真っ白だったようだが、今は、グレーがかっている。他のヒヨドリとは違って、遠くからでも目立つので、危険が多いのではないだろうか。こちらの心配をよそに、白いヒヨドリは、元気に飛び回っていた。
2020/3/19 ビロードキンクロ Velvet Scoter
今季、海辺では、クロガモの姿をたくさん見かけた。湾内にいるクロガモの雄と雌の大きな群れを見た時は、わが目を疑ったほどである。北海道で初めて見たクロガモは、かなり距離があり、あの哀愁を帯びた鳴き声だけが鮮明に脳裏に刻みつけられているだけである。そして、今季は、ビロードキンクロの若を何個体も見る機会に恵まれた。それもかなり近い距離での出会いであった。
忘れられない光景が、仲間と魚を取り合うシーンである。見ていると微笑ましくて笑みがこぼれるが、当の本人達は、必死であったことだろう。日増しに暖かさを増し、海辺で見られる鳥たちも様子が変わって来ていることだろう。また、ゆっくり訪ねてみたいものである。
2020/3/20 オオジュリン Common Reed Bunting
今季、なかなか出会いの機会のなかった鳥のひとつがオオジュリン。数年前までは、沼のほとりで、パキパキ音立てて、採餌するオオジュリンをたくさん見かけたのだが、いつの間にか、姿を見ることがなくなり、何とも寂しい限りであった。
シギチを探しに出掛けた折、川沿いの葦原で、思いがけずオオジュリンに出会った。鳥との出会いは、いつも不思議に思うのだが、一度出会うと、二度、三度。オオジュリンの時もそうである。この後、続けて3カ所でオオジュリンに出会う機会に恵まれた。頭が黒くなりかけている個体もあり、旅立ちの日も近いのかもしれない。決して珍しい鳥ではないが、出会えると嬉しくなってくる。
2020/3/21 オカヨシガモ Gadwall
春の渡りには、まだ早いと思いつつも、田んぼの様子が気になり、足を運んでみることにした。やはりというべきか当然と言うべきか、蓮田地帯は、実に静かであまりにも寂しい結果となった。しかし、ここまで来て、手ぶらで帰るのも情けなく、湖畔沿いに小鳥との出会いを期待して車を走らせてみた。
期待していた小鳥との出会いは、皆無に等しかったが、湖面には、たくさんのカモの姿があった。岸部近くにこれほどたくさんのカモが集まっているのを見たのは、初めてである。とりわけ嬉しかったのは、オカヨシガモの雄と雌に会えたことである。今季、数回、姿を見ているのだが、まともな写真が撮れていなかった。オカヨシガモ雄の羽衣は、シックで美しく、私は大好きである。その折々の出会いを大切に、また蓮田地帯にも足を運んでみたいと思う。
2020/3/22 ヒレンジャク Japanese Waxwing
久しぶりに聞く♪チリチリ♪チリチリの声。エナガとシジュウカラに出会った後、林の中をゆっくり歩いていると懐かしい声が聞こえて来た。か細い声だが、聞き覚えのある声である。今年は、当たり年と言われているヒレンジャク、キレンジャク。出掛けられる場所が限られているので、私は、なかなかで出会いの機会がなかった。
しかし、嬉しいことに自分の耳で、レンジャクの声を聞き、静かな林の中で、ヒレンジャクの姿を見つけたときは、感動で胸がいっぱいになった。数羽が、さっと飛んで、枯れた枝にとまったり、下草に降りたりしている。早春の林の中での嬉しい出会いのひとこまである。
2020/3/23 シメ Hawfinch
ヒレンジャクに出会った林の中で、元気に飛び回っている鳥がいた。数羽のシメである。今季、シメとの出会いもなかなかなかったので嬉しくなってレンズを向けた。シメの顔は、私には、愛嬌があるように思えて、親しみがあり、好感が持てる鳥のひとつである。
枯れた枝にとまったヒレンジャクのすぐ隣に姿を見せたり、何とも楽しい場面を展開してくれた。嘴が鉛色になる頃、また会いたいものである。林の中は、とても静かだった。
2020/3/24 ハジロカイツブリ Black-necked Grebe
出掛けるまでは、かなりためらいがあった海辺だが、一度出掛けてみると、シギチ・フィールドとは、また違った新鮮な出会いがあり、また足を運んでみることにした。
前回は、間近にビロードキンクロを見たり、クロガモを見たり、感動、また感動の連続であった。しかし、鳥たちの移動の時期になったのだろうか。海辺は、ひっそりとしている。クロガモだけは、遠くに雄と雌の姿が見える。スズガモは、かなり近くまで寄って来てくれるが、他の鳥たちの姿がない。
ぼんやり海を眺めていると、すぐ目の前にカイツブリらしい気配。ハジロカイツブリの夏羽に換羽中の個体である。金色の飾り羽は、未完成だが、冬羽とは違って印象的である。周りを見ても、この1羽しかいない様子である。例年、群れで見られるハジロカイツブリ。また、どこかで出会う機会があるだろうか。楽しみに待ちたいと思う。
2020/3/25 イソヒヨドリ Blue Rock Thrush
歩くことが大変になってしまい、限られた場所での探鳥しか出来ないが、近隣の散歩は、気が向いたとき、時折、出掛けている。河津桜の頃は、メジロやヒヨドリとの出会いが楽しみであったが、今はもう、ほとんどムクドリに会うくらいで寂しい限りである。
そのようなことを考えながら歩いていると、目の前を横切った鳥がいた。枯れ木にとまったので、「たまには、ムクドリでも撮ってあげよう」との生意気な気持ちで、カメラを向け、ファインダーを覗いてビックリ!!!何とイソヒヨドリであった。住宅地にイソヒヨドリは、進出していると聞いているが、散歩道で出会えるとは!
思いがけない嬉しい出会いであった。
2020/3/26 ヒヨドリ Brown-eared Bulbul
川沿いの道をゆっくり歩く。土手のところで目に付くのは、ネコヤナギ。柔らかくてフワフワした感じが何とも言えず大好きである。あまり歩けないので、しばらくじっとしていると、目の前にエナガが飛んで来た。しかし、ごちゃごちゃした小枝がエナガの姿を遮り、写真は、難しい。
少し離れたところでは、白いヒヨドリが、何やら啄んでいる。何か花の芽だろうか。いや、どうやら違うようだ。何と、蜂のようである。嘴には、黄色い花粉がいっぱいついていたので、お花の後は、タンパク質補給なのかもしれない。白さ故に、猛禽に狙われていると聞く。元気で精一杯生きて欲しいものである。
2020/3/27 メジロ Japanese White-eye
思いがけずイソヒヨドリに出会った後、シジュウカラやコゲラの声がするので、辺りを見渡すと、真っ白な小さな花のところで動く鳥影がふたつ見えた。これは、梅だろうか。見上げる高い位置にある木なので、近づくことも出来ない。
ファインダーを覗いてみると、何と小さな鳥影は、メジロであった。背の低い私が、見上げるので、何とも撮りにくい。それでも出会いが嬉しくて撮ってみた。かなり暗い日であったので、色が出にくいが嬉しい出会いであった。少し歩くとヤマブキが咲き、シャガの花もいくつかほころんでいた。
2020/3/28 ミツユビカモメ Black-legged Kittiwake
鳥たちの移動の時期を迎え、出会いは、難しいかとも思いながら、足を運んでみた海辺。やはりあれほどたくさんいたクロガモは、わずかに残るだけとなり、ビロードキンクロの姿もなかった。
しかし、嬉しいことに前回、全く姿を確認出来なかったミツユビカモメを数個体、観察することが出来た。普通、鳥見をするときは、鳥との距離をかなり保たなければならないが、ミツユビカモメは、ほとんど警戒心がない様子で、こちらが驚いてしまった。今度、海辺を訪れるときは、もっと時間をかけて観察したいと思う。
2020/3/29 モズ Bull-headed Shrike
シギチを探しに出掛けた田園地帯。春の渡りには、まだ早くひっそりと何ともわびしい限りである。なかなか出会いの機会のなかったオオジュリンに3箇所で出会い、気を良くして辺りをグルグル回ってみる。水辺近くで見かけるのは、カワウばかり。手前の枯れ草のところに鳥影が見えた。
良く見るとモズである。モズは、体は小さいが猛禽である。枯れ木にとまって、じっとしているが、獲物を物色中なのだろう。これから繁殖の時期を迎え、モズとの出会いの機会が増えることだろう。
2020/3/30 アカハラ Brown-headed Thrush
桜の花がほころび始めた公園に久しぶりに立ち寄ってみた。枯れ草ばかりが目立っていた公園だが、緑の草の芽があちこちから顔を出し、春の訪れを告げている。
さっと目の前を横切って行ったのは、紛れもなくアカハラ。前回、この公園に立ち寄った時は、全く気配がなかったのだが、今回は、大サービス。何度も右へ行ったり左へ飛んだり、愛想が良い。飛び跳ねている様子が、何とも愛らしい。今度、会えるのは、来季だろうか。久しぶりの嬉しい出会いであった。
2020/3/31 コチドリ Little Ringed Plover
ソメイヨシノの開花が例年より早いようで、近隣の桜は、もう満開の時期を過ぎている。寒い間、わずかながら越冬のシギチの姿を楽しませてもらった蓮田地帯。ずっと気になっていたが、もうそろそろ渡りの兆候があるかもしれないと足を運んでみた。
前回は、全くシギチとの出会いがなく、がっかりして帰宅したのだが、今回は、真っ先にコチドリが出迎えてくれた。そして、あの可愛い声をたっぷり聞かせてくれたのである。コチドリの声を聞き、姿を見ると「春が来たなあ!」としみじみ思う。この日、30羽近くのコチドリの姿を見た。いよいよ渡りの開幕だろうか。