タイトル:九羽の白鳥 とりどり日記

2020/11/1 ノビタキ Common Stonechat

ノビタキの画像

秋の渡りの頃になると楽しみにしているのが、ノビタキとの出会いである。広い田んぼのどこに姿を現すかノビタキの気分次第ということもあって、なかなか難しい。以前は、土手沿いの道で、かなり近くに見ることが出来たノビタキ。ここ数年、出会いは、なかなか難しい。

今季も出会いを期待して出掛けたが、2羽のノビタキが数分で姿を消してしまった。諦めて帰路についたとき、セイタカアワダチソウにちょこんと乗っているノビタキの姿が見えた。しかし、車で接近する前に、ストンと畑に降りてしまう。その先のセイタカアワダチソウにとまって、またストン。この繰り返しで、何とか一瞬、撮影出来たのが、このノビタキである。

来季も元気な姿を見せて欲しいものである。

2020/11/2 オジロトウネン Temminck's Stint

オジロトウネンの画像

田んぼに飛来するシギチに関心を持って何年になるだろうか。幸い、渡りの中継地となっている蓮田地帯が身近なところにあり、今までずいぶん足を運んで来た。車で1時間半の距離なので、決して近いとは言えないが、道中の田園地帯をゆっくり眺めながら目的地に向かうのは、何とも楽しいことである。

今季、オジロトウネンとの出会いの機会は多かった。近かったり遠かったり、その折々に出会いの形は、様々であるが、これほどオジロトウネンとの出会いの機会に恵まれたことは、今までなかったように思う。

これから寒さに向かうが、オジロトウネンは、越冬してくれるだろうか。楽しみなことである。

2020/11/3 オグロシギ Black-tailed Godwit

オグロシギの画像

秋の渡りのシギチに会いたくて何度も足を運んだ蓮田地帯。一番印象に残っているのは、先月初めに訪れた日、たくさんのシギチが出迎えてくれたシーンの数々である。その中でも、特にオグロシギとの出会いが深く心に残っている。

短時間の滞在であったにもかかわらず、オグロシギは、様々なシーンを展開して楽しませてくれた。飛翔のシーンも様々であったが、羽繕いもゆったりと披露してくれた。秋の渡りを実感させてくれるオグロシギ。ゆっくりとその姿を楽しませてくれたことに大いに感謝している次第である。

2020/11/4 モズ Bull-headed Shrike

モズの画像

朝夕は、かなり気温が下がり、肌寒さを感じることが多くなって来た。木々の紅葉も進み、渡り途中に近郊の公園に立ち寄る鳥たちの姿を見る機会もほとんどないに等しい。

そのような状況であっても、何か出会いはないものかと期待して久しぶりに近くの公園に足を運んでみた。もうずいぶん公園を訪れることがなかったので、あまりにも様変わりして驚くばかりであった。

やはり鳥影はないなあとガッカリして少し歩くと、さっと飛んで来て桜の木に止まった鳥がいる。モズであった。右を向いたり、左を向いたり、ずいぶんゆっくりして辺りの様子をうかがっている。お陰で良いモデルに恵まれひととき楽しむことが出来たのである。

2020/11/5 コアオアシシギ Marsh Sandpiper

コアオアシシギの画像

先月の初め、ちょうど1ヶ月前のことになる。秋の渡りのシギチに会いたくて訪れた蓮田地帯。いつもは、ひっそりしている蓮田だが、遠目にもカメラマンの姿が多い。タイミング良く知り合いに出会い、状況を詳しく教えて頂いた。オグロシギを筆頭に多彩な顔ぶれだという。

ゆっくりと蓮田に近づいていくと遠くにアオアシシギとコアオアシシギ。手前には、ウズラシギの姿が見える。オグロシギは、隣の蓮田に飛んだばかりだという。アオアシシギ、コアオアシシギ、ウズラシギを撮影し、隣の蓮田に向かう。

そこには、オグロシギ、ツルシギ、アカアシシギ、コアオアシシギの姿が見えた。一度にたくさんのシギの姿を見、どれから撮影しようかと迷うほどであった。遠慮がちに見えるコアオアシシギの姿が妙に目について、レンズを向けることが多かったように思う。

2020/11/6 ツルシギ Spotted Redshank

ツルシギの画像

春の渡りにしても秋の渡りにしても、出会いを楽しみにしているのが、ツルシギである。春の渡りでは、真っ黒な夏羽になるまで滞在し、その姿をじっくり観察させて欲しいと願っているが、昨今は、めっきりその機会が少なくなってしまった。何とも寂しく残念なことである。

秋の渡りで出会うのは、ほとんど幼鳥である。今季も2回、出会いの機会に恵まれた。シックな装いが印象的なツルシギ。昨年は、越冬してくれたが、今季はどうだろうか。ゆっくり楽しみたいものである。

2020/11/7 セイタカシギ Black-winged Stilt

セイタカシギの画像

ひと頃賑わっていた蓮田も、すっかり静かになり、全くシギチの姿を見かけなくなってしまった蓮田もあって、何とも寂しい限りである。この蓮田には、もうシギチは、入らないのかなあと残念な思いで、広々とした蓮田を見渡すと遠くに何やらシギらしい姿が見える。双眼鏡でどうやらセイタカシギらしいというところまで分かった。写真を撮るには、少々難しい。観察出来ただけでも良しとしなければと思った途端、飛び立った。

何と頭上を越えて、向かい側の蓮田に移ったのである。何とも嬉しい限り。その蓮田には、緑の蓮の葉も、まだ残っていて、何より、距離が近くなった。これならば、撮影出来るとレンズを向けた次第である。思いがけない嬉しい出会いであった。

2020/11/8 ヨーロッパトウネン Little Stint

ヨーロッパトウネンの画像

秋の渡りの最盛期に、たくさんのシギチで賑わっていた蓮田は、ひっそりしてしまった。すでに越冬組と思われるオオハシシギなども到着している様子なので、別の蓮田を覗いて見ることにした。

あまり期待はしていなかったのだが、何とたくさんのシギチが集まっている。その中で、目についたのが、今季初めての出会いのハマシギである。寒さを迎えれば、ハマシギは、数を増す。数年前までは、蓮田を埋め尽くすほどであった。そのハマシギの前にちょこんと仲良く並んでいるのは、トウネンだろうか。帰宅後、PCに取り込み精査することにして、写真を撮ってみた。

嘴もほっそりしている。足もトウネンとは違う。詳しい方にお尋ねするとヨーロッパトウネンで良いとのこと。今季初めて。何とも嬉しい出会いであった。

2020/11/9 タゲリ Northern Lapwing

タゲリの画像

秋の渡りのシギチとの出会いが終わって、何とも寂しい蓮田地帯。それでも未練がましく、時折、田んぼに足を運ぶ。秋の渡りの後は、越冬組のシギチとの出会いが待っているはず。そんな思いで出かけた蓮田近くの田んぼで、タゲリ30羽ほどの群れに出会った。

二番穂の陰になっていて少々発見が遅れたので、かなり近くにいたのだが、飛ばれてしまった。それでも数羽は、かなり近くに姿を見せてくれて今季初めての出会いを楽しむことが出来たのである。この冬、タゲリとの出会いをしばしば楽しむことが出来るだろうか。構造色の輝きが魅力的なタゲリ。次回の出会いが楽しみである。

2020/11/10 トビ Black Kite

トビの画像

真っ白な花が一面に咲いていたソバ畑。その後の様子が気になり、また出掛けてみた。前回は、実がつき始めていたが、今回は、さらに全体に黒い実が目立って、白いお花は、わずかに残っているだけであった。お花がないので、チョウの姿も寂しいものでモンシロチョウとキタキチョウを見かけたのみであった。

少々がっかりして近くの田んぼを見て回ると、まだ収穫の済んでいない稲田もいくつかあって驚いた。その稲田では、ノシメトンボが飛び回っていた。近くの空き地にある杭に褐色の塊が見え、何か猛禽かな?と思ってファインダーを覗くとトビであった。まだ幼さを感じ、警戒心も薄く、ゆったりと寛いでいる雰囲気であった。鳥との出会いの少ない折にトビとの出会いも嬉しいものである。

2020/11/11 ウズラシギ Sharp-tailed Sandpiper

ウズラシギの画像

秋の渡りも一段落。蓮田でのシギたちとの出会いも少なくなって来ている。あまり期待もせずに出掛けた蓮田で、待っていてくれたのは、2羽のウズラシギである。1ヶ月ほど前、別の蓮田で、5羽のウズラシギに出会ったが、距離があり、出会いの実感があまり湧かなかった。しかし、今回は、何と目の前まで近づいて来てくれて何ともフレンドリーなウズラシギに大感激のひとときを過すことが出来たのだった。

最初は、蓮田の奥の方にいて、ウズラシギと分かるまでには、少々時間がかかったのだが、いつの間にか、すぐ近くまで来て、ゆったりと採餌する姿を見せてくれたのである。ウズラシギは、可愛い赤茶色のベレー帽をかぶり、羽模様も美しく大好きである。今度は、いつ会えるだろうか。またの出会いが楽しみである。

2020/11/12 ノスリ Common Buzzard

ノスリの画像

秋の深まりを感じる季節を迎え、田んぼで出会いを楽しみにしているのがノスリである。10月の半ば頃にノスリが飛来していると教えて頂いたが、なかなか機会がなかった。田んぼで出会う鳥たちも数年前に比べれば、かなり減っていてスズメやカワラヒワに出会う機会も少なくなってしまった。何とも残念である。

この日回った田んぼでは、ヒバリが鳴きながら舞い上がっている姿を数カ所で見かけたが、後は、カラスやサギの姿もなく寂しい限りであった。そろそろ帰路に着こうと思った時、杭にとまる猛禽らしい姿を見つけた。もしかしてノスリかな?そう思ってファインダーを覗くと、予想的中。今季初見のノスリであった。

2020/11/13 オオタカ Northern Goshawk

オオタカの画像

二番穂の伸びた田んぼが、あちこちに目につくが、まだ収穫の済んでいない田んぼもあって、小麦色を通り越して、かなり日焼けした色になっている。早いところでは、8月の半ば頃に収穫を始めるので、ずいぶん収穫の時期にばらつきがあり、驚いている。

シギチとの出会いを期待して田園地帯に足を運ぶことが多いが、最盛期を過ぎ、流石に出会いが少ない。しかし、タカブシギだけは、あちこちで見かけるので、それだけでもホッとしている。いくつかの田んぼや蓮田を見て回り、そろそろ帰宅しようと思ったとき、目に入ったのが、猛禽であった。最初、ノスリかと思い、次には、もしかしてハイイロチュウヒかもしれないと思ったりドキドキしながらレンズを向けた。

ファインダーを覗いてみると、オオタカであった。出会いの機会が少ないので、緊張しながらシャッターを押した。思いがけない嬉しい出会いであった。

2020/11/14 ハマシギ Dunlin

ハマシギの画像

寒さを迎える頃になると蓮田にもハマシギが姿を見せるようになる。ハマシギは、干潟で出会うことが多いが、私は、あまり歩けないので、干潟とは遠ざかっている。それ故、蓮田でハマシギに会うのは、楽しみである。秋の渡りの頃も、ごく少数のハマシギが姿を見せていたようだが、私は見る機会がなかった。

今回、越冬のシギチが入る蓮田で、ハマシギに出会った。数は少なかったが、寒さが増せば、更に数を増やすことであろう。近くには、数羽のオオハシシギと1羽のヨーロッパトウネンがいて、のどかな光景を見せてくれたのである。手前にヨーロッパトウネンがいるとハマシギが巨人のように見えて、何ともユーモラスで楽しかった。久しぶりのハマシギとの出会い。心に残るひとこまであった。

2020/11/15 オオハシシギ Long-billed Dowitcher

オオハシシギの画像

秋の渡りの頃にも見かけたオオハシシギであるが、秋が深まると越冬組のオオハシシギが群れで姿を見せるようになる。今季も、10羽近いオオハシシギが姿を見せていると聞いていたが、なかなかタイミングが合わなかった。あまり期待しないで出掛けた蓮田地帯で、久しぶりにオオハシシギの群れを見た。この日、12羽いたようである。

朝の光が蓮田を照らし、角度によっては、なかなか思うように撮影出来ないのだが、何とかオオハシシギと分かる位置に立って、レンズを向けることにした。群れを撮るのは、なかなか難しい。それぞれが思い思いの仕草をしているので、単独のオオハシシギに焦点をあてて撮ってみた。

この冬、オオハシシギは、越冬してくれるだろうか。楽しみである。

2020/11/16 セイタカシギ Black-winged Stilt

セイタカシギの画像

暗くて今にも雨が降りそうな空模様だった。蓮田地帯が近づくほどに、空模様が怪しくなり、ポツリポツリと雨が落ち始めて来た。見通しが悪いなあと思いながら、蓮田地帯を目指す。今まで、あまりシギに出会ったことのない蓮田で鳥影を見た。近づいてみれば、セイタカシギである。ずいぶん足が長いなあと感心しながら、レンズを向けた。

細かい雨が降り始めていたが、セイタカシギは、ゆったりと採餌を続け、こちらの気配には、無関心のようであった。改めてセイタカシギの足の長さに感心したひとこまである。今度は、晴天の日に会いたいものである。

2020/11/17 オジロトウネン Temminck's Stint

オジロトウネンの画像

秋の渡りの最盛期の頃、良く出会ったのは、オジロトウネンであった。その折々にオジロトウネンとの距離は様々であったが、これほど、秋の渡りの時期にオジロトウネンに出会ったことは、今までなかったように思う。オジロトウネンに出会うのは、寒さが本格的になる頃が今までは多かった。

この冬、オジロトウネンに出会えるかなあと案じていたが、越冬組のオオハシシギが姿を見せた蓮田にオジロトウネンも姿を見せてくれた。黄色い足がチャームポイントであるが、ドロドロの蓮田では、その足の色が分からないことが多い。しかし、今回は、蓮田に水があったこともあって、黄色い足もバッチリ見えて大いにオジロトウネンとの出会いを楽しんだのである。

2020/11/18 ヨーロッパトウネン Little Stint

ヨーロッパトウネンの画像

トウネンの仲間は、大好きで、春の渡りにしても秋の渡りにしてもその出会いを楽しみにしている。昨シーズン、何度か出会ったヨーロッパトウネン。今シーズンも出会えるだろうか。心配が半分、楽しみが半分。そんな思いで、ヨーロッパトウネンとの出会いを心待ちにしていた。

思いがけず、その機会が巡って来た。現地でヨーロッパトウネンが居るらしいとのことをお聞きして、それとなく蓮田を見渡し探してみると、どうやらヨーロッパトウネンらしいという姿が目に入り、レンズを向けた次第である。今季も出会いが実現し、嬉しい限りであった。

2020/11/19 カイツブリ Little Grebe

カイツブリの画像

真夏には、青々として大きな葉を広げていた蓮の葉も、すっかり枯れて蓮田の多くで収穫が進み、見通しが良くなっている。その蓮田で、時折、藻がたくさん浮いているところがあり、一面に藻で埋め尽くされると緑の絨毯が広がったようで実に美しい。

その藻の中から、ぷっかりと浮かぶ上がったのは、カイツブリ。この蓮田で何回か見かけているが、藻の中から姿を見せるとカイツブリとは、別の生き物に見えて楽しくなってくる。今回は、魚らしきものを咥えて浮かび上がって来た。顔に藻がいっぱいついて、その姿が何とも愛おしい。朝日が降り注ぐ中、ひととき楽しむことが出来たのだった。

2020/11/20 ヤマガラ Varied Tit

ヤマガラの画像

夏の終わりの頃、かすかにヤマガラの声を聞いた。ベランダから見える位置にエゴノキがあり、今年は豊作でたくさんの実がついている。きっとこの実を啄みに来てくれることだろう。そう期待して時の来るのを密かに待っていた。9月に入り、時折、ヤマガラの姿を見かけるようになったが、カメラを持ってベランダに出ると飛ばれてしまい、なかなか難しい。それでも数回、何とか撮影することが出来た。

エゴノキの実が少なくなっても、時折、ヤマガラは姿を見せてくれている。コンコンコンと木の実を打ち付ける音が聞こえ、ごくごくたまに♬ニーニーニー♬の声が聞こえて来る。すぐ近くにヤマガラは、来ているようだが、いつも逆光で、姿がなかなか見られない。また、ゆっくり姿を見せて欲しいものである。(写真は、10月撮影です。)

2020/11/21 蓮田のひとこま

蓮田の画像

シギチとの出会いが少なくなくなった蓮田。それでも時折、蓮田に足を運ぶ。嬉しいことにタカブシギの姿を見る機会には、恵まれることが多い。この日も、他のシギとの出会いは、皆無であったが、タカブシギの姿を見ることは出来た。出会いの少ない日には、アオサギやコサギの姿を見ただけでもホッとして嬉しくなる。

枯れた蓮の葉が、時には、芸術作品かと思うような姿を見せてくれることもあり、レンズを向けてみる。のどかでゆったりした蓮田の光景。これから寒さに向かって、どのような出会いが待っているのだろうか。また、時折、足を運んでみたいと思っている。

2020/11/22 タヒバリ Buff-bellied Pipit

タヒバリの画像

シギチとの出会いの機会が少なくなった蓮田だが、相変わらず時折、足を運んでいる。以前は、枯れた蓮の茎にとまるたくさんのカシラダカを見たのだが、ここ数年、カシラダカを蓮田で見かける機会がなくなってしまい寂しい限りである。

そんなことを考えながら蓮田を回っていると、嬉しいことに前方にタヒバリの姿を発見。飛ばれないように少し距離をおいて、何とか撮影することが出来た。これは、車中からの撮影ではないので、内心ハラハラしたが、今季初めての嬉しい出会いであった。

2020/11/23 散歩道

ザクロの画像

秋晴れの心地良い日が続き、時間も少々出来たので、足慣らしに近隣を少し歩いてみた。ゆっくりゆっくり歩く散歩道。時には、意外な発見や出会いがあって、その折々に目にも心にも刺激があって嬉しい。

まず目についたのが、ザクロ。ぽっかり口が開いて、ルビーのような輝きが嬉しい。マユミの花は、終わりに近かったが、何とか名残を見せてくれた。陽だまりでは、ヒカゲチョウ。ウラナミシジミ、ヤマトシジミ、ツマグロヒョウモンの姿も見られ嬉しくなってくる。センニチコウのところには、一輪のアサガオがこの時期に微笑んでくれた。散歩道は、実にのどかである。

2020/11/24 セイタカシギとオオハシシギ

セイタカシギとオオハシシギの画像

出会いを期待せずに出掛けた蓮田には、たくさんのオオハシシギの姿が見えた。すぐ近くには、セイタカシギが4羽。他にも色々なシギがいて、久しぶりに蓮田の賑わいを見ることが出来たのだった。

今季、なかなか出会いの機会のなかったセイタカシギ。1羽ずつであるが2カ所で出会った。そして今回、4羽のセイタカシギが仲良く並んでいる光景を見たときは、嬉しさがこみ上げて来た。そのすぐ隣には、オオハシシギが数羽並んでいる。このような賑わいを見るのは、ずいぶん久しぶりである。全員集合という訳には、いかなかったが、晩秋の蓮田の素敵なひとこまである。

2020/11/25 ツルシギ Spotted Redshank

ツルシギの画像

ここ数年、11月を迎えると姿を見せてくれるツルシギ。今季は、どうだろうか。秋の気配を感じる頃から、ずっと気になっていたが、情報を頂き、沼のほとりに出掛けてみた。鳥見を始めた頃は、蓮の群生地として人々の目を楽しませてくれていた場所だが、今は、木道も傷みが激しく立ち入り禁止となっていた。昨年も一昨年も木道の上からツルシギを観察したのだが、今季は、難しそう。この場所での観察は、おそらく無理であろうと歩き始めた。

湖面に姿を見せたのは、カンムリカイツブリ。数多く見られるのは、マガモ。オナガガモの姿も見える。オオハクチョウも飛来しているとのことであるが、この日、私は出会わなかった。歩き始めて程なく、左方向から白っぽいシギらしい鳥が飛んでくるのが見えた。着地したらしい方角に行ってみると何と嬉しいことにツルシギがいる。今季もツルシギに会えた!嬉しい朝の出会いのひとこまである。

2020/11/26 散歩道

フジバカマの画像

秋晴れの心地良い日。日差しを楽しみながら、時折、近隣をゆっくりゆっくり歩く。ちょっと気温の低い日には、草にとまってじっと動かずにいるチョウが、太陽が微笑むと嬉しそうに舞い始める姿が何とも愛おしい。

この日、珍しくウラギンシジミが開翅している姿を見ることが出来た。少々翅に傷みがあるのは、この時期ならではのことで今まで頑張った証であろう。キタキチョウは、実にたくさん舞っていて驚いた。久しぶりに見るチャバネセセリは、裏翅に斑がなく新鮮な印象を受けた。ウラナミシジミも数頭、ツマグロヒョウモンの姿もある。

あとわずかで師走。チョウ達との出会いも次は、春になってからかもしれない。

2020/11/27 オオカワラヒワ他

オオカワラヒワの画像

青い空がどこまでも続く気持ちの良い日。久しぶりに湖畔の公園を訪ねてみた。冬鳥の飛来には、まだ少々早いのだろうか。松林の中は、ひっそりしている。かすかに鳥の動く気配。枯れ葉の中から飛び上がって松の木にとまったのは、ビンズイだろうか。すぐに姿が見えなくなってしまったので、しっかり確認出来なかった。

もう少し開けたところに出てみると10数羽の小鳥が飛んで来て、松の木にとまった。もしかしてマヒワかな?と期待してレンズを向けたが、オオカワラヒワであった。かなり高い松の木であったが、何とか撮影。更に少し場所を移動すると白っぽい鳥が見えた。モズである。いつもと違う印象で新鮮に見えた。

ちょっと暗めのところで動いていたのは、ジョウビタキ。今季初めての出会いである。次回は、ジョウビタキの雄に会いたいなあと思いながら公園を後にした。

2020/11/28 マガモ Mallard

マガモの画像

秋晴れの気持ちの良い朝。沼のほとりをゆっくりゆっくり歩いてみた。湖面は、秋晴れの空を写して青く輝いている。カモの姿が見えるが、ほとんどマガモである。他にオナガガモ、カルガモ、カンムリカイツブリなどが見える。

岸近くにマガモの雄と雌がいて、仲睦まじい光景を展開しそうな気配。傍らでは、1羽のマガモが羨ましそうに眺めている。ほのぼのと心和む光景である。ことの成り行きを見届けようとレンズを向けたが、何とも意外な展開。ラブラブカップルの成立は、波と共に消え去ってしまったのである。

2020/11/29 ノスリ Common Buzzard

ノスリの画像

二番穂もほとんど見られなくなった田んぼ。殺風景な風景が、どこまでも続く。乾ききった田んぼには、鳥たちの姿もない。それでも何か出会いはないものかと、時折、田んぼに足を運んでいる。その田んぼで、突然、1羽の大型の鳥が飛んできた。どうやらノスリのようである。何か獲物を見つけて舞い降りたのかと思ったが、どうやらそうではないらしい。

辺りをキョロキョロして、獲物を探しているように見えた。右を向いたり、左を見たり。何度も同じことを繰り返し、程なく飛び立った。本当にわずかな時間であったが、ひととき楽しむことが出来た。殺風景な田んぼで、思いがけず嬉しい出会いであった。

2020/11/30 タカブシギ Wood Sandpiper

タカブシギの画像

秋の渡りを終え、次には、越冬するシギたちとの出会いを楽しみにしているが、鳥たちの姿は、まばらである。あちこちの蓮田を回っても、ほとんど出会いがなく、がっかりすることもしばしばである。そのような中で、大抵の場合、姿を見せてくれるのがタカブシギである。

水をいっぱいたたえ、青空を映して水色に輝く蓮田。そこに1羽のタカブシギの姿があった。蓮田での出会いは、泥だらけのことが多いのだが、このように背景に恵まれると嬉しくなってくる。刺し子に似た羽模様が美しいタカブシギ。ゆったりとくつろいでいる姿が愛おしく思われた。