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「目に青葉、山ほととぎす、初がつお」5月と言えば、やはり青葉、若葉。新緑に映える山並みを思い描き、出来れば、新緑の中で鳥たちとの出会いを楽しみたいと思う。
5月24日。ご厚意で案内してくださる方があり、木々の芽吹きがまだ、真新しい信州を訪れた。前日に降ったという雪が、浅間山の山肌を覆い、雲海がたなびく。雨が降る中ではあったが、早速、鳥見のポイントに案内してくださった。ここでは、ホオアカを何個体も見かけた。距離はあったが、ノビタキにも出会った。雨に濡れたツバメが2羽、枯れ草に止まっている姿が、今でも目に焼き付いている。モズも2羽見かけた。オオジシギの声を聞いたが、姿を見ることは出来なかった。ここでは、アオゲラ2羽にも出会った。
青葉、若葉の森も案内していただいた。ここで一番鮮烈な思い出となったのは、静かな森に響く、フクロウの声である。明るい時間に新緑の森でフクロウの声を聞く至福。今までフクロウは、見るという印象が強かったので、静かな森で聞くフクロウの声は、実に厳かで神聖なものに思えた。オシドリとの出会いも嬉しかった。アカゲラ、キビタキにも出会った。動きの速いヤマガラにも出会った。
若緑の美しい信州で、たくさんの鳥たちとの出会い。思いがけず出会ったカワラヒワの巣立ち雛。新雪で雪化粧した浅間山。八ヶ岳の峰々も美しく心に残るものとなった。
昼食のために立ち寄った公園で、思いがけず、カワラヒワの巣立ち雛に出会った。最初、新緑の木立から見慣れない鳥が、ワァーと飛び立ち、もしや珍鳥?と一瞬、体が硬くなった。飛び立った先を目で追うと、それは、まぎれもないカワラヒワである。そのとき、全身が良く見えたのだが、あいにく、カメラを持っていなかった。
急いでカメラを取りに戻ったのだが、葉の陰に入ってしまって撮影困難。親鳥が来て給餌するシーンも枝かぶり、葉かぶりで、どうにもならない。巣立ち雛の縞模様が、何とも新鮮な、信州での出会いのひとこまである。
キビタキには、今シーズン、何度か出会う機会があった。最初は、渡り途中の公園で。次に出会ったのは、水が静かに流れる沢の近くで芽吹きの木にとまったキビタキ。先日、訪れた高原では、しきりにヤブサメの声が聞こえる川沿いの道を歩いているとき、すぐ目の前の小枝にとまって、ゆっくり観察させてくれた。
信州の森の中でも、キビタキに出会った。雨上がりで、木々がしっとり濡れている。まだ柔らかい新緑に、かすかに陽が差して、若緑の美しさを際立たせている。そこにキビタキが現れた。雨上がりの静かな森での嬉しい出会いのひとこまである。
雨のあがった静かな森を歩いていると、何やら1羽の鳥が飛んできて、木の根元近くに降りた。湿った草地のところで、しきりに餌取りをしているような雰囲気。ファインダーを通して見るとアカゲラだった。かなり距離があったが、アカゲラとの出会いが嬉しくて、シャッターを切る。
しばらく様子を見ていると、草地を少しずつ歩きまわり、ヒョイと木に飛び移った。今度は、雨で湿った木肌を、くるくると器用に上っていく。ほんの短い時間であったが、雨上がりの静かな森で、心弾む出会いであった。
初夏の信州。心惹かれる言葉である。初夏の信州では、草原だけでなく、しっとり雨に濡れた森も案内していただいた。いつの間にか雨は上がったが、気温が低いためだろうか、鳥の声が聞こえてこない。実に静かな森の中である。少し歩いて草花に目を留め、立ち止まると♪ホーホーとフクロウの声が聞こえてくる。心地よい響きである。
この森の中で、思いがけずオシドリに出会った。近くには、カルガモが2羽いて、オシドリも安心するらしい。かなり近づいてきてくれた。以前、訪れた信州では、遠い遠いオシドリをかろうじて撮影した記憶がある。静かな森での嬉しい出会いのひとこまである。
新雪を抱いた浅間山を見ながらの鳥見は、実に贅沢であった。5月のこの時期に、浅間山が雪化粧をするというのは、実に珍しいことであると地元の方に教えていただいた。そこには、凛とした美しさがあった。
雨降る中、車で案内していただいていると、くすんだ緑色をした鳥が草むらから飛んで近くの木にとまった。一瞬、アオバトかと思ったが、それは、雨に濡れたアオゲラであった。そして、ほどなく、もう1羽が隣の木に飛んできた。一面、草原という感じであったので、2羽のアオゲラに出会うとは、とても意外で、鮮烈な思い出となり深く心に残るものとなった。
雨が降る中ではあったが、ご厚意で案内してくださる方があり、初夏の信州を訪れた。前日降ったという新雪が、浅間山をすっぽり包み、そこに雲がたなびく。平地で暮らす者には、まるで別世界。心洗われるような美しさがあった。
最初に出会ったのが、ホオアカ。冬の間、私の良く出掛ける田んぼで出会うことはあるが、初夏、ホオアカに出会ったのは、初めてである。そして初めて囀りを聞いた。その姿は、まるでホオアカがのど自慢で得意の歌を披露しているという雰囲気で何とも嬉しい。冬仕度で鳥見をするほどの寒さであったが、心も体も温かくなった。
吹く風が心地よい季節となった。田んぼの早苗も日毎に伸びて、弱弱しかったイメージが、少しずつ逞しさを増していくような気がする。
連休の頃から、見かけていたアマサギ。遠くに見るだけで、なかなか撮影の機会がなかったのだが、今朝、ようやく、その機会が巡ってきた。畦に休んでいるのは、アマサギ2羽。3羽は、水田に降りて採餌している。そのアマサギのところを緑の田風が吹き抜ける。5月の風は、心地よい。
一昨日訪れた高原では、半袖姿の人も見られるほどの天候であったが、今日は、肌寒いほどのお天気。薄手のセーターを引っ張り出す有様である。
雲が厚く、時折、霧雨がぱらつく中、田んぼを一回りしてきた。♪ギョギョシ♪ギョギョシの声が響き渡る。5月に入ってから、ずっと気になっていた、この声。声は、聞こえるのだが、なかなか姿が見えなかった。今日は、肌寒い天候にもかかわらず、真っ赤な口を大きく開けて♪ギョギョシ♪ギョギョシと鳴く姿を見せてくれた。
♪ギョギョシ♪ギョギョシの声を聞くと、「夏の訪れ」を実感する。
田んぼで見られるシギ・チも、ずいぶん少なくなってきた。とは言え、まだ、ムナグロ、キョウジョシギ、キアシシギ、ハマシギ、チュウシャクシギなどは、見られる。しかし、何故か、コチドリには出会わない。
いつもと違う田んぼを、ひと回りしていると、農道に1羽のコチドリの姿を発見。たった1羽のコチドリなのだが、心が弾んだ。そのコチドリが飛んで、水田に入り、採餌し始めた。ゆっくり、ゆっくり辺りを見渡しながら。5月の田んぼは、長閑である。
春から初夏にかけて、田んぼで出会う機会の多い鳥のひとつがキジである。先日、畦の上を歩いている♂キジ1羽と2羽の♀キジを見た。道路を横切るキジを目撃することも、しばしばである。
ほろ打ちするところを、しばらく見ていないので、その機会を待っていたところ、ようやく、その機会が巡ってきた。畦の上にいたキジ♂が、少しずつ、こちらに向かってくる。立ち止まっては、様子を伺うような雰囲気。突然、ケン、ケーンと鳴いて、羽を広げた。そして、最後に思いがけずジャンプ。今まで、ほろ打ちは、何度も見たことはあるが、ジャンプするのは、初めて。何だか不思議な嬉しさが込み上げてきた。
♪チョットコイ♪チョットコイ♪チョットコイ この鳴き声は、聞く機会が多い。それは、コジュケイの声。しかし、姿を見る機会は、案外少ない。以前、里山で5羽のコジュケイを見たことがあるが、すぐに茂みの中に姿を隠してしまった。
先日、田んぼ巡りをしているとき、思いがけず、2羽のコジュケイに出会った。草の陰に隠れ、なかなか姿が見えない。それに後ろ姿ばかり。何枚かシャッターを切ったのだが、何とか姿がわかるのは、たった1枚。田んぼで出会ったコジュケイ。思いがけず嬉しい出会いであった。
天気予報によれば、今日は、6月並みの気温になるという。そろそろシギ・チの渡りも終盤戦。田んぼの様子が気になり、田んぼ巡りをすることにした。
最初の田んぼは、広い田んぼに、4羽のキョウジョシギを確認するのみ。しばらく車を走らせるが、早苗の揺れる田んぼが、続くばかり。シギたちは、移動してしまい、こんなに寂しい田んぼになってしまったのかとがっかりしていると、頭上を大きな群れが飛んだ。チュウシャクシギだった。その群れが、田んぼの畦に降り、やがて水田に入って採餌し始めた。
蓮田の方も回ってみたが、バン、アオサギの姿を確認するのみ。そのとき、さっと飛んできた鳥がいた。とっさに「ツバメチドリ!」と思ったが、自信がない。しばらく待つと、また、その鳥が戻ってきて、上空を飛び回る。やはりツバメチドリだった。着地は、確認出来なかったが、久しぶりに嬉しい出会いであった。
風薫る季節。木々の緑もまばゆい。今年は、気候が安定せず、例年より気温の低い日が続いたためだろうか。桜の開花もずいぶん遅かった。そしてフクロウの巣立ちも遅く、まだ巣箱の中で、その日を待っているフクロウもいるという。
有名な神社を散策していたときのこと、カラスの鳴き声を間近で聞いた。その声は、ずいぶん幼い印象で、近くの木を見上げると真っ赤な口をあけて鳴いているカラスの姿があった。近くにいた茶店の方が、「親鳥が、先程、餌をあげていましたよ。」と教えてくださった。まだ巣立ちして間もないらしい。幼子が母親を慕って「ママー!」と呼んでいるような雰囲気で、何とも微笑ましい。普段、レンズを向けることのないカラスだが、夢中になってシャッターを押した。
♪ジェー♪ お世辞にも綺麗な声とは言えないが、その声の持ち主の姿は、なかなか綺麗で人気がある。その名は、カケス。高原では、カケスにも出会った。
カケスの声は、近くの公園や林で、何度も聞く機会があるが、案外、姿を見せてくれない。姿が見えても枝かぶりだったり、顔が見えなかったり。でも高原で出会ったカケスは、なかなかの愛嬌者。あの美しい羽の色をじっくり見せてくれた。
東京近郊の公園で見られる渡りの鳥たちも、一段落といったところだろうか。その渡りの鳥たちが、高原に姿を見せているようなので、出掛けてみた。
近くの公園で、鳴き声だけで、とうとう姿を見つけることが出来なかったキビタキ。もう一つの公園では、遠い遠いキビタキをかろうじて撮影した、あの苦労。高原では、すんなり姿を見せてくれた。この日、体の芯まで冷えるほど寒かったが、鳥との出会いが、体を心を温めてくれた。
春の渡り、秋の渡り。シギ・チに関心を持つようになって田んぼ巡りが、楽しみになった。もちろん干潟で見られるシギ・チにも関心があるのだが、震災の影響で三番瀬は、立ち入り禁止になり、干潟に出掛ける機会が少なくなったのは、残念である。
先日、蓮田で出会ったのは、夏羽に換羽中のエリマキシギ♂。じっと座って待っていると、かなり近づいて来てくれた。近くには、♀のエリマキシギ2羽がいて、何とも微笑ましい光景であった。シギの中でも、私の大好きなエリマキシギ。どんよりと雲の厚い日の出会いであったが、ほのぼのと嬉しい出会いであった。
シギ・チの渡りもピークを過ぎて、田んぼで見られるシギたちの姿がずいぶん少なくなってきた。とは言え、ムナグロとの出会いは多い。キョウジョシギ、キアシシギもちらほら見える。
干潟では、出会いの機会が多いハマシギに、早苗の揺れる田んぼで出会った。広い広い水田に、ハマシギが2羽。1羽は、すぐに移動してしまったが、1羽が、ゆっくり観察、撮影させてくれた。早苗の揺れる田んぼで、夏羽のハマシギとの出会い。心和むひとときであった。
雨が降り続いたあと、ようやく晴れ間が見えてきた。5月も半ばというのに、肌寒い日があったりで、戸惑っていたが、今日は、日差しが出てくると、汗ばむほどの陽気。やっと本来の5月の天候ということだろうか。
先日、田んぼで出会ったタシギ。1枚の田んぼに6羽のタシギがいたが、すぐに飛んでしまったタシギもいて、ゆっくり観察出来たのは、1羽だけ。田植えの済んだ後の水田で出会うと、それが、どんなシギであっても嬉しい。簡単に出会えそうで、案外出会えないのがタシギである。
田んぼの季節。私は、春と秋のシギ・チの渡りを、とても楽しみにしている。ちょうど連休の頃が、ピークなのだろうか。ところが、今シーズンは、何とも寂しいシギたちの動向である。とは言え、ムナグロ、キョウジョシギの大きな群れには、ずいぶん出会った。チュウシャクシギをあちこちで、見かけたのは、今までにないことである。
地味で目立たず、いつでも出会えそうなのが、タカブシギ。ところが、今シーズン、タカブシギとの出会いが、なかなか巡ってこなかった。昨日、雨の中、回った蓮田で、久しぶりに数羽のタカブシギの姿を観察。他のシギとの出会いが、なかっただけに、一層、嬉しさを増した。久しぶりのタカブシギ。雨の日の蓮田のひとこまである。
天気予報通り、終日、雨となった。雨の日も、スズメは、元気に飛び回り、ベランダ近くの夾竹桃にとまっている。
かなり遅い出発だったが、今日も田んぼを回ってみた。小ぬか雨というのだろうか。今日の雨は、ずいぶん細かく、しとしとと降り続く。田植えの済んだ水田で、綺麗な緑色のカモの姿が見えた。ハシビロガモだった。今まで5月にハシビロガモを見たことはなかった。しかも、若緑の早苗が揺れる田んぼで。♀も近くにいたが、餌取りに熱心で顔をあげてくれない。雨の中の出会い。ささやかだが嬉しい出会いであった。
曇りがちながら、何とかお天気が持ちそうなので、田んぼを回ってみることにした。あちこちの田んぼに水が入り、ほとんど田植えも済んでいるようだ。まだ早苗が、か細く、田風に揺れている様は、何とも頼りなげであるが、早苗の揺れる田園風景は、何とも心安らぎ、私の大好きな光景である。
ムナグロとキョウジョシギは、ずいぶん、あちこちの田んぼで見かけた。チュウシャクシギも、単独で行動しているものもあれば、10数羽で行動している群れもあり、チュウシャクシギとの出会いも多かった。前回、あまり出会いのなかったキアシシギが、今日は、14~5羽の群れで観察することができたし、ハマシギの群れも見ることも出来た。
畦の上で休んでいるキアシシギ。近くには、野の花が咲き、のどかで嬉しい出会いであった。
今年は、天候が不順で、5月も半ばを迎えたというのに、肌寒い日もある。そんな気象条件が影響したのだろうか。鳥たちの動きが、例年とは、違っているような気がする。
東京近郊の公園では、まだ、クロジが見られるという。もう、山に行っていなければいけない時期だと思うのだが、どうしたことだろう。今日は、新緑の木々の間を飛ぶヤマガラを見た。もっとも、近くの公園では、ヤマガラが繁殖しているという話を聞いたことがある。地球が変わり、だんだん植物や鳥たちが生きるための環境が変わってきているのかもしれない。
今年は、例年より気温の低い日が続き、桜の開花もずいぶん遅かったし、鳥たちの移動も遅れているようである。私の好きな田んぼも、田植えが済んでいるところもあったり、まだ準備中のところもあったり、やはり気候の影響なのだろう。
先日、田んぼを回っているとき、田起こしして乾いた土の塊が、たくさん見えるところにムナグロやキョウジョシギの群れが舞い降りた。彼らは、そこで休息するようである。土の中に潜り込むようにしているので、一見、何もいない田んぼに見える。その中に、ハマシギの姿を発見。まるでカクレンボをしているかのようだ。こうして彼らは、危険から身を守り、中継地を経て渡っていくのであろう。
田んぼの季節。田植えが済んだあとの田んぼは、何とも清々しくて私の好きな光景である。今年は、3月11日の巨大地震の影響で、田んぼが液状化し、田植えもままならない地域もある。何とも胸の痛いことである。例年なら、たくさんのシギ・チが飛来しているはずの田んぼも、ごくごくわずかのシギたちの姿が見られるだけという。
そのような中で、比較的近くの田んぼに、ムナグロやキョウジョシギの姿が、群れとなって飛んでいるのを見るとほっと安心し、また、嬉しくなる。田んぼの畦で、ムナグロとキョウジョシギが休んでいる姿は、何と言っても嬉しい光景である。
今日も、曇りがちのすっきりしないお天気。午前中、今日も近くの田んぼを回ってみた。まず最初に回ったところでは、早苗の揺れる田んぼに、ムナグロとキョウジョシギの群れ多数を観察。道路の奥まったところには、アマサギ3羽の姿。今シーズン初めての出会いなので、写真を撮りたかったが、交通量もあり、車をとめるわけにもいかず、通りすがりに観察するのみ。
次に回った田んぼには、到着に合わせるようにムナグロ多数の群れが乾田に舞い降りた。このタイミングがあったからこそ、ムナグロ、キョウジョシギ、ハマシギ、キアシシギ、ウズラシギの群れを観察することが出来た。シギたちが、乾田の中に身を潜めるように休んでいると、ちょっと見ただけでは、わからない。
なかなか鳥たちの動きがないので、辺りの田んぼを回ってみると、水田にウズラシギの姿を発見。それも、いつの間にか3羽が並んで採餌し始めた。今シーズン、初めての出会いである。今日も嬉しい出会いであった。
いつも5月の連休の頃に、田んぼは、シギ・チで賑わう。ずっと気になっていたが、今日、比較的近くの田んぼを数か所、回ってみた。最初に回ったところは、田んぼには、水がたっぷり入って、田植えが済んでいるろこともあるのだが、鳥の姿が全くない。アオサギ1羽を見つけたときは、ほっとしたくらいである。
次に回ったところは、ムナグロが100羽ほど。キョウジョシギも数羽交じっていたが、久しぶりに、たくさんのムナグロの姿を見て一安心。さらに、もう1か所回ってみると、チュウシャクシギ、キアシシギ、ムナグロ、キョウジョシギ、アオアシシギを確認。アオアシシギは、今シーズン初めての出会いなので、殊更嬉しい。早苗の揺れる田んぼで、アオアシシギが、ぐんぐん近づいてくる。嬉しい出会いであった。
風薫る季節。コイノボリが気持ち良さそうに5月の空を泳ぐ様は、何とも清々しい。つい先日まで、桜の花を愛でていた桜通りも、今では、緑の葉が色を濃くし、優しい春の色合いから、力強い夏のイメージへと変わってきている。
今朝、近くの公園に出掛けてみると、家族連れで、ずいぶん賑やかである。これでは、鳥との出会いは、難しいかもしれない。そう思いながらも、公園を一回り。シジュウカラとエナガの声は、聞こえて来た。しかし、他はひっそり。藤棚の藤が、見事で、その藤をゆっくり鑑賞し、もと来た道を引き返す。
林の方角から聞こえてくるのは、まぎれもなくオオルリの声。しかし声はすれども姿は見えず。しばらく立ち止まって探してみたが、声がぷっつり途切れてしまった。諦めて歩き始めると、公園の歩道沿いの高い木の上から、またしてもオオルリの声。頸が痛くなるほど高い木の上だが、何とか姿が見えた。今季初めての出会いである。オオルリは、元気いっぱい辺りに響き渡る美声を披露してくれた。
今朝の天気予報では、晴れのち曇り、夕方から雨とのことであった。空は、結構、暗かったが、天気予報を信じて、都市公園に向かった。途中から晴れ間が見えてくるかもしれないと期待して。
公園に着くと、ときどきお見かけする方が、ご親切に声をかけてくださった。「サンショウクイが1羽入っていますよ。昨日は、オオルリとかいましたが、今日は、サンショウクイだけ。1回、姿を見せたから、今日は、もう来ないかもしれないけれどね。」皆さんがレンズを向けている方角に飛んでくるという。しかし、空模様がだんだん暗くなり、雨が降る前のような風が吹き始めた。
一人、二人と帰り始めたとき、高い木の上に飛んできたのは、まぎれもなくサンショウクイ。かなり遠かったがシャッターを押した。そのサンショウクイが下の方に降りてきたのだが、葉かぶり、枝かぶりで、なかなか思うようにはいかない。旅の途中の鳥たちとの出会いは、なかなか難しい。
新緑の美しい季節となった。「目には青葉山ほとぎす初鰹」山口素堂のこの句が、今の時期の季節感を一番現してくれるような気がする。今日、訪れた公園は、カエデの緑が美しく、その若緑を愛でていると、目の前をさっと飛んで行った鳥がいた。ツツドリかホトトギスかカッコウか見極めることは出来なかったが、明らかにトケン類である。
5月の連休の頃は、ちょうど鳥たちの渡りの最盛期。オオルリやキビタキが、ずいぶん前からブログで見られるのだが、何故か私は縁がなくて、今日、初めてキビタキに出会った。公園の林の中で、良く通る声で鳴いている。声は、辺りに響き渡るのだが、遠い遠い枝にとまっていたり、葉かぶりだったり、撮影は難しい。でも、今季初めての出会いである。何とか撮れた1枚を出会いの記念にアップすることにした。
3月11日以来、心落ち着かない日々を過ごしてきたが、今日は、皐月。皐月の語源は、諸説あるが、早苗を植える月(早苗月)が略され、「さつき」になったとする説が、どうもしっくりするような気がする。早苗の植えられた田んぼの光景は、私は、大好きである。今回の巨大地震の影響で田植えも出来ない田んぼがあるのは、何とも胸が痛い。
皐月と言えば、もうひとつイメージするのが、新緑。新緑が美しい公園でエナガに出会った。エナガは、私の大好きな鳥で、何度出会っても夢中になってシャッターを押す。まだ巣立ちして、それほど日数がたっていないであろうエナガが、自分の力で虫をとっていた。それが「生きる」ということなのであろう。何とも感動的な場面であった。