タイトル:九羽の白鳥 とりどり日記

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2010/12/31 2010年の出会い(その12 ノスリ)

ノスリ

私の一番心休まるところは、田んぼだと思います。早苗の揺れる田んぼも黄金色の稲穂が揺れる田んぼも、私は大好きです。そして収穫が済み、田んぼは、一見、とても殺風景に見えます。稲を刈り取った後、落ち穂拾いをするようにムクドリやスズメ、カワラヒワが集まります。ミレーの落ち穂拾いの絵を思い出しながら、私は、晩秋の田んぼで、しばしば鳥たちの姿を見つめます。そして、晩秋から初冬にかけて、田んぼには、猛禽の姿が見られるようになってきます。そのひとつが、ノスリです。優しくて穏やかな顔立ち。ノスリに出会うと、何故かほっとします。

12月20日から12月31日までの「2010年の出会い」を思い出の鳥たち」の「2010年の出会い」に掲載しました。

2010/12/30 2010年の出会い(その11 メジロ)

メジロ

たくさんの人たちから好かれ愛されている鳥のひとつがメジロではないでしょうか。私もその一人です。晩秋の公園を訪れたとき、ムラサキシキブの実を啄みにくるメジロの姿が目にとまりました。かなり頻繁に姿を見せてくれるのですが、ムラサキシキブの葉の後ろに姿が隠れて、なかなかメジロの撮影が出来ません。この日は、小雨が降り、肌寒い日でした。やっと願いがかなって、メジロが姿を見せてくれました。残り少ない紅葉もすぐ近くにあって、嬉しく思い出に残る1枚となりました。

2010/12/29 2010年の出会い(その10 ツツドリ)

ツツドリ

♪ポポッ ポポッ♪緑まばゆい季節に、近くの公園で、その声を聞いたときは、信じられない思いがしました。図鑑で調べて「ツツドリ」について多少の予備知識はありましたが、実際に、その声が、間近に聞こえてくるのです。高い木の上にツツドリの姿を見つけたときの嬉しさは、何とも表現しようもありません。あの頃、まだ不慣れであった野鳥の撮影でしたが、無我夢中でレンズを向け、一心にシャッターを押しました。しかし、春の出会いは、そのとき1回だけ。その後、秋の飛来を心待ちにするようになりました。今年は、ツツドリの飛来が少なく、思いがけず出会えた1枚です。

2010/12/28 2010年の出会い(その9 エナガ)

エナガ

私の大好きな鳥のひとつがエナガです。あの小さな体で、木々の間を、ひらひらと妖精のように飛ぶ姿に、いつも心を奪われます。♪ジュリジュリジュリ♪エナガの声が遠くに聞こえてきただけで、そわそわしてしまいます。でも、撮影は、決して生易しいものではありません。エナガの動きに合わせて、レンズを向け、今まで、どれだけシャッターを押したことでしょう。なかなか満足のいく撮影が出来ません。新しい年も、エナガとの出会いが、たくさんあるよう願っております。

2010/12/27 2010年の出会い(その8 アオバズク)

アオバズク

青葉の頃に飛来するのでアオバズク。この名前の由来は、あまりにも知られています。毎年、出会いを楽しみにしている鳥のひとつが、アオバズクです。青葉の頃、飛来し、夏の暑さが本格的になるころ、アオバズクの雛が巣立ちします。フクロウにしてもアオバズクにしても洞の中にいるときの雛の姿は、何とも言えず、微笑ましく愛おしくて、その出会いを心待ちにしています。そして巣立ちしたときの姿は、より一層、いとおしさを感じます。夏の暑さの中で出会ったアオバズク。この夏の暑さは、格別でしたが、その暑ささえ忘れられるほど嬉しい出会いとなりました。

2010/12/26 2010年の出会い(その7 リュウキュウアカショウビン)

リュウキュウアカショウビン

一度は、訪れてみたかった宮古島。長い間の夢でした。その夢がかない、2010年7月、宮古島行きの飛行機に乗っていました。初めて見る珊瑚礁の島の青さは、あまりにも美しく、深く心に残るものとなりました。その宮古島でリュウキュウアカショウビンの姿を何度も見る機会に恵まれました。奄美大島で出会ったことはあるのですが、水浴びする姿や、2羽で飛び交う姿を見るのは初めてでした。ブーゲンビリアも咲く水場で、ゆったりと、その出会いを楽しむことが出来ました。

2010/12/25 2010年の出会い(その6 レンカク)

レンカク

2006年7月も終わりに近いころ、レンカクが比較的、近くのフィールドで見られると教えていただきました。図鑑やHP、ブログなどでレンカクの写真を見て、一度は会いたい鳥と思っていました。初めて出会ったレンカクは、蓮の葉の上を、優雅に歩いていました。それは、まるで天使の化身とも言えるような美しい姿でした。そして、いつかまた出会える日を夢見ていたのです。そして夢はかないました。2010年、6月も終わりに近い日、再び夏羽のレンカクに出会うことが出来たのです。

2010/12/24 2010年の出会い(その5 アオゲラ)

アオゲラ

樹齢何年くらいかと思われる大きな木々が茂っている森。人の気配もない静かな朝、その森を初めてひとりで訪れたとき、その静けさを破るように大きな大きなドラミングが聞こえてきました。それがアオゲラとの初めての出会いでした。高原で出会ったことも、寒い冬、すっかり葉を落とした木々の間を飛ぶアオゲラの姿を見たことも、桜の花が咲くころに出会ったこともあります。緑したたる季節にアオゲラに出会えたことは、嬉しい限りです。

2010/12/23 2010年の出会い(その4 シマアジ)

シマアジ

「シマアジ」それが鳥の名前と知ったとき、少なからず驚きました。魚の名前のように思ったからです。今年の春、5年前、初めてシマアジに出会った同じ場所で、シマアジの♂と♀に出会うことが出来ました。シマアジの♂には、数回、出会ったことはあるのですが、♀に出会う機会が、なかなかなくて、雌雄一緒に撮影出来たときは、胸が弾みました。そして、この写真が、全日本鳥フォトコンテスト in JBF に入賞のお知らせをいただいたときは、さらに胸の鼓動が高まりました。嬉しく思い出多いひとこまとなりました。

2010/12/22 2010年の出会い(その3 イカル)

イカル

♪キーコーキー ♪キキココキー 朝霧が立ち込める湖畔で、ずっと以前に聞いた声。霧の中の幻想的な世界で聞いたあのときのあの声は、とても神秘的で忘れ難いものがあります。あのとき妖精か天使の声かと思うほど不思議で神聖な声に聞こえましたが、それがイカルの声だったのです。イカルに初めて出会ったのは、御岳の大きな大きな欅の木でした。緑の葉が茂った大きな欅の木に2羽のイカルが飛んで来たときの嬉しさは、今でもはっきり覚えています。そのイカルに、桜の花の咲くころ、公園で出会いました。「イカルのお花見」。嬉しく心に残る出会いとなりました。

2010/12/21 2010年の出会い(その2 ケアシノスリ)

ケアシノスリ

冬枯れの田んぼでノスリに出会う機会は、比較的多いと思います。しかしケアシノスリとなると話は違ってきます。初めてケアシノスリを見たのは、茨城県の干拓地でした。そのときは、白くて綺麗なノスリが見られるというので、好奇心から出掛けました。その後、何度かケアシノスリに出会う機会はありましたが、いずれも距離があり、なかなかゆっくり観察する機会には恵まれませんでした。今年の初めに出会ったケアシノスリは、まだ若く、川岸の枯れ木にとまってくれました。これほど近くでケアシノスリを見たことはなかったので、とても嬉しく心が弾みました。そして、そのケアシノスリが、真冬の青空を飛んで行く姿は、力強く大きなエネルギーをいただいたような気がいたします。

2010/12/20 2010年の出会い(その1 コオリガモ)

コオリガモ

真冬の海は、荒れていてざぶーんざぶーんと波が押し寄せていました。防波堤を超えて波しぶきが体にかかってきます。帽子にもジャケットにも冷たい海の水がシャワーのように降り注ぎます。内湾に避難してくつろいでいるコオリガモ。そのような状況だからこそ、間近でコオリガモを見ることが出来たように思います。コオリガモの♂には、今までに出会ったことはあったのですが、コオリガモの♀に出会ったことは、一度もありませんでした。この日、♀は、なかなか目を覚ましてくれませんでしたが、雌雄一緒に撮影することが出来、嬉しい思い出になりました。

2010/12/19 師走の庭園の鳥たち

師走の庭園の鳥たち

久しぶりに訪れた都内の庭園。毎年出会いを楽しみにしている鳥がいる。決して華やかな鳥ではなく、地味で目立たない鳥。その名は、クロジ。この庭園の名物とも言える鳥である。クロジの出るポイントは、暗いので、今日は、EOS7Dに70-200mm F2.8のレンズをつけて出掛けた。しばらく待つと、小さな声が聞こえてくる。♪チ・チ ♪チ・チ いよいよクロジの登場だ。今シーズンも元気な姿を見せてくれた。

池の方に回ると、♪ニーニーニー と甘えたような声が聞こえてくる。今シーズン出会う機会が少なかったヤマガラである。愛嬌のあるヤマガラの顔が、植え込みの中で見え隠れしている。やっと枝にとまってくれた。アオジも姿を見せてくれた。黄色味の強い綺麗な個体である。自宅近くの自然公園では、なかなか姿を見せてくれなかったアオジだったが、この庭園では、ゆっくりその姿を楽しませてくれた。

さらに庭園を回ってみるとルリビタキが、さっと飛んできた。今シーズン、ルリビタキ♂の成鳥には、まだ会っていなかったのだ。ルリビタキの瑠璃色は、いつ見ても綺麗だ。

今年は、飛来が遅れているというオシドリのポイントにも回ってみた。確かにひっそりしている。オシドリが2羽、岸辺にあがって羽を休めている。付近を探してみたが、オシドリ♀の姿は、見当たらず、またの機会に見送ることにした。師走の庭園。1時間強の慌ただしい鳥見であったが、思いがけずたくさんの鳥たちを身近に観察することが出来、心和むひとときを過ごすことが出来た。今日の出会いに感謝。

2010/12/18 コチョウゲンボウ

コチョウゲンボウ

冬枯れの田んぼを回っていると畦道にポツンとコチョウゲンボウの姿が見えた。コチョウゲンボウは、小さな土くれの上にとまったりすることが多い。♀は、ちょうど畑の色と同化するような色合いで、少し距離が離れていると、なかなか見つけることが困難である。しかし、今シーズン、何故か、数か所の田んぼで、コチョウゲンボウ♀を見かけた。杭にとまっていたこともあり、その時は、すぐに見つけることが出来た。広々と見通しの良い田んぼで、かくれんぼしたら、きっと、コチョウゲンボウ♀が一番上手に隠れられるのではないだろうか。

2010/12/17 カワラヒワ

カワラヒワ

師走も半ばとなり、何かと気ぜわしい。そのような中で、ほっと出来るのは、何と言っても田園風景である。朝早い時間には、霜が降りて真っ白になっている。しかし、寒い朝には、なかなか早起き出来ず、霜で真っ白になっている光景や、川霧の立ち込めるシーンに出会うことは少ない。

最近、田んぼで良く見かけるのは、カワラヒワである。乾ききった田んぼに群れで降り、ワァーと群れで飛び立つ。カワラヒワは、地味な鳥であるが、飛翔のとき、羽を広げると、実に美しい。何とか群れで飛び立つところを撮影したいと願っているのだが、なかなか実現しそうにない。これもまた、来年の課題になりそうである。

2010/12/16 マヒワ

マヒワ

晩秋から初冬にかけて出会いを楽しみにしている鳥のひとつがマヒワ。今シーズンは、早い時期に、マヒワの飛来が、あちこちであったようだが、機会を逸してしまった。何とかマヒワに会いたいと、公園や森や林を探して歩いたが、タイミングが合わないのか、なかなか出会えない。

マヒワに初めて出会ったのは、松林が広がる丘陵地帯である。近くには、小さな池があった。それは、池というより、水溜りといった方が適切な雰囲気のものである。その水場に黄色の綺麗な鳥が降りていた。まだ鳥に関心を持ち始めて日が浅く、鳥の名前すら分からなかった私には、新鮮な出会いであった。

先日、マヒワが公園で見られると教えてくださる方があり、ようやくマヒワとの出会いがかなった。嬉しい出会いに心から感謝。

2010/12/15  初冬の公園の鳥たち

シロハラ

散歩の人が行き交う初冬の公園。日だまりは、ぽかぽかと暖かい。「何かいるのですか?」「鳥ですか?」優しく心温まる会話が、自然と成り立つ。鳥に関心を持ち、鳥たちとの出会いに元気をいただく日々。一日一日無事に過ごせることに感謝しつつ初冬の公園に向かう。

最初の出会いは、ハナミズキのところに来たヒヨドリ。赤い実をパクッと美味しそうに啄む。続いてジョウビタキ♀。♀の優しい表情が私は好きである。ルリビタキも現れた。尾羽のブルーが新鮮で美しい。トウネズミモチのところには、ヒヨドリが何度もやってくる。シロハラの声が近くで聞こえていたが、トウネズミモチのところにやっと姿を見せてくれた。

近くの茂みにはアオバト。ちょっと暗くて残念。アオジは、3羽姿を見せてくれた。手前の小枝が気になるが、アオジの可愛い表情に思わずレンズを向ける。シジュウカラも何度か姿を見せてくれたが、残り少ない紅葉のところには、なかなか行ってくれず、とうとう紅葉がらみの写真は、撮れなかった。

小鳥の姿がさっと見えなくなったと思ったら、すっきり晴れ渡った青空をハイタカが悠々と飛んでいる。初冬の公園。静かにゆっくりと時間が流れてゆく。

2010/12/14 エゾフクロウ

エゾフクロウ

初冬の北海道で大きな楽しみは、何と言ってもエゾフクロウとの出会いである。エゾフクロウは、本州で見かけるフクロウより白っぽく、その白さ故か、何とも神々しい感じがする。

2年前訪れた北海道で、私は、初めて2羽並んだエゾフクロウを見た。その姿は、あまりにも神秘的で、私は、息をのんでしばしその場に立ち尽くしてしまった。あの日の感激、あの瞬間の胸の鼓動は、今でも鮮明によみがえってくる。そして今回も旅の最後を締めくくるにふさわしい嬉しく胸弾む出会いであった。

12月1日から12月13日までの鳥たちの中から、初冬の北海道で出会った鳥たちを「思い出の鳥たち」の「初冬の北海道」に掲載しました。

2010/12/13 ホオジロガモ

ホオジロガモ

初冬の北海道で、ホオジロガモにも出会った。遠くにカワアイサの群れが見えるところで、1羽でポツンとホオジロガモが泳いでいた。最初、かなり距離があったが、波に乗って近づいたり、また遠ざかったり。その様子が、何とも愛しい感じがして、しばらくの間、1羽のホオジロガモを眺めていた。

数年前、手賀沼の近くでホオジロガモを間近に見る機会があった。あまりにも近い距離での観察だったので、写真もドアップになるほどであった。あのホオジロガモは、怪我をしていたのだろうか。「ホオジロー」と勝手に名前をつけた日のことが懐かしく思い返された。

2010/12/12 オジロワシ

オジロワシ

初冬の北海道でオオワシと並んで出会いを楽しみにしているのが、オジロワシである。厳冬期の北海道でオオワシにもオジロワシにも出会ったことはあるのだが、まだ積雪のない時期の出会いは、また趣が違うような気がする。

今回、初日の宿周辺で、早朝、オジロワシもオオワシも木にとまっているところを観察することが出来た。さらに次の目的地に向かって車を走らせている途中で、何度か見かける機会があった。青空を背景に枝かぶりであったが、何とか撮影でき、今回の旅の思い出が膨らんだことは嬉しい限りである。

本州にも渡ってきているオジロワシ。でもやはり北海道での出会いは、格別の思いがする。

2010/12/11 クロガモ

クロガモ

初冬の北海道で楽しみのひとつは、海の鳥との出会いである。その中で、今回、一番観察する機会が多かったのがクロガモではないだろうか。海の鳥は、結構、警戒心が強く、なかなか近くでは観察出来ない。アビ、オオハムの群れ、アカエリカイツブリ、ミミカイツブリ、カワアイサ、ウミアイサ、シノリガモなどいずれも遠かった。

クロガモは、何度も見かけたが、いずれも遠く、一度だけ、まずまずの距離で観察することが出来た。クロガモの鳴き声は、哀愁を帯びて物悲しく、何とも胸にせまるものがあり、クロガモが好きな理由のひとつになっている。銚子で見かける機会もあるが、北海道で出会うとまた、何とも言えない嬉しさがあるのは偽らざる気持ちである。

2010/12/10 奥日光の鳥たち

キバシリ

久しぶりに奥日光を訪ねた。初夏あるいは、夏に数回訪れたことのある奥日光だが、師走に入ってから訪れたことは、一度もなかった。奥日光を訪れるとき、私は、いつも「まるごと日光 東武フリーパス」を使用する。最寄駅〜東武日光までと東武バス全区間が乗り降り自由なため、とても便利だからである。そのフリーパスが通常4,400円のところ12月〜3月まで4,030円となっているということを今回初めて知った。

まずバスに乗って驚いた。通学のためバスを利用している高校生が下車すると乗客は、わずか5名。途中3名下車し、私が下車するとバスには、1名の乗客が残るのみとなった。フリーパスが安くなっているということが、実に良く理解出来た。

川の流れに沿って歩き始めるとツグミの声がする。しかし枝が視界を遮り、まともにツグミの姿を見ることが出来ない。諦めて、歩を進めていくと、今度は、ウソが細かい枝の奥に見え隠れしている。どうやら3羽いるらしい。何とか前に出て来てくれないかと念じると、やっと願いが通じ、数枚シャッターを押すことが出来た。

木道に沿って進んで行く。かなり遠くに鳥の声が聞こえるが、途中、マガモが何羽も飛んで行くのを見かけたが、他の鳥には出会わず、ハイキングの方に数名出会ったのみ。冬枯れの戦場ヶ原をしばし眺め、その付近を行ったり来たり。また、もと来た道を戻り、東屋で休憩。もう一度、今、歩いた道を歩いてみることにした。

再度、歩き始めて間もなく、小鳥の声が、たくさん聞こえ始めた。キバシリ、コガラ、エナガ、ゴジュウカラの声である。この出会いは、本当に嬉しかった。まずコガラにレンズを向ける。続いてキバシリ。このキバシリが忙しい。くるくるくるくる上って行っては、ストーンと下に落ち、またくるくると上り始める。素早く別の木に移るので、なかなか思うように写真が撮れない。キバシリに振り回されている間に、あれほどたくさん聞こえていた鳥たちの声がぱったり聞こえなくなった。

また木道を歩き始めようとしたとき、目の前の込み入った枝のところにツグミの姿が見えた。それは、ハチジョウツグミだった。何とか全身を撮影したかったが、小枝がどうにもならず、少しずつ位置を移動している間に飛ばれてしまい、姿を見失ってしまった。

またしばらく歩いている間に、辺りが薄暗くなりかけ、風も出てきたので、もとの道を戻りかけるとコガラとエナガの群れが、現れ、元気づけてくれた。初冬の奥日光。初めての経験であったが、鳥たちとの出会いも、まずまずで心に残るものとなった。

2010/12/9 ハギマシコ

ハギマシコ

ハギマシコ、オオマシコ、ギンザンマシコ、ベニマシコなど「マシコ」とつく鳥は、「猿子」と漢字で書き、サルの古名に由来するという。いずれも一度、あるいは数回出会ったことのある鳥たちであり、心惹かれる鳥たちである。

その中で、一番地味な鳥が、ハギマシコであろう。萩猿子。胸腹部に白や淡い紅色の斑が密にあり、これをハギの花にたとえたのが名前の由来になっていると「山渓名前図鑑 野鳥の名前」にある。

今回、初冬の北海道を訪れ、漁港でハギマシコの群れに出会った。スズメの群れの中にいて、採餌し、またワァーと一斉に飛び立っていった。初めて林道でハギマシコに出会ったときとは、ずいぶん印象が異なって見えた。今度は、雪の中で出会ってみたいものである。

2010/12/8 コオリガモ

コオリガモ

「コオリガモ」何とも不思議な名前である。5年前の冬。その日は、ぽかぽかと暖かい日差しが降り注いでいた。堤防沿いに歩いて行くとカメラマンの姿が数人。親切な方が、「コオリガモが近くで見られますよ。」と教えてくださった。コオリガモという新鮮な響きに心惹かれ、私もお仲間入りさせていただいた。あのとき、「アオー」という鳴き声もはっきり聞くことが出来た。

初冬の北海道。コオリガモとの出会いは、比較的多いという。今回、2つの漁港で間近にコオリガモを見ることが出来た。一つの漁港では、1羽。もう一つの漁港では、2羽。英名でLong-tailed Duckと言われる通り、長い尾をピーンと立てて、お洒落な雰囲気の綺麗なカモである。近くで観察出来たことで出会いの嬉しさが一層増したひとこまである。

2010/12/7 バード倶楽部野鳥写真展

バード倶楽部野鳥写真展

毎年、12月が近づいてくると楽しみにしている写真展があります。それは、「バード倶楽部野鳥写真展」です。「ブログ鳥達との出会い」でおなじみのnoguchi3さんの作品4点を始め、力作ぞろいです。下記の日程で開催されますので、ご案内させていただきます。14名の方の作品が展示されるそうです。

期間:2010年12月14日(火)〜19日(日)

時間:AM9:00−PM4:30(最終日はPM3:30まで)

会場:新宿御苑インフォメーションセンター アートギャラリー(新宿門横・入場無料)

主催:バード倶楽部

協賛:(財)日本鳥類保護連盟、日本野鳥の会東京

2010/12/6 ヒメウ

ヒメウ

一番身近なフィールドである手賀沼あるいは印旛沼。ここで観察されるウは、カワウである。カワウは、お世辞にも綺麗とは言い難い。しかし、そのカワウが、編隊を組んで夕暮れの空を飛んで行く様は、何とも哀愁を帯びていて詩情あふれるものがある。

海辺では、ウミウを見かけることが多い。その中に、時には、ヒメウを見かけることがあり、ヒメウを見つけた時点で、わずかながら心が弾む。そのヒメウを、先日、納沙布岬で非常に近い距離で観察することが出来た。初冬の光を浴びて、羽が緑色に輝き、何とも美しい。 この岬で期待していた鳥は、チシマウガラスであったが、この日のヒメウの姿は、忘れ難いものとなった。

2010/12/5 タンチョウ

タンチョウ

季節を問わず、北海道での出会いで楽しみにしている鳥のひとつが、タンチョウ。凍てつくような北の大地。氷点下20゜Cにまで下がった朝。音羽橋で出会ったタンチョウは、あまりにも静かで美しく水墨画の世界を見るような感動を覚えたものであった。

先日、夕暮れ近い初冬の北海道で2羽のタンチョウに出会った。水際にいた2羽のタンチョウだが、人の気配にすぐに枯れた草むらの中に姿を隠すように入って行き、ほどなく2羽とも飛び立った。雪景色の中のタンチョウも、真冬の青空を飛ぶタンチョウの姿も美しく心惹かれるが、枯れ草の中のタンチョウの姿もなかなか美しいものであった。

2010/12/4 コクガン

コクガン

初冬の北海道で、楽しみにしている一つの出会いは、コクガンである。2年前の11月に訪れたときは、比較的近くでコクガンの群れを観察することが出来たのだが、今回、初日は、あまりにも風が強く、コクガンの姿を見ることはなかった。二日目の朝、逆光の中で、コクガンの群れを観察することが出来たが、距離があり、撮影は断念せざるをえなかった。

しかし車に戻ろうとしたとき、思いがけなく順光側でコクガンが4羽飛んでくるシーンに出会った。急いでレンズを向けたが、かなり慌てていたので、ピントが甘い。しかし、私にとっては、本当に嬉しい出会いの瞬間であった。

初冬の北海道。寒々とした光景の中で、鳥たちとの出会いは、心も体も温かくしてくれるものである。

2010/12/3 オオワシ

オオワシ

初冬の北海道。何とも寒々しい感じがするが、鳥との出会いは、時には思いがけないこともある。2年前のやはりちょうど今頃、北海道を訪れたとき、感動ともいえるシロハヤブサとの出会いがあった。あの日のあの出会いの瞬間の感激は、今でも色あせることなく鮮明に目に心に焼き付いている。

そのシロハヤブサが、とまったマストに、今回はオオワシがとまっていた。2月に北海道を訪れると、オオワシやオジロワシは、比較的近くで観察することが出来るが、思い出のマストにとまったオオワシの姿は、距離はあるものの何とも言えない味わい深いものがあり、しばしシロハヤブサの思い出にひたりながらオオワシの姿を眺めたことであった。

2010/12/2 キレンジャク

キレンジャク

今回、北海道を訪れ、一番印象に残ったのは、キレンジャク300羽ほどの群れに出会ったことである。今まで、キレンジャク、ヒレンジャクに出会ったことは、何回かあるが、これほどスケールの大きい群れを観察したことは、なかった。公園の木に次から次へとキレンジャクの群れが飛んでくる。それは、まるで湧きあがるという雰囲気で、そのスケールの大きさに圧倒され、どのように撮影すれば良いのか、しばし戸惑ってしまった。

地元の方のお話では、500羽くらいの群れが観察されているという。街路樹のナナカマドや、小学校の校庭にキレンジャクが群れているとのお話であった。先月、上諏訪温泉を訪れる機会があり、諏訪湖畔のナナカマドが色づいているのを見て来た。今シーズンは、関東地方でも、きっとレンジャクの飛来があり、楽しめることと大いに期待したことであった。

2010/12/1 シマフクロウ

シマフクロウ

11月28日〜30日まで初冬の北海道を訪れ、鳥たちとの出会いを楽しんできた。初日の11月28日、羽田を11:40に発って中標津空港に到着したのが、13:30。初冬の北海道は、日暮れが早い。中標津市内の街路樹にとまったキレンジャク30羽ほどの群れを見た後、野付半島へと急ぐ。

この日、あまりにも風が強く、観察することすら困難なほどであった。そのような中で、オオハクチョウ、オジロワシ、オオワシ、クロガモ、ウミアイサ、シノリガモ、タンチョウ、シロカモメ、ワシカモメなどを観察。初日の宿へと向かった。午後3時半ごろには、薄暗くなり、4時を過ぎると、辺りは真っ暗になってしまう。冬場の探鳥時間は、実に短い。

初日の一番のお目当ては、シマフクロウ。あまりの風の強さにシマフクロウが現れてくれないのではないかと心配したが、宿周辺は、若干風はあるものの、静かで一安心。今年の春から、ストロボが禁止になり、ゆっくりと夕食を味わい、シマフクロウを待つ。午後7時を回ったころ、ふんわりと右手の方から実に静かにシマフクロウは現れた。今回で5度目であるが、今まで不慣れなストロボに神経を使いすぎ、シマフクロウが現れる瞬間をじっくり観察したことがなかった。それは、あまりにも厳かで神聖な気品すら漂い、胸に響くものがあった。

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