[写真はクリックすると大きくなります]
久しぶりに雨が音たてて降っている。少し時間をかけてゆっくり新聞に目を通す。「東京どんぶらこ」というタイトルが目に留まった。「どんぶらこ」それは、郷愁に似た懐かしい響きの言葉だ。幼い日、よく日本の昔話を語ってくれる人がいた。その人の顔を思い出すことは出来ないのだが、あの桃太郎のお話の「どんぶらこっこ すっこっこ」のリズム感ある言葉だけは、鮮明に記憶に残っている。
昨日、小雨降る田んぼを一回りした。今まで田んぼで出会う機会のなかったカシラダカに出会った。ホオジロには、出会う機会が多かったが、この田んぼでカシラダカに出会うのは、初めてだ。枯れた草がカシラダカを横切り、なかなか良い位置には現れてくれなかったが、嬉しい出会いであった。
雨の日も鳥たちは、元気いっぱい。いつしか雨もあがったようだ。今日も鳥たちは、元気に飛びまわっていることだろう。
予報通り雨になった。流石に鳥見は、お休みしようと思ったが、お昼頃には、霧雨程度。小ぬか雨というのだろうか。こんな小雨降る日の田園風景もまた楽しいかもしれない。雨の日の小鳥たちの様子も気になり、思い切って出かけることにした。
霧雨の中で出会ったのは、オオジュリン。川沿いの枯れた葦に数羽とまっている。オオジュリンは、白っぽいので、遠くからでも目に付く。黒々とした田んぼには、タヒバリが数羽。枯れた草のところには、カシラダカとホオジロの姿が見えた。ホオジロを見かけたことは、何度もあるが、カシラダカに会うのは珍しい。
カワラヒワもずいぶん見かけた。雨にも負けず元気に飛び回っている。もっと元気なのは、ツグミ。晴天の日と変わりなく、あちらでもこちらでも元気に動き回っている姿を見かけた。
小雨の田園風景を満喫し、引き上げようとしたとき、杭にとまったオオタカが目に入った。この程度の雨なら撮影出来そう、そう思ってレンズを向けた。しかし、だんだん雨が本格的になってきた。オオタカも引き上げ時と思ったのか、ついに飛び立った。
雨の日の出会いは、一層嬉しく心に残るものである。
土曜日までお天気が崩れるとの予報なので、雨が降り出す前に、一回りしてきた。昨日、赤味のある綺麗なホオジロを撮り損ねたので、あのホオジロに会えればとの淡い期待もあった。
一頃、スズメやカワラヒワなど、たくさん群れを見かけたのだが、ここのところ、めっきり鳥影が薄くなり、チョッピリ寂しい田園風景である。一番出会いの多かったのは、ツグミ。オオジュリン、タヒバリ、カワラヒワにも出会った。
土手に上がって葦原を見ると、やはり目につくのは、ツグミ。葦原を見ながら歩いていると、羽音を立ててコブハクチョウが飛んで来た。その数9羽。偶然とは言え、その数に驚く。鳥に関心を持つきっかけとなったのは、9羽のコブハクチョウとの出会いだった。あの日、あの頃が懐かしい。
コブハクチョウに会いたくて通った道を、今日も歩く。沼のほとりで見かけたのは、ハシビロガモ、コガモ、オナガガモ、オオバン、カイツブリ。ハシビロガモは、大きな嘴で湖面をすくうように一心に採餌していた。
鳥との出会いの少ないときに、嬉しい出会いの一こまである。
風の冷たさが、身にしみる一日だった。昨日の陽だまりが、恋しくなるような寒さである。今日は、数箇所のポイントを回ってみたが、鳥との出会いの何と少ないこと。帰路につきかけたとき、タゲリに出会ったときは、ほっとした。
田んぼに、新芽が出始め、うっすらと緑色になっているところに、タゲリが羽を休めていた。しばらくタゲリの姿を見かけなかったので、一層嬉しい出会いである。太陽が顔を隠してしまって、タゲリの光沢がなかなか出なかったが、ほんのひととき、光が差して、タゲリを照らしてくれた。
明日からは、下り坂になるとか。鳥たちは、どこで羽を休めるのだろう?
梅の花が、あちこちで見られるようになってきた。紅梅は、華やかで遠くから見ても、ぱっと目に付く。昨日出かけた公園でも、紅梅と白梅の蕾が膨らんでいたが、やはり紅梅に目がいった。
入学試験のシーズンでもあり、梅の花を見ると、菅原道真が大宰府に左遷され、京を離れるときに詠んだ「こち吹かばにほひおこせよ梅の花あるじなしとて春を忘るな」の歌を思い出す。
今日も、ずいぶん紅梅、白梅を見かけた。「梅一輪一輪ほどの暖かさ」服部嵐雪の俳句が思い出される。今日は、ずいぶん暖かだった。
その暖かさに誘われるようにモズが現れて、マサキの木にとまった。その姿は、陽だまりを楽しんでいるかのように見える。
1月も残り少なくなった。やがて如月を迎えれば、立春も近い。春の足音が聞こえてくる。
今日も、まずまずの穏やかなお天気だった。久しぶりに訪れた公園は、紅梅の蕾が膨らんで、そこだけが明るく、もう春のような雰囲気。
桜の木には、スズメが、たくさん群れて時折、ワァーと田んぼの方に飛んでいく。ムクドリもたくさん飛んできて松の木にとまった。モズが1羽、遠くの木で、尾を振っている。
日差しは、やわらかいが、まだ風が冷たく、ベンチには、誰も座っていなかった。ベンチに座ってひとり、ぼんやり松林の方を眺めていると、ツグミがチョンチョンと姿を現した。奥の方には、もう1羽いる。最近、あちこちでツグミを見かけるようになったが、なかなかレンズを向ける機会がない。
ちょっとお澄ましのツグミさん、今度は、紅梅にとまってね。
私の好きな鳥のひとつがエナガ。エナガに出会うと何故かワクワク幸せな気分になれる。一番嬉しかったのは、住まいの敷地内にある広場に飛んで来たエナガに会えたときだ。
初めてエナガに会ったのは、丘陵のある林の中、風の強い日だった。その動く姿の何と愛らしいこと。目が釘付けになった。カメラにも慣れていなかったのに夢中でシャッターを押した、あの日が懐かしい。
ジュリ ジュリ ジュリ。エナガの声が聞こえる。リビングに座っていても、時々聞こえてくることがある。私にとって幸せを運んでくれる鳥、エナガ。もっとゆっくり撮影させてくれないかしら?
外出先の道路沿いでは、菜の花が満開だった。地元の小学生や中学生が、丹精込めて育てているらしい。霧雨が、いつしか霙になり、寒々とした街中に、菜の花の明るい黄色が、彩りを添え、ほっと安らぐ空間を作ってくれている。
今は、睦月。大寒を過ぎたばかりだ。菜の花を見ていると、ひととき寒さを忘れ、如月を過ぎ、春の足音を聞いたような錯覚におそわれる。
昨日、雨上がりに出かけた田んぼで、遠くの空を飛ぶ3羽のハクチョウを見た。遠すぎて声も聞こえない。オオハクチョウかコハクチョウ、そう思って識別用に写真を撮った。改めてよく見ると、コハクチョウだった。1羽は、嘴が黒くて、黄色味が見えない。アメリカコハクチョウかもしれない。
雨上がりの田んぼでは、いろいろな出会いがあった。私のすぐ前の電柱にチョウゲンボウが飛んで来た。ちょうど頭の上にチョウゲンボウがいるという形になった。あまりのことに驚いて見上げていると、足元から、バサバサと音がしてキジが、飛び出した。突然のことで、驚きながらも急いでカメラを向けた。「足下から鳥が立つ」まさに、この言葉通りであった。
昨日から降り続いていた雨もあがり、午後からは、晴れ間も見えてきた。昼食後、久しぶりに手賀沼周辺を回ってみた。
土色ばかりだった田んぼに、柔らかい新芽が出て、冬の日差しを浴びて緑色が美しい。今日は、春を思わせるような暖かくてやわらかい日差しだ。
前方から聞き覚えのある鳥の鳴き声がする。あれは何だったかな?やっと思い出した。チョウゲンボウだ。斜面をあがっていく1羽の猛禽にチョッカイを出しているのが、チョウゲンボウのようだ。遠くてよく見えなかったが、斜面を上がっていった猛禽は、ノスリ。ノスリの方が、体が大きいのに体の小さいチョウゲンボウに追われて飛び上がった。チョウゲンボウは、可愛い顔をしているのに、かなり気が強そうだ。ノスリは、ゆったりと飛んで遠くの田んぼに着地した。
雨上がりの田んぼには、カワラヒワ、スズメ、タヒバリ、ツグミが、たくさん姿を見せ、賑わいをみせていた。暖かくてやわらかい日差しは、鳥たちも大好きなようだ。
寒さは、それほどではないものの、生憎の空模様。でも、こんなお天気の日には、潔く鳥見を諦められて、雨の日も、時には良いものだ。最寄の駅まで、急ぎ足で2分。傘もささずに出かけてきた。鳥たちは、どこかで雨宿りしているのだろうか。
昨日、出かけた公園で、エナガに交じって飛んで来た1羽の小鳥。動きの速さから、ウグイスかもしれないと思ったが、すぐに笹やぶの中に入って姿が見えなくなった。地鳴きも聞こえてこない。しばらく様子を見ることにして、カンザクラの近くに三脚を立てて待つことにした。
待つことしばし。先程の小鳥が姿を現した。一瞬、濃い茶色に見えたような気がして、もしかしてミソサザイ?などと鳥の大きさも考えずに勝手な思いを巡らしていると、また姿が見えなくなりそうだ。慌ててレンズを向けてみたものの、その動きの速いこと。その上、枝かぶり。
う〜ん。手強い相手は、やっぱりウグイスだった。
時折、薄日は差したものの、今日も暗い一日だった。寒さは、それほどでもなかったので、近くの公園に出かけることにした。気になっていたのは、カモたちの様子だ。このところ、どこの公園に行っても、カモが少ない。
不忍池に行けば、今まで道路いっぱいになるほどオナガガモが悠々と歩いていた。しかし、昨日、見た限りでは、種類こそ、まずまずながら、カモの数は、ずいぶん減少した。
今日、訪れた公園も、昨シーズンに比べれば、ずいぶん少ない。寂しい限りである。しかし、ヒドリガモのカップルにチョッカイを出すヒドリガモがいて、その様子を見ていると、心が和んでくる。
公園の梅が、ずいぶん咲き始めているのには、少々驚いた。散歩コースの梅林は、まだ固い蕾のままである。その梅にメジロが飛んで来た。なかなか良い位置には、姿を見せてくれず、思うような撮影は出来なかったが、一足先に、春を味わったような嬉しい思いがした。
今日は、大寒。また寒さが戻ってきた。昨日の暖かさが、異常であったのだが、これだけ温度差があると、戸惑ってしまう。
今日は、ずっと気になっていたお堀のカワアイサとミコアイサに会いに出かけた。もうこれで何シーズン目になるだろう?到着時、カワアイサもミコアイサもすぐに見つけることが出来なかった。今日は、寒々とした暗い空模様で、さすがにカメラマンの姿はなく、目に付くのは、キンクロハジロ、コブハクチョウ、ユリカモメくらいである。
以前、大手門の近くで、ミコアイサを間近に見たことがあるので、少し付近を散策した。カワウが2羽、羽繕いをしている。スズメが、寒そうに体を膨らませている姿が愛らしい。街路樹のところに飛んできたのは、ジョウビタキ。車の音で、かき消されそうになるが、メジロの声がしている。ツグミの姿も見えた。
また、元のところに戻ってみると、遠くにミコアイサの姿が見える。♂も♀も見えるが、かなり遠い。それでも、記念にシャッターを切る。カワアイサは、どうしたのかな?姿が見えないので、がっかりして歩いていると突然目の前に現れた。それもコブハクチョウに追い立てられている。初めて見る光景だ。ユリカモメを押しのけるくらい元気いっぱいだったカワアイサだが、今シーズンは、ずいぶん物静かである。
ユリカモメの数も少なくなった。お堀は、静かな佇まいだ。
昨日の寒さが、ウソのような今日の暖かさであった。ニュースによれば、3月末〜4月初めの暖かさとか。セーターだけで、ジャケットを羽織らず外出しても、寒さを全く感じない。今、何月だったかしらと戸惑ってしまうほどだ。
こんなにお天気が良く、穏やかな一日だったのに、今日は、鳥見の時間がとれない。諦めきれずに、15分ほど近くを散歩した。そんなわずかな時間でも、不思議と出会いはあるものだ。メジロ、ヒヨドリ、シジュウカラ、そして思いがけずアカハラに出会った。こんなところにアカハラがいたの?と驚きと新鮮な感動。
アカハラには、今シーズン何回か出会っている。しかし、撮影のチャンスは、意外と少ない。先日、トウネズミモチの実を啄ばむアカハラに出会ったときも嬉しかった。
鳥との出会いは、いつも新鮮で、心弾むものである。
今日は、深深と冷え、手袋をしていても指先の感覚がなくなるほどである。寒さに弱いので、迷った末、近くの公園の様子を見に出かけることにした。
久しぶりの公園は、静かだった。それでも、鳥見らしい人の姿と散歩の人の姿が見えたので、寒々とした光景に、ぽっと灯りがついたようで、嬉しくなった。
小さな公園だが、折々に、鳥の姿を楽しむことが出来、私の好きな公園のひとつになっている。ツグミは、ずいぶんたくさん姿を見せ、シロハラ、メジロ、シジュウカラ、コゲラ、シメ、アオサギが、わずかの間に、登場し楽しませてくれた。
羽繕いをしているツグミの姿とほんのりピンク色をした梅の蕾が、心和ませてくれた日曜日の朝のひとときだった。
キュンキュンキュンキュン。鳴き声と共に、朝日を受けてカラスの群れが、次から次へと飛んでくる。まるで大空の中から湧き上がるようなコクマルガラスとミヤマガラスの群れ。実に壮大で見事なシーンである。
今朝、久しぶりにマガンとシジュウカラガンのいる池を訪れた。到着と同時に思いがけず出会ったコクマルガラスとミヤマガラスの群れ。一瞬、青空が、黒くなるほどの大きな群れであった。
その群れが通り過ぎ、静かになったとき、前方に見える芝生に目を移すと、マガンとシジュウカラガンが、仲良くお散歩をしている。ぴったり息の合ったカップル。ほのぼのと温かい雰囲気が辺りに漂い、しばし寒さを忘れさせてくれる。
前回、訪れたとき見られたミコアイサの姿はなく、オナガガモ、ハシビロガモ、ヒドリガモ、コガモ、オオバンなどが、ゆったり泳いでいた。
♪フィーフィー♪フィーフィーどこからか口笛に似たウソの鳴き声が聞こえてくる。ウソの鳴き声を初めて耳にしたのは、かなり以前のこと。場所は、神奈川県の21世紀の森であった。初めて訪れた場所で、初めて聞いたウソの鳴き声。今でも、あの日の光景が、鮮やかによみがえってくる。
今日、枯れたアジサイの上で鳴いているウソに出会った。♪フィーフィー♪フィーフィー爽やかな声だが、少し寂しそうな感じに聞こえてくる。鳴き声がやむと、今度は、枯れたアジサイの花を啄ばんでいる。その姿は、実に愛らしい。
春先、桜の蕾を啄ばみ、お花見が出来なくなることもあるというウソ。時には、嫌われ者のウソだが、枯れたアジサイの花なら、どんなにたくさん啄ばんでも誰にも嫌われることもない。1羽で、ちょっぴり寂しそうに見えたウソ。いつまで楽しませてくれるのだろう。
大磯の海岸で出会ったことのあるアオバト。かなり遠くから海水を飲みに飛んでくると聞いている。波が砕け散る中、海水を飲む姿は、一歩間違えば命を落としかねない必死の姿である。地元の方のお話では、現に波にのまれて落命したアオバトの気の毒な姿を見ているとのこと。何とも胸の痛む話である。
そのアオバトに、今日、思いがけず出会った。今までも、公園などで見かけたという話を聞いたことはあるが、私が今までに出会ったことがあるのは、岩礁に海水を飲みに降り立ったアオバトだけである。
以前、八千穂高原のペンションに泊ったとき、オーナーから、アオバトの声を良く聞くことがありますよと教えていただいた。海辺でなく林の中とか、公園などで、是非、アオバトに会ってみたいと願っていた夢が現実のものとなった。やはり夢は持つものである。これからも夢を見続けたいと思う。
霧の中から聞こえてきたのは、イカルの声だった。あれは、いつだったろう?湖畔に沿って歩いていたとき、林の奥の方から、神秘的な声が聞こえてきた。霧が立ち込め、視界が遮られているので、その声の主がわからず、ますます謎めいて、心が吸い込まれそうになった。あの日からイカルが大好きになった。
近くの公園に、立ち寄ることもあるが、なかなか出会いのチャンスに恵まれず、イカルに会いたいという気持ちがつのるばかり。今日、思いがけず、その願いがかなった。イカルの群れ。初めて見る光景に息をのんだ。
地面に落ちた木の実を啄ばんでいるイカルが、通りを歩いて来る人の気配に、一斉に飛び立つ。白い鳥の群れが、木々の間を飛び、青空に羽ばたく様は、とても見ごたえのあるものであった。
大きな大きなケヤキに飛んで来た2羽のイカル。あれは、5年前の夏、御岳に登った日のことだった。初めて見る鳥。あの日も嬉しくて夢中でシャッターを押した。今日、梅の木にとまったイカルを撮影しながら、霧の中で聞いたイカルの声と、初めて御岳で出会ったイカルのことを思い出していた。
静かな林の中には、木漏れ日が差し、時折、小鳥の姿が見え隠れしている。枯葉を踏む音に敏感に反応して松の木にとまったのは、ビンズイ。全部で何羽いるのだろう。飛び上がったとき、少なくとも7羽は、いたような気がする。
さっと目の前を横切ったのは、ルリビタキ。少し歩くと日当りの良いところに出た。今度は、ジョウビタキが現れた。メジロ、シジュウカラの声も聞こえてくる。
林の中をゆっくり歩く。切り株のところに何かが動くのが見えた。トラツグミだ!こんなところにいたの?枯葉の色とそっくり同じで、動かなければ、わからない。まるで忍者のようだ。枯葉の中でかくれんぼ。なかなか手強い相手だ。
木々が織り成す風景は、春・夏・秋・冬、それぞれに味わい深く、四季折々の変化を楽しませてくれるものである。春の芽吹き、夏の若葉、秋の紅葉。そして今、じっと寒さに耐え春を待つ木々の生命力を感じる季節である。
昨日の朝、初めて霧氷を見た。朝の光を浴びて、春を待つ木々が、氷の層をつけ、美しい輝きを見せている。それは、まさに幻想の世界であった。「霧氷」とか「樹氷」というのは、言葉の世界だけで、イメージが大きく膨らむものである。私の描いていたイメージとは、ずいぶんかけ離れた美の世界。写真に収めるよりも目に焼き付けて心に残しておきたい世界であった。
雪景色の中で出会った小鳥たちも、また寒さの中で力強い生命力を感じるものであった。まだ真新しい雪が小枝に積もって、所々には、芽吹きを待つ木々が見られる。時折、起こる風に小枝の雪が舞う様は、桜の季節に、はらはらと散る花びらを見ているようで、ひととき寒さを忘れさせてくれるものであった。
寒さにじっと耐え、春を待つ木々。雪の中で元気に飛び回るヤマガラ。体を膨らまして雪の積もった小枝にとまっているアトリ。しきりに上空の猛禽を気にしていたミヤマホオジロやカシラダカ。何度か姿を見せてくれた幼い顔立ちのシメ。
雪景色の中での鳥たちとの出会いは、心を温め、思い出のページを大きく大きく膨らませてくれた。ご一緒させていただいた皆様、たいへんお世話になりありがとうございました。
冬の出会いで、もう一つ楽しみなのは、ミヤマホオジロ。この鳥は、不思議な魅力を持っている。初めてミヤマホオジロに会ったのは、3年前の1月。カシラダカに似ているが、会った瞬間の感激は、今でも忘れられない。
ミヤマホオジロのどこが魅力なの?と問われれば、返答に窮してしまう。でもミヤマホオジロが、自分の視界に入った瞬間、緊張し、心ときめいてくることは確かである。黄色と黒のコントラストが、お洒落なイメージの♂に比べれば、♀は、ぐっと地味である。でも温かみのある顔立ちが、私は好きである。
沼のほとりの光景は、静かに座り込んで、しばらくじっと眺めていても、特段変化を見せるわけではない。それでも沼のほとりに足を運ぶのは、冷たい風が吹く日でも、ほっとする空間をいつも残していてくれるからだ。
澄み切った青空の日には、湖面が爽やかなブルーになる。その湖面に弧を描くように泳いで行くミコアイサの姿は、まるで一艘の小船が、大海原に船出をしていくようだ。そして冬の柔らかい日差しを浴びて、ヨシガモ、コガモの緑が、より鮮やかに見えるのも嬉しい光景だ。
潜水しては、時折、姿を見せる赤い目のハジロカイツブリ。いつの間にか目の前に姿を現すことがあって驚かされる。ここには、この季節には、珍しくカイツブリの親子が住んでいて、ハジロカイツブリを追い立てることがある。突然、ハジロカイツブリが走り出すことがあるが、それは、カイツブリに追い立てられた時だ。生意気にも子供のカイツブリがチョッカイを出すこともある。流石にお人好しのハジロカイツブリも、この時は、毅然とした態度をとっているのが面白い。
こんな光景を眺められる沼のほとり。温かみがあって、小さな変化にささやかな喜びを感じる。私の好きな空間だ。
晩秋から寒さに向かって会いたい鳥のひとつが、ルリビタキ。いつも出かける公園で、例年、簡単に出会えたのだが、今シーズンは、少々時間がかかった。でも一度会えると不思議に次々とチャンスが巡ってくる。
すっかり葉を落としたブルーベリーの木にルリビタキがとまってくれるとは、思ってもいなかった。ブルーベリーの紅葉は、その色の鮮やかさが、忘れられないほど美しく見事なものだった。あの鮮やかなブルーベリーの赤い葉を忘れ難くしたのは、鳥との出会いの少ない日に心を明るくしてくれたからだ。
思い出のブルーベリーにとまったルリビタキは、青い色が、少し浅い感じがするが、偶然とは言え、嬉しい出会いだった。その上、すぐ近くには、もう1羽のルリビタキがとまったのだ。もう1羽は、♂の若かと思っていたが、これほど近い距離で、争うこともなく平穏な姿を見ると、どうも♀なのではないかと思われた。
「青い鳥」。そう小さくつぶやくと、幸せの翼をつけて、嬉しい出会いをたくさん運んできてくれそうな気がした。
シーズン毎に会いたい鳥がいる。まずはルリビタキ。今シーズンなかなか出会えないと思っていたのだが、初撮りに出かけた公園で、2羽のルリビタキに出会い、続いて松林の中で綺麗な成鳥♂に出会い、昨日は、森の中で2羽のルリビタキに出会った。出会いとは、不思議なものだと何時も思う。
晩秋から寒さに向かってベニマシコも気になってくる。6月に訪れた北海道で、真っ赤なベニマシコを見ているのだが、やはりこの時期、ベニマシコに会いたい。昨年末に沼のほとりで、声をたよりにベニマシコ(♀)を見つけることが出来たときの嬉しさは格別だった。知人のご好意で、セイタカアワダチソウの中のベニマシコ(♀)も撮影出来た。でも、なかなか赤いベニマシコに会えない。
昨日も、ほんの少し前に撮影されたという雌雄2羽並んだ、素敵な画像を見せていただき、ますますベニマシコに会いたくなってくる。私の夢の中では、ベニマシコがセイタカアワダチソウのふわふわの綿毛を啄ばんでいるのだが。
今日、思いもかけず、あのフィッフィッという声を聞いた。それもかすかな声ではなく、頼もしいほど力強いものだ。でも声だけで、なかなか姿が見えない。しばらく待ってようやく願いが叶った。会いたかったベニマシコ。待つ時間が長かっただけに嬉しさは格別だった。
今日は、寒さを感じる一日だった。やはり1月。これが本来の冬の気温なのかもしれない。所用があり、スタートが遅かったが、今日も林に向かった。
到着早々、ルリビタキの声が聞こえ、声のする方角を探すと、込み入った枝の奥にルリビタキの姿が見えた。そのルリビタキが、あちこち枝を飛び歩き、わずかに葉の残ったブルーベリーの木にとまった。すると、もう1羽のルリビタキが現れて、すぐ近くのブルーベリーの木にとまった。一度に2羽のルリビタキを見たのは、初めてなので少々慌てて結局あまり良い写真は撮れなかった。
偶然出会った知人からベニマシコも見られると教えていただき、急いでポイントに向かったが、時すでに遅し。双眼鏡を持った方の「先程まで大サービスだったのですが。」との言葉にがっかり。でも次回の楽しみということで、また林に戻った。
林に戻ると、また知人に声をかけていただき、今度は、ミヤマホオジロを待っているとのこと。鳥を待っている間に体の芯まで冷えてきたが、ミヤマホオジロの姿を見た途端、体に熱い物が走った。ミヤマホオジロは、何度出会っても魅力的な鳥で、いつも心ときめき、すぐにまた会いたくなってしまう。近いうちにまた、会いに出かけよう。
今日も穏やかな一日だった。どこに行こうかと少々迷ったが、昨日、林で出会った小鳥たちの動きが、とても新鮮に感じられたので、今日も、林に向かった。
今日は、昨日より少し早めに到着。朝の光が、林の中に差し込んで、やさしい雰囲気の中、鳥たちとの出会いを楽しんだ。枯葉を踏んで歩くとカサコソと音がする。その音で、飛び立った鳥がいる。ビンズイだった。いったん木にとまっても、また、降りてきて、熱心に採餌している。じっと良く見ると、ずいぶんたくさんのビンズイがいることがわかった。
ヤマガラの声がして、松の木のところに姿を現した。昨日、ずいぶん高いところにいるヤマガラを見ただけだったが、今日は、地面に降りて採餌しているところを、ゆっくり観察することが出来た。今シーズンは、ヤマガラとの出会いが、少ないので、愛嬌のあるヤマガラの表情が、殊更、いとおしく思われた。
コゲラやメジロ、シジュウカラ、シロハラなども、姿を見せたが、カメラマンの方の姿もちらほら見え始めたので、林を後にして、沼のほとりに向かった。
新年になってから、ずっと晴天続き。今日も、穏やかな日差しの中、ゆっくりのんびり鳥達との出会いを楽しんできた。
今日は、林の中を歩いてみた。林の中は、シーンと静まり返っていて、鳥たちとの出会いは、期待できないかもしれないと一瞬、不安がよぎった。しかし、ほどなくピンクの花咲くサザンカの中から、エナガとメジロの声が聞こえてきた。姿も見え隠れしていて一安心。
カサコソと枯葉を踏んで歩くと、前方にシロハラの姿が見えた。公園で出会うシロハラは、地面の上の姿が多いが、今日、林の中で出会ったシロハラは、枝にとまっていることが多かった。相変わらず林の中は、静かだ。
ツィーツィーと声がして、松の木にヤマガラの姿が見えた。見上げるように高いところだけれど、カメラを向けた。ふと視線を落とすと、ルリビタキがとまっている。嬉しくなって夢中でシャッターを押した。公園で出会うルリビタキより、遥かに動きが速くて、その動きに少々戸惑ったが、これが自然の姿なのだと妙に納得して林を後にした。
久しぶりに訪れた沼のほとり。湖面を渡る風は冷たいが、それがかえって心地よい。前回、訪れたときには、ホオジロの姿をたくさん見かけたのだが、昨日(1月3日)は、ほとんど小鳥類を見かけることがなかった。
新春の風の音に、静かに耳を傾け、湖面を見つめる。ヨシガモの雌雄が、何組も見える。ナポレオンハットの光沢が、前回訪れたときより鮮やかに見え、そののどかな光景をしばし佇んで眺めた。
ハジロカイツブリにも出会った。ハジロカイツブリには、今まで何度か出会ったことはあるが、昨日は、あの独特の赤い目を、すぐ近くで見ることが出来た。その上、頭を掻くポーズをとってくれた。その姿は、とてもユーモラスで、まるで新年会の余興でもしているかのように見えた。
沼のほとり。風は冷たいが、ほのぼのとした温かみのある光景が、私は好きだ。
今日は、新春らしい穏やかな一日だった。昨日は、公園の鳥たちとの出会いを楽しんだので、今日は、ホーム・フィールドの田んぼを回ってみることにした。
新春の柔らかい日差しを浴びた田園風景は、温かく心和むものである。枯れたセイタカアワダチソウや二番穂にとまるカワラヒワ。めっきりその数が少なくなったスズメ。乾いた土の上では、ことさら赤味を帯びて見えたホオジロ。林や公園で見かける木どまりのホオジロと違って、今日は、その姿が、一層愛おしく思われた。
尾を振り振り動き回っているのは、タヒバリ。乾ききった田んぼの土の色と同化して、じっくり観察しないと、見落としてしまいそうである。車が砂利をはじく音で、飛び立ったタヒバリの数の多さに思わず驚く。わずかに緑の見える田んぼにヒバリの姿も見えた。寒い冬を過ぎ、暖かい春になれば、ヒバリのさえずりで、田んぼは、賑わうことだろう。
枯れた葦原の前に突き出したように立っている棒にとまっているのは、ノスリ。ちょと距離があるけれど、迷わずシャッターを押す。近くの畦にいるのは、ツグミ。よく見かけるツグミだが、なかなか撮影する機会に恵まれない。
田んぼを一回りしての帰り道、ふと土手を見ると、何かが、じっと田んぼを見下ろしている。その距離、およそ10m。可愛い顔のチョウゲンボウだ。思いがけない出会いに思わず緊張する。何枚かシャッターを押すと、ふんわりと飛んで、柔らかい日差しの中に吸い込まれるように姿を消した。
のどかな田園風景は、心を和ませ、元気を与えてくれる。新春の田んぼで出会った鳥たち。また思い出のページが膨らんだ。
元旦は、終日自宅で過ごしたため、今日から2009年の鳥撮りのスタート。今年は、どんな鳥たちとの出会いが待っているだろうか。そんなことを考えながら、久しぶりに電車に乗って近くの公園に向かった。
最初に出迎えてくれたのが、カワセミ。目の前をコバルトブルーの鳥が飛び、先ずは、幸先の良いスタートである。カワセミに出会うと何故か嬉しい。この鳥の翡翠色に心惹かれるからであろうか。葦原の中から聞こえてくるのは、ウグイスの地鳴き。忙しく動き回る姿が、見え隠れしている。
林縁に沿って、動いている鳥は何だろう?暗いので、すぐにはわからなかったが、ミソサザイだった。暗いので、撮影にはいつも苦労するが、会えるとやはり嬉しい。近くの小さな流れの所には、キセキレイの姿も見えた。
茂みの中からぱっと飛び出したのは、アオジ。今日、アオジとの出会いは、何度かあったが、すぐに葦原の中に姿を隠してしまう。アオジを見失って、がっかりしているとカシラダカが、近くに現れた。アオジに比べると、ずいぶん警戒心が薄い。じっくり観察するとカシラダカの語源が、良く分かる。今日は、なるほどと思って何度も感心して見入ってしまった。
ジョウビタキ(♀)が、愛想良く近くの木にとまった。このジョウビタキは、散歩の人が、通り過ぎても、レンズがたくさん向けられても、平然としている。実にサービス精神旺盛である。この公園では、カワセミも愛想が良い。今日は、何度も目の前を飛び、美しいコバルトブルーの色を楽しませてくれた。
今日、一番会いたかったのは、ルリビタキ。簡単に会えると思っていたのに、なかなか会えない。でも、この公園に来られる方は、親切な方ばかり。何人もの方が、「こっちにルリビタキがいますよ。」とお声をかけてくださった。心優しい方達ばかりなので、鳥たちも笑顔を見せてくれるのかもしれない。
新春の公園では、たくさんの鳥たちと、心優しい方たちとの出会いが待っていた。今年も楽しく心に残る鳥見が出来そうである。
昨年は、体調がいまひとつでしたが、たくさんの鳥たちとの出会いに励まされ思い出多い年となりました。
都市公園で出会ったコノドジロムシクイ、その動きの速さに振り回されたカラフトムシクイ、初めて訪れた与那国島で出会ったクロジョウビタキやオオチドリ、真っ黒な夏羽のツルシギ、銚子のウミバト、三番瀬のカラフトアオアシシギ、巣立ち直後のアオバズク、銚子で出会ったシロエリオオハムやハシジロアビ、東京港野鳥公園のシベリアオオハシシギ、悲しい思い出となったコキアシシギなどたくさんの鳥たちとの出会いがありました。
皆様方のお力をお借りしてHP「九羽の白鳥」の更新を重ねることができましたこと厚く御礼申し上げます。今年もたくさんの鳥たちと出会いたいと願っております。本年も皆様方のお力添えをいただきながらほのぼのとした雰囲気のHPが続けられるよう努力してまいりたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
◇◇ これまでの 『とりどり日記』 ◇◇ | ||||||||||||
2005年 | 1 - 2 | 3 - 4 | 5 - 6 | 7 - 8 | 9 - 10 | 11 - 12 | ||||||
2006年 | 1 - 2 | 3 - 4 | 5 - 6 | 7 - 8 | 9 - 10 | 11 - 12 | ||||||
2007年 | 1 - 2 | 3 - 4 | 5 - 6 | 7 - 8 | 9 - 10 | 11 - 12 | ||||||
2008年 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
2009年 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
(戻る) | (Home) |