とりどり日記

[ 2008年11月 ]

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2008/11/30 紅葉狩り

メジロ

昨日、暖かい日差しに誘われて出かけた公園は、1週間ほど前とは違い、紅葉や黄葉の枯れた葉が、ちらほらと目に付くようになっていた。カメラマンの姿もちらほら。

あまり人のいない紅葉のところに三脚を立て、しばし小鳥たちの訪れを待つ。ヤマガラの声がして、奥の方に、ヤマガラの姿が見えた。しばらくするとシジュウカラが飛んで来て、動き回っている。次に現れたのはエナガ。動きの速いエナガを何とかファインダーに入れようと悪戦苦闘。しかし見上げるような位置で空抜け。色も出ない。

わずかに位置を変えて待つと、落ち葉のところにアオジが現れた。暗いので、かなりブレ気味の写真ばかり。またヤマガラの声がした。カエデの木を見上げるようなヤマガラのポーズは、まさに紅葉狩りといった風情。

今度は、メジロの声がした。カエデの葉の間に見え隠れしているが、陽の光があたって、まだら模様になってしまう。ようやく全身に光があたった位置に現れた。青空の日の写真は、光線が強いとなかなか難しい。

2008/11/29 久しぶりね!

トモエガモ

東京近郊の紅葉も、終盤戦。暖かな日差しに誘われて、久しぶりに都市公園に向かった。公園の池には、今年もカモたちが飛来し、のどかな光景を見せてくれた。

最初に出会ったのが、キンクロハジロ。房状の冠羽が、何とも微笑ましくて、キンクロハジロを見ていると、心が和んでくる。一番多く見かけたのが、オナガガモ。続いてヒドリガモ。ヒドリガモの雌は、可愛らしくて大好きだ。ハシビロガモもちらほら見かけた。

湖面に真っ赤な紅葉が映っているところがあり、そこを通るカモたちを撮影しようと思ったが、なかなか思うようにはいかない。やっとヒドリガモが通過した。急いでシャッターを切る。

湖面を横切るように現れたのは、懐かしいトモエガモの雌。昨シーズン、余程この公園が気に入ったのか、なかなか旅立たず、地元の方は、ハラハラしたという。そのトモエガモ(♀)が、今シーズンも、姿を見せてくれた。この公園にたどり着くまで、どんな旅をしてきたのだろう。昨シーズンは、幼さが残っていたが、ずいぶん成長し、大人びたような感じがする。今シーズンも、この公園を訪れる人たちを楽しませてくれることだろう。

2008/11/28 田園の狩人

オオタカ

朝のひととき、久しぶりに向かった田んぼ。晩秋の田園風景は、ちょっぴり寂しい感じがする。青空が見えれば、また雰囲気も違ってくるのだが、その日は、午後から下り坂になるという日だった。

暑い最中には、シギたちの姿が、ちらほら見られた田んぼ。稲穂が黄金色に輝いていた頃には、セッカやキジ、カワラヒワなどとの出会い。今は、ずいぶん静かな佇まいを見せている。

ようやく3枚先の田んぼにタゲリの群れが見えてきた。ちょっと距離があるので、少しずつ近づいていく。タゲリのいる田んぼの手前の白い杭に何やら黒いものが見える。ファインダー越しに見ると、オオタカだった。

タゲリとオオタカの距離は、そんなに離れていないように見えるけれど、一体どうなっているのだろう?オオタカは、コサギを狙ったりするけれど、タゲリは、好みではないのかしら?何とも不思議な田園風景だった。

2008/11/27 手賀沼の人気者

ホオジロカンムリヅル

今日は、氷雨の降る一日となった。10日前の小雨の降る暗い朝、手賀沼周辺の田んぼでホオジロカンムリヅルに出会った。7月末に手賀沼周辺の田んぼに現れてから、近辺の市町村を表敬訪問していたようであるが、ここしばらく手賀沼公園付近で姿が確認されている。

先日、TVや新聞で報道されてから、ホオジロカンムリヅルを見る人で、ちょっとした賑わいをみせている。このホオジロカンムリヅルとは、別に、茂原のひめはるの里から逃げ出した個体も千葉県内で確認されているそうだ。その違いは、手賀沼の固体は、頬の白斑の下端にピンク色をした部分があり、茂原の固体は、頬の白斑が、下端まで真っ白とのことである。

後姿の頭の部分が、光背のようだと思ってカメラに収めたのであるが、その日、ご一緒させていただいたT氏も同じお考えだったようで、「正面から見ると光背のようですね。」とおっしゃっておられた。

篭脱けとの噂であるが、その姿は、なかなか美しく、いろいろな夢を見させてくれ、人気を呼んでいる。

2008/11/26 晩秋の田んぼ

タゲリ

今シーズン、タゲリに出会う機会は、何回かあった。まず最初にハス田にいる2羽のタゲリに出会った。数日後、ハス田の上空を飛ぶ、200羽近い数の、タゲリの群れを見た。

手賀沼周辺でも、タゲリが見られるようになってきた。田起こしした後の田んぼに、30羽ほどのタゲリが群れ、時折、美しい飛翔の姿を見せてくれる。

昨日、稲敷方面に出かけた折、田んぼにいる、たくさんのタゲリの姿を見ることが出来た。田んぼには、二番穂が、まだ青々としていて、晩秋の日差しを浴びて、光沢のあるタゲリの羽が、一際、輝いて見えた。

これから寒さに向かって、澄み渡った青空に、タゲリの群れ飛ぶ姿が、楽しみである。

2008/11/25 本埜村のハクチョウ

アメリカコハクチョウ

ハクチョウの飛来地である本埜村に、10月末から、数回訪れたのだが、なかなか出会えず、今日、やっとコハクチョウ、オオハクチョウの姿を間近に見ることが出来た。

現地に到着したのが、7時をまわったころ。その時点では、30羽ほどのコハクチョウたちの姿が、水田の中に見えた。今日の目的のひとつは、アメリカコハクチョウを見ることであった。その30羽ほどの群れの中には、アメリカコハクチョウの姿は見当たらず、しばらく待った。

ほどなく30羽ほどのハクチョウの群れが鳴き声と共に朝日の中に姿を現し、旋回してから着水した。その中に、お目当てのアメリカコハクチョウの姿があった。嘴の黄色部が少なくて、すぐにそれとわかった。今まで、これほど近くで、アメリカコハクチョウの姿を見る機会がなかったので、嬉しい出会いだ。

しばらくすると、また30羽ほどのハクチョウの群れが、鳴き声と共に大空を舞い、着水した。例年、この水田には、ひしめき合うようにコハクチョウやオオハクチョウの姿が見られたのだが、今シーズンは、100羽前後という。やはり温暖化の影響で、中継地で留まり、ハクチョウ飛来地の本埜村までは、飛んでこないようだ。今シーズンは、例年と違い、朝、塒から採餌場である水田に飛来し、夕方になると、また、塒に戻っていくという。

今日、観察できたアメリカコハクチョウは、真っ黒な嘴に、わずかに黄色が見える固体と、黄色部が、点状にはっきりわかる固体の2固体である。観察時間は、1時間弱であったが、ゆっくり楽しむことが出来た。

2008/11/24 手賀沼遊歩道

手賀沼遊歩道

午後からは、下り坂になるとの予報で、今週は、はっきりしないお天気が続きそうである。雨の降り出す前にと思って、久しぶりに手賀沼遊歩道を歩いた。この道は、思い出多い道。懐かしさが込み上げてくる道だ。初めてコブハクチョウに出会ったのも、この遊歩道だ。

歩き始めてすぐにオオジュリンの声を聞いた。手賀沼沿いの葦原に見え隠れしている。しかし、オオジュリンのほんの一部が、ごくごくたまに見えるくらいで、撮影は困難である。諦めてさらに歩を進めると、草むらの中からキジ(♀)が、姿を現し、すぐに奥の草むらの中に消えた。前方の葦原に見えるのは、カシラダカ。今シーズン、初めての出会いだ。

遊歩道を横切るように、綺麗なアオジが飛んだ。葦原からは、ウグイスの地鳴きが聞こえてくる。どこからかツグミの声も聞こえてくる。ギィーとコゲラの声がした。すっかり葉の落ちた木を見上げると、2羽のコゲラが忙しそうに動き回っている。

高い木の上から農園の方に向かって飛んだのは、モズ。手賀沼の湖面に見えるのは、オオバン、カイツブリ、カンムリカイツブリ、コガモ、オナガガモ、ユリカモメ、カワウ、コブハクチョウ、コサギなどである。

最初にオオジュリンの声を聞いたところに戻ってみると、エナガの群れが、忙しく飛び回っているのが見えた。葦原に入ったエナガは、いつもと違う雰囲気で楽しませてくれた。

「手賀沼遊歩道」。この道は、思い出多い道。

2008/11/23 今年も会えた!

アトリ

東京近郊の公園では、今、紅葉や黄葉が見頃で、もみじ祭りやいちょう祭りなどのイベントが開かれているところが多いと聞いている。真っ赤に色づいたカエデに、メジロやシジュウカラでもとまってくれたら嬉しいのだが。そう願いながらいそいそと鳥見に出かけた。

久しぶりの公園では、予想以上に木々が紅葉し、心が弾んでくる。しかし、しばらく待ってみたのだが、鳥の声が聞こえてこない。

親切な方が、声をかけてくださって、「少し歩けば、アトリの群れが見られますよ。」と教えてくださった。辺りの木々を見ながら、歩いてみると、松の木にアトリとカワラヒワの姿が見え隠れしている。アトリの飛んだ方向に行ってみると数人のカメラマンの姿が見えた。お仲間に入れていただき、しばらく待つと、アトリの群れが飛んできた。

今シーズン、アトリの群れのたよりを耳にしながらも、なかなか出会いがなかっただけに、嬉しい出会いだ。しかし込み入った小枝の中で、写真は、難しい。アトリを待っている間に、アオジ、シメ、ジョウビタキ(♀)も姿を見せてくれた。「フィーフィー」とウソの声も間近で聞こえた。冬鳥が、少しずつ姿を見せ始めたようだ。

短時間ながらも、アトリの群れを間近に見ることが出来、楽しいひとときを過ごすことが出来た。

2008/11/22 晩秋の北海道 その3

晩秋の北海道 その3

3日目は、4時起床、5時出発。釧路のホテルを出て、鶴居村へと向かった。気象条件が整えば、タンチョウの白い息が、撮影出来るという。この時期限定のものとのこと。期待して待ったのだが、この日は、霜が降りるほどの寒さではなかった。それにタンチョウの親子1組が、縄張り意識があるらしく、他のタンチョウを寄せ付けない。何とも呆気ない幕切れとなった。

次に向かったのがシラルトル湖。たくさんのヒシクイを見ることが出来た。しかし、このヒシクイ、いつまでここにいるのだろう?早く本州に渡らなくて良いのかなと心配になってきた。ここでは、山並みを背景に飛ぶオジロワシの姿も見ることが出来た。

続いて回ったのが、屈斜路湖。たくさんのオオハクチョウが飛来していた。私たちのすぐ後に、観光バスが到着すると、オオハクチョウが、観光客に近づいていく。遠くの山並みは綺麗だし、申し分のない光景なのだが、あまりに人馴れしたオオハクチョウの姿には、ちょっと抵抗があった。ここは、マガモもたくさんいて、ゆったり泳いでいたが、突然一斉に飛び立った。オジロワシが一瞬、通過したのだった。

和琴半島にも回った。ここでは、忙しく動き回るゴジュウカラ、ハシブトガラを見ることが出来た。キバシリも一瞬だったが、姿を見たし、ウソの鳴き声も聞いた。以前、2月に訪れたことがあったが、あの時と少しも変わりなく美しい山並みを見ることが出来た。

最後の目的地で、嬉しい出会いが待っていた。長い間、ずっと夢見ていたエゾフクロウ2羽との出会いだ。エゾフクロウ2羽の姿が、私の視界に入ったとき、その神々しさに息を呑み、一瞬、立ちすくんでしまった。今まで、いろいろな鳥たちとの出会いがあったが、これほど心を打つ出会いは、今までなかった。静かな林の中で、私は、体を固くして、エゾフクロウを見つめていた。

2泊3日の道東の旅は、終わった。旅の間、絶えず熱心に心温まるガイドをしてくださったN氏、ご一緒させていただいた皆様、折々にお世話になった地元の皆様に心から感謝し、厚くお礼申し上げます。

2008/11/21 晩秋の北海道 その2

晩秋の北海道 その2

夜半から降り出した雨は、朝になっても降りやまず、2階の部屋から見ると、雨の河原にカワガラスの姿が見えた。天気予報では、晴れるとのこと。期待しながら2日目の出発である。

今日も野付半島へ向かう。雨の中、最初に出会ったのは、シノリガモである。テトラポットの近くを泳いだり、上にあがったり、間近に観察する機会を持てたことは嬉しかった。昨日、オオワシの姿を見たところには、その姿はなかった。遠くに黒い塊になって島のように見えていたのは、コクガンの群れであった。その数、100羽は、優に超えるであろう。

しばらく車を走らせると、小鳥の群れが飛んで行くのが見えた。「ハギマシコ!」咄嗟にそう思った。昨日、ネイチャー・センターの方のお話では、ハギマシコの群れが見られているとのことだった。その群れが留まるところを見届けて、撮影となったのだが、暗いし、遠いし、色が出ず、写真とは言えない状態のものとなった。これがユキホオジロだったら諦めきれない。

クロガモは、何回か見る機会があった。1羽の雌のクロガモを12羽の雄のクロガモが、取り囲むようにして泳いでいたのは、一番印象深い光景である。あの哀愁を帯びたクロガモの声も、心に染み入るようで旅情をかき立てるものがあった。

遠くの枯れ木に2羽のオジロワシがとまっている。程よい位置に車を止めてくださったので、撮影する機会に恵まれた。朝、あれほど暗かった空が、いつの間にか青空になり、嬉しい撮影となった。

この日、アビ、オオハム、コオリガモ、ビロードキンクロなど、何回か観察する機会はあったのだが、撮影するには至らなかった。波打ち際で、1羽ポツンと採餌していたムナグロは、全く人を警戒する気配がなく、よほど空腹であったのだろう。

海の鳥たちを見た後、思いがけない出会いが待っていた。「シロハヤブサ!」N氏が叫んだ。「どこですか?」とのんびり尋ねると「電柱の上!」との返事。なるほどなるほど確かに電柱の上に、何か鳥がいる。頭頂部が白い。昨日、ネイチャー・センターの方が、シロハヤブサが入っているというビッグ・ニュースを教えてくださったが、まさか会えるとは。生憎、前方から車が来て、飛んでしまった。何とか撮影しようと思ったが、逆光の方に飛んで行く。遠くの電柱にとまったが、すぐにカラスに追われ、今度は、遠い遠いマストの上。夕日を浴びてシルエットのシロハヤブサも撮影した。

シロハヤブサとの思いがけない出会い。明日は、どんな出会いが待っているのだろう?

2008/11/20 晩秋の北海道 その1

晩秋の北海道 その1

11/17〜11/19まで北の大地を訪れ、冬の準備に入りつつある道東の風景を楽しんできた。しばらく体調が不安定で、心配はあったのだが、旅に出て新たな力を補給出来たような気がする。

初日の最初の出会いは、タンチョウの親子であった。雪景色の中でのタンチョウの姿しか見たことのない私には、緑の草地での親子の姿は、鮮烈であった。続いて森林公園では、カラ類、キクイタダキ、アカゲラ、ミヤマカケスなどを観察、野付半島へと向かった。

海岸沿いに走ると、たくさんのオオハクチョウの姿が見えてきた。オオハクチョウの奥の枯れ木には、オオワシがとまっている。北海道ならではの風景である。さらに進むと今度は、コクガンの群れに出会った。遠くにいるコクガンを含めれば、かなりの数のコクガンである。ネイチャー・センターの方のお話では、結氷するまで、この地で姿が見られるという。

初日の宿は、シマフクロウの観察できる宿である。到着と同時に慌しく撮影準備。準備の間に早くもシマフクロウが現れた。夕食を手早く済ませ、シマフクロウの現れるのを待つ。今年は、雛の誕生がなかったとのこと。最初に現れたのは、昨年生まれの若鳥であった。今回持参したレンズは、400mmの単焦点のみ。ちょっと近すぎるかなという贅沢な悩みとなった。そのシマフクロウが、暗いところの枯れ木に、しばらくとまっていたが、すぐ近くにシカが2頭現れ、何とも夢見るような光景を見ることが出来た。暗すぎて撮影は、もちろん無理であるが、そのシーンは、忘れ難い思い出となった。今回、感動したのは、シマフクロウの鳴き交わす声である。暗闇の中から聞こえてくるその声は、神秘的で体の奥深くまで響き渡るようだった。

2008/11/19 菜の花スズメ

スズメ

近頃、スズメに会う機会が多い。それも少数のスズメではなくて、相当数の群れである。あまりにも身近過ぎて、レンズを向ける機会の少なかったスズメだが、スズメをモチーフとして写真をと考えたとき、その難しさに今、興味をそそられている。

どこでも、いつでも、だれでも見られる鳥、スズメ。雀の学校とか雀のお宿とか雀の歌は、いくつかあるが、今の季節にスズメに出会って私がイメージする曲は、「里の秋」である。

♪静かな 静かな 里の秋
  お背戸に木の実の 落ちる夜は
  ああ 母さんとただ二人
  栗の実 煮てます いろりばた  (斎藤信夫作詞)

スズメに出会って心が和み、「里の秋」を歌ってほっと出来る。 季節はずれの菜の花スズメ。里の秋に出会ったひとこまである。

2008/11/18 本音

ホオジロ

ホオジロ。漢字では、頬白と書く。頬が白いからホオジロとの説がある。一体、鳥の頬とは、どの部分を指しているのだろう。どうやら目の下を指しているらしい。ホオアカは、白い頬線の内側が赤いので頬赤なのだそうである。

ホオジロは、大きさも羽の色もスズメにも似ているので「山スズメ」の別名もあるそうだ。遠くにいる鳥を見て「あっ!ホオジロ」と思ってレンズを向けたら、実際はスズメだったら、がっかりする。反対に、「あっ!スズメ」と思ったら、実際にはホオジロだったとき、嬉しくなる。ホオアカだったら、もっと嬉しくなる。

スズメには、申し訳ないけれど、それが正直な気持ちである。

2008/11/17 枯枝に・・・・・・・

ハシブトガラス

私が、初めてカラスにレンズを向けたのは、明治神宮である。カラスの行水という言葉があるが、そのとき、カラスが水浴びをしていた。近くには、シメの姿があったのだが、あのときのカラスは、何かほのぼのとした雰囲気を感じさせてくれ、シメよりも印象深く、心に残っている。

今の時期、ミヤマガラスやコクマルガラスが話題になるが、嫌われ者のハシブトガラスやハシボソガラスも、時には、なかなかの役者ぶりを発揮してくれる。枯れ枝に止まったハシブトガラス。ふと芭蕉の句を思い起こさせてくれた。

 枯枝に からすのとまりけり 秋の暮  (芭蕉)

2008/11/16 ハス田の出会い

ヨーロッパトウネン

ハス田は、これから越冬のシギたちを観察できる楽しみがある。迷鳥オオキアシシギを観察したのは、鳥に関心を持って、初めての冬だった。シギ・チとは、一体何なの?というくらい、何もわからなかった。あのとき出会ったシギたちで、覚えているのは、オオハシシギ、タカブシギ、ハマシギである。

そのオオハシシギに今シーズンも出会えたと思うと、ほっとする。初めてオオハシシギを見たときの、あの顔が、目に焼きついているので、オオハシシギには、特別の親しみがある。

ハス田で、オオハシシギやエリマキシギ、ハマシギなどを観察していると、1羽のトウネンらしい固体が目に付いた。もしかしたら、このハス田で観察されているというヨーロッパトウネンかもしれない。初見初撮りとなるので、少々あせってしまい、観察よりも撮影が先行してしまった。

シギ・チに精通されている方のお話では、歩き方が違うとのこと。次回は、もっと注意深く観察しようと反省している。

2008/11/15 あっ!飛んだ

ムラサキサギ

葦原の上空を飛んでいるのは、チュウヒ。久しぶりの出会いだ。時々、葦原に入って、また飛び立っている。葦原のすぐ近くには、アオサギが、たくさん集まって、何やらミーティングでもしているような雰囲気。そのうちの何羽かが、飛び立って葦原の上をすれすれに飛ぶ。

葦原に何やら小鳥が飛んできた。ファインダーを覗いてみると、モズだ。遠くの水溜りでは、チュウヒが水浴びをしている。しばらく葦原の付近を観察し、引き上げようと思ったとき、見慣れない鳥が飛んだ。ムラサキサギの幼鳥だ。今年の春、石垣島で出会ったのは、ムラサキサギの成鳥だった。

葦原の中から飛び立って、すぐまた、葦原に入ってしまう。ほんの一瞬だったけれど、嬉しい出会いだった。

2008/11/14 ハス田のひとこま

タカブシギ

所用を済ませてから、稲敷方面に向かった。うす曇という感じだったが、だんだん青空が見えてきた。ハス田に到着する頃には、気温も上がり、鳥見日和という感じになってきた。

ハス田を見渡すと、オオハシシギ、エリマキシギ、タカブシギ、ハマシギ、タゲリなどの姿が見える。タゲリが3羽休息していて、ときどきミャーミャー鳴きながら飛んで、また同じところに戻ってくる。赤い脚のエリマキシギを探したが、なかなか見つからない。どうもオオハシシギの後ろで、休んでいたようだ。やっと赤い脚が見えたと思ったら、また、姿が見えなくなってしまった。

上空をタゲリの群れが飛んだ。その数、およそ200羽。あまりの数の多さに一瞬、驚いた。

タカブシギは、すぐ近くまでやってきて、熱心に採餌している。いつもは、あまり綺麗でないハス田も、青空が映って、今日は、水面が綺麗だ。

今日も暖かくて、外で過ごすのは快適。寒いのが苦手な私は、太陽に感謝、感謝の一日だった。

2008/11/13 束の間の出会い

ジョウビタキ

久しぶりに太陽が顔を出し、暖かな一日となった。街路樹の桜も欅も綺麗に紅葉し、秋の日差しを浴びて一層美しく見える。

朝の光が、わずかに差し込んで、静まりかえった林の中を、ドングリを踏みながら歩いて行く。出来るだけ踏まないようにと思うけれど、あまりにたくさんドングリが落ちていて、踏まないでは、前に進めない。ドングリは、オシドリやトモエガモが大好物だったと思いながら。

水場には、先客があった。しかし鳥の声はせず、しばらく待ってようやくヤマガラ、カワラヒワ、シジュウカラ、アオジの姿を見ることができた。少しずつカメラマンの姿が増えてきたので、その場を辞し、田んぼに向かった。

田んぼでは、タヒバリの姿をたくさん見ることが出来た。土の色と同化して、なかなか見つけにくいが、尾を振り振り動き回っている姿は、先日、松林で出会ったビンズイそっくりである。

例年、アカハラとの出会いを楽しみにしている公園にも回ってみたが、声を聞くこともなかった。しかし、ジョウビタキが、鳴き声と共に目の前に現れ、ほんの一瞬であったが、束の間の出会いを楽しむことが出来た。

秋から冬へ、少しずつ少しずつ、変わりつつある。木々の色も、鳥たちの動きも。

2008/11/12 折々の出会い

ホシハジロ

水鳥の姿が、少しずつ増えてきているようだ。昨日、今シーズン初めてホシハジロに出会った。鳥に関心を持って初めての冬、北浦でオオホシハジロの雌雄に出会ったのは、夢のような思い出である。あの頃、ホシハジロもスズガモも何もかもが、私にとっては珍鳥であった。オオホシハジロが、それほどの大物であるとは知らず、地元の方に教えていただいて、カメラに収めたのだが、その翌年からは、姿を見せなくなったそうだ。

ホシハジロには出会う機会は、ずいぶんあるが、オオホシハジロには、なかなか出会えないようである。その折々の出会いを大切にしたいと思う昨今である。

2008/11/11 少ない冬鳥

モズ

鳥が少ないと感じるのは、私だけだろうか?まず例年、10月末には必ず飛来していたコハクチョウの姿がない。昨日、上空を飛ぶ3羽のハクチョウを見たが、コブハクチョウではなかったので、多分コハクチョウと思われる。あの3羽は、どこに飛んでいったのだろう。コハクチョウたちが、編隊を組んで千葉県まで飛んでくる必要がなくなったのだろうか。

馴染みの公園も、聞こえてくるのは、シジュウカラ、メジロ、エナガ、モズ、カワセミといったところ。冬鳥らしい声は、シメくらいだ。松林のある公園では、たくさんのビンズイを見たしアオジの声もたくさん聞いた。一瞬、トラツグミの声も聞いた。何箇所かの公園を回れば、それなりの出会いはあるようだが、それにしても寂しい。

公園でやっと出会えたモズが、「冬鳥さ〜ん、待ってるよ。」と叫んでいるかのように見えた。。

2008/11/10 寒い日

チョウゲンボウ

今日も一日寒かった。立冬も過ぎて、本格的な寒さになってきたのだろうか。田んぼを回ってみると、アオサギが3羽、身を縮めていかにも寒そうに見える。田起こししたところにタヒバリが数羽。トビは悠々と飛んでいる。昨日、スズメが群れていたところに行ってみると、今日も、たくさん群れている。大きく二つの群れがあるようだ。それぞれ100羽以上の群れである。

左手の方を飛んだ猛禽は、チョウゲンボウ。行く先を目で追うと電柱にとまった。少しずつ接近していった。このチョウゲンボウ、実に堂々としていて、近づいても平然としている。羽繕いまで始めた。飛び立ってくれれば、撮影はそこまでにしようと思ったのだが、なかなか飛び立ってくれない。こちらの姿が、全身見えているはずなのに、全く関心がない様子。寒さでこちらが、根負けしてしまった。

チョウゲンボウ。流石猛禽。私には、手強い相手であった。

2008/11/9 群れ

スズメ

今日も、雲が厚くはっきりしない一日だった。この暗さでは、林の中や、ちょっと樹木の込み入った公園では、撮影は無理と思い、近くの田んぼを回ってみることにした。

今日は、暗さと寒さと鳥の少なさと三拍子揃ってしまい、結果としては、スズメの群れを中心に撮影することとなった。スズメは、どこでも見かける鳥だが、そのスズメを際立たせる写真が、いかに難しいか今日の撮影で実感した。

まずスズメに近づくこと自体が難しい。1羽だけならともかく、複数のスズメを撮影するとなると、それぞれ、好き勝手な方向を向いているので、思うようにはいかない。群れが飛び立った瞬間をと思ったけれど、今日は、シャッタースピードが上がらず、かなりぶれている。

たかがスズメ、されどスズメ。また近いうちにスズメさん、モデルになってください。

2008/11/8 手賀沼

コブハクチョウ

HP「九羽の白鳥」の原点は、手賀沼のコブハクチョウである。5年前の5月5日、手賀沼湖畔で出会った9羽のコブハクチョウに魅せられ、鳥たちの世界に大いに関心を持ち、撮影にも興味を持つようになった。

その手賀沼湖畔で、ジャパン・バード・フェスティバル(JBF)2008が開催されている。初日の今日は、あいにくのお天気だったが、いつの間にか雨も上がり、遠方からもたくさんお見えになっていたようだ。

明日11月9日(日)は、9時30分〜15時までです。詳しくは、下記をご覧ください。

http://www.birdfesta.net/

2008/11/7 雨上がりの田んぼ

スズメ

雨も上がったので、久しぶりに田んぼと近くの林を見て回った。鳥たちとの出会いは、それなりにあったのだが、今日の出会いは、距離があり、観察するにとどまった。

田んぼでは、タヒバリ、カワラヒワ、スズメ、ドバトの群れ。トビ、ノスリ、アオサギ、ダイサギなど。たとえ、鳥たちに出会えなくても、田んぼの風景は、心安らぎ、開放感があって大好きだ。

続いて回った林では、青空に飛ぶマヒワの群れを見たが、高い高い松の木の中に入り込んで、姿が見えなくなってしまう。ヤマガラは、何度か見かけたし、アトリ、エナガも見た。松の木にとまったオオタカも見たのだが、距離があるのと、手前にある小枝が姿を遮って撮影は困難であった。

写真を撮らずに観察していると、鳥との距離があるのに、今までよりも鳥に一歩近づけたような気分になってきた。今日の出会いを大切にしよう。今日も感謝の一日だった。

2008/11/6 出会い

キセキレイ

こどもたちと触れ合う時間が長かったので、絵本には、とても関心がある。ちぎり絵で、何冊か絵本を作ったこともあった。手作りは、何か子供達にも伝わるものがあるらしく、既製のものとは、違った反応を示してくれるのが嬉しかった。

新聞を読んでいると「小さな本の大きな世界」の中で、詩人の長田 弘氏が書かれた、[わたしたちの世界は、誰の目にも見える世界だけでできているのではありません。目に見える世界と、隣りあう目には見えないもう一つの世界でできています。]という文章が目に留まった。さらに[目には見えないもう一つの世界を、絵本作者は「魂の世界」とよびます。]と続いている。

「見えないもう一つの世界」。鳥たちとの出会いにも、何か共通するところがあるような気がしてならない。思いがけなく鳥たちに出会ったとき、不思議な気持ちになるのは、私だけなのだろうか。

2008/11/5 散歩道でのひとこま

メジロ

窓を開けると、メジロの声がずいぶん聞こえるようになってきた。今日は、遠くでジョウビタキの声もしている。急に思いついて、ご近所コースを歩いてみることにした。

最初に目に付いたのが、真っ赤に色づいたツタウルシ。一昨年、ここにマヒワやアトリが遊びに来てくれたことがある。自宅からあまりに近いところで出会ったマヒワやアトリは、殊更印象深く、忘れられない思い出になっている。

今まで、雑草がたくさん生えていたところには、いつの間にかコスモスが植えられ、薄いピンク、濃いピンク、白色の花をつけ、殺風景だったところに彩りを添えて嬉しい。

栗林の栗の木は、まだ青々とした葉をたくさんつけ、ポツンとひとつ栗の実がついていたのが、印象的だ。

短時間のご近所コース。自宅近くになって、また、メジロの声を聞いた。

2008/11/4 忙しそうね!

エナガ

ぶらりと出かけた近くの公園。いつの間にか、ケヤキが色づいてきている。ケヤキは、街路樹や都市公園などでも見かけることが多い。夏には、涼しい木陰を作ってくれるし、秋には、黄葉を楽しませてくれる。私の利用する最寄り駅の駅前にも1本の大きなケヤキの木があって、たくさんの利用客を温かく見守っているようかのように、堂々と枝を広げ、葉を茂らせている。

公園のケヤキを見上げていると、どこからかエナガの声が聞こえてくる。辺りを見渡してもエナガの姿はなく、声のする方角に、歩を進めると、モミジの中に入っていくエナガが目に入った。忙しく動き回るエナガを撮影しようと右往左往。背景に何とかケヤキの黄葉を入れたくて悪戦苦闘。

ほんのひとときだったけれど、色づいたケヤキに秋を感じ、エナガの動きに元気づけられた日だった。

2008/11/3 ハス田のタゲリ

タゲリ

先日、ケリに出会ったので、今度は、タゲリに会いたいと思っていたところ、昨日、ハス田にいるタゲリの姿を観察することが出来た。ハス田には、2羽のタゲリがいたが、私のいる位置から見ると逆光で、真っ黒。最初、それがタゲリとは、すぐには、わからなかった。

「飛ばないでね!」と念じながら移動したのだが、その願いが通じたのか、動かず、その場にいてくれた。そう言えば、初めてタゲリを間近に見たのも、このハス田であった。

ケリよりは、警戒心が薄いが、それでも間近でゆっくり観察できる機会は、なかなか少ないものである。

ここのところHPについて悩むことが多く、今日は、ずいぶん時間をかけて考えたのだが、自分の思いを伝える文章と写真が、思い浮かばない。

2008/11/2 ハス田のひとこま

エリマキシギ

久しぶりに稲敷方面に向かった。ほぼ1ヶ月前に、コアオアシシギの群れを見て以来である。あの頃、ハス田は、収穫の最中であった。まだ青々としたハスの葉も残っていたのだが、今は、ひっそりとして、シギたちを迎え入れる準備が出来ているようだ。

何箇所か回ってみたが、一番シギたちの姿を観察できたところでは、エリマキシギ、オオハシシギ、タカブシギ、ハマシギの姿を見ることが出来た。エリマキシギは、好きなシギのひとつで、今日の出会いは嬉しかった。とりわけ、脚の赤い綺麗な固体が目に付き、色々な仕草が観察できて、充実した時間を過ごすことが出来た。

帰路、立ち寄ったコハクチョウの飛来地、本埜村には、コハクチョウの姿はなく、アオサギが1羽、ポツンと佇んでいるだけであった。これも地球温暖化の影響であろうか?

2008/11/1 ケリリ ケリリ

ケリ

カレンダーを1枚めくると、新しい気分になる。霜月。空気が澄んで、心地よい。ひんやりとした風が、身を引き締めてくれる。

風は、冷たかったが、久しぶりに田んぼに向かった。小さな流れに沿って、釣り人が、数人、釣り糸を垂れている。突然、飛び立ったのは、ヒバリ。空高く舞い上がり、着地した。

風が吹いてススキが揺れる。ススキの奥に流れがあり、さらにその奥に田んぼが広がっている。二番穂は、まだ青々としている。その田んぼに、ケリの姿が見えた。何羽いるのだろう?警戒心の強い鳥なので、かなり距離をおいて観察する。

そのケリが、飛び立った。散歩中の人の気配に、敏感に反応したようだ。青空に飛ぶケリの姿は、美しい。しかし、逆光で写真は、難しい。

新しい月の一ページ目は、田んぼで出会ったケリに決まった。今度は、タゲリを探しに出かけてみよう。

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